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『暴動島根刑務所』『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ゲラゲラ♪赤いトラクターふじき★★★★★,★★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『暴動島根刑務所』
五つ星評価で【★★★★★松方弘樹の自由っぷりがたまらない】
松方弘樹脱獄三部作の二本目。
猥雑なエネルギーに溢れていて個人的にはこれが一番好き。
松方弘樹はバカで無鉄砲で、そんな悪い奴じゃないけど、反権力。
『脱獄広島殺人囚』は脱獄オタクの人生ドラマ。
『強盗放火殺人囚』は脱獄二人のバディー・ムービー。
『暴動島根刑務所』は気のいい兄ちゃんのギリギリ自由闘争ムービー。

高倉健は壊れ行く仁義の世の中で正義を貫く男、
菅原文太は壊れた仁義の世界で筋を通す男、
じゃあ松方弘樹はどういう男かと言うと、
クズだらけの世の中で頭が悪いながらも、世の楽しさをしゃぶりつくそうとする男、
かな? いや、ここんとこ何本か見ただけだから本当はもっと奥が深いのかもしれんが。
健さんや文太兄ぃに比べると、格段にレベルが一つ二つ落ちるっぽい。
でもぜんぜん庶民だ。SEXだって好きだ。
そんな松方弘樹が銀幕にとってもチャーミングなのである。

『暴動島根刑務所』はトンマな行為を幾つか積み上げて刑務所を一生のねぐらにしなければいけなくなった男が、自分の生活を守ろうとする階級闘争ムービーだった。おもろい。セクトの敵が佐藤慶、室田日出男、戸浦六宏、伊吹吾郎のリンチ看守軍団。セクトと看守の内通者だが、最後には手と手を取り合って脱獄する無敵の男に北大路欣也。欣也はこういう一見敵だが一本筋の通った硬骨漢とかが『ダイナマイトどんどん』よろしく、映える。

出番は少ないが、金子信雄が登場すると温かい笑いが起きるのはなんか嬉しい。もう、どの映画でも金子信雄は金子信雄でしかなくて、観客がみんなそれを歓迎している。
満席立ち見のシネマヴェーラにて楽しい映画でした。


◆『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』
五つ星評価で【★★使い捨ての美学】
主役が小林旭。今一ヤクザっぽくない。
助演が梅宮辰夫に成田三樹夫。
んー、そんなでもないかな。

成田三樹夫はいつも通り安定している。
おで、小林旭の良さが分からない人なのよ。
多分、旭の古い映画とか全く見てないから。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
暴動島根刑務所@ぴあ映画生活
日本暴力列島 京阪神殺しの軍団@ぴあ映画生活

『バーフバリ 伝説誕生』を新宿ピカデリー9で、オマケに『ラ、ラ、ランド』をトーホーシネマズ新宿4で観て、インド映画節全開とちょっと器用じゃんふじき★★★★,★★★

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▲バーフばりばり。
◆『バーフバリ 伝説誕生』
五つ星評価で【★★★★荒い荒い荒井注】
どっかーん ばっこーん ぐわんじゃー みたいな映画。
インド節炸裂が愉快愉快。
ググっと寄ってあからさまな百面相で感情を露わにして
見栄を切る様はインド歌舞伎のよう。
ミュージカルパートが割と現実に即して入っているので、通常のインド映画のように「あ、舞踏パートに入ったな」というスイッチをほぼ気にせずに見れた。この映画のダンスパートと『ラ・ラ・ランド』のダンスパートだったら、後者のダンスパートの方がより作為的で日常から乖離してるのではないか。まあ、あれはそういう飛躍を見せるための映画だから尚更なのだと思うけど。だから、インド映画で歌謡舞踏みたいなパートもちゃんと入っているのに、今までハリウッド映画しか見てこなかった人にもそんなに違和感なく受け止められるのではないかという気がする。

あと、要点だけ言うと、
・話がこれからと言う時に終わる。ぐおおおおおおおおお。
 全編じゃなく前編かよ、おい!
・一週間限定公開はしんどい。ぐおおおおおおおおお。
・攻めてくる黒んぼ軍団が、指輪物語のオークっぽく
 「人間の中で、これでもかと醜い人たちを集めてきた」風なのはちょっと感動する。
 親玉がフォレスト・ウィテカーぽい。
 後編で親玉の息子とかで本当にフォレスト・ウィテカー出てきたら受ける(かも)
・少なくとも『真田十勇士』なんかより、100倍くらい合戦が面白いし、
 合戦での戦略が描かれている。
・インド美女は相変わらず美貌がゴージャスな感じでいいなあ。
・あの戦いに行く前にカーリー神に血をかけていく、
 あのカーリー神がかっけーなー。
・エンドロールの手前でエンドテーマが終わってしまう映画、久々に見た。

こんなだろうか。
はよ、後編みたい。
まあ、ピカデリーさんは『RWBY』とかも、
ちゃんと3作公開したから、そのうち上映してくれると思うけど。
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▲野性的かつキュート。


◆『ラ・ラ・ランド』
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▲ここ、ここ。
五つ星評価で【★★軽く語ろう】
・エマ・ストーンがスカートの裾を掴んで行進するように踊るシーンがステキ過ぎ。
・ラ・ラ・ソープランドだったらステキだ。
・ラ・ラ・ラドンでもステキだ。
・アカデミーの作品賞でなくて、監督賞と言うのは至極妥当な評価。
・ゴズリングが本当のジャズではなく、歌謡シャズみたいなコンサートを開きながら
 いやいや生活を凌ぐみたいな描写が出てくるが、金を貰っているのなら
 ジャンルに関わらず全力で立ち向かえよと思う。自分に取っての好き嫌いはともかく
 「そんなにジャズが偉いのかよ!」と思わずにはいられない。


【銭】
『バーフバリ 伝説誕生』:前回有料入場割引+ネット割引で600円減の1200円。
『ラ・ラ・ランド』:東宝シネマズの鑑賞ポイントを6ポイント使って無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
バーフバリ 伝説誕生@ぴあ映画生活
ラ・ラ・ランド@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ラ・ラ・ランド@映画的・絵画的・音楽的

『劇場版トリニティセブン 悠久図書館と錬金術少女』を角川シネマ新宿1で観て、リビドー直結やなあふじき★★

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▲男一人にあと、みんな女(しかも全員、取り柄の良く分からない主人公をスキスキ)

五つ星評価で【★★おっぱいおっぱい】
5分でレビューを書く。それが今回の目標。元になるコミックス、TV未読・未鑑賞。チラシには「これが最後のトリニテイセブン」と書いてあるけど、見終わった後では続きそうな気配満々である。いや、これその物が外伝の位置付けだから、ひょっとすると正史のどこかに接続される終わり方だったりするのかもしれないけど、一見さんだからよう分からん。えーと、ハーレム・アニメね。主人公は魔王の血を受け継ぐ系で、努力せずとも膨大な力を秘めている。そこに現われる美女美女美女。多分、TVシリーズのうちに溜め込んでいたのだと思うが「トリニティセブン」の7人の美女以上に4、5人主人公の近くにクネクネ身体を動かす美女がうろついている。この全員が主人公に悪い気はしていず、常に乳くらい揉まれたいと思っている。何て簡単な世界観だ。主人公も何の根拠があるのだか分からないが自信を持っていて、彼女たちが絶対自分を嫌わないと確信している。ええなあ、一元論的世界観で。主人公には何一つ葛藤がない。いや、この世界観で葛藤がある方がおかしいか。そういう世界の映画である。敵が現れて何となく退治される。ちょっと面白いなと思ったのは、この敵の方が人間的には葛藤するので主人公より深そうだという事。でも退治されて使い捨てにされる。造物主や神様は勝手なもんである。うん、まあ、そういう話。ここでいう造物主は購買層という事だけど。と、11分。そうね、5分では書けないね。以上。
PS 多分、魅力を知るためには原典に触れないとダメなんだと思う。



【銭】
番組価格1600円。60分くらいだから高いと思う。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 トリニティセブン -悠久図書館と錬金術少女-@ぴあ映画生活

疲労がひろうい。

ふと、気が付くと湯船に入った後、2時間くらいスカンと時間がスライドしたりしてる。ちょっとありえないくらい疲労がたまってるらしい。ヤバイ。タイミング悪ければ死んじゃうよ。いやまあ、多分、今は死んでないと思うよ。あーもう、そんな状態なので書きたい映画レビューが書けずに溜まっていってしまう。書く気はあるんすけど。明日も6時には活動しないといかんので寝ます。うん、でも、ブログは続けるよお(誰も読まんでも)。悲痛だな、俺。

一定間隔でこういう泣きは来るなあ。すんませなんだ。

『たそがれ酒場』『夜の緋牡丹』を神保町シアターで観て、猥雑で面白いのとそうでないのと★★★★,★

◆『たそがれ酒場』
五つ星評価で【★★★★猥雑なショー酒場の開店から閉店までのドラマ】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
そこに長く居座る者もいれば、頃合いを見計らって出ていく者もいる。
裕福ではないし、階層は下層だが、皆が助け合ってひしめき合って生きている。
1955年新東宝のモノクロ映画。
時代は太平洋戦争が終わってしばらく経ち、朝鮮特需で高度経済成長期全盛、
社会全体が潤っている頃であり、貧乏人が努力で儲けられる
そんな猥雑なパワーに満ちていた頃、貧乏人がひしめくショー酒場の一夜。

大戦の隊長(東野英治郎)と軍曹(加東大介)は昔を懐かしみ、今の日本を否定する。
そんな安酒場で酒も飲めない時化た東野英治郎と、
酒を飲んで盛り上がってる大学生の対比。
昔の東野英治郎はいつも負け犬みたいで出会えると「ああ、又、不幸だった」と楽しい。

その大学生の群れで太鼓持ちみたいな盛り上げ役をやり、1杯ありついてるのは
「小判鮫」と仇名される店の常連、多々良純。
離籍した客の酒を勝手にグイグイ飲み干す。おいおい。
でも、多々良純ってそういうのやりそうな顔。

女の子の利権で揉めている丹波哲郎一味と宇津井健。
宇津井健が丹波哲郎を制する意外な武器は、
うん、庶民的だが、あんま持ち歩くもんじゃないよな、それ。
ワルの丹波哲郎、瞬きしないでいいなあ。
利権の女の子、野添ひとみ可愛い。

元画家現パチプロの小杉勇は江藤(江川宇礼雄)の弟子がこの酒場の専属歌手で終わる事を嘆いている。そんな時、客に有名楽団の指揮者が来て、弟子の歌声を耳にして、移籍話を持ちかける。江川宇礼雄荒れる荒れる。でも荒れる理由がある。ここが泣きどころ。

元画家パチプロ小杉勇の画家を廃業した理由も良い。
彼は先の大戦で兵士を鼓舞した事を苦にしているのである。
彼の所に大戦中いっしょに戦地を回った従軍記者が現れる。
記者の方は相変わらず新聞を出しているようだ。ここに皮肉がある。
もちろん画家も鼓舞しただろう。だが、新聞記事には敵わない。
その新聞記者は別にのんきにそのまま同じ職業を続けているのである。

店全体が猥雑な活気に満ちているのは好景気のたまものだろう。
この好景気のドンチャン状態が朝鮮特需という、
人の血の上に立ってるみたいに思うのは、まあ、一応考えすぎの範疇なのだろうな。

店の中に所狭しと貼ってある値段表。今の1/10くらいの価格。


◆『夜の緋牡丹』
五つ星評価で【★主役が嫌な奴】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
主人公が何を考えてるかわからない。
女の子にひかれるままに結婚して、立身出世したら新しい女を抱いてしまう。
でも、新しい女に溺れてはいるが、ゾッコンそうでもないのだ。

そんな奴は好きになれない。


【銭】
神保町シアター一般入場料金各1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
たそがれ酒場@ぴあ映画生活
夜の緋牡丹@ぴあ映画生活

『強盗放火殺人囚』『仁義の墓場』をシネマヴェーラ渋谷で観て、松方弘樹が楽しくて渡哲也こわしふじき★★★★,★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『強盗放火殺人囚』
五つ星評価で【★★★★松方弘樹のSEX好きっぷりがたまらない】
松方弘樹脱獄三部作の三本目。
ちっとも知らなかったが、主人公が違うのね。
少なくとも一作目と三作目は違う。二作目はまだ未見なので不明。
三作目見たら、キャラが一作目より格段に若くなってるから驚いた
と思ったら別人やんけ。そら違うわいなあ。
一作目はリアルの脱獄名人に学ぶ、脱獄アラカルトみたいな映画だったが、
三作目は脱獄はオマケ程度で、脱獄した主人公が警察から逃げながら
自分をだましたヤクザに報復する映画になっている。
一作目では脱獄に執念を燃やすのが高じて完全に狂人寄りだった松方弘樹が
いろいろマイルドな人間に変わっていて見やすくなっている。
刑務所で覚える労働訓練として、印刷、木工などがちゃんと取りあげられている。
木工とかは製品販売なんかで目にする事もあるけど、印刷は珍しい。
そうそう後藤大輔の成人映画『喪服の女 崩れる』の印刷工は懲役帰りだった。

松方弘樹はヤクザあがりで罪は犯したが人望のある懲役囚。
今回、何がいいって松方弘樹の色ボケ演技が絶品。
女に目がない役で、隣の部屋に妻が寝ていようが、興奮して若い娘を襲ってしまう。
それがバレた際の
「しょうがないの、しょうがないの、だってチ〇コがしょうがないんだもん」
みたいな目の演技が超絶品。この辺りのスケベ具合がキュートすぎて、
この映画を見ている最中だけは「浮気」って全く「悪事」に見えない。
「だってチ〇コがしょうがないんだもん」。

刑務所の偉いさんがヒットラーに似てる菅貫太郎。
これはコメディーっぽい配役でそんなおもろないな。

松方弘樹を騙すシャバのヤクザ役が遠藤太津朗。
遠藤太津朗はやっぱ時代劇の因業爺とかだよなあ。
金子信雄とどこが違うと言われると困るけど、
実録路線だと何かちょっと浮く感じ。

ラストの自分が信じる仲間の為に、
下手を打ってでも窮地に飛び込む松方弘樹は、
やっぱ実にかっこいい兄ちゃんなんである。


◆『仁義の墓場』
五つ星評価で【★渡哲也に震える】
ともかく主演の渡哲也の害虫ぶりに共感できない。
仁義に唾を吐きながら、最後まで裏の渡世にさえ牙を剥き出しにして生きた男。
「強ければそれでいいんだ、力さえあればいいんだ(いや、そんな事はない)」と
逆説で歌うタイガーマスクのエンディングの境地に辿り着く道半ば
と言うより辿り着く気は毛頭ないみたいな映画。
強烈な映画だけど、強烈と言うだけで、個人的には好かない。
基本的には殴られるパンチが如何に強いかより、
殴られてでも惚れるような共感を私は映画に求めているのだ。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
強盗放火殺人囚@ぴあ映画生活
仁義の墓場@ぴあ映画生活

『銀座カンカン娘』を神保町シアターで観て、デコちゃんはいい人そうでねえふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★あーくつろぐ】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
1949年のモノクロ映画。初見。

高峰秀子の顔立ちが好き。
子役上がりの子役時代をそのまま延長した顔で、
自然で無理してないけど秘かに頑張ってそうな顔立ち。
本当はどうかは知らないけど、気立てが良さそうな隣のお嬢さん。
アトムに出てくるウランをちょっとだけおしとやかにした感じ。

その、高峰秀子(居候)、笠置シヅ子(居候の居候)、
灰田勝彦(宿主の甥)、岸井明(デコちゃんと知りあった流し)

が銀座裏通りのバーで「銀座カンカン娘」を流しまくる。
まあ、馴染みのあの曲が聞こえてくると、それだけで耳が楽しい。
ドラマの筋がかなり行き当たりばったりだけど、
お茶の間の日常ってそんなにドラマチックじゃないから、
こーゆー、ただ繋いでいくような話の方が「あるある」っぽいかもしれない。
「銀座カンカン娘」の「カンカン」は当時流行していた
ハイソな「カンカン帽」だと思うのだけど、映画には全く映らない。
歌は若い女の子がウキウキして歩く銀座の表通りの歌だけど、
映画は銀座の飲み屋と夜、武蔵野の田舎しか映らない。
ひょっとすると「銀座燗燗娘」ってダジャレか? 
ラッパが似あう洋風飲み屋ばっかだったから「お燗」も映らなかったけど。

笠置シヅ子の潰れかかったガラッパチな声も、歌にはいるとググっと良くなる。

灰田勝彦はどういう人だか知らないが、カッコイイとは思えない。

岸井明はデブ。まあ、デブが一人くらいいた方が画面が華やぐ。
デブが歩くと安普請が揺れるという古典的なギャグが楽しい。
今時、そんな安普請はないし、今、撮ったらギャグより地震と思われるに違いない。

家主が五代目志ん生。たいそうな人らしいがよう知らん。いい味出してる。

家主の奥さん(だと思う)が浦辺粂子。
そんなに凄く年をとってそうでもないのに、この時点でもう老け役だ。

あと、思い付く事と言えば「犬と子供が可愛い」。
なるほど、志ん生がいい味出そうが、
スター俳優が歌おうが、犬と子供には敵わないのだな。


【銭】
神保町シアター今回はスタンプ五つ貯まった奴で無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
銀座カンカン娘@ぴあ映画生活

『サクラダリセット 前編』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、面白いけど強引かなふじき★★

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▲ジャニーズが一人もいないと、集合写真で消えるキャラがいなくていいな。

五つ星評価で【★★面白いけど、設定の強引さを肯定しきれない】
能力者が集う町、ということでJOJOのスタンド能力者が群れ集う杜王町みたいな世界観なんだけど、残念ながら能力の発動に説得力がない。それは能力の制約だったり、ディテールだったりに偏りがあり、話を作る上で都合のいいように能力が逆算して作られてるように見えてしまうからだ。サクラダという町が能力者の能力方向を決めているという状況はありえるが、前編を見る限りでは絶対そうだとは断定できない。この辺はどうなんだろう?

主人公の二人ハルキとケイのリセットと記憶保持はかなり最強の能力だが嘘くさい。
リセットはハルキ一人では意味をなさない。ケイの能力・記憶保持がなく、過去と同じ挙動をハルキがしてしまったら「リセット」を発動した意味が全くなくなってしまう。このような二人が同時にいなければ意味をなさない能力が自然に発動するだろうか? 彼らが兄弟姉妹のような常に一緒に行動するような間柄ならまだ分かるが。そしてリセットに伴うセーブポイントの確定もちょっと怪しい。一度セーブポイントに戻ったらそのセーブポイントからリセットを起こした相対時間までは再リセットは不可能。この辺の設定がいかにも「作られた設定」っぽい。自然に発動しそうには見えない。

記憶操作の能力は、主に言葉でのみ語られている。もちっとビジュアル化できんもんか。
玉城ティナの物を消す能力も物理的に消すだけならまだしも、特定の能力を打ち消すと言うのは能力の種類が明らかに違うが、それを同一の能力にしてしまう。
声を届ける、能力のコピー、写真の中に入る、
やれる事が種類が多い割には方向性にむらがあり、自由発生とは考えづらい。
特に「写真の中に入る」などは、今の科学では何が起こってると言えないくらいファンタジーめいてしまっている。こんな何でもありなんはいかんと思うなあ。

能力を三つ四つ組み合わせコラボする「能力の合成」は面白い。
ただ、これが違和感なく受け止められる為には、
そもそも能力の発現が作者のご都合手記で組み立てられていないという担保がいる。
今はその部分に関する信頼度が残念ながら低い。

黒島結菜かわいいけど、リセット直後、記憶がなくなると言うのは損な役どころ。
そのせいで時間を打ち消すことの葛藤が彼女に生まれない。これがあるとなしとでは彼女のキャラの立ちが全然違うだろう。
ペアの浅井ケイが彼女を名前の「ミソラ」ではなく苗字の「ハルキ」と呼ぶのが嫌い。苗字で呼ぶ場合の「ハルキ」とイントネーションが違うんじゃなかろうか。果てしなく、名前を呼ぶような呼び方で苗字を呼ぶのは嘘くさい。

能力を掛け合わせて思いもかけない効果を出すとか、そういうのは好きなんだけど、やっぱ詰めが甘くてその能力が本物感薄ければしょうがなかろう。


【銭】
チケット屋で額面1400円の前売り券を1400円でGET。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
サクラダリセット 前篇@ぴあ映画生活
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サクラダリセット 前篇@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
▼関連記事。
サクラダリセット 前篇(1回目)@死屍累々映画日記(旧コメ・TB)
サクラダリセット 後篇(1回目)@死屍累々映画日記(旧コメ・TB)
サクラダリセット 後篇(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
サクラダリセット 前篇+後篇(2回目)@死屍累々映画日記・第二章

『素晴しき男性』を神保町シアターで観て、裕次郎のかっこよさはやはり分からんのだなふじき★★★

五つ星評価で【★★★裕次郎が歌って踊る】
特集「女優は踊る 素敵なダンスのある映画」から1プログラム。
1958年のカラー映画。初見。

裕次郎が歌って踊る! 階級差恋愛コメディー。
しかし、裕次郎は私には一つ前の世代のアイドルで、
リアルタイムに接していないので(七曲署のボスくらい)、
トッポイ兄ちゃん時代の彼を見てもあまり「かっけー」とは思えない。
派手派手なシャツを着て、この頃のシャツはワイシャツ同様「ズボンイン」なのね。
まだ、西村晃が若者役だもの、古い古い。

相手役の北原三枝は目つきが鋭すぎる美女。裕次郎の奥さんになった人。
目がちょっと野際陽子っぽいなあというのが印象。
ダンサー役の北原三枝が玉の輿を狙ってフラフラするというのが話のコアだ。
しかし、ダンサーもミュージシャンも今以上にいかがわしい職業だったのだな。
今、ダンサーやミュージシャンになると言うと、芸能界入りが頭に浮かぶが、
この頃はキャバレーとかの生演奏、劇場でのダンスレビューと、
バリバリ、ドサ回り感が付随してきてしまい、良家の縁談とかに縁がない状態である。

で、北原三枝を憎からず思ってるが袖にされる役が石原裕次郎。
歌は自己流だろう。伸び伸び歌ってるが「上手い」感じではない。
まあ、愛されてたんだろうなあ、という風に思える歌い方。

キャスト表があっても今と容貌が変わってて誰が誰なんだか。

月岡夢路は裕次郎の姉役かな?
白木マリ(必殺のりつ役?)は仲間の中の後任カップルの女子の方かな?

俄然、目を引いたのが西村晃。
歌って踊って、悪事も働かねば、返り血も浴びない、
どこからどう見ても「そんなん西村晃じゃないだろ」って役。若かったのね。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
素晴しき男性@ぴあ映画生活

PS 劇中に出てくる、幸運を呼ぶ彫刻が何か怖いよ。

『ハードコア』をHTC渋谷3で観て、凄いけどめんどくさふじき★★

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▲未来っぽい。

五つ星評価で【★★いや確かに凄いんだけど疲れるよ】
もう延々とずっと、よく分かんない状態で引きずり回されて、最終的に「ああ、そういう事なのね」と膝を打つような感じを貰えるんだけど、自分が本当に物語を理解できているのかについては疑問に思ってしまうくらい、話がしっくり自分の中に入って来なかった。何か遠縁の顔も知らない親戚の結婚式や葬式に呼ばれて、どんな振る舞いすればいいかも分からないみたいな状態。まあ、遠縁の親戚の結婚式や葬式ではあんなに血や炎や爆炎で彩られたりはしないだろうけど。

あと、物語のかなりラストにスケスケの女子用パンツが出てくるのだけど、あれは着用してるところを何故じっくりねっちょり飽きるほど見せてくれないのかという意味で、強く憤りに似た感情を覚えた。

96分の映画だけど70分くらいでもいんでね?



【銭】
テアトルの会員割引+曜日割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ハードコア@ぴあ映画生活
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ハードコア@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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