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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ワイルド・スピード アイスブレイク』『パージ:大統領令』をトーホーシネマズ日劇1と2で観て、ムチャクチャすげーとちょっと渋滞感ふじき★★★★★,★★

同日鑑賞2本をまとめてレビュー(実はロマンポルノ・リブート2本も同日に見てる)

◆『ワイルド・スピード アイスブレイク』
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▲車ではないけど、この刑務所内アクションが一番面白かった。
 ロック様、看守たちに全く容赦なしかよ。

五つ星評価で【★★★★★ちょっと普通じゃない傑作】
もう、見せ場と見せ場を繋いで映画にしながら、
キャラをドコドコ立てていく凄まじい映画。
冒頭のオンボロ自動車のカーレースから、
ニューヨークのゾンビ車を前座として使った後での
ワイスピ・ファミリー対ドムの根性比べ。
ラスト、車 対 潜水艦。本当にバカじゃないの(褒めてる)

ファミリーの皆さんがやってる事は、普通に都市破壊だったり、強奪行為だったり、
国同士が戦争起こしかねない軍事行動だったりするのだけど、
「まあまあまあ、世界を救ったんだから大目に見てよ」って、
おいおいおいおいそら通らんだろ。

キャラで言えばステイサムを迎えて更に坊主感を増したが、
そのステイサムと弟でもないロック様でもない、あの担がれる男とのコラボが最高。
ステイサムいつの間にやら儲け役である。もう仲間にしか見えない。
そしてロック様がもともとグレーではあったが、ついに只の荒くれ者になってしまった。

えー? 

まあ、超法規的なサンダーバードみたいな走り屋集団だからそれでもいいんだろうけど。
あ、ロック様の娘役、秘かにモアナに似ていた。
いろいろ荒いし適当なんだけど、ノリがいいから細かい事はどうでもよくなる映画。

そう言えばカート・ラッセルが一作目から出てるみたいな安定感と
呟いてる人がツイッターにいた。なるほど、『バーニング・オーシャン』でひどい目に
あってるので、こっちでは楽をさせてあげてください。

特報チラシ、通常チラシのどちらにも監督の名前が一切載ってない。
確かに一般的にはそんなに有名なスター監督ではないけど、
この徹底さにはちょっと驚いた。何かプロデューサーの娘を口説くとか
悪い事でもしたのか?(それは007のティモシー・ダルトン)

ロツク様以降、アイス、ユーロ、MEGAMAX、スカイの順番で好きかな。
ユーロとMEGAMAXは記憶が薄れてるから団子状態だけど。

PS そうだ、そうだ。映画のベストショットはステイサムのウィンク。


◆『パージ:大統領令』
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▲このデザインセンスとかがいいんだよなあ。
 今回はリリカルなピカピカ車もステキだった。

五つ星評価で【★★単品で観ると佳作だが、シリーズ物として観ると凡作】
「パージ」シリーズの三作目。
一作目は砦に侵入してきた殺人者に普通の人間がどう立ち向かうか。
二作目は危険な時間帯に砦の外に出てしまった人間がどう身を守るか。
それぞれ補完しあえる描いてなかった表と裏の関係にあった。
三作目は付随条件はあれどもアクション映画的には砦の外に出てしまった人間が
どう身を守るかの映画であり、二作目と大差なく、驚くようなアイデアも出なかった。
この「パージ」を為政している側をトランプ政権と紐づけて見る批評もあるが、
まあ、そこはそう見れば見えるという程度。
どちらかと言うと政権が教会と癒着している状態の方が
アメリカ人のメンタリティがキリスト教の倫理観に根差している事を考えると怖い。


【銭】
「どちらも映画ファン感謝デーに観たので1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ワイルド・スピード ICE BREAK@ぴあ映画生活
パージ:大統領令@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に基本、初期TBだけ付けさせて貰ってます。お世話様です。
ワイルド・スピード ICE BREAK@タケヤと愉快な仲間達
ワイルド・スピード ICE BREAK@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
ワイルド・スピード ICE BREAK@だらだら無気力ブログ
ワイルド・スピード ICE BREAK@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
パージ:大統領令@ここなつ映画レビュー
パージ:大統領令@映画一カ月フリーパスもらうぞ
パージ:大統領令@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
▼関連記事。
パージ@死屍累々映画日記・第二章
パージ:アナーキー@死屍累々映画日記・第二章
・パージ:大統領令@死屍累々映画日記・第二章
パージ:エクスペリメント@死屍累々映画日記・第二章

『そうして私たちはプールに金魚を、』をユーロスペース2で、『牝猫たち』『アンチポルノ』を丸の内TOEI②で観て、珍品良品チンコ品ふじき★★★,★★★,★★

書いてるうちに関連性を見出せそうになった3本をまとめてレビュー。

◆『そうして私たちはプールに金魚を、』
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▲女子中学生4人。

五つ星評価で【★★★豪勢な25分】
サンダンス映画祭で短編部門グランプリをもぎ取った日本の短編映画。
ユーロスペースで凱旋再映とたまたま聞いて見たくなって見てきました。
こらえ性がないので尺が短い映画が基本、好きなのだ。
死ね、長い映画(おいおい)。

25分なのにカット数多くて密度が濃い。
冗談みたいだけど、大胆で、アピールばかり強くて、重みのない、
映画自身が主人公の女子中学生たちみたいだ。
飢えもなく、全てが手軽に与えられていて、それらを喪失しそうにもみえない、
怠惰で延々と続く頂点も最底辺もない煉獄の日常。
それは最底辺でない事を考えれば、全然、幸せな話なのだが、
生きていながら悟りきって死んでいるような生活は
本当に幸せという実感からは遠いのかもしれない。
人は脳で感じて生きる生き物だから。

映画では最終的に日常は壊れない。
最後にアイドル歌手がリストカットするとか、
通販で買ったマシンガンを持った引きこもりが彼等を銃殺するとか、
分かりやすいオチは用意されない。ただただ煉獄が続くのみ。
良くも悪くもマヌケなラストを迎え、劇的な事の発生を抑えている。
唯一違うのは映画観客が映画を見終わってその煉獄から解放される事か。

すげえスノッブな事をあえて言うならば
男子の観客はこの映画を見た後、
女子中学生を買えばこの映画はもっときっちり完結するし、
女子の観客はこの映画を見た後、女子中学生になりきって男子を買うか、
男子に買われればもっときっちりこの映画は完結する。
その先に何が待ち構えてるかはともかく、それで映画内外とも日常が断絶されるから。
でも、なかなか私も含めて皆さん、そういう訳にもいかないだろうから
二郎のラーメンを二杯食べたらとか、ビエネッタを一人で食べたらとか、
それぞれの代償行為を見つければいいんじゃないだろうか。

私? 私はそんなもん見つけないよ。別に煉獄の日常に強烈な不満はないもの。
映画の中の誰もがちゃぶ台返しをしない人達であるように。私もそういう煉獄的な日常を暗に望む側の人間なのだ。

そう言えば、先生役の山中崇と父親役の黒田大輔が日常その物みたいな生ぬるさでたたずんでいるのがいいなあ。この映画でラスボスがいるとしたらこの二人か、幻想で現れる大人になった4人の女子中学生だろう。

分かり切ったような事を書いてしまったので、ちゃんと言い訳もしておこう。私自身、女子中学生になった事も、金魚になった事もないから、正直この解釈でいいかは分からん。だから違うと思うなら鼻で笑え。耳で笑うとか難しいから目か口か鼻で笑えばいいと思う。

蛇足:この映画の正反対で日常生活に地獄しかない映画が園子温の『アンチポルノ』。そして、その『アンチポルノ』の地獄と『そうして私たちはプールに金魚を、』の煉獄の中間に位置している移動式の(煉獄+地獄)の雑居房みたいなのが白石和彌の『牝猫たち』。うわあ、似たような、似てないようなのを同じようなタイミングで見ちゃったなあ。どっちか一つというのでなく、日常的である事と劇的である事が折り重なっている構造の『牝猫たち』が一番見やすい。そらそうか。


◆『牝猫たち』
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▲主役の井端珠里(もちろん右)

五つ星評価で【★★★濃密な84分】
池袋を根城にする3人のデリヘル嬢が客を取る日常。
見慣れた池袋の街が温かくて可愛くちょっとスタイリッシュに撮られてる。
小汚い部分やカルトな部分やチンケな部分が見えないのが、PARCO全盛期の渋谷みたいである。デリヘル嬢の話だけど、デリヘル嬢が出向する場所がラブホじゃなく、みんな自宅だったりするので安っぽい絵にならない。安っぽい絵にならないと池袋っぽくないよなあ。お化粧した下町みたいだ。まあ、池袋の街おこし映画じゃないからこれでいいんだろうけど。
リアルな動物の猫は一匹も出てないが、それなのに『ねこあつめの家』より濃密に猫っぽさを感じる。隙を見せないくせに身体を摺り寄せてなついてくるからだろうか。『ねこあつめの家』は猫が家に寄ってはくるものの、家に来るのであって、主人と仲良くなる体がほぼほぼ取られていない。『牝猫たち』の彼女たちはなついてくる、隙を見せずに、値踏みをしながら。でも、そんな等身大でそこにいる彼女たちがとてもリアルで愛しい。
主役の井端珠里の付かず離れずの距離感が猫っぽいなあ。
あとデリヘル店長音尾琢真のヤの字スレスレのいるいる感がリアルに花を添えている。
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▲こんな感じのデリヘルの店長、本当にいそう。

◆『アンチポルノ』
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▲おっぱいの張りが若くていいんだわあ。

五つ星評価で【★★バリバリ園子温な78分】
裸は出てくるが、これはロマンポルノ・リブートプロジェクトの中の仇花。
ロマンポルノではなく、裸が満載の前衛映画だろう。
ロマンポルノ内でも「話が分からん」とオクラになった映画があるように、
これも有名監督が撮っていなければオクラになる一本。
ロマンポルノはAVと違って、話がちゃんとしている事が求められている。
基本、ある程度、バカだったり、爺だったりする客がメインだ。
あまりにも常軌を逸した展開には、客が付いてこれない。それではいかんね。
園子温にはオークラ映画で作った成人映画がある。
そっちの方がポルノ映画っぽい(と言いながら商売敵のピンク映画なのだけど)。

園子温はバリバリ園子温らしい物を作っているうちは
本人がどんなに怒って荒れたとしても「世間様」に認められないと思う。
これはだから世間様に対する彼の承認欲求を決して満たさない一本。

でも、同日に観た『牝猫たち』の女優のオッパイがみんな標準よりつつましやかなサイズだったので(年齢からか?)、命をかけるような勢いで主役を張った富手麻妙のポインちゃんオッパイにはちょっと救われた。
なんか本当オッパイとしていい感じのオッパイなんだよ。


【銭】
『そうして私たちはプールに金魚を、』:特別興行800円均一。
『牝猫たち』『アンチポルノ』:映画ファン感謝デー料金1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
そうして私たちはプールに金魚を、@ぴあ映画生活
牝猫たち@ぴあ映画生活
ANTIPORNO@ぴあ映画生活
▼関連記事(他のロマンポルノ・リブートプロジェクト+α)。
風に濡れた女(一回目)@死屍累々映画日記
風に濡れた女(二回目)@死屍累々映画日記
ホワイトリリー@死屍累々映画日記
園子温の、ある秘かなる壷たち@死屍累々映画日記

PS ロマンポルノ・リブートプロジェクトとしては
 1に『牝猫たち』、2に『風に濡れた女』
 女優は1に『風に濡れた女』の中谷仁美、2に同作品の間宮夕貴、
 3に『牝猫たち』の井端珠里。
 『ジムノペディに乱れる』は未見。
 『ホワイトリリー』は昔のロマンポルノっぽすぎてイヤだが、
 『アンチポルノ』は昔のロマンポルノにもなってなくてイヤだ。

『バーニング・オーシャン』をユナイテッドシネマ豊洲9で観て、ただただ圧倒されるふじき★★★★

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▲これ、モノクロ写真にしたら、秦始皇帝陵の兵馬俑みたいだと思う。

五つ星評価で【★★★★バンボロは出ないぜ】
圧倒された。
理屈として何が起こってるのか全く分からないのにその場に叩きこまれて災害に立ちあわされてる状態が、ともかく圧倒された。ああ、こんな事故の現場に居合わせなくてよかった。逆に言えば、こんなんを疑似体験できるって凄いな。勿論、疑似体験が「擬似」すぎて死にそうになったりはしないのだけど、ランプの明滅がポケモンショック引き起こしそうになる程ひどく、精神的にはかなり追い込まれた。普通に通常上映で観たが、4DXとかマジで怖いかもしれない。

石油掘削施設の施設名を冠した原題『DEEPWATER HORIZON』が、日本語の英字題『バーニング・オーシャン』に変えられた訳だが、これは分かりやすくていい改題だと思う。これがもちっと一昔前の必ず日本語を使う邦題だったら『妬けつく大海洋』とかだろうか。もっと単純に『燃える油田基地』か。

マーク・ウォールバーグはいつも通り、素の人でいい。どこにでもいそうだけど、正しい自分のルールを曲げられない故に貧乏くじを引いてしまう人にこの人は似あっている。
カート・ラッセルは同時期公開の『ワイルドスピード アイスブレイク』と同じ人に見えないほど、肉体労働者その物である。役者ってすげえな。何となくロシア人っぽく見えるのは髪型と髭がスターリンと一緒だからだな。有史以前、もっともひどいシャワー・シーンは必見。災害に会う時、風呂とトイレは勘弁してほしい。
ジョン・マルコヴィッチがただのクソオヤジなのも役者として凄い。

チラシによると、ディープウォーター・ホライゾン、146人の居住施設があり、中にジムや映画館もあったらしい。まあ、確かにそれを映画内で取り扱う必要はないだろうけど、ジムでマッチョな状態(軽装)で事故に合うのもやだなあ。

4DX見て、油だらけの鳥とかぶつけられたらヤダな(そらイヤだろ)。4DXないようだ。

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▲ほら、兵馬俑っぽい。

PS 世界最大級の人災。バーニング・プロが送り込んだ仕事不足のグラドルが
 押してはいけないボタンを押してしまったとか。
PS 『ばーさんがおっちゃんに』という事案も思い付いたのだが、
 映画に婆ーさんが出てないのであった。


【銭】
ユナイテッドシネマ金曜はメンバーズデーで1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
バーニング・オーシャン@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
バーニング・オーシャン@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
バーニング・オーシャン@だらだら無気力ブログ
バーニング・オーシャン@ここなつ映画レビュー
バーニング・オーシャン@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

『小間使』『花嫁人形』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ルビッチは忙しいねふじき★★★,★★

特集上映「ルビッチ・タッチ!Ⅱ」の1プログラム。

◆『小間使』
五つ星評価で【★★★軽やかな配管工虐め】
休みの日に台所のシンクを詰まらせたパーティーのホストが配管工を捕まえようとするが捕まらない。
「奴ら、こんな日は公園か映画館にでも行ってるに違いない」
公園も映画館も貧乏人が行く娯楽なんだな、そもそも。
映画館なんて海外ではワンコインで見れるし、昔だったら入替無しで、ずっと涼めるし。
で、この映画では配管工の娘が詰まった配管を直すと無茶苦茶ディスられる。
おそらく、配管・土木などの力仕事は教養のない者の仕事だったのだろう。
配管なんて下水と繋がってるから臭いし。
ルビッチも「締めて、叩いて、上手く行けば儲けもの」って、
真空管テレビを叩いて直す技術者みたいに適当に配管工を描いてる。
怒っていいぞ配管工!

まあ、それはいいのだが(いいのかよ!)、田舎から女中奉公に出された配管工の娘が行儀など分からず屋敷で右往左往しているうちに、その家のゲストと恋に落ちる話。
ラブコメって役に立たなくっていいな。


◆『花嫁人形』
五つ星評価で【★★SFじゃん】
父の遺産を引き継ぐためには結婚が必須。
40人に追いかけられて息も絶え絶えの息子は
人間そっくりの人形を人間の婚約者と偽って連れ帰るが、
それは実は壊れた人形の代役をしてる科学者の娘というドタバタ喜劇。
「結婚すべし」から女に追われ追われが『キートンのセブン・チャンス』っぽい。ありがちな話だったのだろうか。
1919年、白黒、無声。
無声映画は動きがでかい。
ルビッチ・タッチというよりは無声映画の喜劇タッチの方が強いんじゃないだろうか。
俗物が集まる修道院の僧侶達の俗物極まりっぷりがたまらない。


【銭】
シネマヴェーラ、今回は9ポイントたまったので無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ルービッチュの小間使 クルーニー・ブラウン@ぴあ映画生活
花嫁人形@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・小間使(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
小間使(2回目)@死屍累々映画日記・第二章

『EVIL IDOL SONG』『サウスバウンド』をキネカ大森3で『華麗なるリベンジ』『ポッピンQ』『虹色ほたる』を2で観て、キネカ未レビュー5本まとめだふじき★★★★,★★,★★★,★★,★★★★

キネカ大森で観た未レビュー5本かき集めてレビュー。

◆『EVIL IDOL SONG』
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▲ジャーン!!!

五つ星評価で【★★★★可哀想な女の子が好みです。】
「夏のホラー秘宝まつり2016」二本立て。こっちがメイン。
随分、時間が経ってしまった。
訥々とした話の中にギラギラした怨念めいた厭世感が貼り付いてる印象が残ってる。
歌手として大成したい女の子が枕営業までやらされて、それを晒されて、徐々に狂っていく。狂っていく中で人を殺すメロディーを身に付け、それを全世界にネット中継しながら歓喜の中で死んでいこうとするキチガイ寓話。
「行く道は行くしかないんじゃ」という広島ヤクザみたいな心情に追い込まれるアイドル歌手にほだされて、ちょっとだけ涙で瞳を濡らした。
ただ、あのメロディーが超絶「地獄」でもないし、超絶「名曲」でもないのが残念かも。見終わった後、耳には残るけど。


◆『サウスバウンド』
五つ星評価で【★★えっ、そうだったの?】
「夏のホラー秘宝まつり2016」二本立て。こっちが明らかにオマケのもう一本。

「ある街道を舞台に連鎖し絡み合う怪異現状を描いたオムニバス」

とチラシに書いてある。多分、「怪異現状」は「怪異現象」の誤植だろう。
それにしても、見終わるまでオムニバスとは気が付かなかった。
道理で話が繋がらない筈だ。いや、オムニバスはオムニバスらしく作ろうよ。


◆『華麗なるリベンジ』
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▲ごめんなさい。ファン・ジョンミンはちょっとニカウさんに似てると思う。

五つ星評価で【★★★映画よりキネカ大森の名画座キネカードをなくした為に500円で見れると思ってたのに400円余計に払って900円で映画を見てしまった事の方がショックで記憶に残ってる。小せえな、俺】
ショックだったが、映画はそこそこ。雑でアチコチ穴が開いてる感じではあった。

TVドラマ『必殺仕置人』に出ていた牢名主の天神の小六(牢内から江戸の手下に命令を出せる)よろしく牢屋からシャバを操作して捜査するファン・ジョンミンが中々にクールだ。牢屋内でのし上がるのにそんなに都合よく法律トラブルは多発しないだろうとは思うけど。このファン・ジヨンミンの渋さと手足になるカン・ドンウォンのライトっぽさのバランスが悪い。ファン・ジョンミンほどカン・ドンウォンが男として惚れる奴に描けてないのでバディ物として今一つの感じになってしまう。ただ、物凄く威張っていた巨悪がキッチリ引きずり降ろされるので、リベンジ物としてはきちんと溜飲が下がるいい出来になっている。

PS ファン・ジョンミンのリベンジ・ポルノみたいな内容だったら
 イヤだったろうなあ。


◆『ポッピンQ』
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▲このトーンで作ってもらいたかった感がある。

五つ星評価で【★★やっぱり観客へのコミュニケーション不足の変な映画だよなあ】
「東映アニメーションが贈る、少年少女の出会い」二本立て。興行的にはこっちがメイン、作品的にはこっちがオマケ。鑑賞二回目。

『ポッピンQ』『虹色ほたる』とは又、対照的なカップリングで二本立てを組んだものである。スタイリッシュに行きすぎて中身が納得の出来ないポッピンと、外面的な受け線をことごとく捨て去って中身の研鑽に全てを費やした虹色と。どちらもファーストランは散々だった筈だ。虹色は明らかにその絵面が引鉄になって客取り込みを失敗したのであろうが(絵面のイケてなさを無化するような宣伝戦略を立てられなかった)、ポッピンは口コミで「あれダメ」と伝わる以前に、最初からお客がいなかった。誰もこの映画がそこにある事を(ある意味、幸運にも)知らなかった。東映さんは宣伝どうするかをもう少し考えた方がいいんではないか? 旧東映邦画系はいいコンテンツも多いと思うが、宣伝でかなり客を逃してると思う。

それにしても『ポッピンQ』は二回目の見直しをしても、どんな物語を誰に届けようとしたのかが全く伝わってこなかった。主人公の5人は15歳。ティーンの悩みにリンクしつつ同じ年代の中学生・高校生に見せようとするにはフォーマットが幼児アニメ・プリキュアに寄せすぎている。そういう外観を否定はしないが、そういう外観を纏いながらも伝えたい事は他にもあるのなら、そういう宣伝戦略を取るべきだし、内容ももっと覚悟を持って大人にまで引き上げても良かった筈だ。それの正体が何かと言えば、それは『魔法少女まどか・マギカ』だ。幼児を泣かせてでも大人の観客に媚びる。あれはそういう覚悟の映画だ。東映は怯んでしまった。大人にも、子供にも、そう二の足を踏んでしまった。それで箸にも棒にも引っかからない凡作が出来てしまったのではないだろうか。

チラシに書かれているコピーと実際の映画の内容が何となくチグハグである。

① ×「これは、僕らのはじまり」
② ×「その世界には自分を知っている人がいた」
③ △「15歳 寄り道 青春もまた、冒険。」

①と②は違う。③はそうであるのだが、映画がその内容を掘り下げてない。単にコピーと映画のアウトラインが一致してるだけである。本当は③のアウトラインを保持しつつ、②を深く掘り下げ次回作を繋げるぞという意味で①を宣言したかったんじゃないだろうか。だったら②の掘り下げが圧倒的に足りていない。

5人の少女は異世界で「同位体」と呼ばれる自分とペアになるぬいぐるみ(ポッピン族)と親交を持つ。彼等はペアの彼女たちの心の動きなどが分かるのである(えーと、確かそうだったよね)。にも関わらず、彼等は彼女たちのコンプレックスには一切、触れようとしない。それは設定を考えたら不自然だろう。あえて触れないのならブラックで面白いが、どちらかと言うとそこまで考える余裕もなく、欠落してしまっている感じだ。要はここが一番の要だったのだけど、幼児受けさせる為にスポンと全部落としてしまったのではないか? チラシに彼等ポッピン族キャラクターの微細なキャラ設定やCVまで細かい設定が描かれている。当然、マーチャン・ダイジングとして商品買ってほしいという欲求もあるだろうが、本当は彼等のキャラクターをもっと強く映画内に反映して心を抉るようなドラマにしたかったんじゃないだろうか? まあ、今となってはそうであっても絵に描いた餅だが。

うん、あの映画でまだ、こんなに書くのかよ、俺ってのが一番ビックリする事かもしれん。


◆『虹色ほたる』
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▲これがその問題の絵。

五つ星評価で【★★★★いい映画だよなあ。取っつき悪いけど】
「東映アニメーションが贈る、少年少女の出会い」二本立て。興行的にはこっちがオマケ、作品的にはこっちがメイン。これも鑑賞二回目。

上手いし、いい映画なんだよ。
泣くよ。こんなの見せられたら。

でも、そういう軍門に下るのが嫌だったんだろうけど、
これ「萌え絵」で作っても良かったんじゃないかな。
やはり何であれ、作品は手に取ってもらわなければ、その後に進まない。

萌える青天狗の爺さんとかだって我慢するよ、俺は。

キネカ大森公開時に宣伝用に配布されたチラシを見てみると「ワンピース」の監督が、今のアニメの流れに掉さして背いて作った事が痛いほど分かる。でも、その博打が裏目に出て東映動画が『ポッピンQ』を作るような羽目になってしまったのはとても残念でならない。ちなみに以下はチラシからの抜粋。

ハードなアクションや機械だらけのSFなど、過激な視覚表現だけで訴えかけようとする映画が乱立している中、『虹色ほたる』は、温かな日本人の原風景と人と人の絆を、実写映画にはない、アニメーションならではの自然の描写、そして生き生きとした少年少女たちの姿を圧倒的な映像美で描き出しています。映画『虹色ほたる』は、親が子供を連れて、そして子供が親を連れて映画館に行き、一緒に見て、一緒に楽しみ、そして一緒に語り合い、忘れられない思い出を作ることが出来る良質な正統派ファミリー映画であり、1958年の「白蛇伝」から始まる、伝統ある東映アニメーション株式会社が、全社を挙げて製作し、満を持して送るオリジナルアニメーション映画です。

熱弁、熱弁であります。
そして作品はこの熱弁に耐えられる良作だった。
でも、日本の客はそんなに良質ではなかった。それが残念だ。
あっ、でも原作小説があるものを「オリジナルアニメーション映画」と言ってはいかん。

PS この後の展開は『虹色ホテル』でどうぞ(ねえよ、そんなん)。


【銭】
『EVIL IDOL SONG』+『サウスバウンド』:キネカード割引で1000円。
『華麗なるリベンジ』:ラスト一本割引で900円。
『ポッピンQ』+『虹色ほたる』:キネカード新規購入。キャンペーン期間中につき半年間で3回入場券付で2000円。うち1回目を使用。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
EVIL IDOL SONG@ぴあ映画生活
サウスバウンド@ぴあ映画生活
華麗なるリベンジ@ぴあ映画生活
ポッピンQ@ぴあ映画生活
虹色ほたる~永遠の夏休み~@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
華麗なるリベンジ@ここなつ映画レビュー
▼関連記事。
ポッピンQ(1回目)@死屍累々映画日記
虹色ほたる(1回目)@死屍累々映画日記
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