最強3本を忘れる前にレビュー
◆『イップマン継承』
▲「この手が、この手がいけないんだあ!」
五つ星評価で【★★★★★不安を瞬殺する傑作】
実の所、映画を褒めるのは照れる。
でも、そんな照れとかもうどうでもよくなるくらい、これは褒めんといかん映画だろう。
前二作と比べると静かな映画である。
映画はイップ・マンが熱狂の中で勝って英雄になる事よりも、
真に正しい勝利を勝ち取る事を選んだ。気高い映画である。
工場に子供を助けに行く百人組手も素敵だが、
タイのキックボクサーから夫人に害をなさないように離れて圧倒するシーンも素敵だ。
タイソンとの一騎打ちもいいが、同門対決も見逃せない。
カンフーカットがアクション映画として優れている事は勿論だが、
そのアクションの中にも、普段の佇まいにもイップ・マンの個性が際立つ。
ドニー・イェンが出ているシーンは全て美しい。
妻役のリン・ホンもやるべき事をやりきった美しさがある。
もちろん好敵手の位置にいる同門の使い手マックス・チャンも良い。
それにしても、この映画がドニー・イェンがあまり若い頃に作られなくて良かった。
年齢を重ねた上での、師匠的な佇まいや達人としての顔、今のドニーだからこそ出せる良さが出ていると思う。
ただね、興行としては充分ペイするくらい入ってるのかもしれないけど、出来ればこれを昔の新宿ミラノ座みたいな殺人的なくらい客が入る大劇場の大スクリーンで見たかった。
PS そう言えば、学校の美人先生と弟子のロマンスみたいなのが
あるかと思ったら全然進まなかったなあ。
◆『美女と野獣(吹替版)』
▲素敵なエマ・ワトソン
五つ星評価で【★★★★キャー、エマ・ワトソン】
大好きなエマ・トンプソン(ポット夫人)も出ているが、まあ、まずは何と言ってもエマ・ワトソンである。かーいーの何の。そして、アニメのベルその物と言うより、アニメよりかーいーのがもうメチャクチャだ。
野獣もアニメ版ではペットぽかったのが獣感マシマシになってて良かった。
獣であるだけでなく、表情が愛を拒絶するかのように孤独な影に覆われている。
あと、ガストンが素晴らしい。
人間が演じる事で、人間のいやらしさが100倍くらいリアルに伝わってくる。
扇動シーンの恐ろしい事よ。
全体のバランスから言ったら、ベルが野獣を好きになるプロセスがちょっと駆け足すぎると思った。あそこはもちっとジックリちゃんとやらんとベルが遺産(=本)目当てで心を動かしてるみたいな流れが強調されてしまう。それはゼロではないのだが、それだけでもないのだから抑えて出力しておきたい。
◆『帝一の國』
▲♪若い息子がうっふ~ん、お色気ありそにうっふ~ん
五つ星評価で【★★★★★エンドロールという武器】
映画として、物語として、ちゃんと普通に面白いのだが、エンドロールの永野芽郁がダメ出しで素晴らしすぎるので、そこでこの映画の価値が5倍くらい上がっている。
この映画の永野芽郁は凄く抑制されて撮られている。
衣装はレトロなセーラー服だし、滅多にアップにならないし、笑顔が封印されているし、
その抑制が最後の最後でひっくり返されるエンドロールの輝き具合が凄い。
『パズル』の夏帆のエンドロール・ダンスに匹敵する(ベクトルは正逆)。
キャラとしては氷室ローランド・間宮祥太朗が謀略の野村周平の立てた戦略により、王道を踏み外していく様子が「いとあはれ(グレート哀愁)」で目を引かれた。巨神堕ちるみたいなスペクタルには目を奪われる。
ドラマ上の問題点としては戦術の男・千葉雄大があまり戦術を駆使しているようには見えない点があげられる。
PS クマネズミさんのところ(映画的・絵画的・音楽的)に書いたコメントが
自分らしいと思う。
僕は、言葉遊びで勝つ。-----勝てんわい!
【銭】『イップマン継承』:チケット屋で劇場鑑賞が6回可能である武蔵野興行の株主優待券を4500円でGET。うち1回分で鑑賞(4枚目)。
『美女と野獣』:109シネマメンバー感謝デー(毎月19日)で会員1100円。
『帝一の國』:109シネマズデー(毎月10日)で1100円。
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特集上映「追悼 渡瀬恒彦」の1プログラム。
◆『仁義なき戦い 代理戦争』五つ星評価で【★★★★あーおもしれーとしか言えない】
『仁義なき戦い』5本は20年以上前、学生時代に一気に見たが評判以上には楽しめなかった気がする。昔はまだ、この面白さを理解出来なかったのだ。
ちゃんとしてる人たち:菅原文太、梅宮辰夫、渡瀬恒彦
ちゃんとしてない人たち:加藤武、金子信雄、田中邦衛、成田三樹夫、小林旭、山城新伍
ちゃんとしてない人たちの保身の二枚舌が面白すぎる。もう、バリバリに人間のクズ。
特に後先考えない口喧嘩が達者な小心者、加藤武と
いつもながらに完全に自分の事しか考えない金子信雄の
クズとしての仕上がりが素晴らしい。
あの「ふてぶてしさ」に手足が付いてるような面構えの成田三樹夫が
陰でヘコヘコしてるのも面白い。
文太兄ぃは超絶かっこいいけど、任侠映画にあるような耐えて耐えて最後に大暴れみたいなカタルシスで終わらないので、面白いながら見終わった後はちょっと消化不良っぽく感じる。この後、話は「頂上作戦」に続くけど、そこでも文太兄いはかっけーけどあまりスッキリした記憶はないものなあ。
今回特集の渡瀬恒彦は若くて気が利かないが度胸はあるという役を好演。
しかし、渡瀬恒彦と絡むえげつないクズ川谷拓三の毒気には打ち勝てない。
もう、はやいとこ片付いてほしかったわ、あのクズ。
何かで読んだが、死んだあと骨になって更にその遺骨を抗争中の車に轢かれて粉々にされると言う、この渡瀬恒彦の死にざまがヤクザ映画の中でもっとも過酷な死にざまだとか。まあ、確かにこれは徹底してるよなあ。
丹波哲郎が一番の権力者。
喋らんと本当に威厳がある。
◆『実録外伝 大阪電撃作戦』五つ星評価で【★★★主役二人のイカレっぷりに好感が持てる】
渡瀬恒彦の揉み上げが変。
松方弘樹のヤクザスーツが寅さんみたいにいつも同じ物のような気がしてならない。
成田三樹夫は「代理戦争」よりこっちの方が悪そうでいい。
「代理戦争」は何人かの中の一人だったからこっち方が突出して見えるんだろう。
組が立て込んでて、勢力関係が分かりづらいのだけど、
だからこそ松方弘樹と渡瀬恒彦の上に牙を剥く狂犬っぷりが目を引く。かっけーの。
織本順吉が「仁義なき」の金子信雄ポジションなんだけど、同じような役をやっても繊細な感じ。ハッタリが効いてなくヤクザっぽさが薄い。
こっちでも丹波哲郎が一番の権力者。
その威光に松方弘樹が牙を剥くのをためらってしまうシーンは
静かな決闘のようで良かった。
「実録」だからしゃーないんだけど、
狂犬二人にはラストもちっといい目を見させてやりたかった。
「作戦」なのだから、作戦を完遂させてやりたかった。
もっとも「作戦」を遂行していたのは小林旭側なのかもしれないが。
【銭】新文芸坐の会員割引250円減の1050円。
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仁義なき戦い 代理戦争@ぴあ映画生活・
実録外伝 大阪電撃作戦@ぴあ映画生活
特集「母と言う名の女たち」から1プログラム。
五つ星評価で【★★★★オール脇役大進撃】
1991年森田芳光脚本監督作。初見。
実は森田芳光はそんなに見てない。
なんか七面倒くさくてテンポがオフビートすぎるイメージがある。
実際、この映画も変なテンポだったが、まあ、
斉藤由貴がだらしなくて可愛い。もう、それだけで完敗です。私、そんな尺度でしか映画見ない人だからそれでいいんです。バブルっぽい派手なパステルのスーツで女の子はいっぱい出てるけど、若くて知名度があるところでは斉藤由貴の同僚役の白鳥康代くらいか。
三田佳子と斉藤由貴が美人親子という設定だが、
熟女好みではないから特に三田佳子には惹かれない。
その三田佳子の取り巻き中年三人組が(小林稔侍、橋本功、斉藤晴彦)と豪華である。
この三人が三田佳子の今は亡き夫の親友という位置付けで家族の世話を焼いている。
ちょっと
『スリーメン・アンド・ベイビー』っぽい。
で、斉藤由貴の見合い話を持ってくるがボーイフレンドに唐沢寿明がいて断られる。
唐沢寿明が若い。この後、孫悟空やったりラストコップやるとは思えない。
唐沢寿明の父が田中邦衛。たまに回ってくるダンディーな役である。
何故、田中邦衛にたまにダンディーな役が回ってくるのかについては全く分からないが、
どう考えても他にもっと適当な役者がいるだろう。
そいでまあ、斉藤由貴が
最高に芋い。「ぶざま」「だらしない」「芋い」と言いたい放題だが、それで可愛いのだから凄い。
豆狸っぽいちょっとダイエットした方がいいんじゃない時期で、
挙動不審に恋のやり取りに目を白黒させる、全然イケてない女子の斉藤由貴がほんまいい。お金のかからないスタジアムに行って「円盤投げ」をする。円盤投げなんて見た事がない。そんな競技やるのはもう絶対いい子。情緒不安定気味で唐沢君をけっこう振り回すのでダメ子ちゃんなんだけど、まあ、そういう子ども気質も良い。
三田佳子が斉藤由貴を食べさせるために、ブランド品を多く扱うような質屋を経営している。そこの男性社員二名が爆笑問題の太田と田中。積極的に笑わせには来ないんだけど、地味にいい背景でした。
タイトルが暗示するように「結婚(式)の新しいスタイル」を提示してたりもするけど、そんなに特にどうでもいいなあ(まあ、今更、結婚がどーのって言うような年でもないから)。
【銭】神保町シアター当日一般料金1200円。
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おいしい結婚@ぴあ映画生活
目黒シネマの「俳優竹中直人特集」で未見2本がカップリングされてたので見ました。
◆『くちづけ』
▲うーやんを演じた宅間孝行(左)は舞台版の演出家。
五つ星評価で【★★★貫地谷しほりの熱演が見たかった】
どっちかと言うとこっちを見たくて来た。
貫地谷しほりの熱演が評判が良かったが見逃してしまっていたので。
でも、堤幸彦なのである。そうだ、だから見逃したのだ。
とりあえず貫地谷しほりの凄さを再確認。この人はいい女優になったよなあ。
堤幸彦は舞台のように演劇的に撮るという方法に固執していたようだが、
それは空間を演劇的にしてフィクションの通り道を大きくするような効果もありながら、
映画である事、映画としてのダイナミズムを失ってしまうという当たり前の結果にも
繋がった。それでも、最終的には貫地谷しほりが全てどうにかしてみせた。
◆『僕らのワンダフルデイズ』五つ星評価で【★★★なかなかいい話なんだけど】
いい話なんだけど主演の竹中直人の余計な演技がうるさい。
他はそのままで主役だけ変えて撮ったのを見たかった。
映画内のイベントが盛り沢山で飽きない。
こっちの映画でも親子をやっている貫地谷しほりの恋人役はAのT(秘密にする)。
今までのどんな映画で言われる親から娘への「あんな奴はダメだ」の最上級。
キャスティング担当偉い。うん、そら、いやだろう。普通の常人だったら必ずいやだよ。
【銭】目黒シネマ一般入場料金1500円からチラシ割引で100円引いて1400円。
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くちづけ@ぴあ映画生活
特集上映「甦る映画魂 The Legend Of 石井輝男」の1プログラム。
◆『ポルノ時代劇 忘八武士道』五つ星評価で【★★★珍品】
多分、3回目くらい。
丹波哲郎は好きだし、これはこれでカルトで有名な映画だけど
無精っぽいデザインは似あわず、殺陣とかも強く見えないので、あまり良くない。
久々に見たので、もう完全に内容を忘れてて面白く見れた。
「吉原裏あるある」映画なのだけど、バリバリに「花魁」とかと遠い世界。
ここでの女は「SEXを振る舞う文化的な女」ではなくズバリ「性奴隷」。
アンヌ隊員ことひし美ゆり子がバリバリおっぱいをぶるんぶるんさせてます。
柔らかそうなパイオツでいいんだよなあ。
ラストちょっと船漕いだ。
◆『殺し屋人別帳』五つ星評価で【★★珍品】
全編船漕ぎまくり。
変なキャラがいっぱい出てくるけど、
出した変キャラを捻りのない話の中で殺していくだけみたい。
初主演の渡瀬恒彦は若くて適当。何か石井輝男に初主演映画を任せちゃいけないと思う。
【銭】シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。
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ポルノ時代劇 忘八武士道@ぴあ映画生活・
殺し屋人別帳@ぴあ映画生活▼関連記事。
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忘八武士道 さ無頼(続編)@死屍累々映画日記

▲主要四大人物
五つ星評価で【★★★★キム・テリかーいー】
裏切る事を目的に仲良くなる、という構図がイビツなのだが、
そうしないと生きていけないほど追い詰められているという事だろう。
二人の少女は意に反して仲良くなりすぎてしまう。
二人とも母親を欠損している。
母親とは子供に対して無条件に愛情を捧げてくれる存在だ。
二人とも愛に飢えていたのだ。
だから、彼女たちは飢えた愛の代わりに財産や自由を求めた。
だが、そこに「愛」が来てしまえば、その「愛」に蹂躙されない訳にはいかない。
二人はともに母であり、娘になる。
召使のキム・テリがお嬢様にされていた仕打ちに激昂して大暴れするシーンが楽しい。
あれは正に母として怒っているのだ。
そして、お嬢さんにはなれない、怒りに身を任す愚鈍な女として。
二人の少女の謀略の橋渡しになる男の詐欺師、
彼なんかとても可哀想な感じなのだが、愛を与える事なく
お嬢様の義理の親同様SEXで搾取しようとした故の結果なのだろう。
それにしても、あー面白かった。【銭】下高井戸シネマの招待券を850円でチケット屋でGET。
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お嬢さん@ここなつ映画レビュー・
お嬢さん@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評・
お嬢さん@映画的・絵画的・音楽的
母役を思いながら2本まとめてレビュー。
◆『追憶』
▲果てしなくオーラがないのが上手い西田尚美(だよね)。
まあ、本音で言えば岡田君の写真が使いたいんだけど。
五つ星評価で【★★★どこか主演の三人が上手く撮られていないように見えるのは俺の欲目だろうか?】
降旗康男監督×木村大作撮影だけど、
予告見た時から景色の絵を綺麗に(標準的に)撮りすぎてるのと、
主役男子三人が並べて立たせると岡田君が引き立たないのとで心配してたら、
心配してた通りになってしまった。
映画の背景としての景色はどこもかしこも綺麗に撮る必要はない。
ここぞと言うカットがバシっと決まればいい。
でも何か記念写真見たいに絶景が量産されていて、その景色に感情が乗らない。
岡田准一が小さいのは元から知っているのだけど、
小栗旬と柄本佑と並べて立たせると、とてもバランスの悪い絵になる。
岡田の服が黒で、小栗の服がオレンジだったりするので尚更大小が絵として強調される。
岡田がチビでかっこ悪くなるだけでなく、小栗も膨らんで見えてかっこ良くない。
そんなどっちも損する撮り方をするなよ(気になってるからそう見えるのかなあ?)。
岡田は過去の事件により、のっぴきならない状態に追い込まれる男だが、
基本正義漢であるのは間違いないが、行動が正しくないので観客からは支持し兼ねる。
そして、いつも限界まで追い詰められていて余裕がないので、大きな人間に見えない。
小栗旬は、とても気持ちのいい男を演じているが、主演の岡田とだけは打ち解けない。
なので「とても気持ちのいい男」が話の中で効果的に作用しない。
小栗旬の妻になる木村文乃にちょっと
『オールド・ボーイ』っぽい影を感じるけど、
それは違うよな、そんな昔から知ってた訳ではない筈だから。
柄本佑は岡田と小栗を埋めるキーパーソンとしていい感じなのだが、出番が少ない。
生活に疲れている。明るくない。暗い。
三人とも程度の差はあれ疲弊している。それを観客が見せられるのもどんなもんかなあ。
話の転がり方には納得が出来るのだが、誰にも感情移入できないようでは映画にならん。
これ、昔の邦画なら、30後半の彼らくらいでよかったけど、この三人がそれぞれ家族の生活を支えているという事に「今のリアリティー」がないのかもしれない。本来は紆余曲折色々あった大人が演じると味が出るのだが、そうするとこれは
『64』の佐藤浩市くらい老けさせないと人物像として成立しないのかもしれない。みんな若くってそんなに重荷を背負って生きてるように見えないじゃん。
役者としては安藤サクラが相変わらず上手い。
矢島健一、北見敏行、安田顕、三浦貴大の刑事組もいいコンビネーション。
そして相変わらずどんな時代でも突出して屑が似あう渋川清彦。
だけどこの映画の一等賞はりりィ。あのダメ母のリアリティは凄い。惜しい役者を亡くしました。
PS いかん。書こうと思ってずっと忘れてた。
岡田准一くんが地元・富山で使う車のナンバープレートが「45-02」で、
「仕事の鬼」の宛て数字だ。◆『日本一短い「母」への手紙』五つ星評価で【★★でも、裕木奈江が見れたから「るん」】
特集「母と言う名の女たち」から1プログラム。
一般興行の時に見逃した一本。1995年の映画でこれも木村大作撮影。
裕木奈江は可愛いし、自分を捨てた母を受け入れられないのもまあ分かる。
原田龍二は爽やかで、自分を捨てた母でも、受け入れてしまうのも分かる。
ただ、捨てた母の十朱幸代が捨てた理由もあまり明確じゃないまま、水商売の成功者としてそれなりの大人物になっており、上から、もしくは対等の目線で子供と対峙しようとするのは十朱幸代だから許されるのであり、実際は
『追憶』のりりィみたいなのがリアルなんだろうなあと思う。そこの部分をファンタジーにしないと映画として成立しないから、これはこれでしょうがない。
22年前の映画だから、どの役者を見てもみんな今と比べると若々しい。
それは当たり前なのだが、ただ一人笹野高史だけは、この映画の時点で
今の笹野高史として完成されているのが凄すぎて笑う。
【銭】『追憶』:トーホーシネマズデー1100円。
『日本一短い「母」への手紙』:神保町シアター当日一般料金1200円。
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追憶@ぴあ映画生活・
日本一短い「母」への手紙@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
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追憶@映画的・絵画的・音楽的・
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追憶@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
もやもや4本を軽くレビュー
◆『サクラダリセット後編』
▲トリオ漫才っぽい。
五つ星評価で【★★ぶっちゃけ話に付いていけなかった。】
中盤、今のサクラダで能力が暴走する件と、能力者が能力を失う件と、過去のサクラダの話がグチャグチャに並列に並ぶ中でミッチーの薄くて変な演技だけが悪目立ちして、話の本筋(主に過去のサクラダの因縁と今、サクラダがどのように維持されているか)を見失ってしまった。うん、分からん。封印したという事実は分かるが何の能力をどんな理由で封印し、それが今、どう維持されているかが全く理解できなかった。
付いていけなかった自分の責任か、付いていけない物を提示した製作者側の責任か、そこを追求してもしょうがないのなら、まあ、足を踏み外しちゃって楽しめなかった感が残るだけっす。後半、野村周平とミッチーの選挙演説は実に聞き応えがあるのだが、正論が人の心に響く事によって収束する事態と言うのは物語としては弱い。響く相手のメンタリティーによって物語が左右されていしまうからだ。その相手を完全に「こうするだろう」「こうしてほしい」と信じきって仲間の命を取引に使うのは、相手に対しても仲間に対しても失礼ではないだろうか。失礼も何もその道しかなかったという事にしたいのだろうが、それはやはりドラマ作劇上の弱さでしかないと思う。
これは前編でも感じた事で、今回のミッチーの能力にしてもそうなのだが、訳もなく複雑で、複雑であるが故に他の能力と組み合わせると意外な効果を発揮したりする。だが、理由もなく複雑なので、逆にその「意外な効果を発揮」させるために能力の複雑さがあるように見えてしまう。そこはそう見えないような手を製作者側が考えるべきだったんじゃないだろうか?
PS 黒島結菜は物凄いパワーの能力者でありながら位置付け的に助演。
存在は巨大なのに、後ろで影を潜めている小さい役、というとても変な役。
主役は野村周平ひとり。
でもまあ、恋愛関係をちゃんと描いたので後編での黒島結菜は報われて良かった。
◆『劇場版 Fairy Tale Dragon Cry』
▲無駄なサービスカットはなかなか良いと思う。
五つ星評価で【★★「おらおら根性見せろよ」が基本。】
まあ、そんなにつまらん訳でもないのだが、
「根性があればどんな敵にも最後は打ち勝ってしまう」病に主人公達はかかってる。
主人公達が勝つ理由が、「気合いが入ってるから」だけではいかんと思うぞ。
『Fairy Tale』劇場版アニメの二作目だが、
一作目はかなりちゃんと世界観の説明とかしてたと思う。
原作者が映画に絡むと、映画のソウル(魂)は正しい方向に向くが、
全体、話が物凄く大雑把になってしまう気がする(
『ワンピース』とかもそう)
◆『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
▲こんなテカテカ床の上にはミニスカート女子とか置いてほしい。
五つ星評価で【★★周りの評判はいいが、私は乗り損ねた】
ヨンドゥと金色の軍団は好き。
事件の当事者のスターロードは抜かして、
ドラックス、ガモーラ、ロケット、グルートの活躍が薄くて、
いい所をヨンドゥが浚っていった。だから、ヨンドゥだけは凄くいい。
幼稚園で金色くんとケンカした春日部防衛隊ガーディアンズがヒロシのいる家に帰ったら本当の父親という大金持ちがいるのだけど、そいつは青髭野郎で、魔手から逃れようとしていたら金色くんが保護者連れて抗議に来たからぶっ飛ばした、という産みの親より育ての親(&仲間的な意味でのファミリー)という物語。
前回も今回も周りの評価程乗れず。
ガモーラ(姉)とネビュラ(妹)の邂逅は良かったかな。
◆『劇場版Free!絆』
▲戦隊シリーズっぽい構図
五つ星評価で【★★話が予定調和だと思うな】
ビックリするほど劇場に女子しかいなかった。
おではハルちゃんよりはマコト推し。
ハルちゃんはずっと悩んでいながら、その悩みを口に出さないタイプなのでしんどい。
「ちぃーっす、このハルカ様のお悩みは~」みたいにオリラジ藤森調に喋ってくれれば映画は30分で終わったのである。
うんまあ、私はこの物語の原型をじっくり体験していないので、信者の人が嵌るようには嵌らない。そこはやっぱり、普通の一見さんが行くとこうなのだと思ってください。前回の
『ハイ☆スピード!』もアレコレ言うためのテキストとしては面白かったと思うけど、信者女子が熱い視線を送るようには私自身は楽しめてないから。前回のブザマにつんのめる感じの赤毛ツンツンのアサヒが出てこなかったのは残念。
PS 悪夢のシーンはきもくていい。あと、泳いでるシーンは本当にお達者。
【銭】『サクラダリセット後編』:トーホーシネマズデー1100円。
『劇場版 Fairy Tale Dragon Cry』:トーホーシネマズデー1100円。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』:トーホー6ポイント使用。
『劇場版Free!絆』:ピカデリー前回有料入場割引+ネット割引で1200円
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サクラダリセット 後篇@ぴあ映画生活・
劇場版FAIRY TAIL -DRAGON CRY-@ぴあ映画生活・
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス@ぴあ映画生活・
劇場版 Free! -Timeless Medley- 絆@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
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サクラダリセット 後篇@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評・
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評▼関連記事。
▼関連記事。
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サクラダリセット 前篇(1回目)@死屍累々映画日記(旧コメ・TB)・
サクラダリセット 前篇(1回目)@死屍累々映画日記・第二章・
サクラダリセット 後篇(1回目)@死屍累々映画日記(旧コメ・TB)・
サクラダリセット 前篇+後篇(2回目)@死屍累々映画日記・第二章・
劇場版フェアリーテイル 鳳凰の巫女@死屍累々映画日記・
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー@死屍累々映画日記・
ハイ☆スピード!@死屍累々映画日記

▲この左のおばちゃんが凄く良い。
五つ星評価で【★★★★メンゲレだあ】
『アイヒマンを追え』同様、ナチスものはやはりドキドキゾクゾクする。
私、アイヒマンは普通の事務屋で、ナチスという奔流の中で大逆人に祭り上げられてしまった、どっちかって言うとやった事やその結果に比べれば、取るにたらないつまらない悪玉だと思うのだけど(その評価の違いが好き)、この映画に顔を出すメンゲレは違う。
メンゲレはもう本気で狂っている。ヒーロー物に出てくるどのマッド・サイエンティストよりもおそらく狂いのレベルが段違いで高い。TVでは規制されるし、映画だってあまりに強烈な狂人は嫌悪感を感じてしまうからエンタティーメントには適さない。だから、凡百のフィクションにはメンゲレに並ぶ狂人は出てこないのだ。うん、ゾクゾクした。人間はここまで狂えるのか。
若い検事がヒョンな拍子から市井に隠れ住む絶滅収容所の職員に関する案件を知り、周囲全てから嫌がられながらも一歩一歩解明していく様子を映画化。登場人物は異なるが
『アイヒマンを追え』の裏面としても機能する(バウアー検事総長は同一人物だが、実際の捜査に働く人員が同じ人間には見えない)。
主役の若い検事、サポートするおばちゃん事務員、検事総長、後から手伝う敏腕検事、若い検事の恋人、最初に話を持ち込む記者、この辺がゴロゴロいい顔。役者がいいと映画が引き立つ。
【銭】夜間会員割引で800円。カップリング併映は『サウルの息子』で、これもギンレイで観てたのでスルーした。
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顔のないヒトラーたち@ぴあ映画生活

▲キャラクターが日本人形っぽいと思うのは私だけか?
五つ星評価で【★★★★濃密なSF】
SFを堪能。ともかくSFでSFでSFなのだあ。
設定から絵からモチーフまでSFが充満している。
フアーストランの限定二週間公開の評判は良かったが行きそびれ、
やっと今回が初の鑑賞。ちなみに原作未接触、元になったTVアニメも未鑑賞。
宇宙空間に現われ、地球人を攻撃してくる謎の敵。
最終的にこいつが何者で何を求めて人類に攻撃を仕掛けてくるかは不明なのだが、死んだ味方のパイロットを偽装した敵が、人と怪物を融合させた状態で襲ってくるのは疲れた身体にかなり悪趣味で精神やられてアハハハハハ、逆に面白かった。
映画内で答は示されなかったが、敵と人類は将棋やゲームをするかのようにコミュニケーションを取っていたのではないだろうか? 集合体同士の融合が可能な敵には人類の一個体が死ぬ事の意味が掴めていないのかもしれない。この後、続くのか続かないのかは分からないが、続くのならしっかりお付き合いさせてもらいたいと思う出来だった。
意図的にそうしてる風にも取れるのだが、キャラクター間の相違が少ないのでキャラクター間の混同は全くなかった気はしない。でも、あったとしても困るほどではない。
【銭】テアトル会員割引で1300円。
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劇場版 シドニアの騎士@ぴあ映画生活
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