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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ハクソー・リッジ』をトーホーシネマズスカラ座で見て、事実以上に地獄になってないかな★★★★


▲ひょろ長

五つ星評価で【★★★★作りはルサンチマンものだと思う】
「戦場には出るけど戦いません」
こんな事言いだす奴がいたら、そら虐められるだろ。
それでもどうにかこうにか解決して、戦わないけど戦場OKが許される。
うん、結果オーライだとは言え、ここでアメリカは大した国であると思った。
日本だったら軍関係者が無理やり(場合によっては殺して)
言いくるめて殺人兵器にするか、狂人にするか、でしょう。
前半ドスの頑固さ加減を嫌と言うほど語り、後半はいよいよ戦場である。
戦場こえー。
今までのどの戦場よりも強烈。敵はジャップ、日本人である。
手足が吹き飛ぶとか四肢の破壊をかなりちゃんと見せたのは偉い。
ただ、本当のところは、あそこまでじゃなく
もうちょっと静かな戦場だったんじゃないだろうか。
別に本当の戦場に出た事もなく(たりめーだ)、
あくまで日本軍人が出てくる戦争映画を見た上でのイメージなのだが、
日本の軍人があんなに密集しているのは変。
「兵隊さん」も駒切れで学徒も含めてどんどん召集して
ゼイゼイ言ってるのに、あんなに大人数の兵力を
一点集中して割けるのは違う気がする。 
ちょっと多すぎて、中国人っぽい(イメージです)。
人が多ければ兵站や補給物資も多く必要になる。
戦力を沖縄に集めても、兵站や補給物資までは
要求が通らないだろうから、もうちょっと兵隊はスカスカで
ゲリラ戦のように密集していない方がリアル。
そして、日本軍人の戦闘における破壊力が半端ない。
足や腕が吹っ飛んでるアメリカ兵がゴロゴロいる。
だが、日本軍の主要な武器は銃剣の付いたライフルである。
あれではそんなに簡単に手足は吹っ飛ばないに違いない。
だから、わっと攻めてきて銃剣で刺してるシーンは説得力がある。
移動式の機関銃を撃ち続けるシーンもあるが、
機銃は弾丸も含めてトーチカに設置するのが精一杯だろう。
そんなに簡単にぶっ放し続けるほど弾丸も潤沢じゃない筈だ。

戦場を後にする兵士が「奴らは死ぬ事を恐れない」と言ってたのは
クレージーな日本兵のイメージがゆえであろう。
神風の国の兵隊だもの。全員いかれてるに違いない。そら怖かろう。

という事で、もう少し静かで実務的な殺害が
訥々と行われていたのではないかと思っている。
アメリカ人から見た戦場という意味では、
絵としては胡散臭いが、気持ちとしてはこれで正解かもしれない。

日本軍の偉い人のハラキリを手伝った部下の介錯が見事。
なかなかああは斬れない。多分、介錯の主目的は
血管を傷つけて致命傷を負わせると同時に意識を奪う事じゃないだろうか?
江戸時代には「首切り××エ門」みたいな専門職もいたので、
その頃は「首ちょんば」みたいな名人芸が見れたかもしれないが、
昭和にはそういう逸材は残ってはいなかったと思うし。


【銭】
トーホーシネマズ、メンバーサービス週間で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ハクソー・リッジ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ハクソー・リッジ@或る日の出来事
ハクソー・リッジ@ノルウェー暮らし・イン・原宿

PS たいへんな戦場だったから、もちっとスパイダーパワーを
 使ってもよかったんじやないかな。
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『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』を神保町シアターで観て、宍戸錠と笹森礼子だ★★★

特集「映画監督鈴木清純の世界」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★宍戸錠と笹森礼子だあ】
1963年カラー、初見。

宍戸錠が似ても焼いても食えない探偵事務所の所長。まあ、食おうとは思わないが。煮ても焼いても食えないと言えばシシド・カフカがそんな感じだが、これは余談だ。で、宍戸錠が警察のアンダーカバーとして潜入する組織にいるのがボスの情婦だけど、ボスが不能なので清純という設定が複雑な美女・笹森礼子。彼女の目が大きい顔立ちが三田寛子を思いださせて良かった。アイドルなのにムリクリ事務員させられてるみたいでね。ヤクザの上前をはねる商売の悪党ボスは頭も良く中々の人物。このボスを警察に渡して売り上げにしようというのが宍戸錠なので、悪の上前をはねる悪のまた上前をはねる、という構造だが、最終収支として宍戸錠が儲かったかどうかはよく分からない。大丈夫なのか、探偵事務所23。金子信雄が刑事役。『仁義なき戦い』のイメージが強いので、「うわ、金子信雄なのに働いてるよ」とか思ってしまった。あと、昔の銀座が映るのだけど日劇前など立地そのままに道路が広い、と言うより車の交通量がスカスカで、広く見えざるを得ないって逆転が笑った。これは『薔薇の葬列』なんかで映る新宿もそうだった。

【銭】
神保町シアター当日一般料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
探偵事務所23 くたばれ悪党ども@ぴあ映画生活
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『アシュラ』『ベテラン』をキネカ大森1で観て、ゲロゲロワッハッハ★★★,★★★★

キネカ大森の「韓国映画夏祭り」から2プログラム。

◆『アシュラ』

▲左が市長。右が飼い犬

五つ星評価で【★★★男たちの悪でえ顔が凄い。その顔だけの映画かもしれないけど、顔だけでお釣りがくる】
主役のチョン・ウソンの野太い悪人顔が超魅力。
物語としては紆余曲折いろいろこねくり回してるけど、
そんなにいいとは思わない。決着はスッキリするが
ベストの閉め方なのかと言われればちょっと悩んでしまう。

そいで、市長を演じるファン・ジョンミンの濁った目が怖いわあ。
この人、心のない演技をやらせると南原清隆になるんだ。
融通の利かない正義クァク・ドウォン(『弁護人』のあいつだ)も
いい意味でイヤな顔だ。

そして、韓国の暴力映画は斧が好きだね。
斧を多用するから血がバンバン出る。
こんな蛸が墨吐きまくった後みたいな血の海を映されちゃうと、
日本のヤクザ映画のドスから出る血は上品だよなと思う。

ファン・ジョンミンがクァク・ドウォンに対してする命令は
浅野忠信の『FOCUS』を思いだした。いや、浅野忠信の方がゲスいな。


◆『ベテラン』

▲かっこ悪いけどかっこいい面々

五つ星評価で【★★★★基本、正義のヒーローのいきり方が最高なんだけど3回目だから、ちょっと冷静になった】
このファン・ジョンミンの明朗快活な英雄っぷり(行儀は悪い)が楽しい。
菅原文太の一番星がコミカルな外れ者のまま刑事になったみたい。
ブータレ口を叩きながら、ちゃんと正義を遂行する現場の刑事。
やっぱり、あの傷の見せあいと、ジョンミン妻の警察来襲が好きだ。
ミス・ボンのドロップ・キックってもっとドッカン炸裂してると思ったら
ラスワンしか炸裂してないのね。まあ、それでもミスボン最高。
貧乏は嫌だけどトラッカーの奥さんが健気な感じで好きよ。


【銭】
『ベテラン』:特集料金1300円。
『アシュラ』:特集リピーター料金1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
アシュラ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
アシュラ@ここなつ映画レビュー
▼関連記事。
ベテラン(1+2回目)@死屍累々映画日記(ライブドア)
昼顔@ベテラン(1+2回目)@死屍累々映画日記・第二章
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『はじまりへの旅』『マギーズ・プラン』をギンレイホールで観て、『昼顔』をトーホーシネマズ日本橋8で観て、くっっけて思うこと★★★★,★★★,★★★

◆『はじまりへの旅』

▲父ちゃんと子供達

五つ星評価で【★★★★父ちゃんと子供たちに自然に感情移入】
森の中で独自に生活しているベンと六人の子供。
子供達の母親が死に、彼等は初めて葬儀の為に森の外へと旅に出る。

父親のベンが文明を捨てた超人であり、
そのベンが教育した六人の子供が同じように全て超人として育っている。
但し、社会との関わりはないので、みながミニ・ベンであり、非常識でもある。

観客に突きつけられるのは、ベンが正解か、周りの文明社会(アメリカ)が正解か。
おそらく、これはどちらでもなく、「帯に短し襷に長し」状態。
理屈としてはベンの教育は正しいが、この生活しか許されないのは多様性に欠ける。
仮に森でベンが事故死したら、子供達はそのまま自活して生きていけるかもしれない。
ただ、それが幸せな事であるかどうかは分からない
(祖父に引き取られて文明社会で暮らすのが幸せかも分からない)。
ベンの長男が言ったように彼等は「本の知識しか持っていないフリークス(畸形)」なのだ。

観客はベン達に感情移入する。
やはり、故人の思いを無視する葬式には賛同できない。
但し、葬式が故人第一優先でなく、残された家族のための物だというのであれば、
あの故人が求めなかった葬式も価値がないとは言いきれない。
やはり、コミュニケーションが必要なのだ。
ベンも、ベンの妻の父親もコミュニケーションに重きを置かない。
「自分が正しい」との絶対の信念を持っている。それが不幸だ。

ベンは映画後半で信念の鼻っ柱を折られる。
超人から人間へ。落伍する事が幸せである事もある。
この映画のラストシーンはこれでいいのかどうかはっきり判断できなかった。
何通りものラストシーンが考えられるし、どう終わってもいいような気がした。
だから、多分ああ終わっても良かったのだ。

PS ベンの義理の父役を演じたフランク・ランジェラが「どうして」というくらい
 顔が怖かったよ。


◆『マギーズ・プラン』『昼顔』
五つ星評価で【★★★,★★★どちらも見た時にはそんなに刺さらなかったのだが、比べてみると面白い】
『昼顔』はドラマ未鑑賞。評判が良く、ドラマ見てなくても問題なく見れるという事なので見に行った。基本、予告で見た上戸彩の表情にグッと来てたと言うのがある。ただ、予告見てるだけでは「見るまでもないかなあ」という感じで、見終わった直後も「周りが褒めるほど自分には刺さらなかったなあ」という感じだった。
物語の骨格は(上戸彩+斉藤工 vs 伊藤歩)の三角関係で四角目と思われていた平山浩行はそんなに大きな「角」ではなかった。上戸彩なかなか綺麗で淋しげでいいじゃん。伊藤歩怖いじゃん。そして全てをなくした上戸彩のガタガタの身体表現もまるで生きていないかのように怖くて、ピンポイントで凄いものを見たなあという感じだった。斉藤工はこの映画だけ見てると、何でそんなに二人の女が取りあいになるのかがピンと来なかった。チンチンでもでかいのか(おいおい)。

▲いい距離感の二人。

さて、『マギーズ・プラン』も男一人、女二人の関係性の物語。主人公のマギーを演じるグレタ・ガーウィグは不倫関係からイーサン・ホークを略奪して結婚にまでこぎつけるが、夫イーサン・ホークと前妻ジュリアン・ムーアのビジネス関係はなかなか切れず、その弊害が夫婦の生活を圧迫したりもする。そしてグレタは思うようになる。実はイーサン・ホークとジュリアン・ムーアの夫婦こそベスト・カップルだったのではないか、と。グレタは二人の寄りを戻す計画を立ち上げ、実行に移していく(この計画が題名の「マギーズ・プラン」な訳だ)。

▲女の子がむっちゃ可愛い。

この二組の映画の骨子は似ている。

グレタ・ガーウィグ=上戸彩
イーサン・ホーク=斉藤工
ジュリアン・ムーア=伊藤歩

グレタ・上戸は愛の略奪者であり、イーサン・斉藤をジュリアン・伊藤から奪う。
イーサン・斉藤はジュリアン・伊藤から逃げ出した訳ではなく、彼等なりに仲良しだ。
グレタ・上戸はイーサン・斉藤と最も親しい存在に登りつめたが、
実はイーサン・斉藤の資質をもっともよく理解しているのはジュリアン・伊藤である。

この二本の映画のもっとも大きな違いは「愛の独占」可否である。
上戸彩および伊藤歩は斉藤工を独占していなければ気が済まない。
ジュリアン・ムーアはおそらく常人並であろうが、
グレタ・ガーウィグは愛を独占する事よりも共同体全体の幸運を優先させてしまう。
一般的な一夫一婦制社会ではこれはとても特異な考え方ではないだろうか。
でも、上戸彩と斉藤工がセックスレスの付き合いでも「よし」と出来るなら、
三者相立つ生活の方法はありそうにも見える。
問題なのはそれぞれが相争ってしまった過去のしがらみだけだろう。

なので、この映画の中でもっとも罪深い行動を発動させてしまうのは上戸彩である。
かって伊藤歩が自分に突き付けた愛の独占を、
自分たち二人は伊藤歩のいない所で破っておきながら、
優位に立った上戸彩は伊藤歩に愛は自分一人が独占すると宣告する。
「敗者には何もやるな」という訳である。
上戸彩が伊藤歩にグレタ・ガーウィグほどではなくても譲歩していたら
結末は違っていただろう(ドコーンと駄作に落ちてたっぽい気もするが)。

そして、この映画のラスト、一筋の光明のように挿し込むある事実が、
愛を独占する事に関してはモンスターと化した上戸彩によって告げられる時、
普通ならそれは僥倖であるが、何かしら幸せの空気を感じづらく思えるのは私だけだろうか。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。『はじまりへの旅』&『マギーズ・プラン』で一番組。
『昼顔』はトーホーシネマズカードのポイント6ポイントを使って無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
はじまりへの旅@ぴあ映画生活
マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ@ぴあ映画生活
昼顔@ぴあ映画生活
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はじまりへの旅@映画的・絵画的・音楽的
マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ@映画的・絵画的・音楽的
昼顔@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
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『スペース・スクワッド』『ガールズ・イン・トラブル』を109シネマズ木場8,3で、『破裏拳ポリマー』を新宿バルト9-4で観て、この3本を評価しない理由★★,★★,★★★

坂本浩一監督作品3本をまとめてレビュー

◆『スペース・スクワッド』『ガールズ・イン・トラブル』『破裏拳ポリマー』
五つ星評価で【★★,★★,★★★どれも同じ理由で好きじゃない】
3本とも坂本浩一監督作品(兼任アクション監督)で、原型となるアニメや特撮素材を元に作られた続編とリブート(ポリマー)。ジャンルは特撮アクション。女性の露出多目のアクション多し。どれも他愛もない話で、予算も潤沢には見えない。ただ、そういうのは内輪の話であり、お金をかけた方が面白い映画が作られるチャンスは高まるが、予算が少ないから必ず駄作が出来る訳でもない。

3本に共通して好きじゃない点
①アクションの撮り方が好きじゃない。
これで満足できる人は別に全然かまわないのだろうけど、私個人はこれはどうにもあかん。
イライラするのはカメラがアクションする人間を追い、止まっていない、ブレている。そして対象者と撮影者の距離が近すぎる。このため、画面の中央で肉同士がうごめいているように見えても、 どんなアクション(動作)が行われているかが極めて分かりづらい。おそらくみんなちゃんといいアクションをしてるのだと思うけど、それが効果的に撮られていない。
察するに、これはTVサイズに適した撮り方なのだろう。
映画のスクリーンと比べて小さいTVのモニターに映えるように、ドラマでアップが多用される如く、カメラが対象者に近づいて撮影している。アクションをする二人の人体の全体像が収まっていないと、どちらがどちらに対して、何を行ったかは分かりづらい。アクションを分かりやすく見せるためのルールが破られている。近づいて撮るとアクションは分かりづらいが臨場感は増す。そして、アクションが苦手な俳優がいると、その俳優のアクションを誤魔化せてしまうのだ。
そんな撮り方をされて愉快な訳がない(カメラがぶれるので見ていて疲れるし)。
国内のアクション映画ではたまに見かける手法だし、「全てのアクション映画をドニー・イェンの映画のようには取れまい」という人もいるかもしれないが、おそらくこの映画より更に資金が貧しいであろう邦画『カラテ・キル』だって、それはやれているのだ。要は志があるかないかの問題なのだと思う。
勿論、「これは元々映画ではなくビデオ・ムービーで家庭で楽しむ為に作っているのが最終目的です」という事であるならそういうのもありだとは思うが、カメラの手ぶれさえ直しておけば、今は遠いフレームで映画用に撮って、近接するフレームにテレビ用にデジタル編集する事も難しくはないと思う。勿論、費用は掛かるだろう。でも、どちらかと言えば誠意の問題でやる意思があるか、ないかじゃないだろうか。

②変な歌やリアクションの遊びが嫌い。
『ガールズ・イン・トラブル』冒頭の「ポクポクチーン」、
『スペース・スクワッド』の梅子が歌いだす歌演出
『ポリマー』の大屋・柳ゆり菜の要所要所の変なボディー・アクション。
これらは原典へのリスペクトだったり、原典空気の再現を図っての演出だと思われるが、映画単体として見た時には失敗している。挿入される意図が分からない。あの堤幸彦の悪癖である「小ネタ」と何ら変わりない。これらの「小ネタ」は本編のストーリーラインが充実している場合、オマケとして付与される分には許されるが、本編のストーリーラインもグダグダなのに、あちこち目出しされていると、非常に「イラ」っという気分にさせられる。そこに不要な物が映りこんでいるという事は話の中でのリアルさを減じてしまっているという事に他ならない。

③明らかにストーリーラインと環境設定が弱い。
3本の中でマシなのが『ポリマー』。それなりに話に説得力があり、ちゃんと「起承転結」の「転」もある。惜しむらくはとても壮大な物語の筈なのに手下のギャングは10人くらいしか用意されないし、そいつらが何回もアクション要員として駆り出されるので、非常に規模感の小さい物語に見えてしまう事だ。残り2本はもうライダー集合映画、戦隊集合映画並みにストーリーが弱い。宇宙新興宗教みたいなのを悪い奴として担ぎ出したが、この組織の「悪としての魅力」が全く見えない。悪い側の縦横無尽の悪さがないと正義の味方も映えない。


個別にちょっとずつ
◆『スペース・スクワッド』

▲初代ギャバンのマジシャンみたいな衣装も変だったけど、二代目はバリ傭兵みたい。
『アベンジャーズ』『ジャスティス・リーグ』の日本版として企画されたみたいな宣伝文句が聞こえてきていた。チャンチャラおかしい。それぞれに成功したり、失敗したりはあるかもしれないが、洋画のそれはもう少し真面目かつ繊細に世界観の統一に踏み込んでいる。これは真似事の域を越えていないと思う。

主人公二代目ギャバンを好きになれない。役者がどうとかではなく、こいつ物語の中でヒドイ自己中なのだ。彼は自分の判断の甘さやスタンドプレーからチーム全滅みたいな状況を引き起こしているにもかかわらず、持ち前の猪突猛進さで更に事件を追う。その際、現地捜査を攪乱し、自分の捜査を全てに対して優先させる。そんなの規律違反に次ぐ規律違反じゃん。バイタリティーがあって結果が伴えばオーライってのは許しちゃいけないだろ。

ゆるいデカレンジャーの乗りは放映当時から好きだったが、それと悲壮なギャバンとがうまく噛みあっていない。
梅子の突き抜けた所はいいし、すうちゃんは可愛い。


◆『ガールズ・イン・トラブル』

▲女囚ものというよりは『CUBE』のパロディーか。
女の子だらけなのだが、思った以上に綺麗だったり可愛くだったりは撮ってあげていないんだな、という感じ。

◆『破裏拳ポリマー』

▲モコモコしてる感じのスーツだが、まあよし。
溝端淳平くんはようやってたと思う。
あのセリフを呟かせるのもよく考えられてると思う。


【銭】
『スペース・スクワッド』:109シネマズのポイント使おうと思ったら特別上映扱いだからか無効。1800円出して見てしまった。キショー。
『ガールズ・イン・トラブル』:55分の短尺なので一般入場料金1300円。
『破裏拳ポリマー』:映画ファン感謝デー料金1100円。
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スペース・スクワッド ギャバン VS デカレンジャー@ぴあ映画生活
ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッド EPISODE ZERO@ぴあ映画生活
破裏拳ポリマー@ぴあ映画生活
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てんや「角煮天丼」

これは予想の上を行く美味さ。
だが、味の濃い角煮にてんぷらの衣(油その物)でコーティングしてるんだから激カロリーだろう。
まあ、天婦羅屋に来てカロリーがどうのって、その前に店に来るなよって話だからスルーでいいんだけど。

角煮の天婦羅自体はとても美味い。
ただ、幾つかの具の一部になり下がってしまう天丼として食べるより、
定食の一品として白ご飯ほうばって食べる方が向きそうだ。
但し単価は小さいのに高くてトッピング単品一つ150円、
二つ入ってる天丼として食べる方がリーズナブルである。
まあ、期間限定商品なので、なくならないうちに一回食べていただく事をお勧めする。
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『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』をユナイテッドシネマ豊洲2で観て、一見さんも大事にしてちょ★★★


▲「お兄様」おんな

五つ星評価で【★★★アウトライン分かりづらい事を除いても楽しめる】
もうほんなこつバリバリに一見さん無視。
作品世界における魔法の意味から各登場人物の紹介まで一切無視。
回想シーンも含めて、ことごとく前段の作品を鑑賞している事が条件となる仕様。
だがまあ、そういうのはしょうがないにしても、この単品だけでは主人公やヒロインが強いだけであまり共感できるように見えないのは問題ではないか。

戦略核兵器並みの破壊力を持つ魔法師同士の「最強対最強」というコンセプトには胸踊るものを感じるが、「魔法」のコンセプトがシステム化されすぎている為、各個人の能力の発露に見えず、一見さん的にはしのぎを削ってる感を感じられず、ドキドキする出来にはなってなかった。

ストリングを強調した劇伴は映画を盛り上げてくれるが、後になって気が付いたが『マッドマックス 怒りのデスロード』の劇伴にそっくりじゃん。

【銭】
ユナイテッドシネマのポイント2ポイントを使って割引入場。1000円。
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劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女@ぴあ映画生活
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テーマ:アニメ - ジャンル:映画

マンガ『あさひなぐ 第二十三巻』こざき亜衣、ビッグコミックスを読書する男ふじき

河丸摂戦の開始。
この巻は大きく、河丸摂戦、國陵三年最後の団体戦、男子薙刀の三部構成で出来ているが、秀でているのは河丸摂のエピソードだ。このタイプは今まで、このマンガの中にはいなかった。
スポコン漫画の根幹は「努力は結果に現われる」。だから、馬鹿みたいに努力する。いわゆる体育会系的な思考である。今までの登場人物は努力の差異に違いこそあれ、みな同じこの線上に乗っていた。
河丸摂は違う。努力が許されないという特異なキャラだ。しかし、このキャラが一般社会で特別かと言われればそうとは言えない。ハンディキャップは人それぞれだが、こういう実例は他にもいろいろあるに違いない。そして、河丸摂は努力を許されないからこそ、自分を追い詰めて明るく穏やかに振る舞いながらも、狂おしい部分を持たない訳にもいかない。実に異形な存在で面白い。

しかし、こざき亜衣は表現下手な部分が残っているな。
この巻でも、旭が摂にフェイントをかけるシーンが、どちらがどちらに掛けたか判じ物のように考えないと分からなかったり。
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『キング・アーサー』を109シネマズ木場8で観て、絵と音がずば抜けてるオマヌケファンタジー★★


▲帝銀事件の真相みたいな絵

五つ星評価で【★★極めてプロモーションビデオっぽく、そんな意味でガイ・リッチーっぽい】

絵と音に凄く魅せられる。
グチャグチャで何が描かれているか分からんキライもあるけど、予告通り絵が凄くかっこよく、ケルト風なのに重くてズシンな感じの劇伴もかっこいい。でも、その絵と音に話が付いていってない。イギリス王国の始祖の話とは言え、魔法や怪獣が跳梁跋扈するファンタジーな設定なので、リアリティーみたいな物は捨て去ってくれても構わないのだが、物語のコアになる「聖剣のパワー」に関してだけは御座なりにしてはいけない。のに、その辺、てきとーだ。
王家の正統な後継者が振るうと莫大なパワーを出す。
剣が人を選ぶのである。
えーい、剣の癖に生意気な。
と言うか、その剣が何故、そんな力を秘めているかが「みんな知ってるでしょ」とばかりに何の説明もない。何だよ、呪いか?魔力か?王様(アーサーの父)正々堂々みたいな顔して、そこを魔力に頼って補うのはどういう物か。正義が遂行されさえすれば手段は選ばないのか? そもそも聖剣が正義の象徴のように描写されているが、正当後継者が正義であり神に祝福されているというのは王族側の都合だろう。

弟が兄に下剋上して、その息子に討たれるって『キング・オブ・エジプト』がそんな設定だったな。まあ、そもそも物語としてはこっちの方が古いんだろうけど。このジュード・ロウが特別にゲスい悪役に見えない。だから、そうまでして退治されなくてもみたいに同情しないでもない。ジュード・ロウの「どろろ」ラインみたいな心情に深入りせず、野蛮な王子アーサーのトラウマ回復ドラマがそんなに面白くないので、物語はもちっと整理して伐採してほしかった。

『うしおととら』の獣の槍みたいに「剣よ来い」と言うと飛んできてくれるようにならないかんやろ。

PS 日本だったら「草薙の剣」をこんな感じでかっこよく映画にしてほしい。
PS2 聖剣の力で40メートルの巨人になって剣劇みたいなのが見たかった。

【銭】
109シネマ会員感謝の日(毎月19日)、会員割引で1100円。
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キング・アーサー@ぴあ映画生活
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テーマ:洋画 - ジャンル:映画

引越後最初の記事

こんちは。
「ふじき78の死屍累々映画日記」ライブドアブログから引越してきて最初の記事です。ライブドアのブログで映画レビューを2008年8月24日から2017年6月15日まで、ざっと9年弱やってきました。ライブドアの仕様変更により、当月末でトラックバック機能が使えなくなるという事で、FC2に越してきました。なので、この記事以前の記事はライブドアブログ時代に書かれた記事です。

FC2の引越ツールを使用した所、コメントやTBはライブドアブログ側に置き去りになってしまいました。これをどうこうできるほどの技術スキルは持ち合わせていないので、ライブドアブログ時代の映画記事は活かさず殺さず元のままに放置しておきます。新旧二本立てで行きます。

いろいろ勝手が違うので、変わっていってしまう部分などあるかもしれません。ごくごく希にいる読者の方にご不便掛けたりするかもしれませんが、まあ、適当にホイホイやってこうと思うので、適当に付きあっていただければ幸いです。

旧天地の「死屍累々映画日記」のリンクとアドレスを下に記します。

@ふじき78の死屍累々映画日記

アドレスは
"http://fjk78dead.blog.jp/"です。
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