ユナイテッドシネマ豊洲括りで4本まとめてレビュー
◆『エイリアン:コヴェナント』ユナイテッドシネマ豊洲10
▲なんか地味な画像引っ張ってきてしまった。
五つ星評価で【★★★★頭が悪いのでお気にです】
あのエイリアンが神戸南東のぶぶ漬け婆さんに礼儀がなっとらんと説教される映画(嘘)。
いやー、惚れ惚れするくらい地球人頭悪くない?
初めての未開の惑星で宇宙服を脱ぐんじゃない。何だろう。躾けがなってないのかな。よそ様のお宅でそんな気ままに振る舞えるちゅーんは。顆粒の龍角散とかエイリアンとかとは別に、どんなウィルスがあるか分かったもんじゃない訳だし。まあ、あまりよそ様のお宅を雑菌だらけみたいな扱いするのもなんだけど。ただ
『宇宙戦争』では、それで火星人全滅したんだし。まあ、同じ太陽系の宇宙人として同程度の知能だったという事か。人類(火星人も含めて)みな兄弟。
映画その物は娯楽にずっぷり足を踏み入れてる感じが、たいそう面白かったです。Hしてると斬殺鬼が現れるとか。ええい、どうせならホッケーマスク被って来いよ。
とは言え、顆粒の奴はよく分からないよ。あれがあるならフェイスハガー形態とかいらなそうだもの。まだまだ生物としてのエイリアンは謎がいっぱいだ。
あと、たいそう皆様が喜んでるのはマイケル・ファスビンダー祭になっている点。
エンドロールで百人のファスビンダーが歌って踊ってミュージカル映画もかくやという感じになっても誰も反対できないと思う。そして、ファスビンダーはいまや
『おそ松さん』がハリウッドで実写化される時の主演第一候補である、私の中では。
◆『僕のワンダフル・ライフ』ユナイテッドシネマ豊洲9
▲この後、犬は一飲みされた。
五つ星評価で【★★犬だな】
犬は好きでも嫌いでもない。こういう風に犬に思っていてほしいなあという気持ちはよく分かる。だから、映画その物の成立が犬に対する人間からの片想いのラブレターなんじゃないだろうか。そう考えると切ないけど、そこまで深読みしながら映画は見ないから、まあ、普通の映画だった。個人的にはそんなに犬に希望を持てるような生活をしてないという事だろう。デニス・クエイドはかなり前から中年で、今はもう中年から初老という佇まいだけど、黙っていても人生を感じさせるいい風貌になってきましたね。
チラシに次みたいに書いてある。
「名匠ラッセ・ハルストレム、ドッグシリーズの集大成」このドッグシリーズの根拠が
『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』と
『HACHI 約束の犬』なのである。おいおいおいおい。そらないだろ。タイトルに「犬」って付いてるけど
『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』の犬なんてカルタ札で読まれる「犬も歩けば棒に当たる」程度の犬でしかないんだよ。これで「ドッグシリーズ」だったら監督違うけど
『ゴースト・ドッグ』とかだってシリーズに入れてもいいよ。変な宣伝しようとするんじゃないよ。
◆『スクランブル』ユナイテッドシネマ豊洲4
▲4Pしそうな四人組。
五つ星評価で【★★★頭使わなくて面白いのがえーやん】
東急レックスで一年に一回くらいかかる痛快なんだけどガラガラの映画みたいな雰囲気。
仕留めておかないと、後からヒドイ目に会うという正統性があるんだけど、敵にはとことん優しくないのがちょっとギャップ(ギャップ萌えはしない/どっちかというと良くない印象)
邦題が
『スクランブル(緊急事態?)』だけど、原題は
『OVERDRIVE(運転しすぎ)』で、原題の方が分かりやすくていい。
『スクランブル』なんて10年に一回くらい同じ題名の内容が異なる映画が公開されそうな題名だ。内容にリンクしてない。いや、内容はないからそこそこ何でもいいという感覚も分からなくもないけど。将来的にスクランブル・エッグを作る料理人の一生を描く映画とかが出来た時に「題名残しておけばよかった!」と後悔するぞ。
あっ、イーストウッドの息子(役柄的に兄貴)の相手になる姉ちゃんが整ってて卒がないと言う感じの美人でした。でも、なんかほんま特徴がない。きっと、この後、凄く有名になってこの映画にも出ていた筈なのに、あまり覚えがないとか思ってしまう羽目に陥りそうな予感がある。
犯罪グループのリクルートするシーンでドライバー達に「運転だけ」という約束がされて、実際のヤマを踏む時に本当に「運転だけ」であったのにちょっと感心した。そういうドライバー達であり、頼りがいはないけど安く雇うなら、想定以上のスキルは要求しないというのが潔い。あれ、渋谷とかでゴーカート転がしてるマリオ・カート・ドライバーみたいだな、とか思った。そこそこリスクはあるけど、そこそこの身入りみたいな意味で。
◆『アナベル死霊人形の誕生』をユナイテッドシネマ豊洲10,9,4,2
▲ドキっ美少女だらけのちびっ子ハウス。
五つ星評価で【★大きな音は出るけど何が怖いのか】
大きな音が出る、音に合わせて不気味な映像が一瞬浮かび上がる、
ショック表現は中々堂に行ってるのだけど、そもそも
何がどうしてそういう事が起こるのかがよく分からない。
つまり単に変な現象が次々に起こる事だけで怖がってください、
と言う事なのだけど、この超パワー、ぶれがひどい。
成人男子の指をボリボリ折るかと思えば、
美少女たちを追い回して追い回して追い回した挙句
被害は僅少。
呪う側が何の目的で誰に対して何をどう呪うのかが
ブレブレで分からない。
あと出てくる少女はみんな可愛いが、
人形は「何でアレ」って怖い外観が説得力を削ってる。
【銭】『エイリアン:コヴェナント』:ユナイテッドシネマメンバーポイント2ポイント使用で1000円。
『僕のワンダフル・ライフ』:ユナイテッドシネマ金曜メンバー割引で1000円。
『スクランブル』:ユナイテッドシネマメンバーポイント2ポイント使用で1000円。
『アナベル死霊人形の誕生』:ユナイテッドシネマメンバーポイント2ポイント使用で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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エイリアン:コヴェナント@ぴあ映画生活・
僕のワンダフル・ライフ@ぴあ映画生活・
スクランブル@ぴあ映画生活・
アナベル 死霊人形の誕生@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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エイリアン:コヴェナント@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記・
エイリアン:コヴェナント@SGA屋物語紹介所・
エイリアン:コヴェナント@或る日の出来事・
スクランブル@ここなつ映画レビュー・
スクランブル@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評・
僕のワンダフル・ライフ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評・
僕のワンダフル・ライフ@SGA屋物語紹介所

▲最近、こういういかしたイラストの映画ポスターってないね。
五つ星評価で【★★★マデリーン・カーンが出てる】
ワーナークラシックの特集上映二本立てで時間の都合で夜間割引一本だけ。初見。
四つの鞄の取り違えコメディー。
場内貼りでプレスシートが貼ってあったが、最初の日本語タイトルが「ファニーなんとか(失念)」であったのがハンコが押されて「おかしなおかしな大追跡」に変わってる。あと、プレスシートに漢字違いがあって「四つの靴」を間違える話とかになってる。うーん、俺が見間違えてる訳じゃないよねー。
もう、次から次へと他愛のない笑いが仕込まれてて楽しい(ガラスとか左官とか鉄板)。笑い的には難しくなく、罪がない。ただ、話の真ん中に鎮座する、人のいいヤング博士と、その婚約者と、トラブルメイカーの偽婚約者は、喜劇を作らんが為の都合が良すぎる性格設定じゃないかと思う。特に偽婚約者については、人の迷惑を顧みない自己中性格で、やはり好きになれない。あの性格に何かしら理由があると言う所まで作り込んでくれれば良かったのに。
お人好しの主人公が、理由も分からずに相手をブンブン振り回す見ず知らずの女と、ヒステリーの婚約者の間で目を白黒させる構造はちょっと地獄だ。
このヒステリーの婚約者はマデリーン・カーン。
『ヤング・フランケンシュタイン』で怪物に襲われながら巨根でオペラのように歓喜を歌ってしまうジーン・ワイルダーの婚約者。あの映画はテリー・ガーの方が可愛くってマデリーン・カーンはベクトル変だった。つまり、人並に美人なのに果敢に変な事できる役者なのだ。
映画の前半で軽く「エニシング・ゴーズ(インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説のOP)」が耳に入る。なんか良いなあ。
【銭】夜間会員割引で1000円(おそらくワーナー映画特別価格)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・
おかしなおかしな大追跡@ぴあ映画生活
キネカ大森の名画座企画「甘くて苦いティーン・ムービーの青春」
◆『スウィート17モンスター』キネカ大森2
▲××××くん全開。
五つ星評価で【★★★悔しいのだけど主人公ネイディーンから目が離せない】
基本、誰もが通る「自分は特別な人間」と、でも、「自分がダメである事も徹底的に自覚している」と。うんまあ、自意識過剰で自分が世界の中心にいるそんな主人公がちょっと大人になる話。もう本当洋の東西を問わずみんな同じような事に躓いてんのね。一時期はナチュラル・ボーン・キラーだったのに、とっても地味に収まったウッディ・ハレルソンがいい味、出してる。この手のティーン・ムービーで王子さまに位置するのがアジア系って珍しい。
そしてネイディーンの顔がどこかで見たような気がする。
あれか、
金子信雄か?
それとも
財津一郎か?
いやいやいや
あばれるくんだ。
書いてて可哀想になったが、でも、俺は顔があばれるくんの女の子とHするのを想像すると申し訳ないけどちょっと萎えるよ。
◆『アメリカン・スリープオーバー』キネカ大森2
▲噂の2×1。
五つ星評価で【★★ちょっと登場人物が多すぎて平坦】
「スリープオーバー(お泊り会)」という行事がアメリカにはあるのね。知らんかった。いや、見終わった今でもどんな行事なのかピンと来てない。
何でも
『イッツ・フォローズ』のデビィッド・ロバート・ミッチェル監督の長編デビュー作なのだとか。そう言われてみれば空気が似てるかもしれん。下手に世慣れず静かに多面的に色々な事が展開してる。群衆劇でキャラが多すぎて何人か分からずに混同してしまって混乱した。双子のインド系はいるだけで神秘的でいいなあ。
『モスラ』のパロディーが入ってくるとは思わなかった。
【銭】2017年10月始まりで新しく購入したキネカード(名画座回数券)。半年間で3回入場券付で3000円。うち1回分を使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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スウィート17モンスター@ぴあ映画生活・
アメリカン・スリープオーバー@ぴあ映画生活
同日鑑賞、ドキュメンタリー2本。
◆『74歳のペリカンはパンを売る』ユーロスペース1
▲「これは何だ?」「パンだ!」
五つ星評価で【★★眠りそうな内容にも関わらず起きていられたけど饒舌ではない】
見た直後のツイッターの感想。
映してる物は変わらないし、言ってる事も少ないのに意外と場が持つ不思議な映画。「ペリカン」ブランドのパン屋のドキュメンタリー。
このパン屋はロールパンと食パンしか作らないのだ。
基本、「褒め」だけで出来てる映画だが、そこはまあ構わない。
パンという単価の安い物に対するブランディング(ブランド化)と、
そのブランディングを守るための品質の安定はちゃんと伝わってくる。
そして美味そうである。
疑問なのはパンの製造工程の撮影で、延々とロールパンを型にする部分と、食パンを焼き型から取り出す部分の工程だけが何度も何度も映画に挿入される事だ。一応、一々別に撮影されている物みたいなのだが、パン工程はその二つしかないのだと言わんばかりに、そればかりが繰り返し挿入されるのは何でなんだろう? 製造工程の秘密遵守だろうか?
◆『デンジャラス・ドックス』ユーロスペース2
▲群れる恐怖。
五つ星評価で【★★★ちょっと見た事のない物が見れる】
こっちは短編ドキュメンタリー3本からなるオムニバス。
『男が帰ってきた』:レバノン発。結婚する為に国に帰ってきた男はヘロイン中毒。しごく当たり前に身体に刺さってプルンプルン揺れる注射器が実に非日常。
『渦』:日本の喧嘩祭り。映るおっちゃんの殺意秘めた顔やら紋々やら何気にヤバい感じがヒシヒシ伝わってくる。
『シット・アンド・ウォッチ』:ロンドン発。もう内容は毛ほども覚えてないが、音が凄い。石井聰亙の
『半分人間 アインシュテルツェンデ・ノイバウテン』みたいと言えばみたいだ。もっとも爆音上映にふさわしいドキュメンタリー。と言うか、他に爆音上映と相性のいいドキュメンタリーなんてないわ(いや、
『半分人間 アインシュテルツェンデ・ノイバウテン』がそれと言えばそれだ)。
【銭】ユーロスペース会員割引で各1200円。
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74歳のペリカンはパンを売る。@ぴあ映画生活・
《デンジャラス・ドックス》@ぴあ映画生活
五つ星評価で【★★鈍いからか、ああ、カラーだねとしか思えなかった】
フィルムセンターの企画上映。
全五回で今回のお題は「色彩の探求」
一回目は「さまざまなカラーシステム」。
『かわいい魚屋さん』はコニカラー。
『ふくすけ』はイーストマンカラー。
『ダービーを目指して』はアグファカラー。
『黒いきこりと白いきこり』はフジカラー。
それぞれ異なる方式のカラーシステム(カラーフィルムと言った方が伝わるのか?)で、カラーシステム黎明期の1950年代(約70年前)の作品。発色の中でこの作品は赤が強く、こちらの作品は緑が強くとかかましたいところだが、そういうの全然気づかず、漫然と「カラーだなあ」としか思えなかった。目も感性も悪いか、俺? 逆に特殊な使い方、例えば市川崑が
『犬神家の一族』で使ったような超コントラスト発色とかをしなければ特段、カラーって気にならないのかもしれない。それだけ自然だし、最初からある程度、完成された技法だったという事だろう。
名画座で古いカラー作品を見ると白黒と見間違えるような退色が起こっていたりするが、流石フィルムセンター収納の映画は管理が良いらしく、全く劣化を感じさせない綺麗なカラーでした(勿論、公開当時の状態を知っている訳ではないから現時点で推測しているだけなのだけど)。
【銭】フィルムセンター一般入場料金520円。前回のアニメ特集と比べれば、かなり空席が目立った。今回、特集会員証を300円で購入。この会員証があれば定員人数内なら必ず入場可能という代物。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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《映画の教室 2017/さまざまなカラーシステム》@ぴあ映画生活

▲ワイス(かーいーやんけ)。
五つ星評価で【★★★アメリカ発萌えアニメ第四弾】
アメリカ製の3DCGアニメの続々々編。
ビックリ仰天展開の3に続くのは地道なコツコツ回。
まあ前回のでガッチリ、ハートを掴まれたからこれでも大丈夫。
誰一人として一緒ではなく、チームRWBY四散してしまったのね。
四散の一人一人を追いながら、話は進んでいく。
次の5に引き継ぐための中間回という感じがありあり。
意図的かどうか分からないがルビー大きくなった気がする。
ワイズの私服がエロくて好き。歩き方がより内股チックに「ちょちょちょちょちょ」という感じになった。四人の中ではブレイク推しなのだけど、今回はワイスが一番好き。
ブレイク、いや、うーん大きな変化なし。なんかサンといい空気になってきたけど獣じゃないんだから処女は守れよ。
ヤン、こんな簡単に復調してしまっていいのか?
粗製チーム組んでるノーラは服のセンス(特にスカートの広がり)がアイドル歌謡みたいで逆にイヤだ。
ダメな子ジョーンは感情移入するなあ。でも、キャラとしてはつまらん。
ライ・レンはノーラの片割れ。抑制キャラは好みではない。
グリム(化け物)はラストのが咆哮込みで実に良く出来てる。あんなん怖いがな。
ルビーよう動きよるのう。
【銭】テアトルの会員割引+曜日割引で1000円。
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RWBY Volume4@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
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RWBY Volume4@だらだら無気力ブログ▼関連記事。
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RWBY Volume1@死屍累々映画日記・
RWBY Volume2@死屍累々映画日記・
RWBY Volume3@死屍累々映画日記PS 主要四人の衣装が変わった。
新しいのと比べると前のって確実に野暮ったい。
やはり気になるので続巻を購入。
幽閉されていた女の子と一巻まるまる使って
コミュニケーションを上げていく話。
ところどころに魔物とのアクション・シーンが入るのだが、
絵を描いてる人のスキルがあまりよろしくない。
怪物の全貌や外観上の特徴がパッと見で分からない。
これがストレスになる。
カラーページを白黒として格納しているみたいなので
単行本だけ見ている私だけが見辛いという可能性はある。
どんなもんでしょうねえ。
またぞろ感想UPを5本終わらそうという目的のレビュー
ちょっと困った縛り。巻くぞ。
◆『スイス・アーミー・マン』東宝シネマズシャンテ2
▲「はいよー、しるばー」
五つ星評価で【★★いい話にしない方が好み】
ダニエル・ラドクリフが全編死体の役、というのに惹かれて行った。
まあ、死体なんだけど話すんだよな。
今時はゾンビだって話す亜種がいるけど、
ダニエルのはキチガイのロンリー・ボーイが
「死体が話してくれたらステキ」が高じた上での妄想なんである。
ちょっとガッカリ。
せっかくなので、ただの死体(物体)だけどチャーミング
みたいなラインで見たかった。
そら、そんなの相方側の芝居も大変だけど。
タイトルの「スイス・アーミー」は「スイス製ナイフ」で、
スイスの十徳ナイフ(多用途汎用ナイフ)は有名らしい。
ならば、死体の性能がもっといっぱいあってほしかった。
基本オナラばかりで大した機能がないと思う。
あと、こんな只の与太話を「いい話風」に仕上げようとしたのは
どっちかって言うとダメ人間側だからか、ちょっとやだった。
◆『亜人』ユナイテッドシネマ豊洲10
▲アクションで評判が良い川栄李奈さん。
五つ星評価で【★★アクションはともかくとして】
ユナイテッド豊洲オーシャンビュー大画面、平日18:30の回はちょっと時間が早かったからか10人入ってなかった。この後のレイト時間はもっときつかろう。終末ランキングは動員1位だったがちょっと惨憺たる入りだ。でも、その入りに応えるかのように作品の出来もそう良くない。
この実写化の前に三部作で作られた出来の良いアニメがあり、実写化はこれがお手本になる訳なのだが、尺が違うとは言え、かなり劣化が激しい。実写化の売りは人間が実際に演技する事でリアルを得るアクション。それはいいし、単品でそれだけ掬い上げると決して出来は悪くない。ただ、そのアクションを成立させるための世界観の説明がともかく下手だ。「亜人」という存在や、その亜人を取り巻く人間の気持ちや行動が絵空事にしか見えない。
原典が持ってる「亜人捕獲に協力したら1億円」というデマ、亜人差別感みたいなのを強調するセリフ、米国が国をあげて亜人研究に取り組んでおりIBMも科学的根拠がある物として理由は不明であるが説明されている事、この辺りの物語の嘘と現実を埋める設定がないがしろにされている。だから、この物語の「亜人」は「魔法使い」と言葉を置き換えてもそんなに違和感がない。「魔法使い」なら黒い巨人の召し使いとかいてもおかしくないし。
個人的に残念なのは佐藤健が演じていたからなのか主人公がクズという設定がなくなっていた事。佐藤や田中のメンタルと合わせて永井圭のメンタルが「人間らしくない」ところが、亜人の面白さでもあるのだから。
綾野剛はいい役作りをしている。
佐藤健は原作とは設定変えてるからあんなもんだろ。
下村泉の川栄李奈もいいコピーをしてる。アクション激しいな。
城田優は国内二体目の亜人「高橋」。高橋あんな美形になって(笑)
千葉雄大の役は車椅子の亜人「奥山」圧倒的な説明不足。
浜辺美波は今回は普通。
アクションするIBMは嬉しいんだけど、果てしなく説得力がない。アニメだとCGっぽい動きが人間のアニメキャラから浮かび上がるのでリアルになのだけど、実写だとCG丸出しのIBMと比較されるのが実物の人間なので、どう見てもIBMの方が嘘にしか見えない。
◆『ダンケルク』ユナイテッドシネマ豊洲10
▲綾瀬はるかに走ってもらいたかった。
五つ星評価で【★★ノーランさんはそんなに】
がんばるぞー。死なんぞー。生き残るぞー。
基本、そういう局面だけの映画。
どーせ、人が死ぬのなら、もっとベタな死を見たいのかもしれない。
大量に「死ぬ」という事は一つ一つの死(又は生)の意味を奪う事だ、
という逆目かもしれないが、どちらかと言うと私は
絵(情景)としての映画より、話(物語)としての映画の方が好きなのだろう。
陸・海・空の救助が一点で交わる瞬間はそれは美的には
そそるかもしれないが、やはり単にカンバスの上の構成にすぎない。
◆『あさひなぐ』ヒューマントラストシネマ渋谷1
▲可憐。だがそれだけでは不足だ。
五つ星評価で【★★原作読者なので】
映画化に際して、主要メンバーを乃木坂46で揃えようという事になったのが、そもそも誤りなのだと思う。いや、彼女たち自身は最大限に努力をしているのかもしれないが、起用した事によりゆるい仕上がりになってしまったのは事実だろう。
原作の一巻から二巻の入部から三年引退試合、國陵との練習試合、四巻の夏合宿を取り込んで再構成した脚本のベースラインは悪くないと思う。
限られたメンツから割りと似た人達を選ぶ事により成立しているキャスティングなのだが、演技その物は特に「こいつのせいで!」みたいなドベタな演者はいなかった。だが、しかし、みんなそれぞれ原作と少しずつニュアンスが違う。いや、そこは乃木坂に合わせるのではなく、マンガに合わせていこうよ。
主人公の旭は西野七瀬。かーいらしい。かーいらしいのとあまり小さく見えないのが問題だ。彼女は連れてこられてやってるだけなのだから(当然なぎなたは吹替えが付くと思ってたと言うインタビューが如実にそんな感じ)、出来ないのなら演出側がサポートすべきだ。小さく見えるように撮ってやれよ。小さく見えるように演技して成功するプロの役者とかもいるけどレベルが違うんだから。問題はも一つ。かーいらしいこと。原作の旭は「ぶざま」なのである。でも、ブザマでも何でもやって、進んで、乗り越えていく。そこに旭らしさがある。西野七瀬は弱くてできないなりに努力してという形は出来ている。でも、それは圧倒的に軽い。それは彼女がアイドルとして「出来てきた」人だからかもしれない。
旭の同輩、紺野さくら。松村沙友理。この子は逆にノッポで金持ちで実は腹黒という役なのだが、あまり長身でもなく、ただニコニコ笑ってるブリッコになってしまった。
旭の同輩、八十村将子。桜井玲香。この子は中肉中背、ヤンキールックスで鼻柱が強い。見た目は違うが原作とのギャップは小さい。ただ、同輩二人は旭との対比に使われなければならないのに出番が少なく、内面にまでは入り込めなかった。
二年の三人もそうだが事実を淡々と描くだけで内面がない。
ようはみなキャラが立っていないか、キャラがゆるまっているのだ。
集団ドラマで、これで面白くなる訳がない。
このキャラを見た目くらいでしか選別しない事で一番損をしているのが
生田絵梨花の一堂寧々。彼女には彼女の怒りの理由があるのに
一切何も触れなかったので単にいつも不機嫌な
「あの子、生理なのかしら」みたいなキャラみたいになってしまった。
あと、なぎなたの試合パートが長いが、撮り方が引いて撮っていて平坦。
演者も観客も素人なので、なぎなたの腕の良し悪しは分からない。
だが、それは分かるように描くべきではないか。
そして、勝つべき人が勝った時は
とても気持ち良くなるように撮るべきではないか。
伴奏もずっと同じものが鳴りっぱなしでメリハリなかった。
対戦者がどちらが味方なのか分かるような配慮もなかったし。
なんかないない尽くしで表面だけ似せて作った気がしてならない。
あ、尼さんの江口のりこだけはよかった。
何かそこにいる事に必然性があって、マンガともぶれない強いキャラだった。
◆『ナミヤ雑貨店の奇蹟』ユナイテッドシネマ豊洲4
▲「愛人にならないか」という悩みの尾野真千子。おまえら愛人になった事もないのに杓子定規に愛人否定しちゃあかんのではないか?と思いつつも、とても定番な回答に着地する。
五つ星評価で【★えーと】
何でだろ。何でだか分かんないけど無性につまんなかった。
あっ、久しぶりに山下リオちゃん見れたのはよかった。そんだけ。
ナミヤは悩み(783)に通じる。そしてこの783に警察(110)事が
加わるとヤクザ(893)になるんだよ、バカヤロ、コノヤロー
そうだ。子役の演技が凄かった。
【銭】『スイス・アーミー・マン』:映画ファン感謝デーで1100円。
『亜人』:ユナイテッドシネマメンバーポイント2ポイント使用で1000円。
『あさひなぐ』:ヒューマントラストシネマ渋谷水曜割引で1100円。
『ダンケルク』:ユナイテッドシネマ金曜メンバー割引で1000円。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』:ユナイテッドシネマ金曜メンバー割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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スイス・アーミー・マン@ぴあ映画生活・
亜人@ぴあ映画生活・
あさひなぐ@ぴあ映画生活・
ダンケルク@ぴあ映画生活・
ナミヤ雑貨店の奇蹟@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・
スイス・アーミー・マン@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記・
亜人@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記・
亜人@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評・
ダンケルク@いやいやえん・
ナミヤ雑貨店の奇蹟@映画的・絵画的・音楽的・
ナミヤ雑貨店の奇蹟@タケヤと愉快な仲間達・
ナミヤ雑貨店の奇蹟@☆映画ライター渡まち子の映画評
「目黒シネマ★なつかし秋のアニメ祭り」
◆『1000年女王』五つ星評価で【★★珍品】
初見。
実際、物語は破綻してると思う。
文明を監視、先導する「1000年女王」が実は異星人であり、母星の命令に背き地球人を守ろうとするというアウトラインはそんなもんだろうという感じだが、ディテールがメチャクチャ。
(1) 雪野弥生こと1000年女王は大きく分けて衣装が違うだけ。詳細に見比べてないがメイクすら違わないと思う。それなのに誰も同一人物と疑わない。鉄郎もどきよ疑えよ。お前がそんなだとラーメタル星の奴らが「猿と共存生活できない」と言ってた事を認める事になるぞ。アニメ表現上では分からなかったが、デーモン小暮張りのメイクをしてると言うなら話は別だが。
(2) 宇宙船が変。関東平野がそのまま巨大な宇宙船だった事になっているが、戦いが終わると元の大地に戻る。そもそも宇宙船として空を飛ぶ必要があったのか? 敵ラーメタル人の高貴な人たちが住んでいる宮殿も宇宙船化して「宮殿船」と言われている。これも特に居住区の宮殿周辺を壊しながら宇宙船化する必要は全く感じられない。乗る必要のある人が宮殿から宇宙船に移ればいいだけである。 1000年女王の戦艦施設内(多分)に歴代1000年女王が弔われている。その旧1000年女王達が自分達のアイデンティティの発露として自分達専用の戦艦を飛ばすのだが、最終的にボコボコ特攻していく。いいんか、それ?道義的にも?
(3) 雪野弥生の妹が1000年盗賊と言われていたが、1000年女王の部下なのか、反組織なのかもよく分からなかった。普段、何してるんだう? TV版ではそれなりに暗躍してたらしいが、映画版では出てきた途端、間に挟まれてやられキャラである。
(4) 1000年女王が現われたデッキみたいな所はおそらく天文学観測施設なのだが、いつの間にかブリッジみたいになってる。そもそも関東平野をどこで誰が操縦してたのかよく分からない。天文学研究所の所員とかが動かしてたのか?
(5) 鉄郎もどきが歴史博物館に行って武器をGET。ギリ銃までは許していいけど、戦車を収集してる博物館(しかも武器として使用可能)はヤバいな。
(6) あまりにも彼我の戦力差がありすぎてラーメタル側が戦えなくなってしまうのは皮肉で面白いがリアルではない。確かに光線銃で戦う相手にとって竹槍とか突き出されたらエポック・メイキングかもしれんが。
(7) 劇中ラストであるセレモニーが行われ、映画は終了になるのだが、よく考えたら地球とラーメタルの運命がどうなるかはよく分からなかった。移住するのか、追放するのか。次の千年、何がどうなるのか?
(8) 劇中、関東平野にいた現地人がラーメタル星人と戦ってレジスタンスのように美化されるのだが、その多くて100人くらいの人間が人類50億を背負って戦ってたのか? 人類、他にも助け寄越してやれよ。
(9) 最終的に圧倒的な戦力差を埋めるのは痴話喧嘩である。
こんなかしら?
冒頭、松本美女が眠る寝室。ベットに何のお守りなのか、松本メーターがくっ付いている。
映画内の松本メーターは割と淡泊。あまり気持ちが籠った描かれ方をしていない。
1000年女王、脱ぐ必要がないのに、全裸に剥かれて脱がされる。
ちなみにパイパンである。
歴史博物館で戦う連中の中に松本零士がいる。
歴史博物館で戦う連中の中にジャイアンツのユニホームで背番号1の男がいる。
◆『わが青春のアルカディア』五つ星評価で【★長いよお】
こっちは公開時に見てて2回目。公開時も面白いとは思わなかったが。
大過去、中過去、現在の構成を持つ。
冒頭、大過去の飛行機乗りハーロックの声を演じるのは石原裕次郎。裕次郎そのままの声なのでアニメに合うかと言われれば合わない。ラジオの朗読番組に絵が付いたような状態。
中過去は第二次世界大戦中のハーロックとトチローの因縁譚。遺伝子から先祖の記憶を探る機械が出てくる。
『アサシン・クリード』かよ。
現在は
『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』のパート0にあたる物語。この部分が長くてタルい。三つの構成合わせて130分は長いよ、やっぱ。
食うや食わずやは置いといて、たった一人で宇宙船を手作りしてしまう男は異能すぎる。
小松原一男の作画は最高レベル。
松本メーターもかっこいい。魂が籠っている。
【銭】通常二本立てて興行価格1500円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・
1000年女王@ぴあ映画生活・
わが青春のアルカディア@ぴあ映画生活PS ナドレックさんのコメントで指摘されたので
「千年女王」は全て「1000年女王」に差し替えました。
PCのタイピングが「ぬわわわ女王」だったのが
ちょっとおもろかった。
PS2 そう言えばツイッターで贔屓目に見れば
『サイレント・ランニング』と似てるかもと擁護したなあ。
為政者によって派遣された技術者が派遣先を破壊しろと
為政者に迫られて反撃みたいなアウトラインだけが似てる。
PS3 今回の二本立ては映画は両方つまらないのだが、
見て損したとは思えない。まあ、映画は映画だけでもないし、
出来不出来だけでもないよ。勿論、面白いに越した事はないのだけど。
チキンカツ+チャーシュー+目玉焼き+丼飯。これはまごう事なきデブのエサどんぶり。その意気やよし。
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