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『男はつらいよ』を神保町シアターで観て、ようできとるのう★★★★

特集「女優倍賞千恵子」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★★うむうむ】
1969年カラー、初見。実は寅さん自体、通して見るのが初めてである。「寅さん処女」っつか「寅さん童貞」なのである。そう言えば昔「寅さんが一生涯童貞」であったか否かについて議論したもんだ。この映画の中の寅さんはまだウブい空気をバリバリに醸し出しているので、童貞でもおかしくはない。

冒頭の寅さんが柴又に帰ってくるシーンに違和感。あー、寅さんネクタイしてるのね。ほどなくネクタイも取っていつものスタイルに。服がまだ新しめな事を除けば後期の寅さんと何も変わってないのが凄いな。笠智衆も最初から出来上がってて後期の最後まで変わらない。
逆にダブルキャストかと思ってしまったのが佐藤蛾次郎。天パーがモジャモジャというほど乱れていず、ヒゲが生えていない。ヒゲでイメージがかなり変わる。オーラを削ぎ落した林隆三チックである。

「♪俺がいたんじゃお嫁にゃ行けぬ、わかっちゃいるんだ妹よ」のフレーズで主題歌が始まるのに、このシリーズ1作目で妹のさくらは結婚してしまう。倍賞千恵子はおとなしいながら常識的で頑固っぽい感じが渥美清の成長して海千山千の会話を身に付けたガキ大将みたいな個性と好対照でピッタリ。『霧の旗』みたいに思い詰めなくて良かった(そらそうだ)。この元々、人はいいけどトラブルメイカーの身内が酔って壊滅的に事態を悪くする、それに付きあわされるとてもしっかりした家族、というのは鶴瓶・吉永小百合の『おとうと』ソックリだな。監督もいっしょだし、あわよくば『弟はつらいよ』で続けたかったのかもしれないけど、そんなにヒットしなかったんかな。
主題歌歌詞の中の「奮闘努力の甲斐もなく」というフレーズ「ふーんっと努力の甲斐もなく」と勘違いしてた(『巨人の星』のコンダラみたいなもんだ)。

寅さんの舎弟が秋野大作。流石に若い。この頃はダメな弟系役者だったのだよなあ。童貞大好き姉さんから狙われそうな感じでウブい。

さくらのお見合い相手が広川太一郎。でも、ダンマリなのである。広川太一郎がベシャリ出したら、寅さんが酔うまでもなく縁談は破談になったりなんかしたりして。

さくらは東京丸の内の一流電機メーカーオリエンタル電機でOL(映画内ではBG(ビジネス・ガールの略)言うてた。実はBG(商売女)は英語では売春婦の隠語。いかんいかん)やってる。職種はキーパンチャー。コンピューターの入力業務。1969年でコンピューター、さくら最先端じゃん。映画内でも「これからは電子」とか言われてた。あっ「コンピューター=電子計算機」と呼ばれていたんだっけ。「計算機」はともかく、「電子」とだけ言われて「コンピューター」を喚起するのは今では逆に難しいなあ。仕事の様子が描かれてはいなかったので、さくらが有能かどうかは不明。



【銭】
神保町シアター平日三回目の回に見たのでマチネー料金1000円(スタンプ捺印なし)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
男はつらいよ@ぴあ映画生活
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プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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