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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『四谷怪談』『裁かれる越前守』を神保町シアターで観て、長谷川一夫受難の二本。★★★,★★★

特集「女優で観る<大映>文芸映画の世界」から2プログラム。

◆『四谷怪談』
五つ星評価で【★★★初・長谷川一夫】
長谷川一夫は今の目線で見ると決してイケメンには見えないのだけど、この顔こそがイケメンという時代があったのだろう。あまりしっかりした物を読んだ事もなく、あくまでイメージなのだが、「四谷怪談」におけるピカレスクの頂点は坊主と伊右衛門だと思ってたので、この映画の中での坊主は善人であり、伊右衛門には伊右衛門なりの理屈があるのだというのは、そりゃあそうだろうけど、とあまり納得できない感じ。で、ウィキとか見てみると割ととんでもと思ってた『忠臣蔵外伝・四谷怪談』が一番メジャーに流布してる物に近いのだから不思議だ。
で、長谷川一夫の伊右衛門を極悪人から除外する為に伊右衛門にたかる浪人の友人という設定でならず者が3人付いた。悪いのはもっぱらこの3人で、坊主の宅悦も善人である。伊右衛門は快楽に弱く優柔不断だが、岩との仲も悪くはない。あくまで運命に翻弄されて悪事の片棒を担いでしまうのである。乙女かよ!

お岩さん役の中田康子は好みではない。
お梅ちゃん役の浦路洋子がキャピキャピしてて可愛かった。断然、こっちが好み。もちろん『忠臣蔵外伝・四谷怪談』のキチガイ荻野目慶子より好みだ。あれは獣に近いもの。
時代劇らしからぬギョロ目の悪漢は高松英郎。「柔道一直線」のコーチじゃん。この若い時代の高松英郎、誰かに似てると思っていたが、この間やっと気づいて解決した。ペナルティのワッキーに似てる。どっちがどっちも得しないソックリさんだ。


◆『裁かれる越前守』
五つ星評価で【★★★長谷川一夫2本目。狙って見た訳ではないが、最近、髷物に惹かれてるので足を運んだら長谷川一夫だった】
大岡越前になった長谷川一夫が捕えた強盗団を裁くのだが、その強盗団は越前が若い時にヤンチャしていた頃の友達なのだ。『四谷怪談』と言い、友達に恵まれないな、長谷川一夫。時の将軍、徳川吉宗に勝新太郎。「暴れん坊将軍」であるが、勝新太郎が演じてるくせに暴れている素振りが全く見えない。やっぱ勝新にお化粧した顔は似あわない。かと言って将軍役なのに座頭市のメイクでも困るだろうが。ある意味「暴れん坊大岡越前」なのだが、暴れはしない。強いて言うなら「暴れん棒大岡越前」って下ネタかよ!
その暴れん棒の活躍で生まれた隠し子が中村玉緒。流石に55年前の映画なのでピチピチである。『DESTINY かまくら物語』で年齢不詳のお手伝いさん役で出ていたので最低でも55年間は映画にずっと出続けている事になる。声は変わったけど顔立ちは変わってない。

お話は情に流されず清廉潔白に生きましょうというお説教なので、そんなに楽しくはならない。


【銭】
どちらも一般入場料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
四谷怪談〈1959年〉@ぴあ映画生活
裁かれる越前守@ぴあ映画生活

『アデラ ニック・カーター、プラハの対決』をフィルムセンター大ホールで観て、チェコ映画だな★★

五つ星評価で【★★珍品だし、パートパート面白いけどテンポが悪い】
特集「チェコ映画の全貌」から1プログラム。

チェコって言えば、トルンカ、カレル・ゼマン、ヤン・シュヴァンクマイエル。
トルンカはバランスが取れた普通の人だと思うのだけど、
カレル・ゼマンとヤン・シュヴァンクマイエルはどこかおかしい変人だと思う。
そら、作品しか知らないから失礼な決めつけですが。

そんな変人側のチェコらしい映画。変な事をごった煮で羅列し尽くしてる。

分かりやすく改題すると
「全能名探偵VS植物系殺人鬼」分かりやすくなってないよ。

「アデラ」という題は映画内に出てくる食人植物の名前。
誰も勝てそうにないように演出されてますが、見た目ヘロヘロです。
映画の部分部分のくだらなさはいいけれど残念ながらテンポが悪い。


【銭】
映画の教室2017下会員券特典の皆勤賞招待券を使って無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
アデラ/ニック・カーター、プラハの対決@ぴあ映画生活

『探偵はバーにいる3』をトーホーシネマズ新宿11で、『探偵はバーにいる2』を丸の内TOEI②で、『日本敗れず』をユーロスペース2で観て、おおーおーあら

同日鑑賞繋がりと同シリーズ繋がり。
『日本敗れず』『探偵はBARにいる3』は同日鑑賞。『探偵はBARにいる2』は『3』を見る前に未見だったので「大泉洋映画祭」で見た。

◆『探偵はBARにいる3』トーホーシネマズ新宿11

▲かっけーぜ、セーラーマーズ。

五つ星評価で【★★★★北川景子はいいぞ】
トホホな探偵が自分なりの仁義を守りつつ巨悪と競り合って女とかかわりながら守っていく、みたいなラインはそのまんま。まあまあ、いつも通り、いい部分も悪い部分も併せ持ちつつ、今回は北川景子がとてつもなく良い役。作品の出来は北川景子で決まったと言っていい(あと鈴木砂羽とちょっとだけ前田敦子)。
大泉洋と松田龍平のコンビは安定している。この二人が何かとヤクザに絡まれて喧嘩沙汰になる事が多いのだが、いつもそこそこ有利な展開に持ち込みつつ、数で圧倒されないうちに逃げる、というパターンが確立されすぎてて、アクションシーンはダレる。
リリー・フランキーは普通。もっと出来たんじゃないかと思ってる。
北川景子が強くて弱くて自分が泥を被っても守る者は守るという姿勢がもう泣けてたまらない。
鈴木砂羽の元ソープ嬢、現定食屋のおかみ、って本物連れてきたみたいにしか見えないのが凄い。
前田敦子は今回の映画で一番「したたかな」役。

監督変わったのね。全く気付かなかった。
主役と脚本の映画なんだろうなあ。


◆『探偵はBARにいる2』丸の内TOEI②

▲コロコロ転がる関西弁がかーいー。

五つ星評価で【★★★★欠点だらけだけどこれも好き】
すこぶる評判が悪い。それも分かる。
ミステリーとしてボロボロなのである。
意外性はあるが、説得力のない犯人。
前作を踏襲して襲ってくるチンピラども(そんなんはよう分からんわ)

これが好きであると言う事はミステリーよりも人情ドラマが好きと言う事。恥ずいね。年取ったみたいで(取ったんたけとげ)。まあ、年は取ったんだけど。

尾野真千子ええがな。ガレッジセールのゴリも適役。
公開当時より今、見た方が政治家の「忖度」とかリアルでおもろい。


◆『日本敗れず』ユーロスペース2
五つ星評価で【★★眠いは眠い】
『日本のいちばん長い日』より13年早く同題材を取り上げた新東宝の映画。同題材だけあって見た事のある流れが面白いのだけど、それでも岡本喜八の娯楽力の高さには驚くしかない。
義憤にかられて決起する将校の中で宇津井健が一番真面目馬鹿でヤバい。
沼田曜が人情派。
丹波哲郎が切れ味鋭い懐刀と言った感じ。
日本人の役者は囚人と軍人をやらせたらピカ一と言われているがまっことそんな感じ。

早川雪舟は何だか軍人すぎる。
あと陸曹早川雪舟とやりあう外相山村聡がナイスミドルだった


【銭】
『探偵はBARにいる3』:トーホーシネマズメンバーポイント6ポイント使用で無料入場。
『探偵はBARにいる2』:旧作上映の「大泉洋映画祭素(旧作上映)」で1300円で鑑賞)。
『日本敗れず』:映画祭「映画と天皇」、ユーロスペース会員割引で300円安い1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
探偵はBARにいる3@ぴあ映画生活
探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点@ぴあ映画生活
日本敗れず@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
探偵はBARにいる3@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

『ガールズ&パンツァー最終章第一話』をユナイテッドシネマ豊洲1で、『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』を丸の内TOEI②で観て、ニコニコぼー★★★★,★★

同日鑑賞繋がり。

◆『ガールズ&パンツァー最終章第一話』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲いやらしい店とかではないけど、いやらしい店でもかまわない。

五つ星評価で【★★★★ガルパンはいいぞ】
職人芸的なアニメ力(りょく)によって、もう見てる間、楽しくってしょうがない。
主人公達大洗女子学園が新たな試合の相手にボコられながらも、どうにか持ち直すまでが今回の第一話だけど、本音を言えばもうちっと続きが見たかった。それにしてもあれだけの数がいる女の子をチョイチョイ全員近く放り込んで破綻をきたさない脚本と演出は相変わらず見事だ。それとは別に戦車戦のハードな見せ方にも脱帽した。物が破壊される時の粉微塵になるような壊しっぷりが素晴らしい。映画冒頭のアレも大好き。いきなり映画の冒頭から「???」とかましてくれるから未見の人は楽しみにしておくように。戦車戦にかぶさる劇伴がお嬢様達のハイキングみたいなフォークダンス調音楽で毎度毎度心を洗ってくれる。ウキウキしながら心が鼓舞される。

特報チラシのコピーが

「この冬、イチバンのハートフル・タンクストーリー!」

どう考えても「ハートフル・タンクストーリー」はこれ一つしかないだろ。


◆『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』丸の内TOEI②

▲こえーよ、木。

五つ星評価で【★★不気味なムーミントロールという意味ではよい】
メリハリとか起承転結がない話なので、とりあえずすんごく眠い。
で、ムーミン谷の面々もムーミン一家とスナフキンとミーとヘムレンさんくらいしか出てこない。閉鎖的と言うか、冬だからか、明るくポカポカした感じが少ない。笑顔が少ない。東北とか北海道の人が疲れるから内面は楽しくても無理に笑わないみたいなのに似てる。フィンランドも雪国だから感じる所があるのかもしれない。逆に「明るくポカポカした感じが少ない」冬だからこそ、みんなで寄り添って生きていくのがいいねという人間賛歌的なメッセージが隠れている感じなのだけど、そう言いながらムーミン達は冬眠するという非人間的な動物設定なのである。何となくね、これを見ていて、水木しげる先生が描きそうだなと思った。このムーミンの世界に恐山の潮来とかが歩いてきても全然違和感がないのだ。いや、断言しちゃうのはまずいかもしれないが、私は違和感ないと思う。日本の虫プロで作った擬似カバのムーミンのイメージが強いので(歩く時にポポポポーっと音が付く奴)、この映画の中では逆にムーミンの存在に違和感がある。ムーミンが鬼太郎で、ミーがネズミ男で、スナフキンが吸血鬼エリートでも多分、大丈夫。雪を吐く巨大な妖怪と、冷気を纏う巨大な妖怪も出てくるし。あの雪を纏う巨大な妖怪の孤独感などは鬼太郎の大海獣・鯨神を思いだしたりもする。彼の孤独が癒される事がない分、トーベ・ヤンソンの方が辛辣な訳だが。

スウィフトのガリバー旅行記「飛ぶ島」の住人達みたいに、ムーミン谷の連中は実はみな人間規範で考えると狂人ではないのかと思わされる不安感があって、どうにもこうにもダーク・ファンタジーっぽく感じてしまう。落差がそうさせるのだろうか。だから逆に何も知らない子供にこのムーミンを見せても普通に受け取ってしまうのかもしれない。まあ、ただの話だ。日本で作った「過度に温かいムーミン」を知っていて、それを投射しながら見てしまう中で、違和感を感じなければ(日本ムーミンで物語を補填してしまえば)何も感じないのかもしれない。違和感を感じた私のような者のみが恐怖を育てていく。だって、そこにいる人間もどきは人間ではない。人間ではない何かは何を考えるのか分からないのだ。明日にはプレゼントされた毒キノコで村中に料理を振る舞うかもしれない。もちろんトーベ・ヤンソンはそんな事を考えてはいないだろう。
そうか、つまり、これは文明病を発生させる映画なのかもしれない。

スナフキンの言うとおりだ。この世には探してみないと知らないことがいっぱいだ。

というムーミンの言葉はよく考えれば単に福音の言葉であるが、意図的に悪く考えればこのムーミンが背中に刃物を隠し持ってて未だまだ知らない殺人の悦楽の門を開こうとしているのかもしれない。今回のパペットアニメは人形アニメである。古来、人形と言うのは中身(心)がない。その中身(心)に何を入れるのかは遊戯者が決める。そこに恐怖を入れてしまうという事は、そうか、自分が病んでいるのだ。うん、結論、出た。
同じようにムーミン達に恐怖を覚えないでもないと感じているあなた、ちょっと注意しましょう。

うおおお、長くなった。こんなん長くしちゃうから感想片付かんのだよなあ。


【銭】
『ガールズ&パンツァー最終章第一話』:番組特別価格1200円
『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』:2800円で常設ダフ屋から購入した東映の株主券(6枚券)のうち東映配給作品として1枚を使って鑑賞(5枚目)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ガールズ&パンツァー 最終章 第1話@ぴあ映画生活
ムーミン谷とウィンターワンダーランド@ぴあ映画生活
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ガールズ&パンツァー 最終章 第1話@だらだら無気力ブログ
ムーミン谷とウィンターワンダーランド@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

『大岡政談 妖棋傳 白狼の假面』『地獄谷の対決』をシネマヴェーラ渋谷で観て、大陰謀に対峙する越前。

特集上映「女優 嵯峨三智子」から1プログラム。
山田五十鈴に娘さんがいたのですね。そういうのは同時代にいないと分からんなあ。その娘さんの映画を集めた特集。

◆『大岡政談 妖棋傳 白狼の假面』『地獄谷の対決』
五つ星評価で【★★★大岡越前映画なのかと思うと浪漫&スペクタクル】
1954年、モノクロ、82分+62分。
これ、前編と後編だ。にもかかわらず後編から見てしまった。後編は大剣劇から始まる。何か変な映画だなと思った。いや、見方が悪かった。
一応、タイトルロールになってる大岡越前はあまりスクリーンには登場しない。ラストの謎解き要員である。
集めれば権力と富が手に入る四枚の銀将を巡って起こる争い、裏切り、現れる謎の仮面の男、そして剣劇。
大岡越前だからこんなアクション映画みたいな内容だとは思わなかった。そのアンバランスな感じが面白い。
いや、大岡越前で大都市を灰燼にきそうとする陰謀みたいな大きな話が出て来るとは思わんかったのでちょっと油断していた。嵯峨三智子は武家の娘役。

般若が半分溶けかかってるようなデザインの「白蝋の仮面」がなかなかカッコイイ。

与力青江役の大谷友右衛門(かな?)はちょっと星野源に似てる。

ちょっと宝の設定には驚いた。これはいいアイデアだ。



【銭】
通常二本立てて興行価格1500円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
大岡政談妖棋傳 白蝋の假面@ぴあ映画生活
大岡政談妖棋傳 地獄谷の対決@ぴあ映画生活

ツイッターのようにただ一言つぶやくだけの記事

『未成年だけどコドモじゃない』『ハニー』の予告の平佑奈ちゃんが見分けがつきません。

一言と言いながらもう一言。
一時期の土屋太鳳ちゃんみたいに同傾向の作品を集中して出るのは鬼門だから(演技的な引き出しは器用でも数に限度があると思う)。

ギンレイホールで観た映画除霊祭2017①

ギンレイホールで観た映画の感想がたまりすぎたからバッタバッタ裁いてく。

◆『マイ ビューティフル ガーデン』

▲特に展開に関係ないが瞳が緑だなあ。

五つ星評価で【★★★演芸版アメリ】
変わり者のベラは無秩序に乱雑に成長する庭の草花木々などの植物が大の苦手。だが、彼女は庭の手入れを一月の間に終えないと立ち退かなければいけなくなってしまう。彼女はいやいやながら隣人の偏屈なガーデニストの老人に助力を仰ぐ。
隣にいるのが海原雄山で主人公がコミュ障の「過保護のカホ子」という組み合わせの庭映画。主人公は鈴木杏樹にも似てるし、昔いたポップスグループyoyoyoボーカルのCHIEちゃんにも似てる気がする。まあ、主役は美人の方がいいよ。個人的には彼女の「コミュ障」部分をもうちょっと「強めの発達障害」のように描いてもよかったのではないかと思う。海原雄山のような爺さんは怒りさえしなければ魅力のある人物で、みな仲直りして大団円という実に予定調和のラストカットを迎えるが、別にそれはそれでいい。映画の全てが何が何でも意外なラストで終わらなければいけないという訳ではないから。
とは言え、ヒマワリくらいはラストで使ってやっても良かったんじゃないの?(いや、おでが見逃してるだけか?)
彼女の兄代わり、恋人になる野郎はどっちもちょっくら、いけ好かない。


◆『未来よ こんにちは』

▲ミライ・ヤシマではない。

五つ星評価で【★★これでもかと自分と接点のない話】
主婦で哲学教授のイザベル・ユペールが子供は独立し、親は介護ホーム入り、夫は女を作って出て行き、思いもかけずに一人になり、自分のこれからの人生を模索する、という何だかそらそうなんだけど全く接点がないから「うん、まあ、そう悩みもせずに普通に暮らしてるんだね。それはそれでいいんじゃない」としか思わんかった。あまり一人になる前と一人になってからで大きな変転があったというメリハリが強くないし。で、イザベル・ユペールの筋だった横顔とか観て、「失礼だけど、ちょっと天本英世に似てたりするんじゃないか」などとボーっと考えていた。甚だ失礼である(似ていようが似ていまいが)。
主人公が入った映画館でソフト痴漢に会うのだが、そこでかかってた映画がビノシェの『トスカーナの贋作』。なんかハリウッド映画のシネコンでなく、場内しっかり暗くしてくれるミニシアター系映画というのがリアル。うん、でも、『トスカーナの贋作』では興奮せんぞ。関係ないのか痴漢には。


◆『台北ストーリー』
五つ星評価で【★おらあもうダメだ】
どんなにこれを推す人がいても全く毛ほども感情が震える事なし。
「これが分からない奴は××だ!」
という誹りも甘んじて受け入れようと思う。
それほど全く震えなかった。


◆『タレンタイム 優しい歌』

▲噂の二人っぽいカットだが、もうあまり細かく覚えていない。

五つ星評価で【★★音楽コンクール映画】
「タレントタイム(芸能的な才能発掘の場)」という事なのね。
人生の出会いと別れみたいなのがテンコ盛り。
恋人の話を語るのに多民族他宗教国家だと
家族まで語らなければいけないので
良く言えば「無意識に奥深い」、悪く言えば「無駄に繁雑」。
ごくごく冷静に見てしまったのは、世界が縁遠いという事と、
メインを張る女の子が好みじゃなかったからだろう。


◆『ラビング』

▲♪白くたって黒くたって縞馬だって~みんなみんな生きているんだ友達なんだ~

五つ星評価で【★★描かれるのがそことは思わなかった】
白人の旦那と黒人の妻の愛の物語。
裁判闘争主体の話になるのかと思ってたのでちょっと期待外れだった。
いやーなんかーその辺は普通の夫婦生活の機微みたいなもんだから
今更じっくりやらんでも。


◆『たかが世界の終り』

▲手前。激怒して緑色の大男ならぬ美女と野獣の野獣になってしまいそうなヴァンサン・カッセル。

五つ星評価で【★★★ドランは苦手】
ドランってほんとまあ大袈裟にメソメソしやがってみたいな印象で、この映画でもそれは変わらなかった。もう、ヴァンサン・カッセルの兄貴がうっとうしい。屑の頂点みたいな役(物凄いキャリア。こういう人いたら首絞めたくなると本気で思わせるナイス演技、、、でもイライラする)。おめーらちゃんと対話しろよ。おしろい塗った悲劇のホモが「あたしって、なんて、なんて、可哀想!」と絶叫するのをスタイリッシュに撮った映画。それでも可哀想の内容が生死とその生死という大きな出来事すら乗り越えられない家族間の不和にあると言うのは、ちょっと心を動かされそうになるのだが、何かそういうのをドランが陰からほくそ笑んで笑ってる気がして、何か、やっぱりちょっとイヤだ。


◆『エリザのために』

▲左が父ちゃん、右がエリカ。日本のドラマだと心とか入れ変わりそうなスナップショット。

五つ星評価で【★★★田沼意次肯定映画】
映画で母性愛が描かれる事は多いが父性愛が描かれる事は少ない。何が過酷ってボロボロになって全てを失っても父ちゃん尊敬されないしロクな目に会わない。そら作られないわ。断絶深すぎる。まあ、娘を助けるためにありとあらゆる不正な手段を使う父親というのも題材の取り方が普通じゃないけど。


◆『未来を花束にして』

▲これもミライ・ヤシマではない。

五つ星評価で【★★★どっしり感のあるキャリー・マリガンの夫に華奢なベン・ウィショー】
奴隷は黒人だけにあらず、女性参政権に取り組んだ女たちを描いた映画。たかだか百年前にこんな前近代的な施政が敷かれていたとは。女性参政権を獲得する為に「はぐれママさん」がゲリラ化していくというのは、こう、字で書くとまるで冗談のようだ。
「未来を札束にして」くれてもいいな。


◆『わたしは、ダニエル・ブレイク』

▲まろやかな荒井注っぽい男ダニエル・ブレイク。

五つ星評価で【★★★「ダニエルブレイク」ってヒーローの必殺技っぽい】
彼は、ダニエル・ブレイクだった。
「ベクトルが正反対の『生きる』みたい」とツイッターで呟いてるよ。
だからきっと、そういう映画だったんだろう。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
『マイ ビューティフル ガーデン』&『未来よ こんにちは』で一番組。
『台北ストーリー』&『タレンタイム 優しい歌』で一番組。
『ラビング』&『ムーンライト』で一番組。『ムーンライト』は時間を捻出できず断念。
『エリザのために』&『たかが世界の終り』で一番組。
『未来を花束にして』&『わたしは、ダニエル・ブレイク』で一番組。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
マイ ビューティフル ガーデン@ぴあ映画生活
未来よ こんにちは@ぴあ映画生活
台北ストーリー〈4Kデジタル修復版〉@ぴあ映画生活
タレンタイム~優しい歌@ぴあ映画生活
ラビング 愛という名前のふたり@ぴあ映画生活
エリザのために@ぴあ映画生活
たかが世界の終わり@ぴあ映画生活
未来を花束にして@ぴあ映画生活
わたしは、ダニエル・ブレイク@ぴああ映画生活
▼ちょっと本数増えてきたから初期TBとコメントは今回付けない。付けてるといつまでもUPできない。

『サラリーマン忠臣蔵』『わんわん忠臣蔵』を新文芸坐で観て、なぞってるのとなぞってないのと★★★★,★★

新文芸坐の企画「大忠臣蔵映画祭」から1プログラム。

◆『サラリーマン忠臣蔵』
五つ星評価で【★★★★東宝サラリーマン映画百本目の快作。忠臣蔵とのなぞりが一々面白い】
1960年のカラー映画。初見。
社長シリーズの一編らしい。社長シリーズ見た事ないから知らなんだ。
いい感じにやり手の大石専務に森繁、その赤尾産業社長・浅野に池辺良。ダメ常務大野に有島一郎。宿敵キラに東野英治郎。人物も話もなぞりが面白い。森繁は文芸路線だとリアルなダメ男を演じて、ぐうの音も出ないイヤさ醸し出しで苦手なのだが、軽コメディーの森繁は軽快でいい。やってる事は変わらないのだが失敗がつるべ打ちにならなくていい。でも、この映画の一等賞は東野英治郎。憎々しさの極致であるキラを癇癪爺のように演じる。実は二本で一本の前後編映画なので、さあ、これから反撃だというところで終わる。ああ、続きが見たい(プリントないらしい(フィルムセンターにも配給元にもないなら絶望的ちゃうんか? まだポジ化してないネガが残ってる可能性とかあるか?)/いやまあ円盤で見ればいいんだろうけど、、、円盤もなさげだな)。


◆『わんわん忠臣蔵』
五つ星評価で【★★思った以上になぞりがない】
1963年のカラー映画。初見。
虎のキラーは森の仲間を追い詰めて食べる。紆余曲折あるものの、松の廊下的な遺恨とかもなく、とりあえずみんな集まって退治ってプロットは「忠臣蔵」にそんなに寄り添ってない気がする。あと、虎のキラーの悪行が森の仲間を餌として食べてしまう事なのは性格は悪いにしても根本的にどうしようもない事なので、単純に退治してしまうのはどうか? 何か血が血を呼ぶ感じでほのぼのをベースにしながら血生臭い空気が消えないんだよなあ。


【銭】
新文芸坐の会員割引300円減の1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
サラリーマン忠臣蔵@ぴあ映画生活
わんわん忠臣蔵@ぴあ映画生活

『彼女がその名を知らない鳥たち』を新宿バルト9-2で観て、あのラスト編集は反則でしょ★★★


▲「お許しくださいジャネラさま」状態。

五つ星評価で【★★★いいか悪いか判然としないでいる】
まあ、つまり、これはメインの登場人物が共感度0%、不快度100%という属性を持っている事を除けば真摯な怪物が恋人に仇なす伊達男を退治する『美女と野獣』と構造は変わらない。その前提である愛の日々が愛の日々に見えないだけだ。そして、その見えない愛の日々を見える愛の日々に変換するのがラストのモンタージュ。あれは『あの夏、いちばん静かな海』そっくりで、あれをやられたらどんなキャラだって好きになってしまうという魔法の外道技だ。でも、阿部サダヲって本人が自分でいう程ブサイクでもないし、劇中必死に下品で振る舞うのはいたたましくも見える。美男子ではないが、ブサイクと言うよりは可愛い系、愛嬌がある。やはり本気のブサイクを連れてきたらラストのモンタージュでさえ成立しないかもしれん。ちょっと年老いちゃってるけどガッツさんが阿部サダヲの役やったらヤバいでしょ。ガッツ石松では流石にラストときめかんかのじゃないだろうか。凄いなガッツ。

松坂桃李、竹野内豊のかっこいいけどゲスい、と言うのはまずまず。映画のトーンを考えてクズだけど、正視できないほどにしなかったのは戦略じゃなかろうか。竹野内豊の役辺りは浅野忠信辺りがやったら正視できないほどの怪演も出来た気がするのだ。松坂桃李だってゲスいけれどまだ崩れてはいない。もっと心底ゾッと出来る演技は出来る筈だ。でも、あえてそこには踏み込まなかったと推測する。

それは阿部サダヲがブサイクと言いながら可愛い面を残している事。蒼井優が痛い性格ではあるものの、その顔相から徹頭徹尾悪い人には見えないという事とも関係している。
テーマを極めるなら、この4人が誰も正視したくないような演技をする方がラストのアレが活きるであろう。でも、そこに到達するまでがキツくてキツくて修行のようだ。そんな娯楽映画はイヤだ。なので、ちょっとユルくしてるんじゃないだろうか。いや、個人的にはそれでいいんだけど。みんなそんなに極端を好きにならなくてもいいじゃん。


【銭】
チケ屋でムビチケ980円でGET。
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『珍説忠臣蔵』『忍法忠臣蔵』を新文芸坐で観て、どちらもにぎやかだ★★★,★★

新文芸坐の企画「大忠臣蔵映画祭」から1プログラム。

『珍説忠臣蔵』
五つ星評価で【★★★にぎわってて良いのう】
1953年の白黒映画。
古川ロッパ、エンタツ、アチャコなど流石に名前しか知らんわという喜劇人がわんさか出演。顔が分かるのは不破数右衛門役の田崎潤くらい。浪々の志士ゆえに髭ヅラなのだが、『忍法忠臣蔵』での不破数右衛門役・田中邦衛もほぼ同じような髭ヅラだったのが二本立て的にクロスオーバーして面白かった。
映画自体は歌に踊り、笑いが満ち溢れていて、忠臣蔵も忘れずにちゃんと進行してて、ゆる~く愉快。正月おとそ気分で見たい一本。まー、「ひょうきん族」がなかった時代のもちっとシリアス目のコントなのかもしれん。江戸時代の流しがギター使ってるとか、言葉使いに流行語入るとかユルいところが逆に良い(ユルくなかったらこんなんでけん)。


『忍法忠臣蔵』
五つ星評価で【★★思った以上に地味い】
1965年の白黒映画。
スーパー忍者の丹波哲郎がくのいち軍団を指揮して、赤穂の討ち入り結果を左右する。
多分、山田風太郎の原作はもっと面白いのだろうけど、劇伴が怪奇映画チックなのと、忍法を派手に見せる「見栄」の感覚がないので、どうにも戦いがじめっとして地味だ。
丹波哲郎は中身がないから何やらせてもそこそこ嵌るのだけど、姿勢はいいけど機敏な感じはそんなにないから、こういう体力系の役はリアリティーがそんなにない。銃ぶっ放すとかの方が似あってる。敵とも味方とも知れぬ位置付けの役に西村晃。なんか西村晃が出て来ると嬉しい。又、いつも通りロクデナシなんだろうなあと思うと謀らずしもロクデナシ役である。まあ、水戸黄門くらいしか善人やったというイメージないからなあ。大石蔵之介は大木実。うんまあ、そんなもんか。重い感じだしね。田中邦衛は大した役じゃないけど美味しい役。そうだ。堀部安兵衛が小林昭二おやっさんである。浪士で一二を争う剣客だが、若いとは言え小林昭二は全然強そうに見えない。あまり酔っぱらいそうにも見えないし。


【銭】
有料入場ポイント8ポイント使って無料入場。
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珍説忠臣蔵@ぴあ映画生活
忍法忠臣蔵@ぴあ映画生活
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