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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『龍の歯医者 特別版』『カードキャプターさくら 封印されたカード(ネタバレ)』『バーフバリ 王の凱旋』『謎の天才画家ヒエロニムス・ボス』

2018年元旦に見た4本まとめてレビュー。

◆『龍の歯医者 特別版』新宿バルト9-3
五つ星評価で【★★★★普通におもしれえじゃん】
ツイッターから、そういうアニメがある事は知っていたがNHKでの放送は見逃した。
なので、詳細内容等は知らず今回が一見さん初鑑賞。
45分+45分の作品を90分として再構成し、音響的に劇場用として補強したらしい。音響監修者に庵野秀明氏の名前。『シン・ゴジラ』でもやってたけどこの人音響いじるのが好きなんだよね。効果のほどはあまり私が素人だからよく分からないでいるのだけど。

龍と契約を締結した国家が戦力として龍を使用する。
その国家は日本らしいが、国家の名前などは触れられない(聞き落としたかもしれない)。
この「龍」というオカルト的な存在が敵の近代的な洋上戦艦を冒頭で5,6艦沈めていく様は圧巻。基本的にこういう人知の及ばぬ巨大な力が近代の作り出した兵器や秩序を壊滅させていくというのがガイナックス(→スタジオ・カラー含(庵野秀明文化圏))は得意そうだ。見ててワクワクする。
近代兵器の敵わない龍が得体のしれない柄杓みたいな物をその手に掴んでいるみたいなナンセンスも「笑える」というよりは「うすら気持ち悪い」みたいな効果に結びついている。という事で「龍」がかっけー。あまり感情の見られないエネルギー装置的な生物が契約を元に自ら自身も守るというのはイデオン的である気もする。まあ、これは庵野氏のオリジナルではないから、趣味の指向性が近いという事かもしれないが。

「龍」を戦史に絡めるのもフィクションなら、龍の体調を管理する「龍の歯医者」に至ってはフィクションの二乗だが、非常に作り込まれていて違和感は感じるが、上手く説き伏されてて、納得しなきゃしゃあないなと観客に思わせる上手さがある。「龍の歯医者」その者たちが自分の未来を知っているという設定は、『メッセージ』の概念を先取りしている感すらある。
複雑なパズルのようで面白い。今のところはまだ途中なので全部は嵌りきっていない。残念なのは主役「のの子」を演じる清水富美加の存在により、未完状態なのにこの先、どうなるかの展望が分からない事だ。今回の上映もソフトの発売に先駆けての宣伝の意味があるようなので、これが売れたら続きの目途が立ったりするのかもしれない。頑張れ他人!
「龍の歯医者」がスティーブ・マーチンだったら「龍」もイヤだろうな。


◆『カードキャプターさくら 封印されたカード』(ネタバレ)新宿ピカデリー8

▲さくらちあん

五つ星評価で【★★理屈弱いんちゃうやろか】
封印されて、今はさくらのカードとして能力を発揮しているカード全種類全てと同等の力を持つマイナスのカードの存在が明らかになり、そのカードはさくらのカードを奪いながら、街を破壊していく。さくらはそのカードを封印するためには「一番強い思い」を犠牲にしなければいけない、という事を知り封印を迷う。

と言うのがアウトラインなのだけど、何故マイナスのカードが今、この時期に現われたのかがよく分からない。そのマイナスのカードがさくらの持つカードを奪う理由は映画の中で説明されるが、そのカードとの交渉が可能か不可能かの選択肢は全くないし、「一番強い思い」を犠牲にしなければいけない理由も「そうなってるからだ」というだけで、何の説明もされないのでかなり行き当たりばったりに見えてしまう。

最終的に「一番強い思い」の犠牲は防がれるのだが、何故、防がれたのかは説明されない。それは理屈弱いだろう。
カードの封印がなされる時、さくら、小狼、ホープ(カード自身の人格)がいて、
さくらの思いよりも、小狼の思いの方が魔力が強かった為に採用されて、採用されたのにも関わらず何も起こらなかった、シャンシャンで終わっている。多分、あの場で一番魔力が強いのはホープなので、ホープの思い(他のカードと一緒にいたい)が最終的に犠牲として採用されたとすれば八方丸く収まったのではないだろうか。ちゃんと説明せーよ。


◆『バーフバリ 王の凱旋』新宿ピカデリー8

▲「三本の弓は折るよりこう使え」的な画像。

五つ星評価で【★★★★強い。ひたすら強い。怪獣の出ない怪獣映画】
もうただひたすら、強い正義の男と、その男よりちょっとだけ劣る権力を持った悪い男と、騙される善人の三者がずーっと、幸せにならないしのぎ合いをする映画。映画での主人公の立て方が革命的に格好良く、人間の格好良さの限度を越えてしまっている。何だよ、あの象は。何だよ、あの白鳥の船は。もう全編が驚きの映像マジック。

前編が「息子バーフバリの成長」と「親バーフバリの成長」、後編が「親バーフバリの死までへの道」と「息子バーフパリの王都への帰還」みたいな構成からなる。後編の冒頭には前篇の粗筋が付いてる親切設計だが、前編、後編の順番で観るのがもちろんいい。個人的には親バーフバリの話の方が好き。あーでも、今回もいろいろ事情はあるにせよ、自分のとこの国民を他国にいるとはいえ、あんなにコテンパンに殺しちゃうのはよくないでしょ。

この映画のやり方でレーニン、スターリン、毛沢東の伝記映画を作ったらみんな熱狂して世界の勢力図は変わりかねない。


◆『謎の天才画家ヒエロニムス・ボス』シアター・イメージフォーラム1

▲ボスと言ってもボロットではない。

五つ星評価で【★★★ボスの作品は面白いが解釈論は苦手】
ヒエロニムス・ボスとその作品「快楽の園」を巡るドキュメンタリー。と言いながら、ボス本人にはほとんど光が当たらない。謎の天才画家のまま。あまり情報がないらしい。「快楽の園」への向きあい方や、作品遍歴などはずっとインタビューの形で語られる。このインタビュー部分がそんなにまとまってる訳でもなく、結論が「まとめるべくもない」と言うのは正しいのだが、遠回りして得た結論だけに愚鈍だよなあとも感じてしまう。映画後半、話が「快楽の園」から、他の作品に映るとビジュアル的に未見の映像がドッと飛んできて面白くなる。あまり慎重にならずにボスの絵をずっとリミックスのように繋いでいくだけの映画でもよかったのではないだろうか。


【銭】
4本とも映画ファン感謝デー価格1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
龍の歯医者 特別版@ぴあ映画生活
カードキャプターさくら 封印されたカード@ぴあ映画生活
バーフバリ 王の凱旋@ぴあ映画生活
謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス@ぴあ映画生活
▼関連記事。
カードキャプターさくら(一作目)@死屍累々映画日記
バーフバリ 伝説誕生(前編)@死屍累々映画日記
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