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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『青空娘』『祇園囃子』新文芸坐

新文芸坐の企画「大映女優祭 百花繚乱」から1プログラム。

◆『青空娘』
五つ星評価で【★★★★清々しい初々しい若々しい】
1957年のカラー映画。初見。
若尾文子の背筋がピンとしてて、正しく前を向いてる様子がとても気持ちいい。それでいて偉ぶった感もない。これがとても新鮮に感じるのは、今はそういう正しい気持ち良さをごくごく普通に描けない時代だからだろうか。
正しいし、傷付く素養もあるけれど、鈍くて、傷が致命傷になる前に治ってしまうような「若尾文子」、今だったら「深キョン」がちょっとタイプ似てるかも。ただ「正しい」感が少し少ないか。「深キョン」は「正しい」感がゴージャスなボディにちょっと打ち消されてしまう感じがある。それは深キョン自身のせいじゃないんだろうけど。
それにしても話がポンポン進む。
個人的にはニヤニヤ笑うボンボンの川崎敬三より、絵描きの先生の菅原謙二の方が好感持って見てた。ボンボン打たれ強くなさそうだし。あと、女中の先輩ミヤコ蝶々が出てくると画面が明るくなる。セリフの流れる様が気持ちいいんだよね。


◆『祇園囃子』
五つ星評価で【★★★溝口らしいしんみりした映画】
1953年の白黒映画。初見。
昔の妹芸者の娘が訪ねてきて芸者になりたいという。
いろいろあって保証金も付かない娘・若尾文子を芸者として仕立てあげる小暮実千代。若尾が知らないところで凄くお金をかけたにもかかわらず、あっという間に若尾は座敷で粗相を仕出かし、小暮ともども出入禁止になってしまう。基本、悪人がいない世界ではあるが、ダメ人間はいて、その組み合わせで不幸は膨らんでいく。その悔しさ。物事が好転しだしていく時のちょっとほっと息を吐ける好転感。
溝口の映画は映画自体が呼吸するみたいだ。
殊更なアップとかがない。とても広い場所をカメラに収める。上品。
でも、その上品をかなぐり捨てて踏み込んでくる若い時の黒澤明の方が個人的には気が楽で向いている。上品なのは見る側にも凛とした姿勢を強要するが、こちとらそんな立派な人ではないので短い時間にも関わらずちょっと退屈してしまったりもするのだ。すまん溝口。
この『祇園囃子』の祇園に『七人の侍』の竹千代一人が紛れ込んだだけで、映画がボロボロになるから、それはそれでそうなったそのボロボロを見てみたい気もする。何言ってるかなあ、俺。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
青空娘@ぴあ映画生活
祇園囃子@ぴあ映画生活
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