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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『人類遺産』『息の跡』キネカ大森3

キネカ大森の名画座企画「震災から7年、忘れられない風景との対話」ドキュメンタリー2本立て。

◆『人類遺産』キネカ大森3

▲どーん!

五つ星評価で【★情景だけのドキュメンタリー大嫌い】
廃墟をただひたすら撮影する景色だけのドキュメンタリー。
ほぼ音もなく、絵も動かない。環境映像みたいな物。
これが写真集ならいいし、
写真集のオマケ動画なら納得するけど
単品の映画としては認めたくない。

時に、絵として強烈な物がある事は認める。
戦車が放置されてる廃墟や、宗教建築の廃墟など
神々しくも美しい。そこについドラマを補完して見てみたくなる。
でも、それはそういう思いその物が嘘だろう。
どんなに思いを馳せても、廃墟は廃墟であり、
思いが何であろうと変わる事なく、ただそのまんまに廃墟だ。

それにしても屋外では緑(主に樹木)の発達が早く強い。
密閉度が高い屋内は泥棒が入った後のそのまま30年後みたい。

何よりも否定したいのは、単に廃墟の撮影寄せ集めて「映画」たあ、簡単すぎるんじゃない?(うん、ヤッカミだな、やっかみじゃないかな)


◆『息の跡』キネカ大森3

▲好人物。

五つ星評価で【★★俺が悪かった】
主人公は変人ながらも面白い好人物。
彼の主張も正しいし納得できる。
でも、あまりピンと来ない。
やってる事が理屈としては正しいのだろうが、情に伝わらない。
津波で押し流された更地にプレハブ小屋を作り、種屋を再開。
畑を作り、種を植える。世界に震災で起きた記録を発信する。
プレハブ小屋を破壊し、元の更地に戻す。

カメラは作業を後追いする。
種屋を再開し、畑を作る様子を撮影。
情報発信を撮影。小屋の破壊を撮影。

気持ちにピンと来る物が伝わらない。
種屋を再開して何になるのか。
畑を作って何をするのか。
情報を発信して一番訴えたいのは何か。
何故、店を解体してしまうのか。

何か真意が隠されているのか。よく見えない。


【銭】
2017年10月始まりで新しく購入したキネカード(名画座回数券)。半年間で3回入場券付で3000円。うち割引回数券機能を使用(スタンプ5ツ目)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
人類遺産@ぴあ映画生活
息の跡@ぴあ映画生活

『グレイテスト・ショーマン』『霊的ボリシェヴィキ』『羊の木』『君の膵臓をたべたい』『ゴッホ 最期の手紙』

5本まとめてレビュー。

◆『グレイテスト・ショーマン』109シネマズ木場3

▲ブレストファイヤーっぽいグレイテスト・ショーマン。

五つ星評価で【★★★娯楽映画的にはいいのだが、フリークスの扱いが80年古い】
ミュージカルとしてはとっても気持ちいい。
それでいいだろ、と言う気持ちはあるのだが、
映画内のフリークス達の扱いがあまりに古かったので
いや、やっぱこれを「好き」とか「超好き」と言うのは
自分に嘘ついてる事だなって思い直して「普通」という評価。

フリークスの人達だって人間なんだから認めましょう。
と言う大筋には何ら反対しない。そんな鬼畜ではない。
要は認め方の問題だ。

この映画のフリークス達がどういう扱いを受けているかと言うと
「フリークスの人達は善良ないい人ばかりなのに虐げられて可哀想。
 ちゃんと人間として扱いましょう」みたいな感じ。
これの何がいけないのかと言うと、これはスローガン。
物語の中で連呼されるような掛け声だったらこれでいい。
でも、これには「偽善」が隠されている。

・フリークスの人達はみんな可哀想な人。
・フリークスの人達はみんな善良な人。

フリークスも人間だから、可哀想な人もいれば、
そうでない人もいたろうし、善良な人もいれは、悪辣な人もいる。
とりあえず、この映画の中では「フリークス(被見世物者)」は
概念であって、人やキャラクターではない。
誰もがみな同じように世間から虐げられ認められず、
見世物興行で初めて自我を確立したかのよう、ただ一人の例外もなく。
だから、彼等は全員一度に行動する。
この話の中では彼等には「個」はなく、全員が一つで「フリークス」
という見世物概念なのだ。

これって、現実の障害者が悩み苦しむ概念である。
障害者は全員、天使のような心を持っている。
えーと、成人を越えた障害者は普通、性欲も持ってて、
そういう天使のように思われるギャップと悩む事がままあります。

概念やスローガンはギャップを認めないし、
彼等の中での反目さえ許さない(まあ、いい人でいれよ、と言う)。
彼等は全員で一つ。例外は許さない。

これらは80年前の映画『フリークス』でトッド・ブラウニング監督が意識せずにひっくり返そうとして大騒動になった概念である。乙武さんの言う通り、障害は不便ではあるが、不幸ではない。そして、サーカス内の個々のフリークス達にはフリークス間でも階層があったし、愛憎があった。いい奴もいれば悪い奴もいた。まあ、つまり、見世物達は一人一人がユニークな個人だったのだ。こういう話を最近の障害者が出る映画では熱く語ろうとする傾向がある。それなのに80年前の『フリークス』未満の映画がたいそう持て囃されてるのはちょっと現象として面白かった。単にそこを描きたい訳ではなかったからそうなったに過ぎないだけだろうけど。

ヒゲ女さんにはヒユー・ジャックマンとキスして欲しかったな。
いや、小人将軍にヒュー・ジャックマンとキスしてとかは
言わんからさ。


◆『霊的ボリシェヴィキ』ユーロスペース1,2

▲分からん映画。

五つ星評価で【★★,★★★分からんが何か引っかかる。/分からんままだ。何が引っかかったのかも分からない。じゃ何だ呪いかよ】
初回:分からん。静かに狂った『リング2』と言う気もするが合ってるかどうかも分からん。長宗我部容子の威圧感がビンビン。
二回目:あいも変わらず分からん。長宗我部容子の威圧感がビンビンなのは変わらない。実験を行なっている彼等が何者で、その彼等に干渉しようとする者の正体が何で、みたいなアウトラインがまず見ていて整理が出来ん。だが、分からんからと言ってつまらん訳ではない。多分、再度見ても分からんままだろう。これだけ分からんのに、解説読んだら負けな気がする。でも、また見てみたい気がする。


◆『羊の木』ユナイテッドシネマ豊洲12

▲錦戸亮ネット解禁おめでとう。

五つ星評価で【★★★この試みが実験であるとして、その試みの総括がなされないのが気持ち悪い】
不思議なテンポの映画。紙芝居付き環境音楽ライブみたいな。
錦戸亮+木村文乃+松尾諭のバンドの音が気持ち良い。あの音ずっと聞いていたい。
ノロロの存在感とデザインが好き。本当にありそうな奇祭がいいじゃん。
題名の意味は分からなかった。皿に絵として出てきたけど、それが何を表わすかはやっぱり分からなかった。

 錦戸亮:必要とあらば美形オーラを消せるのがこの人の上手い所。
 優香の口紅の塗り方がプクっとしてイヤらしい。いいキャスティングだ。そういう攻めた役だとは思わなかった。
 北村一輝そう来るか、松田龍平そう受けてそう返すか。
 田中泯、役者冥利に尽きるような老け方じゃなかろうか。
 水澤紳吾、今回の隠し玉役者。ラッパ飲みの絵が怖い。私は罪歴があろうがなかろうが彼の床屋は怖くてイヤ。ちなみにパディントンの床屋もイヤ。
 市川実日子、見終わって一番インパクトが少ない所に立つ。

実験は主人公と受刑者を組み合わせる手段であって、実験自体の行く末がこの映画の主題ではないのだけど、私個人は実験の総括や総合評価みたいな物を結果として出してほしかった。


◆『君の膵臓をたべたい』トーホーシネマズ日本橋6,渋谷シネパレス2

▲(^_-)-☆

五つ星評価で【★★★★★,★★★★/泣く泣く泣いてまうわ,二回目はちょっと薄らいだ。】
ずっと感想書けずに寝かせてた映画。ガツンと来る映画の感想は勿体ないというか、気後れ先に立つというか、中々手が出せない。
一回目:①これを泣かんでどうする。こんな泣ける話作りやがってコノヤロー。
②浜辺美波の笑顔がたまらん。
③今頃、日本国中で、君野膵臓氏の遺体の奪い合いが激化してると言う。
④君の雑炊をたべたい。
二回目:①ほんま北川景子のウェディングドレスは綺麗だ。
②女の子が何気なく「天国で会おう」と言うけど、そう言う肯定感情は女子特有。9割の男子は自分なんて地獄落ちると思ってる。
③監督・月川翔ってヅカみたいな名前だ。


◆『ゴッホ 最期の手紙』109シネマズ木場3

▲この主人公がまた魅力がなくてのう。

五つ星評価で【★★動く絵にインパクトがあるが話はつまらん】
短編か中編でいいんじゃないの?あの絵が動くのは凄いけど逆に言えばそれが活かされてない。ゴッホの絵を見る時に感じる心の唸りみたいなのがずっと継続されている事で消えてしまった。絵を動かす事のみに特化したパトリック・ボカノウスキーの実験映画『天使』の方に1000%好感を寄せてしまう判官贔屓な自分。勿論、『天使』はゴッホを取り扱ってはいないのだが。
「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」という音でフルネームを覚えていたので「フィンセント・ファン・ゴッホ」は何か魂抜けちゃってるような違和感を覚える。


【銭】
『グレイテスト・ショーマン』:109シネマズ会員感謝デー(毎月19日)で1100円。
『霊的ボリシェヴィキ』:ユーロスペース会員割引で1100円2回
『羊の木』:ユナイテッド会員メールで送られてきた割引クーポンを使用して1300円。
『君の膵臓をたべたい(一回目)』:映画ファン感謝デーで観て1100円
『君の膵臓をたべたい(二回目)』:日本アカデミー賞記念興行1000円
『ゴッホ 最期の手紙』:109シネマズ会員感謝デー(毎週火曜)で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
グレイテスト・ショーマン@ぴあ映画生活
霊的ボリシェヴィキ@ぴあ映画生活
羊の木@ぴあ映画生活
君の膵臓をたべたい〈2017年〉@ぴあ映画生活
ゴッホ~最期の手紙~@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
グレイテスト・ショーマン@或る日の出来事
グレイテスト・ショーマン@ノラネコの呑んで観るシネマ
グレイテスト・ショーマン@ノルウェー暮らし・イン・原宿
グレイテスト・ショーマン@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
グレイテスト・ショーマン@SGA屋物語紹介所
グレイテスト・ショーマン@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
羊の木@ここなつ映画レビュー
羊の木@映画的・絵画的・音楽的
羊の木@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
ゴッホ~最期の手紙~@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

ツイッターに書かない下ネタ

女性フォロワーの
「ネット接続が早くなった」というツイートを読んで

「ボーイ・フレンドのネットくんが接続するも早漏で……」
みたいな無駄な連想するアカウントは私です。

『文豪ストレイドッグス』『絵文字の国のジーン』両UCT4,『ドラえもん のび太の宝島』109シネマズ木場3

最近見たアニメ3本をまとめてレビュー。

◆『文豪ストレイドッグス』ユナイテッドシネマ豊洲4

▲後ろから痴女に触られてる風の中島敦。

五つ星評価で【★★★よく分からないが充分面白い】
原作とかアニメとか未読未鑑賞。
「物語がどう」という側面で言うと全く分からない。
ただアリバイ作りみたいに超スピードで事前に粗筋が流れるので
頭がいいのを自負するアニメファンなら大丈夫。俺落伍。
概要は、横浜を舞台に異能力を操る文豪の名前を持つ男女が入り乱れて戦う。
文豪の名前を持つ彼等は文豪の名作に基づく異能の力を持っている。
JOJOのスタンド能力の果てしない文豪パロディーと言おうか。
だが、映像と音と声が加わるとメチャクチャかっこいい。
かっこよければそれでいいだろ。

暴力的なキャラの暴力的な能力に目が行く。
中原中也の「汚れちまった悲しみに」、芥川龍之介の「羅生門」、
中島敦の「月下獣」、泉鏡花の「夜叉白雪」。
いや、単に物語の中心人物だからか。

悪役側に身を置いた渋澤龍彦の「?」、フョードルDの「罪と罰」
が、どんな異能で、彼等が最終的に何を目指したのかが
さっぱり分からないのが困った感じだ。それが話の筋その物だから。

まあでも、あのビジュアルでパンツの一つも見せてほしいとかそんな風にも思う。


◆『絵文字の国のジーン』ユナイテッドシネマ豊洲4

▲見覚えのある鳥。

五つ星評価で【★★?????】
おで、ガラケーだからスマホの世界を前提にされてもよく分からない、と言うヤッカミは横に置いといて、日本だったらこれらの絵文字や顔文字はスタンプに置き変わっているだろうから、4,5年遅いように感じる。絵文字一つで恋が成就したり、しなかったりってのは本当かよ、そんな幼い精神状態(&CG肉体)で高校生かよ(中学生ならギリ許せる)って唾吐きたい。たった一つの絵文字で恋が成就するというのは考えてみれば呪いドーンみたいで怖い気がする。まあ、もともとモテの素養があっての話だろうが。畜生、美男美女め。あっ、アメリカンJK可愛かった。ほとんどセリフのないような、フェミニストが怒りそうな、女という性別であるだけの役と言っちゃえば役なんだけど。この姉ちゃんは日本人受けする顔立ちだから脱いでほしいのだけど、JKなのに幼い顔だちだからキッズ・ポルノみたいになって摘発されてしまうなあ。とりあえずドラえもんのしずかちゃんを見習って必然性がなくても風呂に入ってほしい。風呂に入りながら学校に来てもいいよ。

なんつか、スマホの世界はいいけど、世界観が今一つよく分からない。
絵文字を選ぶ事だけに特化した絵文字タウンみたいなのがあって、その外にはアプリの世界(書き割りみたいに薄い)があって、その周辺にクラウドが広がる、なのかな。アプリの世界で何が出来て、クラウドの世界で何が出来て、今、主人公達はどこにいるのかなどがはなはだ分かりづらい。

決められた事を決められたように出来ない主人公のジーンが最終的にはそれでいいと肯定される物語なのだけど、人間的な側面はそれを否定しないんだけど、仕事でそれを許してはダメだろう。例えば、色盲で色が判断できない人が信号機の色を設定するような仕事を自分の気持ちに合わせてやったらダメでしょ。

スマイラー姉さんはジョーカーみたいなので、ある意味いい悪役なのだが、役に徹底しすぎててうるさい、ウザい。それはここ最近のジョーカーにしてもそうかもしれないが。必要な時だけ絶妙にウザいというのが大事なんだな。

個人的には「一度も使われなかった絵文字の溜まり場」が凄く好き。
あそこだけで90分やってもらいたいぐらい。
負け犬からはゴツイ優しさが漂ってきていいぜ。


◆『ドラえもん のび太の宝島』109シネマズ木場5

▲ハァハァ (*´Д`) ハァハァ

五つ星評価で【★★★大人の鑑賞に耐えるが子供の鑑賞には耐えるのかが多少疑問】
のび太らドラえもんグループが帆船に乗って次元海賊と戦う。
そこ解決しなくては筋が破綻するだろうという部分が何カ所かあるが、普通に楽しめる。

ただ予告込みで2時間の長さは長くなかろうか。ちゃんと緩急ついてるので大人の自分は楽しめた。ただ、集中力の持続が難しい子供にはちょっと長くないだろうか(メインターゲットが子供なのに)。元々ドラえもんなどの子供番組は子供の集中力の持続時間に合わせて短めに作られている。長編を1本、短編を1、2本というカップリングも子供を飽きさせない為である。そういう経緯を若いプロデューサー自らが脚本を書く事によって軽視してしまったのではないか。子供たちがちゃんとアニメに注力できたかどうかは私自身がレイトショーという子供がいない状態で観たので確認できなかったのだけど。

よく分からない点
・宇宙船宝島は何故のび太たちの時代に現われたのか? 隆起する島に宝があったのか、それとも、隆起する島その物が宇宙船宝島なのか?
・宇宙船宝島で集めた財宝は何に使われるのか ?何の為に集められたのか?
・ノアの箱舟と言いながら内部に閉じた生態系があるようにも見えないのは何故か? エネルギーだけあれば宇宙で生活できるという物でもないだろう。
・シルバー船長は未来の破壊された地球を見たという。タイム・パトロールがいるドラえもんの世界で地球が滅亡する未来についての知識が何もないのは不自然。シルバー船長は宇宙への航海は断念したが、それではシルバー船長が憂う未来は変わらないが、それはそれでいいのか? 最終的に彼等がどこに行ったのかも不明。

シルバー船長は大泉洋。アニメ吹替えは何回かやってるから違和感はない。誰だか分からんがボソボソ喋るなあみたいにはちょっと思った。
シルバー船長の妻フィオナ役は長澤まさみ。彼女はちょっと大根。

PS ツイッターで「ドラえもん版ラピュタ」って呟いた。
PS2 『君はボクを好きになる』で斉藤由貴はドラえもんに
 似てるって指摘を受けるんだよね、確か。
 似てなくもないのがおもろい。
PS3 星野源のエンディング曲が嫌い。
 何だよ、そのやっつけ感。



【銭】
『文豪ストレイドッグス』:ユナイテッドシネマズ、メンバーポイント2ポイント使用して1000円鑑賞。
『絵文字の国のジーン』:ユナイテッドシネマズ独自配給によるメンバーポ割引により1000円。
『ドラえもん のび太の宝島』:109シネマズレイトショー割引1100円
▼作品詳細などはこちらでいいかな
文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)@ぴあ映画生活
絵文字の国のジーン@ぴあ映画生活
映画ドラえもん のび太の宝島@ぴあ映画生活

『天城越え』神保町シアター

企画「赤川次郎と現代ミステリーの世界」の1プログラム。1983年初見。

五つ星評価で【★★★渡瀬恒彦と田中裕子が突出】
天城越え山中で起こった殺人事件、
現場に居合わせた人間は三人。一人は被害者。一人は容疑者。
この推理作品のフォーマットを成立させる為には
外から四人目がやってくるか、居合わせた中で役のない者が
容疑者になるしかない。

という訳で文芸調ではあるがあまりミステリーらしくはない。
解き明かさなければならない謎が希薄であった。

田中裕子が大変、田中裕子していて、あーもう
この田中裕子にハグされたい。
「女」の原型みたいなものが、この映画の田中裕子にはある。
柔らかく温かく丸みを帯びていて、いい香りがしそう。
それでいて強い。意思が強い。
美しいというタイプではないのだが目が離せない。
今、リメイクするなら蒼井優じゃないだろうか。
ちなみに田中裕子が失禁するシーンは装置とか使っていず、
自前なのだそうです。リメイクがあるなら、
新しく選ばれた女優さんも是非、自前でお願いします。

事件を追う刑事に渡瀬恒彦。
バシバシ暴力を振るって事件を解決していく。
韓国映画のダメ警察みたいだ。

平幹二朗の母親役が吉行和子というミラクル・キャスティング。
まだ若い吉行和子が綺麗です。
誰だか分からんかったなあ。


【銭】
神保町一般1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
天城越え@ぴあ映画生活

山崎製パン「九三式酸素エクレア」

艦これ、コラボの雛祭り商品。
でかいエクレアで半額だったので買った。
びびったのはエクレアの表面に赤い粉が吹きかけてあった事。
「一味唐辛子」?

いやいや、「苺粉末」でした。
あまり、苺の味はしなかったな。

ちょっと決戦の地の大地のエクレアに血が散っているようだった。
アバンギャルドな菓子よのう。

あと、女の子が棒状の物を抱えたり咥えたりと言う
イラストは、、、、、、、、、、弁士中止!

エクレア

『南瓜とマヨネーズ』『blue』早稲田松竹

名画座企画「漫画家・魚喃キリコの世界」。
『blue』を見逃してたのでありがたく二本立てに馳せ参じました。

◆『南瓜とマヨネーズ』

▲フルスペック・モテ男(左)と直線二車線女(右)。

五つ星評価で【★★主人公達を好きになれない】
共感しづらい主人公にしているのはわざとだろう。それがある意味、映画の売りなのだと思う。
それぞれ問題のある人物同士の組み合わせピースが合わない様子を上から俯瞰する映画。

主人公の臼田あさ美を好きになれない。美人なのだけど、常に相手に、自分が求めている状態を要求する。一見「一点」だけを要求するその姿勢は優しそうに見えるが、その一点の為には他の全ての犠牲を強いるというのは常軌を逸している。臼田あさ美は観客に一部の共感を許しながら、次の瞬間にその共感の根拠を打ち砕いてしまう行動を取る実にハードな役であった。と言うか、オダギリジョーが出る前と出てきた後で役柄の性質が変わりすぎている気がする。

もう一人の主人公、太賀は臼田あさ美のヒモに甘んじているミュージシャン。彼が職業的なミュージシャン足りえないのは、バンド側の問題もあるが、臼田あさ美の束縛が強固すぎるからである。なので、臼田あさ美の太賀をミュージシャンとして大成させたいという思いは臼田あさ美と太賀が恋愛関係にいるうちは成就しない。二人の関係を壊す突破口がいる。

その突破口はオダギリジョー。素晴らしい最低男ぶりにちょっと震えた。ナチュラル・ボーン女垂らし。物語後半に出てくるこのオダギリジョーを見てしまうと、物語前半に出ていた光石研に同情せざるを得ない。光石研は臼田あさ美とSEXしているにも関わらず臼田あさ美の主観で繋いでる映画画面上にそのカケラすら見せる事を許されない。もう、いてはならない人間扱い。光石研もオダギリジョーもタイプ違いのゲス人間(SEX大好き野郎)なのだが、どちらかと言うと光石研に近いので光石研には同情を禁じ得ない。


◆『blue』
五つ星評価で【★★後半長い】

▲アバンチュール母性強い女の子(左)とパイオニア(右)。

小西真奈美と市川実日子がラブラブちゅっちゅの挙句、破綻して思い出になるまで(か?)
小西真奈美の顔のパーツがみんな曲線。なんて女の子な顔立ち。
対する市川実日子の顔のパーツはどれも直線。なんて男前な。
そして二人ともまだJKだなんて、ハァハァ。
小西真奈美は顔立ち通り、「女の子」であり、過去の男を忘れられない。
市川実日子は女でありながら少年。だから小西真奈美に惹かれてしまう。
女子校という限定の空間では秘かにベストカップルだが、世界が広がると通用しなくなってしまう。
小西真奈美は女性らしく、そのルールに従順だ。
市川実日子はそのルールを乗り越えようとするパイオニアだ。
二人して乗り越えたいのだが小西真奈美はもう二人の関係を維持できない。
映画は市川実日子に寄り添って描かれるので「小西真奈美つれないな」と思ってしまうが、小西真奈美サイドからみたら優しくしていた妹がバイブ持って駆け落ちしようと言ってきたみたいなニュアンスなのかもしれない。その辺は描写不足で今一つ小西真奈美の気持ちが伝わってこない。

リアルになるように丹念に演技を積み重ねて作った物語だったが、
前半から終盤まで、その丹念な構築のスピードが変わらないので、
後半になるとテンポの悪さにちょっとイラっとしてしまった。

主演二人の居住い茂もステキなら、
風で厚紙のようにカクカクと広がるスカートもステキ。
ラストの海の青はメディアの問題で今見ると野暮ったく感じる。

「子に死」って漢字変換は鋭いぞ、パソコンよ。


【銭】
通常料金1300円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
南瓜とマヨネーズ@ぴあ映画生活
blue@ぴあ映画生活

『blank13』もう一言。

ツイッターで映画の話をしていたら、この映画の冒頭で「火葬」を解説するが、あれはいるのかと言う人がいて、ふじきお節介だからこう反論したり、思ったりしました。
・あの冒頭の部分は観客を映画に導入するのに大変効果的ないいハッタリである。
・母親だけは葬儀場に来ない。でも、元、住んでいたらしい家に寄り、タバコをくゆらせる。あのタバコが火葬であり、「火葬をするのは人間だけだ」というのはあそこにかかる。けっこうボロボロのヒドイ目に会いながらも故人をしのげるのは人間だからじゃないか、と。
・家族みんなが煙草を喫うのは良かれ悪しかれ全て父親の影響である。
この父親が蒸発するときの言い訳が「タバコ買ってくる」だった。
つまり、13年間タバコ買いに行ったまま戻っていない状態。
次男は父にタバコを与える。これはタバコを買いに行く動作を終わらせる暗喩である。
長男は父とタバコのやり取りをしない。だから、彼は父を許しきれない。
母は父とタバコのやり取りをしない。でも、おそらく、彼女だけは父の弱さや優しさを知っているから、最初から許しているのだと思う。葬儀に出なかったのは彼女は許しているが、世間が許していないから社会的な態度として参加を控えたのだろう。

役に立たない与太話するの楽しい。

▼関連記事。
blank13@死屍累々映画日記・第二章

『悟空伝』『blank13』『修羅』シネマート新2・2・1

シネマート新宿只券で見た映画3本まとめてレビュー。

◆『悟空伝』シネマート新宿2

▲本当に、絵はいい。

五つ星評価で【★★★絵はかっこいい】
ダークファンタジー西遊記。
絵が滅茶苦茶かっこいいのだが、あにはからんや話がつまらん。
天界の構成を正すべきかどうかと言う争いは
中国の神仙に馴染のない日本人にはあまり興味がわかない題材だ。
スクリーンに対して人物がデカいのがTVみたいでかっこ悪い。
美男美女は数多く出てくるので目の保養にはなる。
悟空はジャニーズの強い男系っぽい。
メインの女の子が上戸彩系で、その母ちゃんが真木よう子系。
まあ、それでも、絵がかっこいいから勿体ない事である。


◆『blank13』シネマート新宿2

▲ゴルゴ13的ショット「俺の後ろに立つんじゃねえ」。

五つ星評価で【★★★★斉藤工うめえじゃん。】
そこいらのプロ監督よりテクニカル、
暖色と寒色を手前と奥に配置したり、
暖色を消して寒色だけ残したり、
自由な絵作りから楽しさが伝わってくる。
これらは効果として効いてるので決して嫌味じゃない。

そして佐藤二朗がいいかいけないか微妙だけど
佐藤二朗で悩むのもイヤだから考えるの中止。

高橋一生くんは寝てばかりの『嘘を愛する女』より
こちらの方が役者として美味しいです。

リリー・フランキーが言う「ポコチン」は誰が言う
「ポコチン」よりも自然に響く。いいポコチン役者だ。

予告見て破綻してバラバラに壊れる映画か
と思わせておいて中々のミスリード。

あと、子供と親の故人に対する対応を分けたのも
母親は父親の過去や、そういう面も知っていたと
いう事だから、とても腑に落ちるクレバーな選択だ。

当然、シネマートの大きい劇場でかかると思い込んでたので、
小さい方でかかると知って驚き、立ち見席あるのも初めて知った。
立ち見も含めて小さい劇場だけど満席の臨場感が中々良かった。
私、もともとシネマート新宿2そんなに嫌いじゃないし
(それ以上にシネマート新宿1の方が好きは好きよ、当然じゃん)。

追記記事を書きました。リンクは一番下の関連記事にあるので
そこから飛んでください。



◆『修羅』シネマート新宿1

▲佐々木希似の女。

五つ星評価で【★★★いや、本当、話はあかんが褒めたい部分がある】
「北斎」という名前の画家を演じるヤン・ミーが佐々木希っぽくて可愛い。

物語に翻弄されて、主人公が思ったよりいけ好かない奴なのだが、剣技凄まじく、次から次へと現れる敵との応酬は凄く見応えがある。ベストバウトは線香の時間制限付きで戦う王室資料室内での鎖鉄球との戦い。

エンドロール見てたら音楽が川合憲次。知らんし、気づかんかった。チラシにも書いてない。
そのエンドロール後にマーベル展開があるが、全くもって全然分からん。中国人なら分かるギャグなのかもしれない。

開始早々、音響システム異常で超爆音上映、死ぬかと思った。
最終的に音響システムを立ち上げ直して10分ロスタイムで復旧。
それはそれで面白かった。御苦労様でした。


【銭】
3本とも新聞系無料招待券GET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
悟空伝@ぴあ映画生活
blank13@ぴあ映画生活
修羅:黒衣の反逆@ぴあ映画生活
▼関連記事。
blank13(追記)@死屍累々映画日記・第二章

『風速七十五米』『宇宙人東京に現わる』『一刀斎は背番号6』シネマヴェーラ渋谷

特集上映「シネマヴェーラ的大映男優祭」から2プログラム。

◆『風速七十五米』
五つ星評価で【★★★いいんか?このラストで】
1963年の白黒ディザスター映画。宇津井健主演。熱血新聞記者宇津井健が大都会の高層ネオンの危険性を新聞記事にしながら、そのネオン建設会社の社員に大層嫌がられるが、その会社の社長令嬢叶順子とはちゃっかりアチチな関係なのである。その二人の幼馴染田宮二郎は今ではすっかりヤクザになって殺人鬼高松英郎とネオン建設の妨害で破壊活動をする。修理を突貫工事で進める中、台風が来て……。災害の特撮が白黒映像であるからか、とてもリアルでいい出来。
今までにない風速75メートルの台風が来る中、建設チームはネオン管を配置中、再び大事故になる。殺し屋チームは田宮二郎の友情がこじれて仲違いになり、殺し合いになり、宇津井健も巻き込まれるが辛くも生き残る。ラスト台風一過で新しい朝が来てとても清々しい感じで映画は終わる。
であるが、宇津井健は友をなくし、得体のしれない殺し屋である田宮二郎は死に、善玉である所の建設会社は間に合わせると断言して意地で仕上げようとしていた仕事が結局間に合わず、その為に仕入れた材料もダメになり、材料仕入れに使った借金手形は殺し屋を雇っていた敵の会社に流され(会社が抵当物件に入っている)、ネオン発注元である製薬会社はいつまで経ってもネオンが出来ず、掛けた宣伝費が回収できない。どう考えてもハッピーエンドからはほど遠い状態なのである。
木下忠司のディザスターらしい派手な音楽は良し。



◆『宇宙人東京に現わる』
五つ星評価で【★堂々つまんない】
1956年のカラー映画。岡本太郎デザインの星型に目の付いたパイラ星人が有名。2回目か3回目。相変わらず何時観てもつまんねー(いやあ、つまんねーっしょ)。新兵器廃絶が目的で地球に来た宇宙人が、その新兵器を使って地球の危機を回避するとか、脚本が首を捻るような適当さ。カラーは実に綺麗でいい発色をしている。「東京に現わる」という題名だが、土地土地、妙に閑散としてて、本当に「東京」だろうか?と思うのだが、それくらいまだ東京がノホホンとしていたという事なのでしょう。物語の方でなく、当時の風俗を見るのに面白い一本。


◆『一刀斎は背番号6』
五つ星評価で【★★★清々しいマンガチックラブコメ】
1959念の白黒映画。山から降りてきた朴念仁の一刀斎さん菅原謙二も、下宿先の旅館の守銭奴だけど純情な娘・叶順子も、その恋のライバルの仁木多鶴子も、同じく恋のライバル春川ますみも、みんなしてかーいー。ちゃんとみんなそれぞれキャラが立ってるから感情移入しやすい。ラストいきなりぶつ切りみたいに終わるのが勿体ない。恋の行方もハッキリしないし、大リーガーとの対決も闇雲に勝ちゃーいいってもんでもない。全体面白いのに、閉じ方が実に勿体ない。
菅原謙二どこか岸谷五郎っぽい。
パ・リーーグでも野球場が人でいっぱい。東京ドームなんか未来の未来、後楽球場なのである。製作後、約60年後なのだけど、球場の広告とか「ああ、あそこじゃん」みたいな会社がいっぱいあって面白い。
春川ますみがエロきゃらなんだけど、気の強いオボコの叶順子の方が二者択一なら好みだけど、やっぱり合気道道場の娘だな。
東京タワーが立ったばかりという事で、景色にあちこち映りこんでいる。東京タワーでかい。と言うより、周りに何もなかった。武骨な鉄骨がその大きさと雄姿を凄くメンタルに表わしている。そのデカさになれていないのである。



【銭】
『風速七十五米』『宇宙人東京に現わる』:通常二本立てて興行価格1500円-400円(会員割引)。
『一刀斎は背番号6』:再集会割引価格1300円-400円(会員割引)。カップリングは『勝利と敗北』、時間が合わず。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
風速七十五米@ぴあ映画生活
宇宙人東京に現わる@ぴあ映画生活
一刀斎は背番号6@ぴあ映画生活
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