摘まんだ5本を駆け足でまとめてレビュー。
◆『スリー・ビルボード』トーホーシネマズ渋谷4
▲上島竜平と出川哲郎だったらキスしてる距離である。
五つ星評価で【★★★いい映画だけど、おで、もっと軽い映画が好きなのよ】
・3人のビルがボードゲームやってるのほほん映画じゃないのかって、そらないだろ。
・3人のビルの暴動っぷりに期待って誰だよ、3人のビルって。
・ぐぐった。ビル・マーレー、ビル・クリントン、ビル・ゲイツ。なんかいいメンツじゃん。
・火でレイプ、火で器物損傷、火でタイトルロールのアレを焼き討ち。サイボーグ009のアポロンを静かにディスってるような映画だ。何か知らないが「火」を嫌ってる。ビルボードも燃えるようなオレンジ色だ。抑制できない火は災厄その物という事かもしれない。だから、最後に旅立つ二人の行動は抑制下にあるのか、そうでない衝動なのかは見ている観客への問いかけなのかもしれない。私はその旅で終わる事に対する違和感を強く感じた。
・話の筋が読めないのは良い。あの終わり方にも驚いた。私はあの二人が分かりあう為に歩み寄る流れは面白いと感じたが、旅その物に抑制より衝動を強く感じたので違う着地点が探せるのならあの終わり方でない方が良かったと思った。
・母ちゃん(フランシス・マクドーマンド)の評価が高いけど、チンピラ警官とその母の演技も凄いと思う。
◆『サファリ』シアターイメージ・フォーラム1
▲ドーン!
五つ星評価で【★何かを伝えようとしてるように見えないドキュメンタリーは大嫌い】
・予告の長さが最適。
・これは寝ずにはいられない。
・撮影条件に「ハンター達の狩猟を邪魔しない」という条件でも付いているのかもしれないが、狩猟の撮影に臨場感がなくつまらない。ちょっと遠くで撃っているのを定置カメラで撮っているかのよう。この映画でもっとも伝わらなければいけないのは、一般的なモラルから逸脱しているように見える「食べないで殺すだけの狩猟」が何故、行われるのか。何故、人気があるのか。それを知る為には狩猟の快楽が伝わらなければならない。ならないのに一切伝わってこない。大変、他人事である。あのちょっと遠くで獣を撃っている人はとても面白いみたいだ。近くで撮影できないから彼等の面白さや興奮は伝える事が出来ないけど。そんな撮影は止めてしまえ。
・アリバイ作りのように、インタビューが入るが、とっても平坦な感じで狩りの楽しさや興奮が伝わってくるような事はなかった。そういう意味で、お上品な紳士のスポーツなのかもしれないけど。まあでも、それならそれで内面を伝えるように撮影者は何かを考えるべきだと思う。彼等はいやいやハンティングしてる訳ではないのだから。何故、狩猟をするのか。そこを伝えるのがこの映画の存在意義だろう。それその物に善悪はない。彼等が狩猟をする楽しさが観客に伝わり、観客が狩猟に行ってアフリカの原生動物が皆殺しになるような事があっても、それは又、別の話だ。
・串田アキラが歌う「富士サファリパーク」みたいな盛り上がりが映画に欲しかった。
◆『ブラックパンサー』トーホーシネマズ渋谷5
▲サファリのハンターに狩られてしまえ!
五つ星評価で【★★★普通に面白かった】
・打楽器系のBGMが無性に気持ちいい。
・アフリカンリズムとジャンポ感(肉体至高)が良いのではないか?
・時代劇のお家騒動みたいな話だけど、強い者が全て取るという思想は危険だが分かりやすい。
・女槍軍団がグレイシー・ジョーンズっぽいのはいい。
・世界が知らないワカンダって鎖国してるのかね? 近隣諸国と貿易くらいはやってないとワカンダだけで手に入らない物もあるでしょ。
・ブラックパンサーだから当然黒なのだが、夜とか地下とかの対決が多いのはマイナスポイント。
・アフリカのブラックパンサーは全身スーツでヒーローなのだが、日本のマーク・パンサーはグローブだけ着用である。
・ブラックパンサーのお友達は鷲(=アメリカ国鳥)で空を飛ぶ。サンバルカンかよ。
・ブラックパンサーの敵はキルモンガー。サンバルカンかよ。
・やはり次回作ではブラックパンサーの妹がピンクパンサーになるのか?
・「鏡の前で長い時間自分の姿をうっとり見てる」ブラックパンサーはイヤだ
・「白人キャストが墨を塗って全黒人を演じてる」ブラックパンサーはイヤだ
・「工藤静香の『ジャガーライン』がBGMとして使われる」ブラックパンサーはイヤだ
・兵器に犀が使われていたけど絶滅危惧種だからそんなんに使っちゃダメ。
◆『名前のない女たち』K’s cinema
▲いい感じに遠い二人。
五つ星評価で【★★一本の映画としては芯が通ってるようでいて、ずれてる感じ】
・AV撮影シーン(女の子が脱ぐシーン)がピンク映画の濡れ場っぽい。AVでは拷問系や特殊な和風みたいなジャンルでしか畳敷きの和室とか使わないと思うのだが最初からそうだったし。どこか光量が不足してるのか、ライティングがそんなに明るくなく蛍光灯っぽかったのがピンクっぽさを増大させていた。
・AV女優を演じる城アンティアとその妹のパート、吹越満のパートが別々にあり、両者はインタビューという接点で数度出会う。その接点のパートがあまり多くないから、映画として芯が一本通ってない気がしてしまう。
・吹越満の落ちた感じがリアルっぽくていい。
◆『去年の冬、きみと別れ』丸の内ピカデリー1
▲こちらも上島竜平と出川哲郎だったらキスしてる距離である。
五つ星評価で【★★★騙す事自体をそんな連呼せんでもよかたやろ】
・おで、凄く騙され上手と言うか、こういう映画では手あたり次第騙されているのだけど、今回は騙されなかった。前宣伝で「騙される騙される」連呼するからそっちに意識が集中してしまった。あまり、そこがこの映画の核ではないと思う。
・エンドロールの曲がギャグみたいにカッコ悪い(この記事書く前にもうメロディー忘れてしまった)。
・ラストの彼の宣言はかっけーと思います。
・(若いカップル:岩田剛典、山本美月)VS(怪しい大人:斉藤工、浅見れいな、北村一輝)という対立があるのだが、大人チームの演技力が盤石で実に良かった。すんごく安心して任せられる演技。若年ペアも意外な頑張りで、映画の初めと終わりでかなり印象が異なる役を好演している。でも、若い人の変化は無理に変えてる感じで自然に「まるで違う人」みたいに見える境地になってはいなかったかな、と。そこがちょっと残念。
【銭】『スリー・ビルボード』:映画ファン感謝デー価格1100円。
『サファリ』:映画ファン感謝デー価格1100円。
『ブラックパンサー』:映画ファン感謝デー価格1100円。
『名前のない女たち』:映画ファン感謝デー価格1000円(K’s)。
『去年の冬、きみと別れ』:ピカデリー有料入場ポイント6回分と引き換えに無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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スリー・ビルボード@ぴあ映画生活・
サファリ@ぴあ映画生活・
ブラックパンサー@ぴあ映画生活・
名前のない女たち うそつき女@ぴあ映画生活・
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新文芸坐の企画「香川京子映画祭」から1プログラム。
黒澤明二本立て。どちらも遥か昔に名画座とかで1回見てる。
香川京子という女優は意識して見た事がなかった。流石に女優人生70年と言う人だからこっちが意識せずとも見てる映画はチョコチョコあるのだが、どちらかと言うと往年の作に偏る。だから、若い時の映画見るとかーいー。タイプじゃないか。きしょー。もちっと前に気づいて特集通えばよかった、というほどなかなか時間の方が空かないのではあるが。
◆『悪い奴ほどよく眠る』五つ星評価で【★★★大体テンポが良く軽妙洒脱なのにラストが鬱なのがとても不思議な変なバランスの映画】
1960年の白黒映画。151分。長い。
重厚かと思えば軽妙、喜劇と思って見てると悲劇になってたり、作品のトーンが吹き荒れる嵐のように一定しない。
主役は三船敏郎。だが、ポマード油にでっぷり体格でかっこ良くない。やり手でいつの間にか娘婿の座に登りつめているキャラなのだが、そういう手腕があるようにもあまり見えない。
ラスト吠える加藤武が無性にかっこいい。
一目でノイローゼと分かる西村晃の表情が素晴らしい。恐怖に震える西村晃をオブジェとして部屋の隅に飾りたいくらいだ。なんかあの西村晃が人間化したムンクの「叫び」みたいだ。
志村喬の頬に物を沢山詰め込んだ居汚い食い方がなかなか最高。
映画内で三船敏郎と対峙するボスの悪役が森雅之。若い時の森雅之の恋愛映画を何本か見て、そのイメージが強くて、晩年、こういうキツイ役に出演していた事は知らなかった。まだまだっすね、俺。
そして香川京子の可愛い事。足の悪い女の子って自分の性癖的に恥ずかしながら中央値です。
香川京子、加藤武、西村晃の三人が「よっ」と声掛けたくなる快演。
◆『どん底』五つ星評価で【★★★キチガイ・ホームドラマ】
1957年の白黒映画。125分。おもろいけどこれも長い。なんか「鬱」を積み上げた後、揺り返しの「躁」が来るのだけど、それが空騒ぎで「幸せ」の方向に進まないから疲れる。この「疲れる」状態でも見せ上げてしまう黒澤も凄いが、やっぱりちょっとくらい惰眠をむさぼるように幸せなカットを入れてくれてもいいじゃないか。何一つ「幸せ」の要素がないホームドラマ。
かなり筋金入りの群像劇で、一番最初に名前が上がってる三船敏郎も自分の出番が終わるともう糸の切れた凧がどこかに飛んでいってしまったかのように出てこない。頭から尻まで通して出てる登場人物は数人いるが、その登場人物がメインを張ってる訳ではなく、均等に吹き溜まりにくすぶってるだけなのである。
三船敏郎は
『七人の侍』の菊千代が志村喬についぞ会えず生活をそのまま崩した様な野卑な役。野盗に近い。この人、尻が大きくてガタイがいいから貧乏人にはあまり向かない気がする。と言うか、黒澤組の金看板だから主役位置にいるけど、演技その物は一本調子で私は嫌い。
『七人の侍』『用心棒』『椿三十郎』『赤ひげ』とかは適役だと思うけど。黒澤のアイコンだからプロデュース的に外し辛かっただろうか。
香川京子。荒れ狂ってるけど可愛いなあ。
山田五十鈴。超恐怖。恐怖が服を着て歩いてくる感じ。晩年の『必殺』くらいしか知らんかったし、顔が好みじゃないので好んでこの人の映画を見たりはしないのだけど、凄い演技が出来る人だったのだなあ。
東野英治郎。初代黄門さまは黄門さまに辿り着くまではどれ見てもクソ爺。この映画もそのルールに違わず。この人の言う事に耳を貸すいとまを与えないクソ爺っぷりは日本髄一だと思う。
左卜全。ただ一人、情け思いやりを持つが、土壇場でその全てを裏切る行動を取る。後付けで考えると新興宗教教祖のようである。まあ、この役があるから映画がすげー複雑になるのだけど。
山田五十鈴の恐怖を香川京子のキュートさが覆しきれなかった一作。
【銭】新文芸坐の会員割引250円減の1100円。
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悪い奴ほどよく眠る@ぴあ映画生活・
どん底〈1957年〉@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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どん底〈1957年〉@或る日の出来事
ヒューマントラストシネマ渋谷4本+1本まとめてレビュー。
◆『15時17分パリ行き』ヒューマントラストシネマ渋谷2
▲「お母さん、オナニーやってごめんなさい」というコピーも合いそう。
五つ星評価で【★★いや、そんなビビーンと来なかったす。短いから退屈はしなかったけど】
・15時17分からの上映回がある丸の内ピカデリーさん偉い。パリには行かんだろうけど。
・テロリストが15時17分パリ行き電車に乗らないバージョンがあっても見る気はないです。
・ゾンビが出てくる電車映画はパリには行かない。終着は釜山。テロリストではないが傍迷惑なリストラ・サラリーマンが乗り込んできて電車がハチャメチャになってしまうのはリアム・ニーソンの新作。あれの終着駅はコールド・スプリング。パリ行きのテロリストがゾンビだった場合、被害者・加害者ともにけっこう流血するので感染拡大の可能性は高い。リアム・ニーソンがゾンビだった場合、ガン・アクションと打撲系が中心で流血は控えめなので感染拡大の可能性は低い。
・バリ行きだと堤真一が乗ってるかもしれん。
・バーフバリ行きだとみんな熱狂でおかしくなる。
・凄く面白いとは思わなかったが、そんなにつまらなかった訳でもない。短さが良かったのだろう
・本編の割にエンドロールが長く、マーベルみたいに次のヴィランが出てくるのかと一瞬思った。
・「15時17分パリ行き」と言う題名が思い出せない人は「いちごセブンティーンはパリで逝く」ってエロ変換して覚えると良い。
・そうそう観光シーン長いよ。
◆『さよならの朝に約束の花をかざろう』ヒューマントラストシネマ渋谷3
▲主役ちゃん。
五つ星評価で【★★問題はエモーショナルじゃない事】
絵が綺麗で設定が緻密だけど残念なのは話に意外性がない。
多分、岡田磨里は普通の生活の中での感情のさざ波を描くのが得意な脚本家なのだと思う(例:
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』)。今回は長命種と短命種の間の共存や生活のすれ違いを描く物語だが、ファンタジーで幾つもの王国が戦ってる世界を選んだことで命の長さという命題がぼやけてしまった。戦時においては長命種でも命が明日をも知れぬからである。長命種と短命種のギャップはとても小さい。そして、見知らぬ世界を選んだ事で、今までの高校生を描いた群像劇が持っていたキャラクター達への共感性が薄らいでしまった。知らない人たちが演じる感情の乗らない舞台みたい。こういう場合は感情をエモーショナルに暴発させてストーリーをグングン進めるのが良いのだろうが、岡田磨里の資質にはおそらくそれはないのだ。
長命種と短命種の物語でぱっと思い付くのは吸血鬼と人間。吸血鬼は「長命種」としてより「天敵」として描かれる事が多いので、その特性に関する感情を描いた作品は
『ポーの一族』くらいではないかと思う。ああでも、あれ、そんなに読み込んでないや。
割とそうであるのに気が付かないのは人間が長命種であり、ペットが短命種である事だ。この両者の関係は以前は主従の関係であったと思うが、最近の兆候では概ねペットは人間の代用(=家族)の位置にまでたどり着いた。まあ、従者であろうと、家族であろうと、なくなって哀しいのは当たり前で、長命とか短命とかそう決まってるからとかに左右されない。ただ単に悲しい。悲劇であろう。
あと、先日見た
『今夜、ロマンス劇場で』も、この命題を含んでいた。あんなのぶんぶんベタベタのお伽話なのだが、長命種の綾瀬はるかが短命種の坂口健太郎に寄り添う姿は納得させられる物があった。各個人の感情の中で愛は命の長さに負けはしない。物語として成立させるには、これがコアだと思う。
今回の
『さよならの朝に約束の花をかざろう』はそのコアを正しく観客に提示できていただろうか?
みな母性愛にやられるらしい。母性愛は分からんでもないが、外見の如何に関わらず、母の立場に立った者が子供に愛情を示す事は普通なので、そこで強く感じいったりはしなかった。主人公が最初にお世話になる農夫の母ちゃんが「ザ・母」という感じで好きなのだが、彼女は途中で退出して出てこなくなってしまった。最後に出して対比に使うとかでも良かったのに。「母じゃないから母性愛感じられないんじゃないの?」言われたら言い返せないけど。
◆『勝手にふるえてろ』ヒューマントラストシネマ渋谷1
▲2とヨシカ。
五つ星評価で【★★★★松岡茉優かーいーやん】
松岡茉優がかーいー。もうそれだけで幸せになれる映画。
多分、誰しもこのヨシカ的側面はあるだろうから彼女を応援しない訳にはいかない。
ヨシカの憧れイチの北村匠海が実はヨシカと趣味嗜好が似てたりなのは予想外の展開だった。しかし、そこから恋愛にはできんのかな? 北村匠海くんは外面から内面が推し量れないみたいな役ばっかやらされてる気がする(
『きみの膵臓をたべたい』『恋の罪』)。運命の相手と言う妄想を葬るためにはイチとやり直すみたいなテリングは選べないという事か。
ヨシカにズケズケ入り込む男ニ、ごくごくたまにアングルによってなのかいい男に見えるのが癪に触る。客観的にはこういうぶつかり合う相手の方がヨシカのリハビリにとてもよい事は分かるのだが、映画内で一番ヒエラルキーの低い存在として描かれていたキャラが主人公と同等の位置にまで登りつめてしまうのは、おめでとうと言う気持ちより「猪口才な、無礼打ちにしてやる」みたいな気持ちの方を強く持ってしまった。
完全善意の友人、石橋杏奈。丸顔には善人が良く似あう。

▲休憩室の二人。畳をマジックミラー素材にして下のフロアから覗きたい。
ピンポイントだけど大事な前野朋哉、古舘寛治、片桐はいり、みんないい感じに使われてる。
◆『アリバイ・ドット・コム』ヒューマントラストシネマ渋谷1
▲メインキャラ3人。
五つ星評価で【★★★★ヒャッハー】
『世界の果てまでヒャッハー』の主演・監督による、ヒャッハー系のコメディー映画。相変わらずフックが多くて楽しい。 主人公の婚約相手はそんなに好みじゃないので、関係が壊れちゃった方が幸せになれそうと思って見てた。
◆『スターシップ・トゥルーパーズ レッド・プラネット』新宿ピカデリー5
▲しかし、このバグは料理したらきっとそれなりに美味いのだろうな。
五つ星評価で【★★★バグのデザイン】
ゲラゲラ。いつも通りにバグのデザインが最高でそれ以上でも以下でもない気がする。
元が小説とはとても思えない3DCGゲーム映画。
戦争を起こす理由が支持率高める為って安倍晋三の北朝鮮ミサイルみたいな話だな。
88分って短さは魅力。
【銭】『15時17分パリ行き』:テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
『さよならの朝に約束の花をかざろう』:テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
『勝手にふるえてろ』:テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
『アリバイ・ドット・コム』:テアトル水曜割引で1100円。
『スターシップ・トゥルーパーズ レッド・プラネット』:ピカデリー前回有料入場割引+ネット割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・
15時17分、パリ行き@ぴあ映画生活・
さよならの朝に約束の花をかざろう@ぴあ映画生活・
勝手にふるえてろ@ぴあ映画生活・
アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件@ぴあ映画生活・
スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・
15時17分、パリ行き@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評・
15時17分、パリ行き@お楽しみはココからだ・
さよならの朝に約束の花をかざろう@ノラネコの呑んで観るシネマ・
さよならの朝に約束の花をかざろう@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評・
勝手にふるえてろ@映画的・絵画的・音楽的・
勝手にふるえてろ@或る日の出来事・
スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット@だらだら無気力ブログ
ヤフーかなんかで百ポイント百円分失効するのだという。
じゃあと言う事で失効する100ポイントを含む398円の割れチョコというのをネットショッピングで買った。買ったというか貯まりっぱなしになってるポイントを使って、どういう仕組みか分からないが送料もサービスになってたので実質は無料で貰ったのだ。頼んでから3日くらいで届いた。
食べてみる。美味い。割れてる。
しかし、割れ方がでかいな。
割れちゃったから申し訳なく安値でみたいな雰囲気ではない。
物凄いちっちゃなカケラとかがないのである。
みな、カケラがでかい。でかいカケラは食べやすい。
内容量を見ると100グラムである。
100グラムは板チョコ1枚分。
板チョコ1枚分で398円で売れるならいい商売やん。
おそらく、これはわざと割って売る商売なのだろう。
高級チョコのカケラのように思わせておいて、
作った厚手のチョコを不規則に小さくなりすぎないように割って
小分けにして封入する。
個人的には無料だし、美味しいからまあ、ええねん。
も一つ頼んでもいいわ(何で貯まったポイントか分からんから痛みがない)。

▲♪運転手は君だ、車掌は僕だ、的な1カット。
五つ星評価で【★★★ミッションめんどくさ。ラストに行くに従って畳みかけるように事件がでかくなっていくのが素晴らしい】
原題は
『THE COMMUTER(通勤者)』、
『TRAIN MISSION トレイン・ミッション(電車事案)』って中々いい日本英語題だと思う。
『通勤者』は内容そのままだけど、せめて
『地獄の通勤者』か
『正義の通勤者』くらいでないと映画のニュアンスが伝わらない。もうちょっと詳しく
『元刑事の10年勤務でリストラ対象になった保険外交員通勤者と愉快な仲間達』だと、とてもアクション映画の題名には聞こえない。
『地獄の(元刑事の10年勤務でリストラ対象になった保険外交員通勤者と愉快な仲間達)』という題にすればOKか? 翻訳の話で言うと、通勤電車(乗車率80%程度じゃねえか、ふざけるな)にいつも乗っている乗客に対して「常連」という言葉を使っていたのは違和感があった。いやまあ、確かに突き詰めれば「常連」なんだけど。しかし、これは通勤電車の山手線とかでは絶対クリアできないミッションだ(ミッション内容↓)。
・いつも使っている通勤電車(8両ほど)の全乗客(立っている客はなし)から一人の乗客を探し出す。
・その乗客は終着駅で下車する。
・その乗客は普段、この路線に乗っていない。
・その乗客の通称はプリン。
・成功報酬は10万$、失敗の代償は家族の命。
社内検札が来るから、特急電車みたいな扱いだけど、やはり常連かどうかの絞り込みはしんどい。リーアムさん、よく頑張りました。滝田洋二郎の痴漢電車シリーズだったら常連かどうかは触り心地審査一択に違いない。
悪玉側の策略が二転三転事前の策を用意しているのはいい。
まあ、悪玉側にしても、このミッションは難しかったろう。かなり頭のいい悪玉である。リーアム・ニーソンを巻き込んだ時点で頭がいいというのは瓦解してしまうのだが。あと、最後の電車から開放される場面で、悪役はもう一手打つべきだったと思う。その直前でカタが付く筈だったからと言う事だろうが(電車の内にも外にも手は打ってはあったし)、最終的にそれは希望的な観測に基づく偶然に頼りすぎた判断になってしまった。悪い事やるのも難しいですなあ。
PS 試写会で見たので見終わってからかなり経つのですが、
今になって「たった一人の芳本美代子を電車の中から探すのか!」
というボケを思い付きました。【銭】講談社連合試写会応募料金としてハガキ62円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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トレイン・ミッション@ぴあ映画生活

▲シロクロ女とか言うと後から問題になりそう。
五つ星評価で【★★★但し、綾瀬はるかは百点満点で千点】
スクリーンから出てきたお姫様とボクの恋。
ってリアルにほど遠い話をファンタジーとして仕上げている。
嘘が嘘として成立しているのは、嘘存在の綾瀬はるかと
嘘を許容する坂口健太郎、両主演の演技が真剣だからだ。
綾瀬はるかいいなあ。予告で見たイメージは
『ローマの休日』まんまだったので、ちょっと面食らったが、ちゃんとオードリーとは
別の姫様になっててよかった。
オードリーよりは真摯だけどトンマな感じ。
思ったより古風な顔立ちで、普段のポワンとした素を見せずに
ドS口調なのが堂々としてていい。
カラフルに古風なドレスを纏っている彼女はどれも綺麗だが、
服装を度外視して、最初のモノクロの彼女が可愛いと思うのは、
映画ファンとしての性癖かもしれない。モノクロいいじゃないすか。
白黒以外の彼女は妙にカラライズされてるように思えてしまう。
坂口健太郎は星野源みたいな演技をしていた。
まあでも、それなら星野源でいいんじゃないの?
今までヘタレ役はなかったろうから、いいチャレンジではある。
本田翼は今回はウジウジちゃんタイプ。
この子は見た目以上に芸達者だから任せておけば大丈夫。
石橋杏奈は丸顔が全てな感じもする。
北村一輝お得でおもろい役。
朝番組ZIPの團遥香ちゃんの名前がエンドロールにあった。
柄本明の姿の見えない連れ合い辺りだろうか。
脚本練れてないなあと思ったのは、割と早くに判明する彼女の秘密、
アレを何で彼女自身が知っているのかが分からない。
【銭】ピカデリーの会員、前回有料入場に付加するクーポンを使って1300円で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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今夜、ロマンス劇場で@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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今夜、ロマンス劇場で@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

▲こんな絵です。隙がないのよ。
五つ星評価で【★★好き嫌いで言うと、、、、、キツい(好き嫌いじゃないやん)】
中篇。
全編を大友克洋が作画したかと思うくらい安定感と、抜群の技術力を有する作画が凄い。それも止め絵とかではなく、普通にアニメとして遜色なく動く。それでもパースが崩れない。「ここの作画下手じゃない?」みたいな乱れが見られない。背景や小道具も極端に目新しくはないが、説得力がある。一つの作品の中に間違いなく世界が出来ている。
だけど、頭から尻まで、子供がずっと辛い目に会ってシクシク泣いているような映画なので、進む先にほのかな希望があったとしても、私はやっぱり好きにはなれない。
【銭】番組料金1000円。
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COCOLORS@ぴあ映画生活

▲年長組の醸し出す武将感と若者組の出す下剋上は目指してないけど不服はある小者感が色濃く出たチラシ・ビジュアル。
ネタバレ気味なので、鑑賞前の人は回れ右五つ星評価で【★★★吉田恵輔らしいが吉田恵輔らしすぎる】
吉田恵輔監督はコメディ・ベースで話を進めながらピリっと性格の悪いスパイスを混ぜてくるような映画を作る。元々はコメディの部分がかなり大きく、それが故に「どんでん返し」的な「いや~な部分」が効果的に効いていたのだが、前作
『ヒメアノ~ル』から少しコメディ・ベースは薄れ、真剣に人生を考えるような作品に移行しつつあるように見える。いや、そう見えてしまってるのは自分だけなのか。もちっと軽く笑いたかった。
新井浩文と窪田正孝の兄弟と
ニッチェ江上敬子と筧美和子の姉妹の
関係性を突き詰めて描く。
どちらかと言うと近寄ってお互いを認めあうような傾向以上に、題名から類推されるようにどこまでも憎んで睨みあってるみたいなしんどい関係性だった。
弟の窪田正孝は地道にこつこつスローペースで生きてきたのに、その傍を猛スピードで土煙や土砂を振り撒きながら走る兄に辟易している。兄の新井浩文はオール・オア・ナッシングな生き方を貫く男だが、その成功の成果を誇りたいのに誰も相手にしてくれない。もちろん近くにいたら怖くてたまらないが、窪田正孝より新井浩文の方に若干惹かれている。窪田正孝のコツコツや、借金を地道に返す姿勢がアリバイのように見えてしまう。そういう生き方をしていれば問題なく生活させてもらえるでしょ、みたいな。窪田正孝は成功を望んでいない。失敗は勿論望んでいないが、単に息をして持続して生きていければそれでいい、つまらない奴なのだ。それはどこにでもここにでもいる、まるで俺みたいな奴だ。つまり彼はごくごく普通の世間一般である。ニッチェ江上の心情に興味はないのに軽いデートくらいは受けてしまう。それなのに恋愛対象は筧美和子。ドライな奴じゃないか? 新井浩文は成功を求めるが、その成功で何が得たいのかと言うと周囲からの愛なのだ。愛されたくてたまらない。でも、愛するための手段が分からないから札束でひっぱたくような事をする。多分、彼が求めているのは彼の頭を撫でて「よく、やった」と褒めてくれる家族や弟に他ならない。妻はいないから金で愛を与えてくれるデリヘルを買う。多分、哺乳類史上最強の女とかが妻になって惜しみない愛を捧げれば、新井浩文はこの映画の中ではこの上もなく幸せになれそうだ。
ニッチェ江上と筧美和子姉妹のバランスの悪さもキツイ。これ外見が似てるから
『リバーズ・エッジ』の引きこもり姉とヤリマン妹に似て見える。違うのは引きこもり姉は何一つ能力を持つていなかったが、ニッチェ江上は生きる為のスキルを全能のように持っているのだ。
『リバーズ・エッジ』の引きこもり姉は、生きる為の仕事や家庭のスキルを持っていようが持っていまいが、ニッチェ江上が幸せになれない事の反証のようだ。つまり、一定線の外形を保持しない女性は愛を求めても結果が得られないと、とても明確に解答を出している。すげーシビアだ。であるなら、ニッチェ江上は地上最強の空手を取得し、熊を倒し、その後に新井浩文とラブラブになれば全て丸く収まる。
兄弟姉妹のいがみあいの話は別として、
新井浩文、ニッチェ江上は愛から見放されているサイドなので、この二人が補完しあえる関係になればとても上手く行く可能性を秘めている。
逆に、窪田正孝と筧美和子は恋愛関係を結んでいるように見えるが、これはそうしている方がそれぞれの世界に対して居心地がいい。つまり、アリバイとしての恋愛関係みたいな物であり、もともとこの二人とも愛を欲している様には見えない。愛される資格はそれぞれ持っているが、そんなに強く愛する感情を持っていないのではないか。何となく好意があるからSEXをする関係。凄く悪い書き方をしているのだが、求めている物(手に入れる事の出来る生活)が似てるから案外ベストカップルな気がする。私は筧美和子が芸能界を目指しているのは通常の社会では生きていけないからアリバイ作りとしてであり、結婚によって安泰な生活が約束されるなら全然、それで構わなそうだと思ってそうだと思うのだ。窪田正孝と筧美和子の結婚した後の生活が楽しいのかどうかと言うと、とても楽しくなさそうな演劇を演じるような空白な夫婦じゃなかろうかなんて思うのは、私がやはり愛から見放されてるサイドの人間だからだろうか。
主役の四人がそれぞれリアルにダメをひけらかし(役としてね)、ひけらかしショーで終わって、普通その後に見える微かな希望みたいな物も薄めなので、私、これはやっぱキツくて、吉田恵輔と言う才能をリスペクトしつつも、映画としてはそんな好きじゃない。窪田正孝の「やめて、お兄ちゃん」が本当のDV見てるようでキツい。そう言えば相変わらず、あどけない美女(筧美和子)みたいなのが出てくるときっちりビッチなのだよな。辛い経験してそうだな、監督。
【銭】テアトルの会員証更新時に貰える一カ月有効の招待券を使って無料鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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犬猿@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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犬猿@ここなつ映画レビュー
ユーロスペースで見た3本をまとめてレビュー。
◆『アイスと雨音』ユーロスペース2
▲予告で使われていた椅子ガッシャン手前。
五つ星評価で【★★★★傑作】
これは傑作。オーディションで選ばれ初舞台に立とうとする6人の少年少女に言い渡される舞台中止。それでも彼らは稽古し、当日、中止になった劇場に集まる。予告でも言ってる通り、74分ワンカット一発取り。詩を吟じる男からカメラがパンしていく中で演技が多重に重ねられ、そこに雷鳴のように椅子が床に叩きつけられるシーンが、予告に切り取られるだけあり、スリリングである。比較的にどのシーンもスリリングだと言えるが。
常に一つのカットに二つの意味が表裏入れ替わるという気狂い構成である。これは表面から見える筈のない横面や裏面などの他面を強制的に一度に見せてしまう絵画上のキュビズムを演劇的に展開させたみたいだ。Aくんは「Bくん」という役を演じる。映画内ではBくんを演じるAくんが各人の演技スイッチ有無のみで入れ変わる。常に彼がAくんであるかBくんであるかの判断を強いられる映画観客。いや、大体ニュアンスで分かる。おそらくわざと曖昧にして分からないような部分もあるにはあるが、それは問題ない。ただ、Bくんを演じるAくんが、映画の外ではやはりオーディションで選ばれた役者であり、その名前がCくんであるのなら、観客はBくんを演じるAくんを見ながらCくんの演技素養も見る事になる。この迷宮感が心地よい。
中央にいる6人は出番の多少でいい役、悪い役に分かれる。それは仕方ないだろう。現実の舞台でもそうだ。
たまに流れるように現われて詩を吟ずるMOROHA氏には目を奪われる。彼は「誰それ」というような役ではなく、舞台美術とか映画美術の一部である。とても大変な事を6人がやってる裏で舞台その物を異形の風体で成立させる。これは何と言う信頼されたオファーであろう。そして応えきっているMOROHA氏も凄い。
◆『たまゆら』ユーロスペース1
▲久保陽香たん。
五つ星評価で【★★★★手堅い医療ドラマ】
チラシの脇に控えめに書いてあるコピー
医療制度に翻弄される病院と優しい青年医師の運命を描く群像劇。なかなか的を得ている。
医療制度の問題点が描かれる中で、人間ドラマもちゃんと描かれている。
ちゃんと面白いのだけど、予告見てもぼんやりとしか医療物という認識は持ててなかった。
脚本、監督を手掛ける土田ひろかず氏は現役の医師なのだそうだ。
病院の描写がリアルな訳だ。こういう部分をアピールすべきだと思うのだが。
映画の題名は『たまゆら』というあやふやな物。ポスターは主演女優の顔のアップがメインで医療の「い」の字も感じられない。
内容は地道にコツコツ、ベタだけど悪くない。面白いし、飽きない。これが一本目なら上出来だろう。
映画はいいけど、プロモーションが失敗した映画。
個人的にはこの直球の映画のネタを元に『ミナミの帝王』のようなコテコテのコンゲームみたいなドラマが盛り込まれたら面白いんじゃないかなあ、と思う。
主演の久保陽香はよう知らんのだけど、ホワンとしてていい。この後、ユーロスペースで売れない女優が泣き屋になる『見栄を張る』というのがほぼ連続上映されるので、これも見てみたい。
◆『野球部員、演劇の舞台に立つ!』ユーロスペース1
▲「に」じゃなくて「で」だと下ネタ。
五つ星評価で【★★★★手堅い青春映画】
どーしてどーして面白いじゃん。
こーゆーのが埋もれちゃうのは惜しいな。
キャスティングされた役者が大人も子供も端役に至るまでちゃんと役を生きてるのは立派。
主演の野球部のピッチャーでいやいや演劇部に派遣される渡辺佑太朗のガリガリに我武者羅に青臭く余裕がなく人と中々溶けあえない孤高なところが「ザ・青春」という感じで眩しかった。
そのピッチャーとぶつかる演劇部のじゃじゃ馬、柴田杏花もいいバランス。
名前分からんが野球部のキャプテンが憎めない奴でとても良かった。
あと、宮崎美子、林遣都、宇梶剛士の演技が奇をてらったりはしないが明確で気持ちがいい。
若手が若手として気持ち良く機能できるのは、本当脇を固める層がしっかりしてるから。
【銭】3本ともユーロスペース会員割引価格で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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アイスと雨音@ぴあ映画生活・
たまゆら@ぴあ映画生活・
野球部員、演劇の舞台に立つ!@ぴあ映画生活

▲大鷲の健。何でこんな就職できなくて渋谷でカツアゲとかしてそうなキャラにしちゃったんだ?
五つ星評価で【★★チグハグやない?】
いいところもあるが全体あまりよろしくないと思う。
まず、前提としてTVの話があったらしく、タツノコ4大ヒーローが集結する話として劇場版映画本編内にも取り込まれている。なので、この映画の中にはその事件と、それが終わった後の新たな事件とが二つ入ってる事になる。
この一つ目の事件はかなり突飛だけど、まあ、感情の落とし所が分かるので、これはこれでまとまった話だと思う。ただ被害者になる少女がいて、ガッチャマン、テッカマン、キャシャーン、ポリマーなどが重ならずにいるパラレル・ワールドがそれぞれあると言うのは可能性がゼロではないのだけど、パラレル・ワールドという設定を普通に考えるなら、すんげえ御都合主義だろう。
そして、二つ目の事件はガッチャマンのいる世界に他の世界から4人(少女含む)が集まってくる。
敵は船越英二演じる南部博士。南部博士の元の声はもうすっかり忘れてしまっているので、この人生の辛さばっかり味わってきたような声を私は好きだ。南部博士その物のキャラがセルアニメとは違っているようだし(老成したと言えばいいか)。この南部博士が敵になるプロセスも、その南部博士を取りまくリアルな政治状況もハードで良いと思う。だが、南部博士が手に入れたギャラクター保有の兵器が具体的に説明されていないので機能がよく分からない。無限のエネルギーを転用できる兵器とだけ思っていればいいのか?
この敵の強さが割と不明瞭であるのはよろしくない。
味方の強さと比較検証できない。
そして味方。キャラの個性が薄い。
テッカマンのみはガタイがでかく、知的な役割を与えられているが、残りのメンツはそれぞれの技を持つ戦闘要員にしか見えない。べしゃりなどに表われる個性が薄いのだ。これならタツノコ4大ヒーローではなく、普通にガッチャマンの方がよかったのではないか。予告にもあるキャシャーンとポリマーが並んで歩くシーン。コスチュームを除けば全く一緒である。バレエダンスのように息を合わせてるみたいだ。尻のプリンプリンした動きまで一緒なのである。ホモかよ。ホモかは別にして、アニメーターに演技を付けようという気持ちがないのだ。キャラクターの個性を声優の声質だけにしてはいかんだろう(それは脚本もだが)。個性の薄いキャラに感情移入なんてできないよ。なので、どっちかって言うと狂いながらも悩み抜いてそうなったかのような南部博士の方に共感した。
ヒーローの全体モデリングはいいけど、素顔はCGドールそのまま。割とみんな人相悪い。街角で女性用下着握ってたら捕まりそうな顔立ちである。思いつめた顔なのに妙に明るい私服はどこかイビツな感じがする。女の子の服も数着あるがトーンが合わないのが逆に仇になってる。
あと、主人公健のアゴヒゲはかっこ良くない。
やっぱ一番でっかい問題は主人公側がいろいろな意味で魅力に薄い事だ。
あと、渋谷はもっと人がいっぱいいる。けっこうスカスカな渋谷だ。あのスカスカさは30年くらい古い。今の方が人が多くてゴミゴミしている。
【銭】ピカデリーの前回有料入場割引+ネット購入割引にて1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ@ぴあ映画生活
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