
▲構成的にはサザエさんに近いが、一家団欒が熱い。あと、血の関係がちょっと複雑なので遺産分配にもめたりしそう(遺産がないから大丈夫そうであるが)。
五つ星評価で【★★★★真木よう子と井上真央💛】
高度経済成長期の韓国人一家、ぶつかりあって生きていく。
在日韓国版
『寺内貫太郎一家』と言う感じ。
だけど小林亜星と西城秀樹の取っ組み合いはない。
ケンカは主に痴話喧嘩なのである。
真木よう子と井上真央が素晴らしい。
毅然とした態度を崩さない、家族の中で一番正義を貫いているのに、愛についてのみ最後に自分の正義をも濁らせてしまう真木よう子。びっこを引いてるだけで人生背負わされちゃった感が濃厚で好き。
そして、ずっと怒ってる激怒の女、井上真央。昭和風の安い服がたまらん。井上真央の選択もいい。彼女はただ幸せになりたかっただけなのだ。彼女と大泉洋の間には距離の近さはあるが幸せはなかった。

▲綺麗どころ二人。
大泉洋も盤石。言い訳を言わせたらこの人にかなう役者は日本にいないと思う。何でそんな特殊な演技に嵌るのかはよく分からないけど(
『水曜どうでしょう』の成果か?)。すげえクズだけど一途なクズなので許せてしまう。
あと、お父ちゃんのキム・サンホが凄い存在感。うーん、日本人だと思い込んでたー。
もうのっけから猥雑で貧乏で一生懸命が押し寄せてるのが好感モテモテ。一つ一つのセリフが面白い。役者が生きている。ただ、全体のまとまりがちょっと悪い。映画と言うより、お茶の間のドラマを演劇に昇華して見せられてる感じ。話の筋や映像で語る上手さみたいな物より役者の演技を優先して見ちゃう私みたいなタイプは、かなりちゃんと楽しめると思う。127分の長さは感じないが、今回の試写開場は椅子が硬かったのでお尻が痛かった。
【銭】雑誌の試写会申し込みで当たり。
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焼肉ドラゴン@ぴあ映画生活
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やすこ監督が戻ってきて、新体制でインターハイに挑む。
インターハイの前日(と言っても6日前)まで、一人一人の問題を解決する繋ぎの章。まあ、でも、そういうのも必要だ。
五つ星評価で【★★★普通にスムーズに見れる。ひろ子大根足。】
この松田優作、薬師丸ひろ子、そして根岸吉太郎監督の映画がどうにも見る機会を逸して逸して逸しまくって、今回が初見なんである。
松田優作若いな。中のセリフで33歳とか言ってる。ムチャクチャな若手じゃないけど、チンピラ風のコワモテ(「太陽にほえろ」のジーパン含む)から芸風変え出してる頃。だから、軟派な受け芝居だけど声が低くって、まだ中途半端な感じ。かっこ悪く見えながら、そのかっこ悪さがかっこ良さにまでは繋がってない。手足長くてベースかっこよくはあるんだけど。
一方、薬師丸ひろ子は豆狸風のバブリー女子大生お嬢様。ボブが若いのに若くない感を強めてる。けっこう高そうな服をとっかえひっかえ着替えてるのだけど、あまり似合ってる感じじゃない。「野生の証明」のちっちゃい守られてる少女がゴツゴツ肉がついてしまって、薬師丸ひろ子の可憐さはヒョロっとした中にあったんだよなあと思わされてしまう。
と言うベストアクトじゃない主演二人だけど、意外な二人組と言う感じで組み合わせは面白い。朴訥でそんなやり手に見えない松田優作を振り回す世間知らずの素っ頓狂なひろ子お嬢様がなかなか良い。女子大生だけどバリバリに処女の役だけど、本当はいざ知らず、カマトトだからそんな感じだよなあ。ラブホで松田優作と回転ベッドに寝っ転がって過剰反応しちゃう辺りが微笑ましくてとても良い。ニコニコ笑ってしまう。ラストシーンは中々の名シーン、ロングで抑えてるけど、ひろ子大解決の前に、ちょっとだけでも松田優作の見せ場が欲しかった。まあ、ヒエラルキー的には薬師丸ひろ子が上の映画だからしょうがないのだろうけど。
その薬師丸ひろ子より、ひろ子のライバルになる坂上味和(バニーガール)の方が出番は少ないが鮮烈で、どのシーンもいい演技をしている。まあ、ヒエラルキー的には薬師丸ひろ子が上の映画だから全くもって全然しょうがないのだろうけど。
財津一郎がすぐ指詰めちゃうのには驚いた。度胸良すぎだろ。
【銭】渋谷シネパレスさよならワンコイン興行で500円。
ありがとう渋谷シネパレス、控えめで上品で、それでいてちゃんとしている映画館で大好きだったよ。
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探偵物語〈1983年〉@ぴあ映画生活

▲荒耶の指がちょっと可愛らしい。
ネタバレあり五つ星評価で【★★★★脱ぎ捨てられたブラ、パンツの質感がいい】
4回目。
何度見ても分からない。一応、見て納得はするのだが、「分かった」という満足した状態にはほぼ遠い。だから、何回も見れるし、見てしまうのだと思う。何回見てもそれなりに飽きないのはゴージャスな音楽、気が狂ったかのような異能なキャラたち、論理的に迷うように意図的に作られているストーリー、緩急際立つアクションなどがあるからだ。ただもっさり長い感もあって、何回かの見直しで後半だんだんキツくなってきている。
主人公の式は別にして「魔術師」と呼ばれる異能者が3人も出てくるのが楽しい。そのうち一人コルネリウス・アルバなんて癖しかない変な奴だし。シリーズずっと出ている蒼崎橙子のいっちゃってる方の側面が色濃く出てるのも面白い。荒耶宗蓮なんて「死の収集家」はいいとしても「死」を収集していれば根源への道が開くみたいな考えは人間自身の世界に対する自意識過剰じゃないだろうか?
あと、臙条巴のズタズタさが尊い。彼は主人公・式の相棒を担うキャラだが、式を捕獲している敵の荒耶宗蓮に手も足も出ず、一笑に伏すような状態で最期を迎える。しかも、彼はオリジナルではないし、荒耶宗蓮に作られたコピーだし、意識の一部さえも荒耶に操られていた。いいとこなしである。その上、式が荒耶の捕縛から開放されると、それは臙条巴の活躍でなどなくとご丁寧にも行動を否定され、式自身による脱出だと宣言されてしまうのである。そんなのちょっとひどくね(笑)。本当にそうでも、もうちょっと何か取り繕ってやってもいいだろ。
世界の存在がどうだこうだには無力な臙条だが、ラストでは式と相克であり螺旋であるとの解釈が促される。式にある異常な部分を全部反転させると臙条巴みたいな、いい意味での青春野郎(ポジティブではなくネガティブだが)になるのかもしれない。
しかしまあ、あのブラとパンツのカット、もう少し長いと嬉しいのに。
【銭】プログラムC(第五章)で1500円均一だがテアトル会員限定で200円割引。
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劇場版 空の境界/第五章 矛盾螺旋@ぴあ映画生活画生活
▼関連記事。
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空の境界第一章(2回目)+第三章(2回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第一章3D(3回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第三章(4回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第四章(3回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第五章@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第五章(2回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第六章@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第六章(2回目)+REMIX(3回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第七章@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界REMIX@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界REMIX(2回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界未来福音@死屍累々映画日記・第二章
◆『映画の教室2018上第一回』五つ星評価で【★★全体的には無声無伴奏の映画が多いとやはりしんどい。現代人なんだよ、俺】
フィルムセンター改め国立映画アーカイブの企画上映「映画の教室2018上」。
全五回で今回のお題は「時代から観る日本アニメーション」
一回目は「日本アニメーションの草創期」で、日本でのアニメーションの始まりに関わる作品5本。
①
『ファントーシュたちの恋のさやあて』1908年の洋画・参考上映。落書きっぽい。
②
『なまくら刀』現存する日本最古のアニメ1917年。笑わせようとしてるのだと思うのだが、やはり感覚が古い。まあ、実際、古いのだからしょうがないが。
③
『カリフの鶴』1923年の洋画。参考上映。影絵アニメ。
④
『蟹満寺縁起』1924年の影絵アニメ。外国ではこの頃のタッチを再現した長編アニメとかもあるが、日本ではこれは完全に失われた技術であり、これが経済的に受ける理由がないから再興しないだろう。
⑤
『線畫 つぼ』1925年、ちょっとリアル指向の絵が今では少しキモい。
②

④

⑤

絵はネットからの拾い物。①③は見つけられず。
◆『映画の教室2018上第二回』五つ星評価で【★★★ヤバい感高くてワクワク】
フィルムセンター改め国立映画アーカイブの企画上映「映画の教室2018上」。
全五回で今回のお題は「時代から観る日本アニメーション」
二回目は「戦前 トーキーへの移行とPR映画」。
①
『煙突屋のペロー』1930年。影絵アニメ。反戦映画。寓話だから舞台は日本ではないが、主人公のペローがゴリゴリニグロっぽい顔立ち。鳩の命を助けてあげたペローが貰ったのは兵隊を生みだす卵って設定が何かどこかおかしい。鳩よ、お前は平和の使者じゃないのか? あと、特筆すべき事実としてペローが佐藤慶に似てます。
②
『三匹の小熊さん』1931年。気楽なメタモルフォースがいい。今は理由がないと変身とかしちゃいけないんだけど、この頃のアニメはそーゆーのに自由。
③
『茶目子の一日』1931年。凄く濃い絵にやられる。
④
『オモチャ箱シリーズ第三話 絵本1936年』1934年。戦時アニメ『桃太郎の海鷲』に世界観が近い。ミッキーマウスが悪者である。
①

③

④
【銭】各回、国立映画アーカイブ一般入場料金520円+108円(前売券発行手数料)。
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《時代から観る日本アニメーション/日本アニメーションの草創期》@ぴあ映画生活・
《時代から観る日本アニメーション/戦前 トーキーへの移行とPR映画》@ぴあ映画生活
◆『空の境界 第五章 矛盾螺旋』
▲アルバの服もおかしいが、それ言ったら式の服も異常全開だものな。
五つ星評価で【★★★★話のコア】
3回目。
物語はここがコア。この話を中心に据えるために、巫条霧絵、浅上藤乃との激闘が前座にある。この二人がJOJOで言う吸血鬼なら、荒耶宗蓮は石仮面を作った男。那須きのこの原作を読んだ時は納得した気がするが、やはり師匠クラスの戦いに式が何故勝てたのかはよく分からない。結果として勝ったのだなとしか思えない。まあ、それでいい。凡人はそうやってぼんやり世界を見るのだ。
ゲストキャラ巴の全て操られていたことが分かっていたとしても懸想し続ける式への思いが必然を歪めたというのも言われているからそうなのだろうが何か判然としない。荒耶宗蓮も青崎橙子も本物の自分を肉体に持たない化け物(これってクラウドの概念に近い)だが、その中でただ一人凡才なのがコルネリウス・アルバ。どう考えても気が狂ってる赤い人。この人自体は普通にそこそこ評価される魔術師らしいのだが、前述二人と比べると何か水戸黄門のうっかり八兵衛的な小者感が漂ってしまう残念な人物。万能でそこそこ何でも出来るらしいが、こういうのは一芸に秀でた人には負けてしまう。ただキャラが強いので、忘れないでおいてあげたいくらいの愛着が残る。
最終的になし崩し的に破れてしまう荒耶宗蓮だが、そのなし崩しがなかったら、根源に接触できてたのか? あまり荒耶宗蓮が求める根源が愉快な物であるような気がしない。それで納得するというのなら、ちょっとだけ貸し出すみたいな対策もあったんじゃないか。「解」だけ分かれば荒耶宗蓮はそれでいいというタイプだろう。
式の脱ぎ捨てられたブラジャとパンツの方が式本体より煽情的であるという罠。いやだって、式は体温がなさげなのに、式の下着はぬくもりがあるように描写されているのだもの。
銀座マリオンの機械時計と渋谷スクランブルが合わさった場所ってどこやねん。
◆『空の境界 第六章 忘却録音』
▲スケバン刑事っぽい式と鮮花。
五つ星評価で【★★★デザート】
3回目。
ちょっと趣向を変えて一本。
鮮花は物語の中の誰よりも未完成で生きが良くっていい。
他のキャラが誰もが老成しているのに、彼女だけが感情を露わにするのが可愛らしい(ある意味、とても作為的である)。
魔術師として出てくる言葉を操るゴドー・ワードの発現形態がかっくいい。
私もゴドー・ワードを身に付けて『A女E女』とか仕切ってみたい(おいおい)。
◆『空の境界 Remix』
▲Remixポスター。
五つ星評価で【★★★このリミックスという概念がイビツでとても好き】
4回目。
冒頭とラストを除いて、章立てごとに名場面が無造作に羅列される。
以前、見た時の記憶を呼び戻す大変、面白い企画。
ただ、これは前回までの鑑賞期間が開いてると良い効果を表すが、ちょっと前に本編を見たばかりだと、見たばかりの強い記憶(物語性)に引きずられて映像を並列で見ることが難しくなる。映像に脳が追いついていかなくなる的な感覚。なので、これだけは最初に一発かますように上映した方が良かったかもしれない。まあ、せんないせんない。そんなんは出来んだろう。
冒頭とラストのウルトラリミックスが楽しいが、章立てで分けた中ではやはり「矛盾螺旋」が一番濃くって面白い。トピックスが多い事ともともと画面処理の仕方が異常な部分が多いからだろう。
【銭】プログラムC(第五章)で1500円均一だがテアトル会員限定で200円割引。
プログラムD(第六章+Remix)で1500円均一だがテアトル会員限定で200円割引。
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劇場版 空の境界/第五章 矛盾螺旋@ぴあ映画生活・
劇場版 空の境界/第六章 忘却録音@ぴあ映画生活・
劇場版「空の境界」 Remix -Gate of seventh heaven-@ぴあ映画生活▼関連記事。
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空の境界第一章(2回目)+第三章(2回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第一章3D(3回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第三章(4回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第四章(3回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第五章@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第五章(2回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第六章@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第六章(2回目)+REMIX(3回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界第七章@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界REMIX@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界REMIX(2回目)@死屍累々映画日記・第二章・
空の境界未来福音@死屍累々映画日記・第二章

▲ダダの人間標本ビジュアル。いや、バケルくんか。
五つ星評価で【★★役者はまずまず、話はどこか何かが欠けている】
「怪物くん」と称される規格外人物が、「この怪物に出会うまで、私たちはみんな独りだった。」という状態を打開したかのような映画のコピーがあるのだが、別に「怪物くん」が何かをしてそうなった訳でもなく、強いて言うなら自然にそうなる事が「友情」物なのだ。しかし、この「すんげえ暴力野郎」と誤解されていた奴が、「その暴力に理由がある実は正義の人」である事が明らかになって、周囲と打ち解けていくという構図は全くもって
『honey』と一緒だ。テンプと言えばテンプなのかもしれないが、高校の始業式の時に問題を起こすなんてのが一緒と言うのはちょっと一緒すぎだろう。直接・間接の違いはあるが、正義を行使されて友達になるのが佐野岳、
『honey』では横浜流星。近寄りがたいん彼の意外な一面に触れステディ位置に登りつめたい女の子が浜辺美波、
『honey』では浅川梨奈。怪物くん側の菅田将暉が暴力は振るうものの天然で頭脳が天才、
『honey』の平野紫耀は暴力は振るうものの礼儀正しく学力は赤点タイプ。怪物くんの方が精神的に幼稚なので近くにいたら異質かもしれない。ああいうヘラヘ笑いながら暴力振るうような奴は菅田将暉だからみんな許せるのだ。今日、へらへら笑いながら暴力を振るう伊藤雄之助のドラマを見てそう確信した。
菅田将暉はナチュラルな天才「怪物くん」を好演。彼の何が原因で他人と異なるようになり、それがどう異なり、親の佐野史郎からどう思われて遠ざけられ、又、どういう判断で呼び戻されようとしているのか。この辺は映画からはみ出してる部分で良く分からない。アウトライン透けるくらいである。いや、この辺はちゃんと描くべきでしょ。お試しマンガ読む限り、実際あんなキャラなのだが、そのキャラの出自を描かないのは強い「逃げ」を感じる。
土屋太鳳は冷血ガリ勉役。この娘は「美少女」とか「可愛子ちゃん」みたいな枷を外した方が演技が面白くなるので、この役自体は面白く演じていた。多少の不細工は池田エライザと浜辺美波で補完するからよろしい。この土屋太鳳(や菅田将暉)の着用するブレザーやセーラー服が物凄く色の濃いオレンジで「月曜ドラマランド」感を果てしなく強く醸し出している。土屋太鳳ちっちゃいので池田エライザと並ぶと池田エライザが膨らんで見えてしまって、その辺はちゃんと撮る側が気を付けてあげればいいのにと思った。
池田エライザは「私、可愛いので」と口に出しちゃうKYキャラで成績の良い土屋太鳳に勉強を教えてもらおうと近づく役。それは補習授業の時間にあるオフ会に出席する為という裏の目的があるのだが、達成されても、そのオフ会に怪物くんが付いていくという膨らみそうなエピソードもあるのに映像化されない。えつ、何、このクソ脚本。おそらく原作ではこのネット女がオフ会でネット野郎どもにヒドイ目に会ってリアル友達の怪物くんとグッと近づくんであろう。まあ、尺がなかったのかもしれないが、それなら彼女ごと話を切った方がスッキリすると思う(バッサリ役が小さくなる池田エライザには災難だろうが)。
浜辺美波可愛いわあ。すげえ細かくて緻密な演技ぶち込んでくるけど、一人だけ演技のスピード感が違って見えなくもない。
佐野岳はどうでもいい。いつもそんな位置にいないか?
山田裕貴、金持ちで育ちがいい役らしいのだが、金髪で目つき悪いのでヤンキーっぽい。マンガではサラサラ金髪で美形なのかもしれない。ただどうも山田裕貴がお金持ってる風だと、ドラッグか何かを扱ってるように見えなくもないから、これは誰か他の人にオファーした方が良かったのでは?
速水もこみち、「恋はいい。良くも悪くも人を変える」と言っておきながら、池田エライザから告られたら、速攻、断ってしまう。え、何、どうしたいの、このクソ脚本。バッティングセンターに無理やりバー・スペースみたいなのを設けて「モコず・キッチン」みたいにしてるけど、あのバースペース、高校生が来るくらいだから儲かりそうにない。この恋バナを大きくしないもこみちの下りもカットしたりすると池田エライザ、いつもニコニコ笑うだけのモブキャラみたいになってしまう。案外、そういって役柄を剥奪されたのが佐野岳だったりして。
古川雄輝が菅田将暉と並ぶと割とちゃんと兄弟に見えるのおもろい。
まあ、可愛い浜辺美波ちゃんが見れて、土屋太鳳の泣きの演技が良かったからいいか。みたいに登場人物多いと何かしらフックにかかるものがあるのだけど、映画、見終わった後の「見終わったあ」という感じは全くなかった。「あ、終わってもた」みたいな感じ。
【銭】額面1400円の前売券をチケット屋で1000円でGET。
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となりの怪物くん@ぴあ映画生活▼関連記事。
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honey@死屍累々映画生活・第二章
同日に見た2本をまとめてレビュー。
◆『ラブ×ドック』トーホーシネマズ新宿12
▲ポスター。
五つ星評価で【★★バブルな月曜ドラマランド】
作品そのものがムチャクチャつまらない訳ではない。暇つぶし的に時間を浪費するには適当かもしれない。ただ、プライドの問題で「これを褒めるのは恥ずかしいなあ」そういうラインの映画があって、これはそんな中のバリバリ中央に位置する一本。
チラシのコピーを見てもらうと
「女性のホンネが詰まってる!?笑って泣けて恋がしたくなる“大人のため”のラブコメ、誕生!」この映画の監督のみならず脚本を書いたのが「大人気放送作家・鈴木おさむ」。
ドラマ「ブスの瞳に恋してる」の原作者であり、映画「ハンサム★スーツ」の脚本家である。
えーと、男が話を作って書いてるのだから「「女性のホンネが詰まってる!?」は何かあやふやなコピー違うか。まあ、女性じゃないと女性のホンネが書けないって事はないかもしれないが、野郎というファクターを通す事で自然タテマエが形成される可能性は強い。だから、チンチン切ってからだよ、それは。「笑って、泣けて」もこの映画で思いっきり「笑って、泣ける」お客さんは情緒不安定だと思う。パステルカラーを全面に出したポスターデザインと言い、とてもバブルが滲み出てる。そういうのはバブルにやれよ。そして、何かとてもTV好き好きオーラが出ててイヤだ。大体、「ブスの瞳に恋してる」も、「ハンサム★スーツ」も、コンテンツとしては弱い。TVなら無料だから見たとしても、映画館に行ってまで見ようという意欲が沸きづらそうな映画だ。どうも製作者側にそういうシビアな金銭感覚が欠けていそう。世界に自分は好かれているから、自分が作ったコンテンツは引く手数多で大ヒットになると目をキラキラさせて信じていそう。それは違う。こんな大雑把な売り上げの見通しを立てちゃいかん。お前ら、金を払ってわざわざ映画を見にくる客を侮るんじゃねえ。こんなリターンが帰ってきそうにない映画で稼げるか?!
加藤ミリヤの曲が絶妙に古い。どうせ古いならもっとメジャーな懐メロを使えば良かったのに。
吉田羊はちゃんと座長を演じているし、演技に問題はないけど、これは外れ籤企画。あえて、吉田羊が演じて傷物にならなくても良かったのに。
絡む男三人と女一人は重さから言ったら助演だから、大傷の印象はない。
吉田鋼太郎、大人の彼。如才ない上手さ。大人のスマートさと所帯臭さみたいな小ささが良く出てる。
玉木宏、同世代の肉食彼氏。あっ、こんなにライトに自己中みたいな筋肉男ができるのね。ちょっと見なおした。
野村周平、ピュアで危険な年下の彼氏。まあ、彼は若いだけでいい役なので。
大久保佳代子。吉田羊とメチャクチャ容貌に違いがあるように見えない。メイクさん上手というか、吉田羊的にはそれでいいの?
多分、吉田羊を中心とした30代から40代にかけての女性層を掴みたかったのだろうが、吉田羊はあまり「吉田羊でお金を落とすか」というタイプの女優じゃないから、まず、その入口が違ったのだと思う。お客が、いい感じに空いていました。いや、ちゃんとした作りの映画で上手く宣伝で客を引っ張って来られるなら、開拓して大量の客が見込めそうなラインだと思うよ。だから、ちゃんと映画作ろうよ。よしんば映画館で上映するバラエティーでもいいんだけど。何にせよ、客をちゃんと連れてこようよ。
◆『ひらがな男子 序』トーホーシネマズ新宿1
▲こっちもポスター。
五つ星評価で【★★★どこからどう見ても異常なイベント。でも面白い。】
映画見る前に横の席みたらみんなサイリウムぶんぶん回してて驚いた。
今年見た中でもっとも頭がおかしい映画。文字が失われてしまった日本を舞台に、ひらがな男子たちが仲間探しの旅に出るさまを映し出す。主人公は「あ」。主人公の次に登場するのが観客から妙に信頼されていない「う」。何で「観客から」と言えば、映画内で観客とひらがな男子が交歓するようなシナリオになってる。双方向っぽいけど、上手くシナリオが書けている「なんちゃって双方向」である。田舎者の「の」はどうでもいい。「た(だったと思う)」は単純バカ。「ち」はいい感じに知性、「ひ」は秘密が多くて好き。「ぬ」は強いバカ。
まあ、こんなんがあってもいいと思う。
【銭】『ラブ×ドック』:トーホーシネマズデーにつき1100円
『ひらがな男子 序』:トーホーシネマズデーだが特別料金1500円均一。
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ラブ×ドック@ぴあ映画生活・
劇場版 ひらがな男子 ~序~@ぴあ映画生活

▲アマゾン・アルファは顔立ちが大巨獣ギララにちょっと似てる。
五つ星評価で【★★残念な結末】
SEASON1は対立軸の設定が秀逸だった。
「アマゾンズ」という存在は潜在ゾンビ予備軍の亜人である。
そのゾンビを作った後悔から全てのゾンビ菌保持者をゾンビ覚醒の有無に関わらず殺戮しようとする男(アマゾン・アルファ)と、ゾンビ菌保持者から社会適合個体だけを選別して守ろうとする男(アマゾン・オメガ)との戦いだった。対立軸はしっかりあるのだが、どちらも折れない為、最後まで戦い続けてダブルノックダウンのような形で終わった。
アマゾン・アルファは四千匹の人喰い虎を世に放った人間の責任の取り方として、最後まで姿勢が変わらなかった。
もう一人の主人公アマゾン・オメガは自分を人間と信じていた為、アマゾン狩りに加担し、人を襲うアマゾンの殺戮にも疑問がなかった。SEASON1は彼が仲間のモグラアマゾンの人肉嗜好覚醒や非覚醒者の多くのアマゾン達との出会いから考えを変えていく、その過程を捕えたドラマであるとも言える。オメガが少しずつ意見が変わるのにアルファが不動なので最後まで対立が続いた。その分かりあえなさがリアルだったと言える。そして、この両者にはそれぞれのいい分があり、どちらもその側に立つ者からすれば正義なのである。
SEASON2は新たに人間に感染するアマゾン細胞というギミックを使い、更に面白い対立軸が出来るかと思われた。
もともと人間であるがアマゾンになってしまった者、自己を守るために人をアマゾンに変えようとするアマゾン、ともかくアマゾンと見れば出自無関係に殺しまくる人間を描く事で、誰かが誰かを殺す事は何が満たされれば正義なのかを見直そうとしているように見えた。
でも「少年」と「少女」のラブ・ストーリーに注力しすぎた為、本来、語るべき「アマゾンの世界での適者生存の適者とは何者か」という命題が適当になった。アマゾン・人間に関わらず、ともかく戦って死ぬ者は単に死ぬ、それをただ後追いするだけみたいな話になってしまった。最終的にはアマゾンはほぼ駆逐完了され、人からアマゾンになった者の懊悩も、自己を防衛する為に他人に不利益を働く者の不正義を許していいのかという命題も、なし崩し的に解答がどこかに飛んで行ってしまった。
劇場版はアマゾンが最後の二体へとなっている。
今回の問題提起はアマゾンが養殖され、その肉が提供されるコミュニティだ。
人喰いのアマゾンを育て、人間がアマゾンを食うという逆スタンスの提供。
この設定が生きない。
と言うのは、前提の話の中で、さんざん人間の勝手なアマゾン虐殺を描いてるので、この設定が全く斬新に見えないのだ。まあ、それくらいはやるだろう、と言う感じ。そして、この設定はもう一つ問題を含んでいる。大量脱走して、個体が社会内に潜伏するようなケースでは使えないが、完全管理育成しているのなら、人喰い本能を発芽しないよう抑制する事は可能である。そうしない理由がない。つまり、コミュニティーではもっと簡単に安全に食肉化が可能である。大量販売できないような食肉を極秘に作るくらいなら豚や牛を育てた方が効率かが良さそうでもあるし。何やってるんだよ、野座間製薬。
って事で、あまり意味のない対立と戦いをしながら、終わっちゃったなあ、アマゾンズという感じ。ともかく延々と戦っているんだけど、その延々と戦っている戦いにSEASON1くらいしか説得力を持たせられなかったのが残念だ。
主人公の一人オメガが罪を一身に背負い、どこかに旅立っていく様子はちょっと梶原一輝ヒーローっぽいかもしれん。あの罪を背負う必要があったのかどうかは疑問だが、ヒロイズムとしてはいいのかな。
【銭】4回分東映株主券2000円をチケット屋で買って4回分のうち1回(1枚目)。
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仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判@ぴあ映画生活▼関連記事。
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劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season1 覚醒@死屍累々映画日記・第二章・
劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season2 輪廻@死屍累々映画日記・第二章
池袋で同日同劇場で見た4本をまとめてレビュー。
◆『パンダコパンダ』『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』新文芸坐
▲ちなみにパンダは雑食性である。
五つ星評価で【★★あの寸止めのようなスピードに私もう耐えられないのです】
あの寸止めっつか、緩急の「緩」しかないようなスピードに私、耐えられないのです。何でと言われたら、そういうお年頃としか言えないのです。一作目のキャスティング表は良かったなあ。銭形みたいな駐在さんの声を山田康雄が充ててる。サーカスのモブシーンにルパンらしき一味が出てきたのは二作目だったか。ちなみに私はミミ子さんでは興奮できない人なので、二次コン、ロリコンとしてはまだまだといったところです。あんなんで興奮出来る人はペットショップの犬にだって欲情するだろう。だから、まだまだで充分です。ペットショップの犬に欲情するのはうらやましくないからね。
◆『太陽の王子ホルスの大冒険』新文芸坐五つ星評価で【★★★★何て丁寧な。】
20年くらい前に劇場で1回見てるがその頃は素晴らしさがよく理解できなかった。けっこうな大人なのに子供だったのである。
こんなんようアナログの時代にやったな、という凄い効果の見本市だったりする。やはり、後付けでどんな凄い技術が出てきても「何をどのような見せ方で撮りたいか」という根源的な問いかけに真摯な対応をする事が観客の心を打つのだ。
ホルスはへこたれない少年らしい純朴なキャラクターだが、まあ、普通だ。今時、いない実直なキャラだと思う。JOJO第一部のジョナサン的だ(金や育ちはもちろん異なるのだが自分の中での軸がぶれない)。
ヒロインを演じるヒルダのとんでもない孤独や、この娘の今までの悲痛な暮らしが透けて見えるような演技や演出が見事。彼女を見て泣いた。世の中にはどんな世になっても抗いがたい不幸というのがポツンとあったりするのだ。ヒルダは本当にそういう人達の象徴みたいだった。
アフレコの中で、実写の顔がありあり浮かんでしまったのは頑固爺さん東野英次郎くらい。技術的に下手とか、そーいうのではなく、声に特徴がありすぎてあの顔が浮かんでしまう。あの爺さんだけは実写の東野英次郎にキャラ置き換えてもいい。
悪い奴は生まれながらにして悪い奴でいいというルールなのだな、この頃はまだ。とても、落ち着く。
◆『アルファヴィル』新文芸坐
▲「もみじ饅頭ーっ」B&Bネタをこじらせてる最中。
五つ星評価で【★★うわあ、やはり、ゴダールダメだ】
私、ゴダールはたまに挑戦するんだけど、
『勝手にしやがれ』と
『気狂いピエロ』を除くと、どれも睡魔に絶対と言っていいほど勝てないのだわ。これもその例に漏れなかったわ。何で最初の二本だけ大丈夫なんだろ。
【銭】『パンダコパンダ』+『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』+『太陽の王子ホルスの大冒険』:一般1350円-250円(会員割引)
『アルファヴィル』:一般1500円-500円(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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パンダコパンダ@ぴあ映画生活・
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