『結婚期』『浪花の恋の物語』シネマヴェーラ渋谷
- Date
- 2018/07/18/Wed 23:37
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
特集上映「女優有馬稲子」から1プログラム。
◆『結婚期』
五つ星評価で【★★★★女子アナ役有馬稲子♡アリパン】
1954年、白黒、102分。初見。
鶴田浩二でラブコメとか撮ってるとは思いもよらなかった。
プロポーズの言葉は囁いてもこの映画では人生訓は囁かないのである。
その鶴田浩二が真面目が信条の公務員係長。
有馬稲子は女子アナ。普通、接点がないこの二人に接点が出来るのがラブコメ。ブラボー。鶴田浩二も不器用にチェリーボーイっぽくて可愛いが、有馬稲子もキュンとした感じで可愛い。女子アナ役だからいい感じに華やかで知的だ。いい。似合ってる。有馬稲子自身はイヤかもしれないが、女優女優した重い役よりこういうカワイコちゃん役が好みだわあ。
鶴田浩二がモテモテで何人からも言いよられる。
その中の一人が芸者の岡田茉莉子。ちょっと普通じゃない美女オーラ。他の女子と空気が違う。隔絶してる。今の女子だと(と言いながら少し古いが)吉川ひなのっぽい。何か一人だけ日本人とトーンが違う感じ。
井上梅次監督はバンドミュージックを派手に吹かすのが得意。とても気持ちいい。
あと、雪村いづみが雪村いづみ役で出演して、一曲歌う。
『青い芽』でナジってごめん、雪村いづみ凄いステキだ。『青い芽』は劇中の衣装があかんわ。あーゆー野暮ったいの着せて野暮ったい役をやらせたら似あわなかった、と言う事なのだろう。
◆『浪花の恋の物語』
五つ星評価で【★★この錦之助は嫌い】
1959年、カラー、105分。初見。
廓の遊女・有馬稲子に惚れた錦之助が身を持ち崩す話。
これ、私的にはてんでダメ。
錦之助のキャラが最初から最後までどうにも嫌い。好きになれない。
男は自分の責任の取れない相撲を取ってはいかん。自分の責任を取れない相撲を取るほどの愛だったと言えば言えるが、そこで全てを失ったり、他人に迷惑をかけたりするのは、やはり思慮が足りないと思ってしまう。多分、これはこの映画の中で錦之助と有馬稲子の実際の「遊び」のシーンが一切描かれてないからというのもあると思う。そこが描かれていないから、この映画の錦之助は「愛を貫いた」ではなく「愛に溺れた」と見えてしまう。これ、中村錦之助でなく、木下ほうかキャスティングだったら、みんな蛇蝎のように主人公を嫌がると思うよ。
その錦之助を遊郭に誘い込む遊び人の町人仲間が千秋実。この先導だけして一切責任を取らない不誠実な感じは岸部シローっぽい。どこか目に信用がない。『七人の侍』の槇割り侍だけで、この人をいい人と思ってはいけない。割と喧嘩が合ったらすぐ焚き付けるような無節操な役が多いよね。
東野英治郎はただの嫌味な金持ち親父役。そんなに最低じゃなかったのが残念だ(地を這うような貧乏人のカス野郎とかが素晴らしくっていいです)。
有馬稲子は情の濃い遊女役なのだけど、殊更、贔屓して撮られてる風でもなし。ほぼほぼロングばかりで映画的と言えば映画的なのだけど、あまり感情込められるような撮られ方してないのが不憫。片岡千恵蔵の方がばんばんアップがあがる(別にそれで千恵蔵に惚れる訳でもないけど)。
【銭】
通常二本立て興行価格1500円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・結婚期@ぴあ映画生活
・浪花の恋の物語@ぴあ映画生活
◆『結婚期』
五つ星評価で【★★★★女子アナ役有馬稲子♡アリパン】
1954年、白黒、102分。初見。
鶴田浩二でラブコメとか撮ってるとは思いもよらなかった。
プロポーズの言葉は囁いてもこの映画では人生訓は囁かないのである。
その鶴田浩二が真面目が信条の公務員係長。
有馬稲子は女子アナ。普通、接点がないこの二人に接点が出来るのがラブコメ。ブラボー。鶴田浩二も不器用にチェリーボーイっぽくて可愛いが、有馬稲子もキュンとした感じで可愛い。女子アナ役だからいい感じに華やかで知的だ。いい。似合ってる。有馬稲子自身はイヤかもしれないが、女優女優した重い役よりこういうカワイコちゃん役が好みだわあ。
鶴田浩二がモテモテで何人からも言いよられる。
その中の一人が芸者の岡田茉莉子。ちょっと普通じゃない美女オーラ。他の女子と空気が違う。隔絶してる。今の女子だと(と言いながら少し古いが)吉川ひなのっぽい。何か一人だけ日本人とトーンが違う感じ。
井上梅次監督はバンドミュージックを派手に吹かすのが得意。とても気持ちいい。
あと、雪村いづみが雪村いづみ役で出演して、一曲歌う。
『青い芽』でナジってごめん、雪村いづみ凄いステキだ。『青い芽』は劇中の衣装があかんわ。あーゆー野暮ったいの着せて野暮ったい役をやらせたら似あわなかった、と言う事なのだろう。
◆『浪花の恋の物語』
五つ星評価で【★★この錦之助は嫌い】
1959年、カラー、105分。初見。
廓の遊女・有馬稲子に惚れた錦之助が身を持ち崩す話。
これ、私的にはてんでダメ。
錦之助のキャラが最初から最後までどうにも嫌い。好きになれない。
男は自分の責任の取れない相撲を取ってはいかん。自分の責任を取れない相撲を取るほどの愛だったと言えば言えるが、そこで全てを失ったり、他人に迷惑をかけたりするのは、やはり思慮が足りないと思ってしまう。多分、これはこの映画の中で錦之助と有馬稲子の実際の「遊び」のシーンが一切描かれてないからというのもあると思う。そこが描かれていないから、この映画の錦之助は「愛を貫いた」ではなく「愛に溺れた」と見えてしまう。これ、中村錦之助でなく、木下ほうかキャスティングだったら、みんな蛇蝎のように主人公を嫌がると思うよ。
その錦之助を遊郭に誘い込む遊び人の町人仲間が千秋実。この先導だけして一切責任を取らない不誠実な感じは岸部シローっぽい。どこか目に信用がない。『七人の侍』の槇割り侍だけで、この人をいい人と思ってはいけない。割と喧嘩が合ったらすぐ焚き付けるような無節操な役が多いよね。
東野英治郎はただの嫌味な金持ち親父役。そんなに最低じゃなかったのが残念だ(地を這うような貧乏人のカス野郎とかが素晴らしくっていいです)。
有馬稲子は情の濃い遊女役なのだけど、殊更、贔屓して撮られてる風でもなし。ほぼほぼロングばかりで映画的と言えば映画的なのだけど、あまり感情込められるような撮られ方してないのが不憫。片岡千恵蔵の方がばんばんアップがあがる(別にそれで千恵蔵に惚れる訳でもないけど)。
【銭】
通常二本立て興行価格1500円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・結婚期@ぴあ映画生活
・浪花の恋の物語@ぴあ映画生活
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