FC2ブログ

ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『検察側の罪人』トーホーシネマズ渋谷3


▲ネタ
「松倉を自供に追い込めませんでした。
 机を叩く際のスナップに力が足りませんでした」
「そこにケチを付けるのは違うだろう」
「ダンススタジオに通って歌って踊れる検察官を目指します」
「……検察官である意味がない!」

五つ星評価で【★★★役者はいいが映画に変な不純物が紛れ込んでる】
キムタクとニノの正義論争に、糾弾される正しい政治家みたいなエピソードが挿入される。これが邪魔。こんなの、ただ言いたい事を一人の人物に語らせてるだけで、キムタクの正義ともニノの正義とも関係ない。この寄り道が映画内に占めるパーセンテージがそこそこ高く、そんなに言いたいなら、摘み食いみたいに挟むんじゃなく、これだけでちゃんと映画にすればいい。この人の褌で相撲を取るみたいなアイデアで映画全体が迷走してしまったように見える。

キムタクとニノの関係性がリアルで良い。ジャニーズ内での立ち位置その物とかではなく(そんな単純な関係ではないでしょ)、役柄に合わせて作り込んだそれぞれの態度や演技が見事だと思うのである。

キムタクの煮え切らずにイヤな奴感がまずよい。キムタク確かにイヤな奴で許されざる罪を犯すのだが、周りが大倉孝二(屑)、松重豊(怪人)、酒向芳(モンスター)に囲まれていると、キムタクの悪事が観客の中で薄れていく。心のない化け物の中で、キムタクが犯す悪事だけが心があるからだ。

ニノのあまりに簡単に手玉に取られていて観客をハラハラさせる感じもよい。ニノ検察官になっても自分の呼称を「ボク」と言うのはどうかと思うが、違和感がないのが逆に「痛い」と思った。これは脚本とか演出に応じた結果かもしれないけど。キムタクが力がある悪なら、ニノは力不足の善。一見ニノの方が正しく見えるが、実はどちらも同じように罪深い存在だ。

キムタク、ニノに次ぐ第三の位置にいるのが吉高由里子。キムタクやニノがボクサーのように己の人生を賭けて殴り合いしている横に正義を再確認する役柄でシレっと入ってくるのが彼女の役目。彼女自身は自らのモラルに従って行動をしているが、詰めが甘く足元を救われる。彼女もニノ同様、力のない善である。

この正義を遂行すべきである三人が主役。
では悪役はその逆に正義に無頓着な男たちになる。

メフィストフェレスのように有能で、日常における正義感が欠落してる男、松重豊。彼の行動は正義には支配されていない。影響を強く受けた祖父(父だったかも)から受けたインパールの教訓により、正義とされる秩序側が牙を剥かない事もない事を知っている。正義など信じるに値しない。信じるに値する状態は自分で作り出すというのが彼の立ち位置。

第一の屑、松倉、酒向芳。素晴らしい。
第二の屑、大倉孝二。なんて表面的にも深層的にも屑なんだろう。ずっと屑を演じてきた大倉孝二の磨きがかかった屑の演技が眩しいくらいで唾を吐き付けてやりたくなるくらい、こちらも素晴らしかった。
どっちの屑が処刑されても、世の中の為になる。どちらかが処刑されなければ、それは正義サイドの損失である。今回の事件に関わっている、関わっていないは別にして、生かしておけばいずれ息を吸うように悪事を遂行するようにしか見えない二人だった。

八嶋智人の出てきただけでそこそこ無能具合が分かるキャスティング良いなあ。
キムタクがぺー師匠っぽかった。
予告編で見た通りの内容で、何一つひっくり返って驚かせるような内容がなかった。


【銭】
東宝メンバーズカードのポイント6回分で無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
検察側の罪人@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
検察側の罪人@ここなつ映画レビュー
検察側の罪人@あーうぃだにぇっと
スポンサーサイト