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マンガ『今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いする漫画 第1~2巻』マツモトケンゴ、シリウスKCを読書する男ふじき

題名通りである(笑)。

多分「照れ」を題材にした初めてのマンガではないか?
慣れない事に照れに照れまくる女騎士さまがかーいー。
基本、女騎士と彼女を愛する魔法使いだけでは同傾向のネタに限界が来るので、魔法使いの妹、はぐれ者の友人、第二の女騎士(コミュ障)など、順調にサブキャラを増やし、ネタ量産を継続中。
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『きみと、波にのれたら』『劇場版FF14 光のお父さん』『笛吹童子 第二部』『笛吹童子 第三部』

同日鑑賞縛りで4本まとめてレビュー。

◆『きみと、波にのれたら』トーホーシネマズ新宿1

▲いい感じのバカップル。それにしても息づかいが伝わってくるような的確なアニメートである。

五つ星評価で【★★★キラキラウフフな演出は嫌いじゃない】
バカップルまんせーな感じの前半が凄くよく、後半の展開に説得力がなかった。
川栄李奈演じるひな子のなんて可愛く描いてある事。絵から動きまで凄く愛情が込められてる。それに声の川栄さんがプロ並み。だから単純にキラキラウフフな前半は単に「のろけ」とも言われるが、別にそう言うの見せられて不幸せとは思わなかった。かーいーじゃん。なので、後半の喪失感はともかく、そこから奇跡のような出来事が起こり、彼女のピンチをその奇跡が防いでみせるという展開に説得力がなかった。水と歌の関連性も薄いし、彼のパワーが普通の物理法則を凌駕するほど強いのも不自然だ。ここをクリアしておかないと素直に「素敵な物語」に昇格してくれない。
川栄さん以外の役者声宛て(片寄涼太、松本穂香、伊藤健太郎)も支障なし。彼氏の妹がいつもカリカリ怒っているというのはマンガキャラとしてはテンプレートだが、彼女が妙に芒洋としてるので対比が面白かった。


◆『劇場版FF14 光のお父さん』トーホーシネマズ新宿5

▲プロデューサー見習いの諸君、怒ってる管理職もしくは父親には吉田鋼太郎にオファーを出し、嘆いてる管理職もしくは父親にはリリー・フランキーにオファーを出すという鉄則を覚えておくように。いろいろあって全て失ってしまった管理職もしくは父親だったら蛍雪次朗でも可だ。

五つ星評価で【★★★★これはベタだけど良いと思う】
予告で見れる情報通りで、何一つ想定外の出来事が起こらない内容だけど、それは逆に言えば鉄板という事でベタだけど楽しい。
魅力的なアバターにグッと来る。あんなん息子だろうが何だろうが、、、、、エロゲーじゃないのね。
吉田鋼太郎の普通のお父さん感よし。会社で偉いお父さんも家に帰ると大概一人なのだ。それは割とお父さんの宿命なのだと思う。うちの亡くなった父もそうだった。これは日本の家庭全てが抱える「父って何だ?」という映画なのだ。このジャンルは厳しい。だって、父は仕事してて集客ターゲットにならないし、父以外は通常そもそも父に関心がないのだもの。だから、同じ吉田鋼太郎が出ていても、これよりは『おっさんずラブ』の方が入ると思う。
坂口健太郎の普通の会社員&息子感もよし。
山本舞香の妹感はともかく、恋人がジャッカル富岡じゃなかったのにはホッとした。
佐久間由衣の職場でオーラがないOL感なかなかよし。佐久間由衣あまりキラキラ輝かない役の方がよさげ。

▲これが成人映画だったら机の下が大変な事になってる筈よ。

スクリーンに映るゲーム画面も、ちょっとチラつくけど、ゲーマー側の現実と繋いで大きく見劣りしないのは立派。
FFが他のプレイヤーを含めて装置として機能しており、背後にいる人間が出てこないのは正解。


◆『笛吹童子 第二部 妖術の斗争』『笛吹童子 第三部 満月城の凱歌』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★何故、笛吹童子なのかが合点がいった】
企画「添えもの映画百花繚乱」から2本で1プログラム。
1954年、白黒、43分、初見。1954年、白黒、56分、初見。
第一部最後でいきなり大笑いして善玉側の姫と忠臣を処刑場から浚ったのが大友柳太郎の妖術師。彼によって物語は荒唐無稽に大きく舵を切るのである。この妖術師の弱点が美しく響く笛の音、と言う事で「笛吹童子」がタイトルの理由が分かるのである。すったもんだの挙句、明確な理由もあまり無く、主人公側に仇なす妖術師どもを退け、兄弟は満月城を取り返す。ただ、何かテンポがあまり良くない。兄弟も主役の割にはあまり活躍しない。
おもろいのは演技が割と大根な大友柳太郎。この頃の妖術は気合いが全て。


【銭】
『きみと、波にのれたら』:トーホーシネマズメンバーズデー(2019.6.20-26)につき1200円。
『劇場版FF14 光のお父さん』:トーホーシネマズメンバーズデー(2019.6.20-26)につき1200円。
『笛吹童子 第二部』&『笛吹童子 第三部』:特集特別料金1500円だが3回券を3600円で購入(その3回目の使用)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
きみと、波にのれたら@ぴあ映画生活
劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん@ぴあ映画生活
新諸国物語 笛吹童子 第二部 妖術の斗争@ぴあ映画生活
新諸国物語 笛吹童子 第三部 満月城の凱歌@ぴあ映画生活
▼関連記事。
笛吹童子 第一部@死屍累々映画日記・第二章
・笛吹童子 第二部・第三部@死屍累々映画日記・第二章

『ザ・ファブル』ニッショーホール

◆『ザ・ファブル』ニッショーホール

▲こんな人の顔がニョキニョキしてるような髪型の奴がいたら普通じゃない。

五つ星評価で【★★★★アクションと笑い】
岡田准一のアクションが速すぎて見えない。だからきっと私には分からないけどアクション凄いのだろう。あんなに簡単にすっとビルが登れるって本当凄い。ナチュラル・ボーン・下着泥棒とかできる。オウムはあまり出番がなかったから、いなければいないでよかったと思う。これは「ジャッキー・チェンの映画をバスター・キートンを主役に撮ったらどうなるかと言う映画」とツイッターで呟いた。そんなんを実現できるアクション・スキルの岡田准一、下着泥棒にしておくには惜しい逸材だ(いや、それは違うだろ)。
そして、本当のところ誰が描いてるのか分からないけど、あの「絵」にムチャクチャ癒された。
山本美月ちゃんメチャめんこい。「いい人」顔なのだよねー。彼女が仮にビッチであっても、顔が「いい人」だから、このキャスティングは成功。まあ多分、彼女はビッチじゃないと思うけど(ビッチでもええよん)。理想は「俺の前でだけビッチ」。うわあ、すげえヤンマガ感。
粘着質な役をやる柳楽優弥が怖くてたまらん。善玉よりはこっちが本業じゃなかろうか。
『居眠り磐音』の芋姉ちゃんっぽさで個人的に株を下げてしまった木村文乃もこの映画ではよかった。しかし、ファブルはほぼほぼ相棒いらないよね。ラストでいいところ浚うけど全体的に大活躍はしないし。

ということで普通に面白かった。

ただ、岡田准一演じるファブルが本当に「こっち側」なのかどうかについて見ていて不安を覚えてしまった。
まず、原作のマンガは読んでない。
でも、マンガは映画よりリアルの線引きが低いから、主人公がクズだったり、鬼畜だったりしても、それなりに読めてしまう。逆に、主人公がクズや鬼畜の方が面白さを強調する事にすらなる。それはマンガというジャンルが完全に絵空事だからだろう。マンガで読んだ事が自分自身に振りかかる可能性は低いし、そんな事を考えながらマンガは読まない。
そんなマンガと違い、映画の場合、例えば主人公が「こっち側の」善人なのか「あっち側」のイカレタ狂人なのかは大きな問題だ。他人にまでキッチリ聞いて確認した事はないが、私自身、映画を見ていて善行がなされる事を待ち望んでいる。映画の中では勧善懲悪がなされてほしい。なので、ファブルが「こっち側」か「あっち側」なのかは、見るのに大事なポイントなのである。岡田准一くんが演じるんだから「こっち側」だろうと思うのだが、要所要所、極限まで感情表現が抑えられたファブルについては、見終わった今でも「こっち側」かどうか即答できない。おそらく「こっち側」だろう。そこが私を不安にさせる。何と言っても彼が感情を爆発させるのがジャッカル富岡のギャグを見てる時だけなのだ。すげー「あっち側」っぽい。

エンドロール後のオマケは久々に「必見」と言う言葉に似つかわしい。


【銭】
講談社連合試写に当選。ありがたや、ありがたや。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ザ・ファブル@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ザ・ファブル@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
ザ・ファブル@日々是精進
▼関連記事。
・ザ・ファブル(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
ザ・ファブル(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
ザ・ファブル2@死屍累々映画日記・第二章

『ねことじいちゃん』『プリズマ☆ファンタズム』『怪談一つ目地蔵』『笛吹童子 第一部』

同日鑑賞縛りで4本まとめてレビュー。

◆『ねことじいちゃん』下高井戸シネマ

▲ポスター。「いつだって、人生はこれから。」とコピーが書いてある右の写真、田中裕子は故人の役である。あと写真下の方にいる女性も映画内で死を迎える。、

五つ星評価で【★★★猫好きに対してこれでもかこれでもかと渾身の脳殺画像、悩殺映像を贈り出してくる、私は人間好きなので柴咲さんに悩殺されたかったが、そういう映画ではなかった。一応最後まで見れるんだけど、やはり山場がないんだよ】
猫が自然体すぎるのが凄い。ちなみに爺さんも自然体である、多分。
爺さんと婆さんのというより、主人公の立川志の輔の猫への会話が民話を喋るペースで遅い。ちょっとその遅さに飽きなくもない。しかし志の輔って落語聞いた事がないのだが、人間的な面白味(落語でいうところの「フラ」って奴)がなくて、演技としてはいいのかもしれないけど演芸する人としてそれで大丈夫? この志の輔演じる主人公が元校長で70歳、何だか『長いお別れ』とシンクロしないでもないが、田舎にいる人はボケないで、いきなり死ぬみたいだ。まあ猫が山ほどいるからアニマルセラピーになってるのかもしれない。

それにしても題名通りの映画で、それ以上でもそれ以下でもない。
あとは離れ島だからなのかドクターコトー、もとい、カンゾー先生Jr.がいたり、深夜食堂の店主がいたり、鎌を操るバトルロワイアルの卒業生がいたりで、ちょっとあがった。残念なのはせっかく、プロムみたいなダンスのシーンがあるのに、上から豚の血の雨を降らせるみたいなイベントがなかった事だ。鎌はその血を集める為にこそあるのに。ちなみに『バトル・ロワイアル』で柴咲コウが演じたのは光子、この映画の中で島に来たカフェ経営者は美智子、偽装じゃね?


◆『プリズマ☆ファンタズム』EJアニメシアター新宿

▲かの牧師。

五つ星評価で【★アウェーすぎて分からんかった】
いやあもうちょっとどうにかなると思ったんだが、てんでアウェーだった。赤毛の主人公に話しかける時に「少年よ」と宝島のジョン・シルバーみたいな口調で語る牧師のキャラが何故かラーメン屋になっていて、激辛ラーメンで各キャラを粉砕してた。あっ、やっぱそういう人だったのね。


◆『怪談一つ目地蔵』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★★沼に一つポツーンと立ってるお地蔵さんのビジュアルが怖い】
企画「添えもの映画百花繚乱」から2本で1プログラム。
1959年、白黒、66分、初見。
悪い事をやった悪辣な武士が、斬り殺した幽霊に呪い殺される四谷怪談の亜流。
水芸の看板芸人千原しのぶは小屋に通う若山富三郎にゾッコンだが、金の切れ目と顔に傷がある事を見とがめられ、捨てられ、斬り殺される。若山富三郎には街中で浪人から助け出した花園ひろみのお嬢様がいて、これがお岩様ヨロシク千原しのぶの姿が被って斬り殺されてしまうのである。
何一つお地蔵さんに救いの力がないのが罰当たりで東映的と言えば東映的か。


◆『笛吹童子 第一部 どくろの旗』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★★ラストがいきなりすぎて面食らう】
企画「添えもの映画百花繚乱」から2本で1プログラム。
1954年、白黒、46分、初見。
戦国の世、野武士に取られた城を奪還しようとする兄弟。野武士は城の真の持ち主の証を兄弟から奪おうとする。野武士甘い。そんなん実行支配で百姓たちを思い知らせればいいんだ。海が大荒れになるシーンの波の描写や暴風雨、雷の発雷など特撮多し。野武士の首領は旧領主の重鎮の娘と、その娘を守ろうとした若武者を公開処刑しようとする。
「わははははははははは」
大暴風雨とともに現れる大友柳太郎、何の解説もなく、そこで終わりになるのが唖然である(TVラジオドラマの映画化だから観客は笑ってるのが誰なのかをみんな知っているのだろうけど)。


【銭】
『ねことじいちゃん』:コメント欄に闖入する先輩から貰った下高井戸シネマの招待券で無料入場。ありがとうございました。
『プリズマ☆ファンタズム』:テアトル会員割引で1300円。というものの60分の中編をお客が入るからと言って1800円の正規料金取って興行するってのはちょっとアコギじゃないだろうか。
『怪談一つ目地蔵』&『笛吹童子 第一部』:特集特別料金1500円だが3回券を3600円で購入(その2回目の使用)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ねことじいちゃん@ぴあ映画生活
Fate/kaleid liner Prisma☆Illya プリズマ☆ファンタズム@ぴあ映画生活
怪談 一つ目地蔵@ぴあ映画生活
新諸国物語 笛吹童子 第一部 どくろの旗@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・笛吹童子 第一部@死屍累々映画日記・第二章
笛吹童子 第二部・第三部@死屍累々映画日記・第二章
Fate関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章

『悪い女はよく稼ぐ』K's cinema

◆『悪い女はよく稼ぐ』K's cinema

▲ポスター。

五つ星評価で【★★詐欺ものとしての明確さと用意周到さに欠ける】
「奇想天外映画祭アンダーグラウンドコレクション2019」を見に行った際、予告編で『夜逃げ屋本舗』『OL忠臣蔵』の職人監督・原隆仁の映画と知り、見に行った。うーん、しかし、この人は自分で脚本を書くのと書かないのとでかなり違っちゃう人なんだよなーと言うのを再認識。監督の映画ラインから詐欺に関わる蘊蓄映画っぽく見れたらいいなあと思ってたが、何だか詐欺映画の伸るか反るか感が低い。
ルー大柴に絡む冒頭、長谷直美と熊切あさ美のコンタクトとしてはいいが、長谷直美がルー大柴からどう金を切り取ろうとしているかが分かりづらい。そもそも、ルー大柴が浮気性だからと言ってホイホイお金を騙し取って良いとするのは観客の倫理観に反する。主人公が悪漢であるにしても、映画の中では正義を貫いた上での悪漢である事が望ましい。そういう意味で竜雷太に対して仕掛ける詐欺も倫理ライン的に気持ち良く見れない。これ、人の良心に付け込んだ悪意の高い犯罪にすぎない。しかも、この事案が「私たちがこう言ってるから真実です」という薄っぺらい計画でしかなく、依頼者が裏取り捜査したら簡単にバレてしまうの見え見えである。それじゃあかんやろ。
この竜雷太に対する詐欺が失敗した事から、対立するヤクザに対しての詐欺を行う流れは良いのだが、詐欺の内容が大掛かりとは言え、これも「成功するのは引っかかる方の程度が低いから」という風にしか見えず、ドキドキできなかった。

日本映画らしからぬカラっとした明るいライティングは褒めたい。
「Bad Woman Good Job」と英題が入るタイミングも良かった。後はお話だよな、やっぱ。


【銭】
当日料金1800円。うん、惜しい。惜しいぞ。でも終映間近だったからチケ屋で前売券見つけられなかったのだ。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
悪い女はよく稼ぐ@ぴあ映画生活

『長いお別れ』トーホーシネマズ日比谷2

◆『長いお別れ』トーホーシネマズ日比谷2

▲自分でこーゆーの出来ないから感心するのだけど、男子が不在なので、このTV電話の設定とか、蒼井優がやったんだろうなあ。いいなあ、家に一人ほしいよなあ、蒼井優。

五つ星評価で【★★★悪くないけど良いともなあ】
凄く心を強打されるとかはない。色々な事件は起こるが、それは日常であり、殊更大事件として取りあげようと言う気はないようだ。なので、話は柔らかく淡々と続き、「それで終わるの」という感じに淡々と終わってしまう。山崎努を中心に3人の女性が右往左往する様は時にユーモラスであり、悲しい話である事を忘れてしまう。山崎努の認知症に対して周囲が困っていない筈はないのに、被介護者が死ぬか、介護者が死ぬかの二択を迫られるほどの痛々しさが滲まないので、他人事として温かく見守っていられる。
山崎努は最初から老人として現れるが、それすらどんどん削ぎ落して、徐々に物に近くなっていく演技に凄みを感じずにはいられない。『皇帝のいない八月』『必殺仕置き人』を見てると、この人が痴呆になる演技が嵌るほど長生きするとはとても思えなかったのに不思議なものだ。

蒼井優はこんなん見たら嫁さん候補№1でしょ。あのカレー屋のついついやってしまいがちな間違いベクトルも好感持てる。良くも悪くも不必要なところを切り捨てれば楽なのに、真面目なのだな。真面目だったりしっかりしてるから世の大多数の真面目じゃないに勝てないのかもしれない。

竹内裕子は大人になったなあ。『コンフィデンスマン.JP』の香港の女王とは当然ながら全然違う。まあ、ここではケレン味をどんどん引いていって無味無色になる演技だから、つまらないと言えばつまらない。西田尚美ポジションに割って入って来た感じ。夫の北村有起哉も普通の役。これも北村有起哉のケレン味を極限まで引いたような役。変な意味で不思議な夫婦。

女性陣の中では松原智恵子が一番めんこい感じで良かったです。


【銭】
時間見てチケ屋で額面1400円の前売りを額面価格でGETして劇場に行ったら残二席だった。危ない危ない。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
長いお別れ@ぴあ映画生活

『映画の教室2019上第四回』国立映画アーカイブ

◆『映画の教室2019上第四回』
五つ星評価で【★★★アニメじゃないの集めたな感】
国立映画アーカイブの企画上映「映画の教室2019上」。
全五回で今回のお題は「PR映画に見る映画作家たち」
四回目は「新理研映画:松本俊夫/青年プロダクション:勅使河原宏/英映画社:松川八州雄」で、短編各1本。遂に一映画社n人の縛りは壊れ、もう、めぼしい人をバンバン紹介したいという欲望を感じる。

『銀輪』1956年カラー12分。日本自転車工業会企画。自転車のパーツがダンスを踊るかのように群舞する謎の作品。PR映画というよりは実験映画や芸術映画の範疇に近い。人間は冒頭に自転車が載っている絵本を読む少年が出てくるぐらいなので、後に『薔薇の葬列』『ドグラ・マグラ』のイカレ人間を扱った松本俊夫監督をしても、まだそっち方面へ映画の舵を取ったりはしなかった。特撮を円谷英二が手掛けている。『ウルトラセブン』のペロリンガ星人の回でススキを加工して円盤を作った、あんな感じで自転車のパーツが画面を飛び回る。なるほど。
『ドラムと少年』1959年カラー31分。日本楽器製造株式会社企画。後年、理屈くさい論理的な映画ばかり作るようになる勅使河原宏も、まだこの頃は楽器を軸とした初々しいホームドラマを撮ってる。これが売りだぜという感じでヤマハのエレクトーンが出てくる。作品内でジャズをやる人は不良、打楽器を打つ人は野蛮という教育ママのディスりセリフも面白い。大っぴらに否定されないのは、逆に当時みんなそう考えてたという事だろう。話の中で一番割を食ってるのはリコーダー、主人公の少年が上手く演奏できないのでドラムに転向してしまう。つまり、いい見せ場がないのだ。まあ、笛は学童児童が必須アイテムとして購入させられるから映画で割を食っても許される立ち位置にあったのだろう。
『民族芸能の心 ふるさとからくり風土記 八女福島の燈籠人形』1987年カラー31分。財団法人ポーラ伝統文化振興財団企画。機械仕掛けで動く人形浄瑠璃の舞台裏が撮られている。いいのかよ、見せちゃってという感じで、浄瑠璃人形がかなりロボットちっくでかっこいい。人間と同じ動きを人形にさせるというのはけっこう大変な事である。


【銭】
国立映画アーカイブ一般入場料金520円+チケぴ発券手数料108円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
《映画の教室 2019/新理研映画:松本俊夫 青年プロダクション:勅使河原宏 英映画社:松川八洲雄》@ぴあ映画生活

『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』K's cinema

◆『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』K's cinema
五つ星評価で【★★あーそーだ、こんなんだった】
企画「奇想天外映画祭アンダーグラウンドコレクション2019」から1プログラム。
1978年、カラー、87分、何かの折りに見てる、多分2回目。
そーだ、そーだ、こんなんだった。決して普通に面白い訳ではない。いや、狭い会議室とか好きだけどね。細かい一つ一つのギャグは比較的面白いのだが、人をトマトが襲うスペクタクル・シーンがグダグダだ。それは予算を計算に入れた上での「決して無い袖で振ろうとはしない」という戦略であり、それをあえてやるギャグではあるものの、そういうのがCGでパッパッと片付けられてしまう今、見ると凄く冗長。
それにしてもテーマ曲が内容ないのに勇ましくて好感が持てる。このオープニングが気持ちいいから、面白いと勘違いしてしまっているのかもしれない(段々面白いという確信が持てなくなってきた)。


【銭】
当日料金は1500円だが特集共通三回券を3000円で購入。その使用3回目。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
アタック・オブ・ザ・キラートマト@ぴあ映画生活

『パージ:エクスペリメント』東宝日比谷8、『エリカ38』シャンテ2

トーホシネマズデーに2本。

◆『パージ:エクスペリメント』トーホーシネマズ日比谷8

▲可愛い姉ちゃんショットがない。

五つ星評価で【★★★★安定】
映画として新しい何かが追加された訳ではないけど、いつも通り安定しててたいへん面白かったです。
映画トップに出てくるイカレ野郎のイカレ具合がナイス。
主役の姉ちゃんなかなか可愛い。
彼女の元カノのギャングが町の人間を助ける為に立ち上がるのが任侠映画っぽくて盛り上がった。
政府が雇っているチームのコスプレ具合いが毎度完成度の高いイカレ具合で活かす。
タイトル分かりやすく『ファースト・パージ』で良かったんじゃ?


◆『エリカ38』トーホーシネマズシャンテ2

▲「エリカ38」的なショット。

五つ星評価で【★★浅田美代子は面白いけどそれだけ】
詐欺Gの中核で被害者から資金を集めた女を浅田美代子が演じる。
タイトルの「エリカ38」は60にもなった女が38歳を自称して若い男を引っかけていた部分に対してからなのだが、そこは実は映画の配分から行くととても小さな部分なのでタイトルにされてしまうと違和感がある。
映画を見た後にチラシのSTORY部分を読むと「あれ、そんな話だったけ?」と違和感が残る。多分、意図的に時系列をばらしてしまったことで浅田美代子の転落が分かりづらくなってしまった事と、浅田美代子自身のどんなに辛い局面でも鉄面皮でお客に甘えられるメンタル表現によって、ただただ事件が平面的で「のぺっ」とした物になってしまったのだ。
浅田美代子は圧倒的に面白い怪演なのだが、詐欺の前の時代も、詐欺中も、変わり映えがしない。悪い事をやっているという罪悪感も浮かび上がらないし、そもそも慟哭したり、驚愕したり、みたいな顔面に一切の表情が浮かび上がらないようなキャラクターだ。だから、映画を見る前でも、見た後でも、事件は起こったが、何かがその事件で変わったという変化が見られない。巨額詐欺事件にも関わらず何一つとして自分を変ええなかった怪物、一応、そういう物語と見取っていたのだが、作り手側はそうじゃなかったのかもしれない。
映画としては娯楽に徹しようとせず、何となくいい役者を配置する事でアート系を目論んだ感じが奥山和由っぽい。


【銭】
『パージ:エクスペリメント』:トーホーシネマズデーで1200円(2019年6月1日から値上げ)
『エリカ38』:トーホーシネマズデーで1200円(2019年6月1日から値上げ)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
パージ:エクスペリメント@ぴあ映画生活
エリカ38@ぴあ映画生活
▼関連記事。
パージ関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章

『共犯者』『コールガール』新文芸座

新文芸坐の企画「追悼内田裕也スクリーン上のロックンロール」から1プログラム。

◆『共犯者』

▲ポスター。

五つ星評価で【★★★★★良い物を見た】
1999年のカラー映画。103分。初見。
きうちかずひろの映画は、どのカット切り取っても映画になってるのが凄い。
そして、映像に傾倒してるのに映画として面白い。
仙元誠三の撮影も素晴らしければ、竹中直人も一部の隙もなくブラジリアン・マフィアのカルロスを演じ切る。そしてワールド・ミュージックのような奇異な劇伴が映像に緩急をつけ観客を飽きさせない。ラスト廃墟での竹中直人と内田裕也の相手を索敵しながらの殺し合いなど、普通に長すぎる尺なのだが、各人の思惑が一つ一つの挙動を抑制してるさまは見てて全く飽きなかった。
竹中直人と最初に敵対するヤクザの若頭、製作が東映なので清水宏次朗かと思ったら若い頃の北村一輝だった。うむ、似てる。北村一輝、若い時の方が貫禄がなくて、ペラくてキモい。
竹中直人の身代わりになってブラジルに移送され、死刑になる替え玉にハゲが共通点の諏訪太郎。本当に共通点がハゲだけで、竹中直人に比べたら諏訪太郎の方が水洗いしたようにオーラが薄げなのも笑う。ハゲと言えば蕎麦屋のオヤジ役で江幡高志も出てるが、これは単純に年が合わなかったのだろう。
ヒロイン役の小泉今日子、最初、凄く魅力のない顔で出しておいて、ずんずん積み上げて魅力的にしてくのが上手い。ラストの扱いの潔さには驚いた。えっ、勿体ない。元夫の足元をガンガン撃ち抜くシーンが良いなあ。
組織から雇われたヒットマン役に内田裕也。あんまり「ファッキン、ファッキン」言うのは現実の内田と被るので、そんなに言わない方が良かったが、始終言い続けていた。


◆『コールガール』
五つ星評価で【★★★全体、話が変だが、ピンクレディーMIEちゃんの乳首を見る映画だからまあ、こんなんでいいっしょ】
1982年のカラー映画。91分。初見。
テロリストの内田裕也の死ぬカットがギネスにでも挑戦してるのかよと言うくらい長くてそこに関しては最高。
寂しい顔だけどこの子、原石的な美少女だよなあと思ってたらエンドロールで根岸季衣と分かってぶっ飛んだ。誰にも若くて輝いてる時期はあるのだ。
製作が奥山和由。色々ゆるくてテンポの良くない映画を見てると失礼だけど、奥山和由らしいなと思ってしまう。ちゃんと料金分の見所は詰めてるのだけど、割とそれ以外が杜撰な印象。
一流のコールガールMIEの顧客は超一流レーサーの郷ひろみ。郷ひろみSEXする役ってのがちょっと意表を突かれた。そして、昔の恋人谷隼人が逃げ込んできた為に強制キャンセルされてしまう客に藤木悠。何か同じ「藤木」姓の人間として申し訳ないんだけど絶妙に丁度いいキャスティング。藤木悠の裸体とか(美しかったとしても)見たくないしなあ。
脱いでるシーンの尺は短いけど、MIEがちゃんと脱いだり濡れ場をやってるのは商売としてとても適正でいい。MIEのプライベートの自室が金ばかりかかった物がいっぱい置いてある成金趣味の部屋で、今見るとセンス悪い。そして、一流のコールガールのMIEが、そら芸能界で一世を風靡したから身体はいいだろうよ、という部分しか一流を感じさせず、客だとしたらあまり高い金を払いたくないなあと思ってしまう。女性ファッション誌の表紙になるようないい女風の商売女ってそれだけで一流のコールガール感から私的には遠い。奥山和由的にはそこが一番の「一流のコールガール」ポイントなのかもしれないけど。
女衒に峰岸徹。今だかって女衒を演じた役者でこんなにかっこよく女衒を演じた役者は他にいない。「女衒」ではなく、「一流のコールガール派遣業」と言う位置付けなのだろう。
谷隼人の顔、主張が強くてうるさいなあ。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
共犯者〈1999年〉@ぴあ映画生活
コールガール〈1982年〉@ぴあ映画生活
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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