摘まんで5本まとめてレビュー。そこそこ良いの二つとアレアレアレ三つ。
◆『アルキメデスの大戦』109シネマズ木場6
▲波動砲ちっちゃ(違)。
五つ星評価で【★★★★原作マンガに対する演出とか脚色が成功】
面白かった。
監督、そんな大人みたいな映画作れるようになったんすかと言う驚きがあった。何故だか割とそういうの作れないみたいに思ってた。もちろん、これは読んでないから分からないが(正確には今回の分量3巻までのうち2巻までをマンガ喫茶で読むという半端な事をした)原作マンガがそういう大人な内容を含んでいるのかもしれないが、脚本を起こした山崎貴監督がそれを落とさなかっただけでも褒めてよい。個人的には国策みたいな話に箸にも棒にも引っかからない
『リターナー』みたいなライトなオリジナル娯楽作をまた作って欲しいのだけど。まあ、それは周りが作らせてくれないだろうなあ。有名になるのも善し悪しである。
まず、最初に感心したのは、実に「戦争なんて無駄で無益なものだ」という正論が裏表に二回くらい反転しながらも、ちゃんと貫かれていた事。但し、それを真面目一辺倒に叫ぶのではなく、娯楽に乗せながら、その「無駄で無益な戦争」でもやらなければならなかった立場の人の言葉が落とされずに語られている。ここが大したバランス感覚であると思う。一度勝負が着いたかに見えた後の攻防が見事であった。
「あと、そんな些細な確率のために」と言う設計論争も、核発電の事故が起こった後の今、その一言を入れて貰えたのは凄く嬉しかった。
役者で良かったのは菅田将暉、柄本佑、田中泯、舘ひろし。後者二名は例えるなら将棋の指し手。共に老獪な役柄で面白い。この二人以外盤面の近くにいる者はギャラリーに近い。小林克也、國村隼、橋爪功、よい引立て役だった。そして、舘ひろしが勝負に勝つために持ち込んだコンピューターが菅田将暉、その整備技師が柄本佑。老獪に反比例する若者の真っすぐな役柄で、これも良い。
割と感心したのが菅田将暉と柄本佑のキャラの膨らまし方だ。原作マンガの
『アルキメデスの大戦』はちょっと特殊なマンガで、主人公を初めとして誰一人としてマンガなのにキャラが立ってないというちょっとマンガの常識からは考えづらいマンガなのである。ただ、話の面白さだけでグイグイ読ませる。なので、マンガの上では菅田将暉と柄本佑は大して違いのあるキャラではない。それを美しい物があれば常にメジャーで測りたくなり、それを「変人」呼ばわりされるファニーなキャラクターに変えたのは脚本だ。それと反比例する感じにゴリゴリに軍人っぽい立ち振る舞いを与えられた柄本佑もマンガ以上に人間としての色がちゃんと出てる。この二人が人間としてちゃんとキャラ化したので、観客は非常に話に乗りやすくなった。
あと、浜辺美波は可愛いけど原作同様にそんな大した役ではない。原作にない「測られる」エピソードが追加されたのには笑ったが、どうせなら鍵のかかる部屋で隅から隅まで測られたり、胸のサイズが黄金律ではないと言われたりしてほしかった。
マンガの内容をかなり端折らされてる感はあるのだが、長さの制約もあるだろうし、まあ、しょうがないだろう。山崎貴は脚本、監督、VFX全てよくやった。
◆『ワンピース スタンピード』ユナイテッド・シネマ豊洲10
▲カツアゲはこの表情でやれ。
五つ星評価で【★★★とてもよくできた田舎芝居感濃厚】
基本いつもと変わらん作りだがそれでいい。
別に『ワンピース』にいつもと違う構成を求めたりはしないから。
ただ、ルフィの相手になる極悪な奴が早々に出て来てしまって、すぐドツキアイになるので、複雑な話を展開できず、30分ものかと思うくらいに話のドラマ部分は薄い。
『ワンピース』に今まで出てきた人気キャラが勢揃いで一人の敵に対して共闘する、という胸熱展開なのだそうだが、そんなにコアなファンじゃないので、基本、誰も知らない俺の体たらく。ただ、原作も百巻を越える長い話なのだから、全巻読破してないようなふんわりな客層に対しても楽しめるようなミニ紹介的な作りをするのが本当のプロだと思うよ。おめえら、ちゃんと作れよ。
あと、ドラマを握る男ブエナ・フェスタはユースケ・サンタマリアの怪演と、作画陣の浮かれた変に暑苦しい作画で大変面白かったが、こいつが単に騒動の企画者でしかなく、ルフィ達と対峙しない事がドラマとしてのつまらなさでもある。
あ、詳しくは知らないが蛇の姉ちゃんが好き。ああいう果てしなく強いお姉ちゃんに愛されたい。そういう意味ではニコ・ロビンも好き。ニコ・ロビンのヒモになって風俗で大儲けしたい。
◆『アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲』トーホーシネマズ日比谷10
▲ゲッターロボ第一シーズンっぽい二人。
五つ星評価で【★★まあ、負けると思っていたさ】
一作目も二作目もこれ以上はない超絶ホラというコンセプトが最高なのに、実際できた話を見てると何だかつまんねーのは何でなんだろう? 今回も前回同様、乗りきれず。
◆『ワイルド・スピード スーパーコンボ』新宿ピカデリー6
▲「ニュー三匹が斬る」。
五つ星評価で【★★いや、負けるとは思っていなかった】
ロック様とステイサムが大暴れする怪獣映画。
予告編から「あんなテイスト」である事は分かっていたが、とっても大雑把な映画だった。
矢継ぎ早に打ちだされるアクションはどれも凄いのだが、緩急関係なく、特盛30連発みたいな勢いで打ちだされるアクションに過呼吸状態になったのか心が逆にちょつとダレた。
ステイサムの妹役のヴァネッサ・カービーさんもいい感じの娘さんやね。
悪のスーパーマン、イドリス・エルバもご苦労さん。でも、イドリス・エルバより、バイク君の可愛さの方が心を打った。あのバイクくん
『みすて ♡ないでデイジー』のICBMのミミ子っぽい性格だと思う。
◆『メン・イン・ブラック インターナショナル』トーホーシネマズ日比谷10
▲テッサ・トンプソンってちょっと貫地谷しほりに似てる気がする。
五つ星評価で【★★負けそうだなとは思っていた、ドンピシャだ】
テッサ・トンプソンがダッコちゃんみたいでちょっと可愛いなと思って見に行ったら、なんとなく疲れてて退屈して眠った。疲労がひどく、ツイッターにすら何一つ呟かなかった。そう言えば、何が「インターナショナル」だったんだ?
【銭】『アルキメデスの大戦』:109シネマズデー(毎月10日)で1200円。
『ワンピース スタンピード』:ユナイテッド・シネマメンバーズデー(金曜)で1100円。
『アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲』:トーホーシネマズデー(毎月14日)で1200円。
『ワイルド・スピード スーパーコンボ』:ピカデリーの前回有料入場割引で1300円。
『メン・イン・ブラック インターナショナル』:チケ屋でムビチケ額面より20円安い1380円で購入。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・
アルキメデスの大戦@ぴあ映画生活・
劇場版 ONE PIECE STAMPEDE@ぴあ映画生活・
アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲@ぴあ映画生活・
ワイルド・スピード/スーパーコンボ@ぴあ映画生活・
メン・イン・ブラック:インターナショナル@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・
アルキメデスの大戦@ノラネコの呑んで観るシネマ・
ワイルド・スピード/スーパーコンボ@ここなつ映画レビュー