◆『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』109シネマズ木場3
▲そこはあえて書かなかったのかもしれないが、松重豊と北川景子がそれぞれどこに惹かれて結婚したのかが映画見てあまり伝わって来なかった。それは確かに妊活するに当たっては当たり前の前提なので、このタイミングで、それを確認するイベントは起こらなくて当然なのだろうけど、この二人に初めて出会う観客としては、そこを明確に提示するのは必要な事だったのではないのかなあ。
五つ星評価で【★★ヒキタさんに好意持ちづらい】
妊活を題材にした松重豊の初主演作。
コメディーではなく、極めて真面目に撮っている。
でも、題材に滅入る内容が充填的に詰まってるので、
節目節目細かく分断して気分転換になるコメディーとして
作った方が向いていたのではなかろうか?
妊活でやる事の流れや、各妊活での細かい体験談など、妊活を始めようとする人には有益な情報も多いかもしれない。ただ、私がガッツリその対象外だっただけだ。
松重豊が演じるヒキタさんが私にはあまり魅力的に感じられない、つらい妊活にノイローゼ寸前になりながら気合で乗り切るヒキタさんであるのだが、何かあまり善人に見えず、悪人が自己中でジタバタしてるように見えてしまう。ここいら松重豊というコワモテな顔を連れてきた事の悪影響か。松重豊がソフトな演技をすると、だらしなさは出るが、優しさが滲み出ないのだ。特別、何もしなくても北川景子が甲斐甲斐しく見えるのに、とても不公平な結果である。でもまあ、外見ってそういうものだからしょうがないとしか言えない。
北川景子の父役で伊東四朗が出てる。
松重豊が伊東四朗に5回「にんっ!」ってギャグかましたら、、、、、、、、そういうダジャレかよ。
【銭】109シネマズ会員デー(毎月19日)、会員割引で1200円。
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ヒキタさん! ご懐妊ですよ@ぴあ映画生活
◆『任侠学園』トーホーシネマズ日本橋2
▲二人はプリキュア。
五つ星評価で【★★★★こういう敷居が低いコメディーが好きなんや】
映画的じゃないし、脚本や伏線で笑わせるような上質さとは縁遠いけど、ドラマ寄りの、こういう誰もが楽しめるようなお茶の間なコメディーが好きだ。
必死に頑張る様がかっこよくもいじらしい西島秀俊。この人、年を取ってどんどん中身に身がある役が回ってくるようになった。ヤクザだろうが何だろうが中身はちゃんとしているという信頼感のあるいい顔なのである。「ググる」が分からないのが可愛い。
西田敏行は若い時と変わらない「外見に似合わないお茶目な演技」をするのだが、このもう死ぬ間際みたいな老齢でそれをやると、そのバカらしい芸が山海塾系の芸術に見えなくもない。カバが白塗りしてチュチュを着込んでバレエを踊ってるような異常な可憐さがある。そんな事をやりながら、ちゃんと締める演技は締めるから役者として安心できる。エンディングが二曲あり、その一曲目を西田敏行が歌っているのだが、かってヒット曲を出したとはいえ、西田敏行の歌は別にそれほど有り難くはないので、本来の東京スカパラ~の一曲のみで充分である。この起用は大御所西田に対する忖度に思えてならない。
伊藤淳史は役者の中に放り込んでおくと、ちゃんとそこに自分の居場所を見つける感じが頼もしい。伊藤淳史は惚れ惚れするほどいつも伊藤淳史であり、「え、これ、誰? 伊藤淳史なの?」みたいな意外性を味合わされたことが一度もない。でもまあ全然それでOKよ。
ヒロインとしては葵わかな・桜井日奈子のダブルキャストになるのかな。どっちも小振り。桜井日奈子の天然のアヒル口が邪魔なのはしょうがないとして学校に対する影の反抗の理由が気分的な物に収まって明確にならないのはいかん。
白竜さんがお年を召して本物にしか見えない。
高木ブーがとても高木ブーな、よいキャスティング。チラシの写真もそのまま使われてるのがおもろい。これがブーの全てであるような感じ。
話の伏線が雑だったり、事務所経営的に資金回収スパンが長すぎるだろみたいに思うのだけど、その辺はそこそこ雑でもいいユルさが作品の空気に漂っていたので無視して良いかな。
◆『蜜蜂と遠雷』トーホーシネマズ日本橋1
▲「蜜」は壇蜜でも可。
五つ星評価で【★★★ピアノ】
ピアノかっけー。前半置いていかれたからフリーパスでもう一回見たい。
◆『ヘルボーイ』トーホーシネマズ錦糸町オリナス6
▲ちょっとストリッパーっぽいミラ。
五つ星評価で【★★やはり、そんなに面白くはない】
二回目。これは前回全般悪夢のようにフワフワした気分で見てしまったので、ひょっとしたらバリバリ面白かったりするのかもと見直してみたが、やはり面白くないという当初の見解は正しかった。最初、それはヘルボーイがネガティブだからだろうと、そこのみが悪さの原因だと思っていて、勿論それもあるのだが、御多聞に漏れず脚本が荒い。敵も見方も万能ではないが、それぞれの強さや弱さの設定が曖昧だし、バーバヤーガは面白いけど、会いに行ったり、元の世界に戻ったりがヘルボーイ自身によって制御できないのは問題。巨人退治、バーバヤーガ、魔術師、仲間との出会い、みたいなのが極めて行き当たりばったりに並んでいて、ヘルボーイの振り回され感が半端ない。主人公なんだから全部は無理でも振り回されるだけではなく、そこそこ切り開かないといけないが、そんな風に見えない。これはボヤキキャラが悪い方に影響してしまっているかもしれない。力が強いだけの猪の悪役も面白くない。何で面白くないかと言ったら、そのスキルがヘルボーイと被っているからだろう。
語れば語るほど魅力が減ってしまう。
なるほど「減るボーイ」か。ちゃんちゃん
◆『HiGH&LOW THE WORST』トーホーシネマズ錦糸町オリナス7
▲真ん中は朝ドラでホモキャラ、そして『おっさんずラブ』でも気張ってた志尊淳。左は『あの頃、君を追いかけた』で裸族だった山田裕貴。振り幅が極端だが、この映画では喧嘩番長に振りきれてる。逆に振りきったんも見たいな(公開も放送もできんがな)。
五つ星評価で【★★★★素晴らしい出来なので見てほしい】
マンガ(未読)とドラマシリーズの「HiGH&LOW」のコラボ映画という事で、キワモノ感満載だが、思った以上にベースを知らなくても全然楽しめる快作として出来上がっていた。
物語は単純でイキガッテル兄ちゃん同士の巨大な二つの組織、それなりにみんな筋を通してイキガッテルのだけど、それぞれがドラッグを扱ってる町の屑と揉めてしまう。町の屑は二つの組織を同士打ちさせようとする。うわ、これは
『湘南爆走族(まんが)』とかから延々とやられてきたどっちもが引き立つ王道のストーリー。
舌を巻いたのが、物凄く扱ってるキャラクターの人数が多く、みんなオラオラ系の喧嘩バカばかりなのに、キャラクターの混同が全くなく見れたという事だ。ざっと20人くらいがメインキャストとかそんな映画ないだろ。それでいてそれぞれにいい見せ場を持たせている。しかも、これらのキャストは「HiGH&LOW」なんて前作からの引継ぎが2,3人で後は全部、今回の映画の中での初見キャラなのだ。こんなの脚本と演出と全体のプロデュースが上手く回っていないと出来はしない。
主役の幼馴染グループが6人、鳳仙は四天王にトップに妹にオマケ一人で7人、鬼邪高定時が2人、鬼邪高全日が三つのグループが貼りあってて大体8人。大所帯すぎる。いやまあ、混同が全くなかったかと言われたら多少はあった。まあ、これだけ数がいるんだからしょうがないだろ。
それと喧嘩の場面での広角ドローン撮影が素晴らしい。アクション・シーンの中、ドローンのカメラが動くので見づらくなって当然だが、被写体を中心に据えたままブレずにスムーズに動くので、多少の変な映像感はあっても、見ている事によるストレスはたまらなかった。逆に、ドローンを起用した事によるスムーズな流れの中で全ての戦いが繋がって見える景色をやれてしまった事の方が凄い。おそらく、これは撮影者や演出のテクニックに負う所が多い筈。この200人くらいの集団がどこでも戦っているというのをドローンを使わずに同じように繫げて見せたのが
『アベンジャーズ エンド・オブ・ゲーム』。もうすっかり細かい事は忘れてしまったが、ずっと戦っていて途切れる事がないというのをこちらは編集とCG繋ぎなどで見せているのだと思う。いやあ、資金力の差。みんな違ってみんないい。
鳳仙のトップを今まで甘いマスクのメロメロなソフト美男子やオカマキャラなどを演じてた志尊淳がやってて硬派喧嘩キャラに違和感なく溶け込んでるのも凄い。ちゃんと喧嘩の殺陣が付いていて重いというよりはキッチリ鋭く形のいい拳という感じ。ただ、セリフは「もちっと声張れや」と思った。志尊淳の妹役がただ一人恋愛対象になる外見の少女な訳だが、流石にずっと喧嘩の映画なので彼女が引き立たなかったのは勿体なかった。
あと、小沢仁志が脚本的にも役的にも美味しい。
【銭】2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その11~14本目
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任侠学園@ぴあ映画生活・
蜜蜂と遠雷 @ぴあ映画生活・
ヘルボーイ@ぴあ映画生活・
HiGH&LOW THE WORST@ぴあ映画生活▼関連記事。
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ヘルボーイ(一回目)@死屍累々映画日記・第二章・ヘルボーイ(二回目)@死屍累々映画日記・第二章
・蜜蜂と遠雷(一回目)@死屍累々映画日記・第二章
・
蜜蜂と遠雷(二回目)@死屍累々映画日記・第二章
・蜜蜂と遠雷(三回目)@死屍累々映画日記・第二章
小泉さんがラーメンが好きというだけでマンガを成立させてるのが凄い。
これを成立させるのは画力。
「美味しそうに食べる」それがマンガでの満足度を上げる。
セックスのエクスタシーに近いが、いやらしさはない
(いやらしく見えなくもないようなギリギリな描き方をしてるとは思う)。
ただ、人は他人の幸せな表情を見るだけでも癒される事はある。
自分が不純な人間だから、そう思いたくなるのかもしれない。
小泉さんはコミュニケーションを取れないのではなく、取らない。しかし、世間はそれを許してはくれない。考えようによっては有り難いが煩わしい話である。
◆『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE 星乱 第1章』新宿ピカデリー10
▲らいんはると様。
五つ星評価で【★★★★ちゃんとしてる】
『銀河英雄伝説』の映像化作品を見るなんて、オタクの必須授業みたいなもんだから、そりゃ見るわな。ツイッターの感想に流れて来た通り「なんとも美しい」作品だった。この世界にはミミズとかいなそう。釣り餌は全て毛針じゃ。男子はみなツルンとしてスネ毛とか生えてなさそう。スネ毛が生えるような輩は帝国軍人として死刑に処する。そんな世界であって、そういう統制の取れた世界にはナレーションがよく似あう。
粛々と歴史は進み、記録されていく。
ちょんまげは生やしてないがとても大河ドラマ的。
そしてヅカっぽい。ヅカやったら嵌ると思うな。
物語の開始と同時にこれまでの粗筋がでたのには驚いた。
どうやらTV版のセカンドシーズンを一章4話程度でまとめて三章仕立てで公開する予定のようだ。今回はTV版の第13話から16話にあたる。という事は第1話から12話にあたる部分がファーストシーズンと言う事になるだろう。順番に公開すればいいのに。
エンドロールの「協力:麻宮騎亜」は分からんでもないが「強力:新潟」ってのは何だ?聖地か?
【銭】企画特別料金1800円。
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《銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第1章》@ぴあ映画生活▼関連記事。
・銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱第1章@死屍累々映画日記・第二章
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銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第2章@死屍累々映画日記・第二章
一巻だけブクオフで安値で買ってて、1年くらい経ってか二巻も見掛けたので買ってまとめて通読。
霊が見える為、霊に説教してるうちにボッチになってしまった少女が高校デビューしようとするが霊まみれになるお祓いコメディー(そんなジャンルねー)。ラスト主人公の父親の霊をお祓いする事で、ちょっといいマンガ寄りになろうとするが、割と照れがあるのかきっちりギャグとして回収して終わらせている。
主人公がオカッパ眼鏡の地味子で、容赦なく顔を崩すと思ったら作者は女性。表紙のエロさはマンガ内容に微塵もない。表紙のセーラ服の薄絹具合がなかなか上手い。
表紙下のエッセイ部で、主人公の外観が作者の姿の投影と書いてあって、それは実に隠れた「萌え要素」じゃないかと思った。
◆『まぼろし鷹』シネマヴェーラ渋谷五つ星評価で【★★のんびり】
1959年の白黒映画、79分、初見。
特集企画「玉石混淆!?秘宝発掘!新東宝のとことんディープな世界」から1プログラム。
スタッフもキャストも誰一人として知らない。
話は殿様パートと忍者パートに分かれていて、
殿様パートでは長男月丸と次男星丸の家督争いが本人達をよそに起こり、忍者パートでは二つの忍者組織の男女がロミオとジュリエット的な運命の下、殿様パートの家督争いに巻き込まれる(御膳試合で勝った一族のみ生かすという山田風太郎的展開になる)。
「まぼろし鷹」とは忍者パート側の主役・伊吹幻四郎がいつも肩に止まらせている鷹の事だろう。話の前半部ではずっと肩に止まっていたが、アクション続く中盤以降はずっと肩に止まらせている訳にもいかず、鷹はどこかに行ってしまった。いい加減だな(笑)。
個人的な見所を幾つか。
①、落馬により三日間寝込んた月丸が目を覚ますと気がふれていた。その気の触れた演技がちょっと見事。
②、出番は少ないが姫様は現代風の美人。
③、悪玉忍者がちょっと山城新伍に似てる(見所ではないか)。
④、忍術表現が昔の8ミリ映画みたいにアナログ。
・消える。また何もない所から現われる(カメラの停止、再稼働)。
・高所に飛び乗る(カメラの反転)。
・急に火に囲まれる(カメラの停止、再稼働)。
なんか心が洗われるよう。
【銭】通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
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まぼろし鷹@ぴあ映画生活
同日鑑賞を4本まとめてレビュー。
◆『3人の信長』トーホーシネマズ日比谷11
▲個人的には1000人でもいいぞ。
五つ星評価で【★★★解説付きで絵解きで見せる技術がなかなか巧み】
捕まえてみれば信長か3人と言う事態、まあ、全員の首を斬ってしまえばいいじゃないかと素人考えでは思うのだが、亡き殿の墓前に手向けるにはそういう雑な事は出来ないらしい。勿論フィクションだろうが、納得のいくアイデアであり、上手い事を思い付いたものだ。ただ、物凄く試行錯誤しすぎて一分の隙の無いパズルのようにしすぎてしまったキライはある。あまりにピッチリバッチリ型に嵌っているのは、頭で作った物感が高まってしまって心に届かなくなる。なんや難しいのう、われ。
冒頭から戦国時代の勢力構造を分かりやすく絵解きで見せて、たいそう親切。こういうのは素直に評価したい。
三人の信長を演じるTAKAHIRO、市原隼人、岡田義徳はいいバランス。欲を言えば、後者二人が曲者だから前者一人ももうちょっと曲者を連れてきてたら又違った味わいが出来たのかな、と。TAKAHIROって良くも悪くも普通のあんちゃんだ。信長っぽくはない。この辺のキャスティングは姫様も含めてエグザイル系が絡む事で企画がクリアしてそうなので、大人の事情的にしょうがなさそうだけど。
3人の中では岡田義徳の得体の知れない食えない感じが良い。
相手にされながら相手にならない相島一之の盤石の一手足りない感じもよかった。この人は好敵手の一歩手前が似合う人。色濃い小者感をそもそも持ってるので、この人に主人公が苦しめられていると、バカにバカにされてるような居心地の悪さが高まって、たいそうドラマとして盛り上がる。
髭が濃い役をやる時は武将でも自衛隊でも基本変わらない演技の高嶋政宏も適材適所で問題なし。ただ異常にいつも通りで、見ていて「やはりいつもと同じなのだけどこれでいいのだろうか?」と客側に思わせてしまうほど同じなのだけど、本当にこれでいいのか? そういう意味で謎の役者である。高嶋政宏はもう高嶋政宏という記号でしかない気がする。
3人の秀吉や3人の家康も出てきてほしかった。
◆『ホテル・ムンバイ』トーホーシネマズ日比谷9
▲左端にいるコック長はきっと戦わせたらセガールなみ。
五つ星評価で【★★★★圧倒的なその場へ放り投げられ感】
ホテルに来た4人のテロリストに普通の人、殺されまくりの映画。
たった4人でも火力を持ってさえいれば100人でも200人でも制圧できるのだなあ。ブルース・ウィリスのいない
『ダイ・ハード』がどれほど悲惨かと言う実証映画。主人公や他のホテル関係者の誇り高い行動を称賛しつつも、最終的に何一つ解決もしていず救いようのない話でもある。
主演のデーヴ・パテール、
『ライオン』の人なのね。かっこいいんだけど覚えづらい顔。整っているけど髭生やしてデコ出すと、申し訳ないけど、ハイグレードな「なすび」っぽい。
◆『ロケットマン』トーホーシネマズ日比谷13
▲前半、初の友達でうきうき高揚感上がるシーン。
五つ星評価で【★★★ビッチ女のロケットみたいな「まん」の映画って方が見たいかもしれない】
いたたまれない内容をロック・ミュージカル化。最初に出て来るオレンジの悪魔にハートの眼鏡が凄い。顔は冴えない中年男で、心の荒れが顔に滲み出てる。
『必殺仕事人Ⅳ』でひかる一平を追い回していた梅津栄に似てる。そりゃあ地獄だ。監督の前作クィーン映画でもそうだったが洋楽は疎い。耳に覚えのある知ってる曲は2曲だけだった。周りもそんなもんなんだろうか。
神様は彼に音楽的才能を与えたが、愛は与えなかった。このもっともキツいケースが
『ロケットマン』であり、音楽的才能を神の愛に置き換えて昇華させる事で宗教的な法悦境みたいな領域に押し上げたドラッグムービーが
『蜜蜂と遠雷』のような気がする。
『蜜蜂と遠雷』で神童達が酒やドラッグやセックスに溺れないのはクラシックという高貴な世界だからではなく、
『ロケットマン』のポップ・カルチャーの世界のように巨大な金が唸る市場が近くにないからに過ぎない。金が唸る所にはクズが集まる。
ちょっと
『ロケットマン』からはみ出す話だが、いい演奏だけ聞かせてもらえるのなら、酒やドラッグやセックスに溺れた、溺れる事によって得た感性での演奏を「より」聞いて見たいと思わせるのが
『蜜蜂と遠雷』の鬼畜な結論である。ただ、バランスを取ってそんな結論は表面に出さないが。
あのオレンジの悪魔の服、ずっと見てると美空ひばりの黒い派手派手衣装を思いだした。そりゃあ、どちらにも怒られそうな人選じゃないか、俺。
◆『ガーンジー島の読書会の秘密』トーホーシネマズシャンテ3
▲リリ。
五つ星評価で【★★ちょっとウトウトしてる間に話に追いて行かれてしまったので好き星が低いって俺のせいじゃん】
リリちゃんは可愛いし、作家として生計を建てているからか、実にオシャレで金のかかった服を着ている。それで、愛情とかよく分からない婚約者からダイヤの指輪もらって、取材旅行に行った土地の男と恋愛してしまう。ビッチじゃん。成人映画だったら両方とも関係するシーンが映されるだろうが、もちろんリリ・ジェームズにそんな事をさせはせずにスルー。少なくとも婚約者とは肉体関係あるだろ。リリ・ジェームズが作家先生と言うのは、浜辺美波が文豪というくらい違和感がある設定ではないか?
秘密と言うか、謎が凄い謎ではない。いや、日本人だからフランスとドイツの愛憎関係に疎くてピンと来ないというのもあるし、そもそも読書会と言う設定が日本人には、いや、私自身には縁遠いからかもしれないが。ピンピンもビンビンも来ない(やめろよ下ネタ)。
あっ、ガーンジー島ってイギリスなの。第二次大戦中に唯一ドイツの占領下にあった島。それすら理解してなかった。
リリちゃんは可愛い。ビッチだとしても。イギリス人のビッチっていいなあ。えへへへへへへ。
【銭】2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その7~10本目。
映画ファン感謝デーなのだが、わざわざその日に6ポイント使って鑑賞する人も少なく、フリーパスとしては席を取りやすかった。まあ、満席にならない事だけ注意しなければいけなかったけど。
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3人の信長@ぴあ映画生活・
ホテル・ムンバイ@ぴあ映画生活・
ロケットマン@ぴあ映画生活・
ガーンジー島の読書会の秘密@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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ホテル・ムンバイ@ノラネコの呑んで観るシネマ・
ホテル・ムンバイ@yukarinの映画鑑賞日記α・
ロケットマン@ここなつ映画レビュー・
ロケットマン@ノルウェー暮らし・イン・原宿・
ロケットマン@SGA屋物語紹介所
◆『暴力五人娘』シネマヴェーラ渋谷(おかわり)五つ星評価で【★★★後半テンポ悪】
初見時、ちょっとうつらうつらしてしまったのでポイント使って再チャレンジ。あー、すげー、後半テンポ悪い。
気が付いたり書き漏らしたりしてた事。
・チンピラの一人がスカジャンの下にTシャツ着てて、図案がダッコちゃんで、なかなかイカス。
・「お脳が悪い」と言われる理事長は発明狂で、人間よりちょっと大きめのロボットを作っていて、チンピラとの戦闘でちゃんと役に立った。月へ行くための「宇宙艇」とか作ってるのが映画前半で眉唾なのだけど、映画全部見てから理事長の発明で特別、失敗している物もないのに気が付いた。案外ちゃんと宇宙に行けるかも。
・「暴力五人娘」、そうでもないと前回は書いたけど、やっぱり思った以上に暴力的だった。少なくとも菅原文太よりは五人娘の方が暴力的である。
・沢井三郎演じるカマっぽい副理事。ソロバン持たせたい感じでトニー谷を意識しているような演技。
・ラストシーン、善人も悪人も、お脳の弱い理事長の「踊りましょう」の一言で踊り出す。約60年早い
『カンフー・ヨガ』的エンディングと言えよう。
・安いカレーが50円、一流洋食屋の高いカレーが400円。物価1/10くらいか。
・文太のあの短いステッキがベム的。
・文太のパンチラつーか、パンモロカットあり。
【銭】有料入場ポイント9ポイントを使って無料入場。
▼関連記事。
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暴力五人娘(一回目)@死屍累々映画日記・第二章・暴力五人娘(二回目)@死屍累々映画日記・第二章
◆『暴力五人娘』シネマヴェーラ渋谷五つ星評価で【★★★まあ、もう一度見たいかも】
1960年の白黒映画、80分、初見。
特集企画「玉石混淆!?秘宝発掘!新東宝のとことんディープな世界」から1プログラム。
空気感が適度に適当でゆるくていいっす。
それにしても凄いタイトルだ。
全く暴力を振るわんという訳でもなく、気持ち暴力寄りであるが、女囚物のように暴力や腕力が全てを決めるような弱肉強食な世界観ではない。だからやっぱり「付けてくれるなよ、こんなタイトル」という感じである。
主役は女子ラグビー部。WC開催中になんてベスト・タイミングの上映だよ。
男子ラグビー部と試合をして、タックルされそうになると「えっちぃ」とかいなしたりする。おいおいおいおい。
この女子ラグビー部を設立したのが「お脳が弱い」と揶揄される世襲理事長。この「お脳が弱い」という表現がなんかええなあ。お脳が弱いからと副理事長派一派が追い落としに掛かろうとするが上手く行かない。そこで取られる手段が「殺し屋を使って理事長を亡き者にする」、おいおいおいおい、その案、どうにもこうにも身の振りようがなくって末ではなく、割とすぐに出て来たぞ。
出て来る殺し屋が菅原文太。ダンディーで、ちょっと妖怪人間ベムのよう。サービスでだか何でだか女装まで披露。無駄にサービス精神が旺盛だが、そう言えば文太ってけっこう変な役でも蹴らない印象だわ。
あと、お脳が弱い理事長も、存在がぶれまくる殺し屋もけっこうキャラが立っているが、上流階級というファクターなのか、会話がお姉口調の副理事長が存在感がマンガマンガしてて良い。
デジタル上映だが、解像度が低い状態でマスター化されてしまったらしく、かなり画質が荒い。とは言ってもキネコ映像を知ってる私には何と言う事もないが。
【銭】通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
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暴力五人娘@ぴあ映画生活▼関連記事。
・暴力五人娘(一回目)@死屍累々映画日記・第二章
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暴力五人娘(二回目)@死屍累々映画日記・第二章
◆『プライベート・ウォー』トーホーシネマズシャンテ2
▲「綾波レイ」「眼帯だけの共通点で嘘いうの止め!」
五つ星評価で【★★★臨戦気分たかまらず】
黒眼帯の女ジャーナリスト、メリー・コルヴィンの瞳に映った戦場の真実、と言うのが宣材のコピー。。
つーか、ドッカンドッカンガツンガツン響く戦場の音はかなり怖い。臨戦気分がバリバリに上がっていく。面倒くさいのは主人公の戦場ジャーナリストメリー・コルヴィンの見ている筈の戦場が切り取ったアングルからはあまり見えてこない所にある。
ロケット砲で左目を吹っ飛ばされ、心的外傷ストレス障害に悩まされながら、戦場は嫌だ嫌だと言いながら、目の前で何人もの同僚を失う辛さが分かるかと上司に激昂しながら、不正義が遂行されている戦場があると、彼女はチームと一緒にポツンとそこにいるのである。
何でいるのか。何故来てしまったかについてはぼ明かされていない。極端な言い方をしてしまえば、不正義に我慢ならないのかもしれないし、それが単に彼女の職業だからかもしれない。そこが分からない。子供頭にもすんなり入るように明確に語られていない。憶測は出来るが、逆に言えば憶測を許す程度のゆるく雑な描き方という事だ。
人間ドラマであるなら、その部分が「肝」なんじゃないだろうか。
【銭】2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その6本目
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