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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ジョーカー』『アナベル 死霊博物館』『空の青さを知る人よ』『ストライク・ウィッチーズ』『蜜蜂と遠雷』トーホーシネマズ渋谷3、日比谷3、川崎7、5、1

東宝フリーパス鑑賞をまとめて5本。

◆『ジョーカー』トーホーシネマズ渋谷3

▲これでリクルートに行ったら目立つけど落ちるだろうなと言うスーツ。

五つ星評価で【★★★★★圧の強い映画】
ツイッター第一声「こんなん好きんなるやろ」それしか書いてない。
割とそういう圧倒的な「圧」の強い映画。
浸れる。主人公のジョーカーに感情移入し、びっちり不孝の闇に囚われる。それも又、よし。この映画のジョーカーはとことん何も持っていない男で、物語の後半まで、彼はその自分が何も持っていない事に気が付いてすらいない。彼には何の落ち度もないのに、その事実は生革を剥すように明らかにされる。
彼には血も愛も才能も正常な精神さえもない、しかも彼の周りは獰猛な捕食者ばかりだ。最下層の地べたに押さえつけられながら罠にかけられたかのように彼は体制に一矢を報いる。その姿に安堵や喝采を送らない者は心ない者だ。人はみな自分のどこかに何も持っていない事を自覚して生きている生き物なのだから。
逆にこの映画の中で持っている者の描かれ方は凄くいやらしい。それは彼の尊敬するコメディアンであったり、シティ有数の富豪だったり、その富豪の下で働く高給の特権階級だったりするのだが、一様に彼等は牙を隠し持ち弱い者を捕食しようとしているように描かれている。つまり、ジョーカー主観で世界が描かれている。そら、見ていてジョーカーに傾倒するだろう。
この映画の強さは『バットマン』系列のアメコミ映画に属さなくても見れる事だ(バットマンの設定にそっと寄り添っている所にアメコミ側ファンからも好感を持たれていて、その辺りのバランス感覚も良い)。
数ある『バットマン』映画の中で、どのジョーカーも余裕を持った紳士の一面を持つが、彼にそんな余裕はない。彼は立ってるだけで精いっぱいの男なのだ。映画の冒頭で彼のゴツゴツした骨が隆起したような背中が映される。『ノートルダムのせむし男』みたいに醜い身体だ。この男にハーレクインは惚れないかもしれない。いいよ、俺はそんな彼が好きだよ。できれば、もう何一つ持っていず、紳士でも、悪の貴公子でもない彼にハーレクィンも惚れてやってほしいよ。
ああ、なんか『ジョーカー』のどん底感は『必殺からくり人』の主題歌『負け犬のブルース』を思いださせる。あれを歌っていた川谷拓三も最下層を蠢く一人だった。彼はジタバタしながらそれでも浮き上がった一人だったが。何となくピラニア軍団が演じるジョーカーはありな気がする。まあもう今更ピラニア軍団で在命の方も少ないだろうが。

『キング・オブ・コメディ』『タクシードライバー』が思いだされたみたいな呟きがツイッターにいっぱい出てきたが、私はちょっと『ヘンリー』を思いだしていた。


◆『アナベル 死霊博物館』トーホーシネマズ日比谷3

▲一番右の子が可愛いのはロリだからではなく、素材の問題。

五つ星評価で【★★寝る子は育つので寝かせておいてください】
この日は21時40分開始の回だが朝は5時代に起きて気を張りながら12時間ばかし仕事した後、『ブラッククランズマン』を更に気を張って見て、もうヨレヨレだった。寝るわ。とは言え、フリーパス使って見れるのが最終日だったので特攻、自沈。

断片的感想。
・「アナベルが家に来たよ」ってタイトルが好き。
・JKよりJS、次にDKの方が可愛いのはマズイ。
・怖い音圧がバリバリ来るのに画面トーンが暗くて
 何が映ってるのかよく分からないみたいの多かった気がする。


◆『空の青さを知る人よ』トーホーシネマズ川崎7、(トーホーシネマズ日比谷3)

▲レズ姉妹ものの成人映画が見たくなってしまう1カット(妹はノンケ設定がいい)。

五つ星評価で【★★★しんのの超人設定とかほんま分からん】
川崎が一回目、日比谷が2回目。
何となく間が抜けてる気がしたのでフリーパス期間中にもう一回見た。うん、抜けてた。だが、2回目見ながら1回目に見た筈のシーンが抜けた。何か全体的に集中力を持続できない映画という事かな(「全体的に集中力を維持できない人間」と言われれば言い返せないのだが)。
幼児の「あおい」も、JKとババアで容姿が全く変わって見えない美魔女系の「あかね」も記号として大変可愛い。若い「しんの」に魅力があって「慎之介」がボソボソした感じなのは役柄だからしょうがないか。この四者で複雑な四角関係が作られるが恋愛関係には隠し味程度でそれほどウェイトが高くない。それは設定上「しんの」がバンドの練習小屋から出られないので、関係が進むほど登場人物の四人が揃わないからである。恋愛関係は割とどうでもいいのだが、話のコア(「怪異」と言ってもいい)の「しんの」が面と向かって「あおい」としか会えないので、それぞれがそれぞれに対して思うであろう感情が広がらず何だか何でそうしちゃったのと思った。
そう言えば「しんの」の設定自体がはっきりよく分からない。物語の中では「生霊」と言われてそこに落ち着いたが、「生霊」は幽霊同様、実体を持たないのが普通だと思う。チラシには「過去から来た18歳の慎之介」と書いてあるが、「慎之介」と「しんの」には上京をした、しないの違いがある。なので「しんの」が「慎之介」の生き方を認めれば、過去世に戻って上京を選び「しんの→慎之介」という一本化がなされる。その為に消えてなくなる、いなくなるという理屈だと思うが、その仕組みを「あおい」が何となく分かっていた素振りなのが解せない。全く唐突に『百億の昼と千億の夜』的な物言いをしてしまうなら「奴ら(アニメ製作者とあおい)はグルなのだ」、それ以外ありえない。「慎之介」が単に女垂らしで、「あかね」を助けに行かずにキャバクラとかに行ってしまったら、「しんの」は過去に戻らず、本当に「あかね、あおい、しんの」で三角関係になるのだが、あー、この3人で3P見たい。っつーか、好き嫌い問題で立ち止まっているけど、18歳が二人いればSEX的な話に転がるのも自然な流れではないのか。まあそれを年齢制限のないアニメではできないか(やる筈がない)。だが、飲食業が店内で賄い食を作るように、アニメーターが作業工程で彼等の心情を確認する為に賄いアニメみたいな物を作ってくれても自分としては一向に構わないのだが、どうだろう(どうだろうでもなかろう)。

「やってきました色男」ってフレーズが好き。
根っこの所では決して動じてない風の松平健の演技が好き。それはちょっと「あかね」に似てるかもと思った。

「しんの」と「慎之介」を演じ分けた吉沢亮は普通に上手い。
「あかね」の吉岡里帆は役柄に抑揚がないのでアレでよし。それにしてもメンタルが大人すぎないか。
「あおい」の若山詩音はプロ声優なのだろう。幼女と少女の声の使い分けが見事。少女の拗れて何にでも突っかかる、ある意味一番ロックな存在もいいが、幼女の声の方が好きなのは俺まずいだろ。

予告でキャッチーに響いていたあいみょんの曲は物語の中に吸い込まれて消化されて、歌としての輝きが曇ったみたいなのに難しさを感じた。


◆『ストライク・ウィッチーズ劇場版501部隊発進しますっ!』トーホーシネマズ川崎7

▲大体30分ずっとこんなテンション。

五つ星評価で【★値段で言ったら150円。200円は払いたくない】
「スカート」がない世界と言う設定から、飛行魔法で中空を飛び回る彼女たちの雄姿は恥ずかしながらパンモロである。それでも今まで見てきた『ストライク・ウィッチーズ』はギャグは節々に入れられてきたが、シリアス路線で、敵ネウロイとの戦いは犠牲者も出かねない辛勝ケースがほとんどだった。「そんなん全部嘘ですわ」みたいな感じのギャグアニメ。ギャグが安いFLASHアニメで作られていて尺が30分で入場料金が1300円均一(フリーパスだから私は払っていない)。これじゃない感がひたすら激しい。まあ、これを求めるのは銭ならナンボでも払うから何でも持って来いと言うお大臣だろう。私はそうじゃない。これを無料で見れたのはありがたい。これはお金を払って見るもんじゃない(お金を払って見てる人には悪いが)。


◆『蜜蜂と遠雷』トーホーシネマズ川崎1

▲家に帰ると縄で縛られた牝奴隷が2、3個転がってそうな鹿賀丈史と師匠に手籠めにされてそうな森崎ウィン。

五つ星評価で【★★★★音に刺される】
2回目。
音楽が刺さる。
最初に見た時、「置いてかれた」と自覚したが、そこに大きかったり特別だったりなトピックはなかった。ただやはり演技の為の「貯め」もかなりしっかり貯める映画なので、ピアノの音色でなく人が喋ってるシーンはちょっと冗長になり気味だ。愚直(良く言えば誠実)に平坦。
栄伝さんの大会に臨むドレスの色は赤、白、黒。赤はキチガイ色でまだピアノや観衆に対する恐怖が抜けてない。それが風間塵と会い、ピアノの楽しさを思いだし、白に戻る。だが、白は過去や恐怖に染まる不安定な状態。最後、黒の衣装で出てきたのは自分を取り戻しもう何物にも染まらないという意思の色。この後、銀の衣装を着たら「銀栄伝」で全銀河を制覇する英雄の色になるってダジャレかよ、俺。
主役は松岡美優、二番手が新人鈴鹿央士、ちょっと割を食っているのが松阪桃李と森崎ウィン。
松岡美優は映画のストーリーライン中央にいるから主役なのだが、キャラクターは雷雨のように全体にゆさぶりをかける鈴鹿央士の方が抜群に面白い。しかもこの嵐は自分が嵐である事の自覚がないのだ。その対極である秀才にして市井で家庭を営む苦労人・松坂桃李も出番は少ないがちゃんと自分の爪痕を残している。逆にその演奏スタイルゆえに破天荒である事を許されず、松岡美優に昔のピアノの楽しさを思いだす役にも充てられなかった森崎ウィンが確実に損な役だ。彼はいいピアニストだが秀才で努力家で天才ではない。神から愛されていない。彼が最後まで残り、成績を残すのは彼が逆に天才のひらめきによる余計な事をしないからだ。つまり、彼は町中に置いてあるピアノの自動演奏機に近い。逆に言えばそういう苦悩を出せれば彼も美味しい役になったのに。おそらく、それは斉藤由貴が言っていた「大した覚悟もなく演奏家」になったこの後の話なのかもしれない(勿論このセリフは森﨑ウィンに向けられた物ではなかったが)。
脇が的確。女王の風格を持ちながら明らかに今は凡人サイドで耳だけ磨いている斉藤由貴は存在感タップリ。横にいるお金儲けが上手そうな森崎ウィンの師匠筋の外人より、明らかに耳や音感がよく見える(昔は歌唱力のなさ/ではないか演技のテンポ悪さ/で鳴らしたのに)。
日本で一番イヤミな役が上手い鹿賀丈史。
世界で一番八つ当たりが似合う東洋系女子、福島リラ。
そこにいる頼りないけど確かな人間の善意、平田満。
ちゃんと名声もあるけど明らかにヤングの演奏に負ける作曲家、光石研。
確実にいい人だけどそもそも夫婦としてそんなに反りがあってなさそうな松坂桃李の妻・臼田あさ美。
そして何者だかがさっぱり分からない片桐はいり。

ピアノ協奏曲ってオーケストラの集団にピアノが一人で喧嘩売ってるみたいな撮られ方をしていて「凄いな」と思った。
演奏を聞くだけの為に音のいい映画館にもう一回くらい見に行くのもありかもしれないと思わされた。


【銭】
2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その15~19本目(&24本目)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ジョーカー@ぴあ映画生活
アナベル 死霊博物館@ぴあ映画生活
空の青さを知る人よ|映画情報のぴあ映画生活
ストライクウィッチーズ 劇場版 501部隊発進しますっ!@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ジョーカー@或る日の出来事
ジョーカー@ノラネコの呑んで観るシネマ
ジョーカー@yukarinの映画鑑賞日記α
ジョーカー@ノルウェー暮らし・イン・原宿
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