『クリムト』下高井戸シネマ『春画と日本人』ポレポレ東中野
- Date
- 2019/11/17/Sun 14:04
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
ドキュメンタリー2本をまとめてレビュー。
◆『クリムト』下高井戸シネマ

▲♪若い娘がうっふーん、お色気ありそにうっふーん。
五つ星評価で【★★★「クリムト!」と言う激しさがない。】
ウィーンを常盤荘のように群像劇で描く。
すると、やはり「クリムト」と言いながら、エゴン・シーレが中心になってしまう。みんな不幸な人が好きだし、エゴン・シーレは不幸が絵の方にまで侵食しているのが分かりやすくて魅力的。「破滅を絵に描いたような」と言うか、「絵に描いた破滅のような」と言うか。ともかく「不幸」が輝いている。まあ、クリムトさんは何らかんら言っても冷静だし、そこがクリムトさんのいいところだから。クリムト、エゴン・シーレの二人のみでなく、登場する絵描きのタッチがみな割と似てる。パッと見伝わってくる幸福感がマイナス・ゲージに触れてるところとかかしら。そういう病んだ芸術は日本人好きそう。
でもまあ、後半、誰と誰がどうでみたいな噂話みたいな話がずっと続いたので意識が落ちた。
◆『春画と日本人』ポレポレ東中野

▲皇女と良蔵君。
五つ星評価で【★★★興奮を求めに行ったがやはり興奮はしない】
春画の数々をモザイク、トリミングなどなしに見れる。男性性器や女性性器がバッチリ描かれている。しかし、このまぐわいの絵を見て興奮できるかと言うと別に普通に「絵」だなあと言う感じ。浮世絵顔の男女に情感が込められないのである。葛飾北斎の描いた春画の背景に描かれているポルノチックなオノマトペ語り、あれを美少女声の声優に朗読してもらったなら興奮できるだろうか。ともかく、医学書の解剖図同様、ペニスとヴァギナが描かれているからと言ってそれだけでは興奮できない。私個人は女性が性に「揺らがされている」状況に対して興奮する。それが春画からは私は得られなかった。
上映後のアフタートークで観客が性器や髪の表現に対しては緻密だけどバストに付いてはぞんざいな描き方ですね、という指摘があった。映画にも出ていた解説者が答えるには、江戸時代、母が子供に乳をあげる風景などが一般化しており、乳その物がそんなに性的な象徴として強く機能してなかったのではないか、との事。なるほど。明治より前、日本人女性の胸は今よりこじんまりしていただろうし、例外的に胸が張るのは授乳の時である。授乳中の経産婦に欲情するのは、俺、出来るけど、一般的にはそういう鬼畜の所業みたいな方向に嗜好が進まないのは理解できる。日本人はモンゴロイドのネオテニー(幼児成形種)だから、男女問わずのっぺりした身体で体毛も薄い。すると春画で強調して興奮を誘うツールとして有効なのは男性器、女性器と、結い方が違う髪の毛、それと着衣かもしれない。髪型と言えばポニーテールは男子の欲情を煽るから禁止と言うブラック校則がある。そういうフェチ的な目の付け所が実は江戸時代から変わってないのかも。
映画は海外で成功した「春画展」を日本で開催する事の難しさや、春画研究の研究リスクなど、恥ずかしい物に対する日本人の気質が語られる。全体的にみな否定はしないが、当事者にはなりたがらない。「こんな恥ずかしい物を展示するとは何事だ」というクレームに彼等自身が自信を持って返答できないのだろう。いや、いいっしょ。金とって見せる展示なんだから、気に食わなかったらスルーさせればいいんだから。どうもそうは言えないらしい。と言うか、大事になる事自体がイヤなんだろうね。オリンピックに向けてコンビニのエロ本が撤退された。ええやん、そこまでクリーンにしなくても。
どちらかと言うと語り口主体の映画なので、もちっと春画の数を見たかった。これ以上はどれ見てもそう変わらんと言うのもあるのかもしれんが。
「こんな恥ずかしい物を展示するとは何事だ」
「ええやん、そういう恥ずかしいの好きなんや」
と言う流れにはならんもんなのか?
みんな恥ずかしい事経験したからこそ赤ちゃんとして生まれて来た訳なんだし。
【銭】
『クリムト』:下高井戸シネマの招待券を例の先輩から貰ったよ。
『春画と日本人』(1回目):ポレポレ東中野5回券6000円のうち3回目使用。
『春画と日本人』(2回目):ポレポレ東中野10回券10000円のうち7回目使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代@ぴあ映画生活
・春画と日本人@ぴあ映画生活
◆『クリムト』下高井戸シネマ

▲♪若い娘がうっふーん、お色気ありそにうっふーん。
五つ星評価で【★★★「クリムト!」と言う激しさがない。】
ウィーンを常盤荘のように群像劇で描く。
すると、やはり「クリムト」と言いながら、エゴン・シーレが中心になってしまう。みんな不幸な人が好きだし、エゴン・シーレは不幸が絵の方にまで侵食しているのが分かりやすくて魅力的。「破滅を絵に描いたような」と言うか、「絵に描いた破滅のような」と言うか。ともかく「不幸」が輝いている。まあ、クリムトさんは何らかんら言っても冷静だし、そこがクリムトさんのいいところだから。クリムト、エゴン・シーレの二人のみでなく、登場する絵描きのタッチがみな割と似てる。パッと見伝わってくる幸福感がマイナス・ゲージに触れてるところとかかしら。そういう病んだ芸術は日本人好きそう。
でもまあ、後半、誰と誰がどうでみたいな噂話みたいな話がずっと続いたので意識が落ちた。
◆『春画と日本人』ポレポレ東中野

▲皇女と良蔵君。
五つ星評価で【★★★興奮を求めに行ったがやはり興奮はしない】
春画の数々をモザイク、トリミングなどなしに見れる。男性性器や女性性器がバッチリ描かれている。しかし、このまぐわいの絵を見て興奮できるかと言うと別に普通に「絵」だなあと言う感じ。浮世絵顔の男女に情感が込められないのである。葛飾北斎の描いた春画の背景に描かれているポルノチックなオノマトペ語り、あれを美少女声の声優に朗読してもらったなら興奮できるだろうか。ともかく、医学書の解剖図同様、ペニスとヴァギナが描かれているからと言ってそれだけでは興奮できない。私個人は女性が性に「揺らがされている」状況に対して興奮する。それが春画からは私は得られなかった。
上映後のアフタートークで観客が性器や髪の表現に対しては緻密だけどバストに付いてはぞんざいな描き方ですね、という指摘があった。映画にも出ていた解説者が答えるには、江戸時代、母が子供に乳をあげる風景などが一般化しており、乳その物がそんなに性的な象徴として強く機能してなかったのではないか、との事。なるほど。明治より前、日本人女性の胸は今よりこじんまりしていただろうし、例外的に胸が張るのは授乳の時である。授乳中の経産婦に欲情するのは、俺、出来るけど、一般的にはそういう鬼畜の所業みたいな方向に嗜好が進まないのは理解できる。日本人はモンゴロイドのネオテニー(幼児成形種)だから、男女問わずのっぺりした身体で体毛も薄い。すると春画で強調して興奮を誘うツールとして有効なのは男性器、女性器と、結い方が違う髪の毛、それと着衣かもしれない。髪型と言えばポニーテールは男子の欲情を煽るから禁止と言うブラック校則がある。そういうフェチ的な目の付け所が実は江戸時代から変わってないのかも。
映画は海外で成功した「春画展」を日本で開催する事の難しさや、春画研究の研究リスクなど、恥ずかしい物に対する日本人の気質が語られる。全体的にみな否定はしないが、当事者にはなりたがらない。「こんな恥ずかしい物を展示するとは何事だ」というクレームに彼等自身が自信を持って返答できないのだろう。いや、いいっしょ。金とって見せる展示なんだから、気に食わなかったらスルーさせればいいんだから。どうもそうは言えないらしい。と言うか、大事になる事自体がイヤなんだろうね。オリンピックに向けてコンビニのエロ本が撤退された。ええやん、そこまでクリーンにしなくても。
どちらかと言うと語り口主体の映画なので、もちっと春画の数を見たかった。これ以上はどれ見てもそう変わらんと言うのもあるのかもしれんが。
「こんな恥ずかしい物を展示するとは何事だ」
「ええやん、そういう恥ずかしいの好きなんや」
と言う流れにはならんもんなのか?
みんな恥ずかしい事経験したからこそ赤ちゃんとして生まれて来た訳なんだし。
【銭】
『クリムト』:下高井戸シネマの招待券を例の先輩から貰ったよ。
『春画と日本人』(1回目):ポレポレ東中野5回券6000円のうち3回目使用。
『春画と日本人』(2回目):ポレポレ東中野10回券10000円のうち7回目使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代@ぴあ映画生活
・春画と日本人@ぴあ映画生活
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