◆『無垢なる証人』シネマート新宿1
▲ポスター。
五つ星評価で【★★★★観客を巻き込む無垢の嵐】
証人として裁判に呼ばれたのは自閉症児の少女。
彼女が証人としてふさわしいのか、証言は信用できるのか。
もう、見ていて彼女の味方にならざるを得ない。
証人の彼女だって「無垢」だろうが、
観客だって正しさを信じて「無垢」でいたいのだ、本当は。
「無垢(=垢が無い)」と対比して、映画の中で主人公が会社に強要されるのが「垢を付ける事(≒要領よく利口になる事)」で、お客への接待で酒や女にズブスブになりそうになる。「垢」の直接表現ではないが、日本で言う「手を汚す」みたいな物か。
主人公かっけー。
無垢な証人にキム・ヒャンギ。
『神と共に』のあの子である。いやー、演技上手いわ。
アルツ患ってる主人公の父親役が、全く無関係である事が分かりながらも麻木貴仁に似てる。
途中退場してしまうヒャンギの友達シネも中々癖のある役。復権させてやりたかった(なるほど汚い心を自覚している私もこの映画により無垢に汚染されてしまったようだ)。
【銭】テアトルの会員割引+曜日割引で1100円。
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無垢なる証人@ぴあ映画生活
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同日鑑賞2本をまとめてレビュー。
◆『サヨナラまでの30分』トーホーシネマズ錦糸町オリナス8
▲ちけーよっぽい一枚。
五つ星評価で【★★★芸達者な若者たちにいい気持ちにさせてもらう】
中心人物の逝去により活動を停止したバンドが、その人物と同じコアを持つ新人により再生する様子(のようであり、ようでないようであり)。「音楽っていいな」という導入部から始まり、障害を取り除いて又、「音楽っていいな」というラストに回帰する構造がとても感動的で爽やか。バンドの比重は幽霊と実体が二人一組になるメイン・ボーカルと三人の伴奏者とピアノを弾く幽霊ボーカルの彼女。
三人の伴奏者は見た目尖ってるが三人で一人扱いくらいのキャラ。でもこれは物語の混雑具合を見ると丁度いいウェイト。
事故で失ってしまった彼女の音楽性と、やはり近くの人の死で関係性をおかしくしてしまった実体ボーカル男子の人との繋がり、の二つの再生を同時に行なうから伴奏者はウェイト的にやはりあれくらいでちょうどいい。
幽霊ボーカルを演じるのは新田真剣佑。見る映画見る映画外見違って凄いな。JOJOの億奏はともかくとして、カイジの秘書とかと同じ人間に全く見えない。演技バカ。
実体ボーカルは北村匠海。「膵臓」以降の演技がいつも同じであまり好きじゃないのだが、ボーカルでの歌唱力に驚かされて、この映画は良かった。そう言えば歌手の方が本職か。
彼女の久保田紗友、そこにいるだけで目を引く。母親役が牧瀬里穂ってのが又、似たもの親子な感じで良し。
幽霊と体を共有する話なんてフィクション以外の何物でもないのだけど、そういうの一切合切忘れて没頭して見た。心地よし。
◆『ロマンスドール』トーホーシネマズ錦糸町オリナス3
▲高橋一生って変と普通の境界線上にいるんだよね。
蒼井優もそんな役がそこそこ多い(ニュアンスが変というより過剰みたいな感じか)
五つ星評価で【★★高橋一生と蒼井優は良い組み合わせ】
前半がちょっとマヌケなテイストの恋の話で、後半が足取りと空気の重い愛の話。前半が好き。きたろうの計らいで二人が直接、接触し、蒼井優の形状が変わってしまうとか夢のようにいいシーン。
蒼井優が女神さまのようで高橋一生は村人A、きたろうは棺桶に片足突っ込んでる村の老人Aだ。きたろうが汚くって金全然持ってなさそうで、ともかく底辺っぽくてよかった。蒼井優は相変わらず手堅く着実。病気になればちゃんと痩せてやつれてるように映る。本当に体重落としてるかどうかは知らないが落差が激しい。相変わらず演技スキルが並じゃない。整ってるけど美人というよりはオカメに近い顔も立派な武器であるし。
あ、ピエール瀧もご苦労さん。高橋一生って無言でいる裸の大将みたいな演技をする。
後半よくあるドラマになってしまうのがかなり退屈。でも、ラストの高橋一生のセリフがとってもライトで気持ちいい。
高橋一生と蒼井優は『リリィ・シュシュ』以来18年なのだそうだ。へー。
エンドロール「特別協力:オリエント興行」が燦然と輝く。
ならば、起死回生の一手として男のダッチも出してほしかった。
【銭】2019.12.29から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その30、31本目
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サヨナラまでの30分@ぴあ映画生活・
ロマンスドール@ぴあ映画生活
◆『記憶屋 あなたを忘れない』トーホーシネマズ錦糸町オリナス5
▲まーこっちのビッチだよな、やっぱ。
五つ星評価で【★★しくじってる】
恋人から自分の記憶を消された男が消した男を追うミステリー仕立て。
何故、記憶は消されたのか、記憶は戻るのか。
という話なんだけど、例えば長屋の住人がみんな殺し屋である必殺シリーズや、出る人出る人スタンド持ちでスタンドは引き合うと言いだしてしまったJOJOのように世界が狭い。いや、狭い空間の中に関係者がひしめき合ってると言えばいいのか?物語の登場人物全員を四畳半に招きこんでもそんなに息苦しくないくらいの人数しかいないのに、その中に記憶屋がいると言ったら分かるだろ、それ。多分、ミステリ仕立てにしたのが間違い。
怪奇大作戦みたいな不思議な物語の骨格は嫌いじゃない。
ネット画面安っぽい。3人しか書きこんでる人いなそうなチャット・ルームが寒い。
記憶屋に繋がるキーワード「緑のベンチ」。あんな好配置の場所に緑のベンチを置かなくても。私自身、生まれてから一度も緑のベンチを見た事ないから、緑のベンチ見たら記憶屋近くにいると思っていい(記憶屋が移動に伴ってベンチを緑に塗ってる可能性もある)。
ファンの方には申し訳ないが、主役の山田涼介くんがあまりかっこよくない。
恋人に自分の事を忘れられても、自分と彼女の幸せだった時代が忘れられず、その記憶を取り戻そうとする。つまり、これは相手がどんな状態であろうと、「俺様との恋愛が絶対幸せである、間違いない」という、所謂KY俺様野郎の役であるのだけど、山田涼介ってひ弱でメロウで、自分にあまり強い自信を持っているように見えない。うっすらミス・キャストである。だから、問題の本質に気が付いて、泣きじゃくってる彼を見ても、その痛みがあまり伝わって来ない。ここは強い俺様野郎が過去の幸せより大きな不幸に挫折して崩れ落ちる劇的なシーンなのだが、山田涼介には強さが見えないし、彼がセリフで語る「幸せ」はきっちり多幸感を与えるように観客に事前に提示されていないから観客は実感できないのだ。この二人、本当に幸せだったの? 確信持てない。
自分の持ち場だけはちゃんと演じて問題がない佐々木蔵之介。
自分の持ち場だけ自分の持ち場以上にガガーっと上手い田中泯。
芳根京子は可愛くて大好き。もう、それだけでいい。
「素」的な話で言うなら、毎日ボコボコ記憶をなくしそうなのは芳根京子である。あー、ずっと抱きしめていつも一緒にいてやりたい。
上手いと思ったのは、甦らせたくない記憶のフラッシュバック映像。
ここが真に迫っててイヤな感じなので、逆に中心にあるラブストーリーのオママゴトな感じが目立ってしまう。
「あなたを忘れない」というサブタイトルは主人公目線の物ではない。誰目線かという事に気が付いて、ちょっと萌えてしまった。ベースとしてはいい世界観なのになあと思う。
【銭】2019.12.29から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その27本目
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記憶屋 あなたを忘れない@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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記憶屋 あなたを忘れない@ここなつ映画レビュー
牛丼常食貧乏男子と美食常食富豪婦女子の恋。
単行本1巻8話というサイズが読みやすい。
富豪女子が崩れたホルスタイン体型でマンガ線は流麗で美しく見れるように描いてあるのだが、デフォルメが効きすぎた「巨大な乳」は奇形っぽく見えて、私にはそんなに美しく見えない。ストーリーが純朴なだけに、それに伴う身体描写がチグハグなのが気になった。プロがやる事だから、意識してやっているんだろうとは思うが。
◆『リチャード・ジュエル』トーホーシネマズ日本橋1
▲男同士の哀しい壁ドン。
五つ星評価で【★★★★何でか分からないが面白い】
予告通りで、大きな秘密もなく(予定調和で)、
割とモタモタ感じられそうな長さの尺なのに
イーストウッドが撮ると面白いから不思議。
最初にデンと出てくる「リチャード・ジュエル」は
簡単に言ってしまえば「正義オタク」。
あまり好意的に撮られていない。
頑固で杓子定規、怨みを買ってたりもする。
でも外見デブで損してる分、実はいい奴だってのが
映画見てると徐々に分かって来る。この辺が上手い。
でも「微笑みデブ」みたいで、そういう意味で
犯人像と全く被らん訳でもないかもしれん。
女記者が得体の知れない化け物みたいで怖い。
母ちゃん泣いたら「お前なんかミザリーの癖に」とか思ってもた。
ラストとっても静かに終わるのが大人な映画。
【銭】2019.12.29から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その25本目
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リチャード・ジュエル@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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リチャード・ジュエル@yukarinの映画鑑賞日記α・
リチャード・ジュエル@ノルウェー暮らし・イン・原宿
◆『シライサン』新宿ピカデリー9
▲太った飯豊まりえちゃんって想像つかんな。
五つ星評価で【★★★そこは良し、そこは悪しが交互に出てくるホラー】
流石、乙一監督、論理的にイヤな攻め方してくるわあ。
第一の防御方法は何か明確な意味があるのだろうか? ハッキリした方が面白いと思う。
第二の防御には唖然。乙一監督人でなしだなあ。一応、それはなされなかったという事でいいんだよね。
ホラー対象(シライサン)の見せ方がロングだと超怖いのに、アップだとちょっと価値が下がる。割と作り物めいてるのがじっくり映って冷静に見れてしまうのが残念。ホラー対象のデザインは呪いが発症された時代に即して古いのだが、これはもうちょっとぼんやりとした設定でも良かったと思う。
飯豊まりえちゃん怖がり顔だなあ。
そこそこキャリアのある人を使っているにも拘らず、稲葉友、忍成修吾、そして特に染谷将太がいい意味で抜群にオーラが削がれていて、どこにでもいる市井の普通の人に見える。
【銭】松竹の前回友情入場割引を使って1300円。
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シライサン@ぴあ映画生活
◆『フォードvsフェラーリ』トーホーシネマズ日本橋2
▲(o|o)ウルトラマンカラー。
五つ星評価で【★★★★何かを成し遂げる高揚感に満ちた映画】
『フォード・フェアレーンの冒険』とは無関係。いや、言って見たかっただけ。
あー、おもろかった。フォードもフェラーリも嫌いになってただただ現場主義になる映画。クリスチャン・ベイルの誰よりも機械を分かってる町工場の職人ポジションがかっけー。頑固ではあるが頑固に理由がある。
ル・マンを走る水色ボディーも妙に「ばえない」のであるが、チラシを見て水色じゃなく銀色であるように見えた。そこに縁どられる赤の帯はまるでウルトラマンのよう。そう言えばフェラーリ側はセブン色だった。
しかし、バットマンを演じれば、ちゃんと富豪に見えるクリスチャン・ベイルの何と下層階級のおっちゃんに見える事よ。
【銭】2019.12.29から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その18本目
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フォードvsフェラーリ@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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フォードvsフェラーリ@ここなつ映画レビュー
◆『マチネの終わりに』トーホーシネマズ日比谷11
▲真ん中のピント合ってる女が一番凄い役。
五つ星評価で【★★福山雅治、君はそれでいいのか】
福山雅治と石田ゆり子のすれ違いラブストーリー。
ああっ、すれ違うのにそんな手があったのね。
それにしても役者としての福山雅治はいつも通り、今回もまた一番美味しい役ではなかった。福山さんあんなに主演の場数を踏んでいるのに、いつも美味しい役ではない。今回はそこそこ演技力お披露目のカットとかもあるけど、見せ場で言ったら絶対的に桜井ユキの方が目を引くし、切実だ。石田ゆり子はバランス的に良い組み合わせ。落ち着いているのでキャリア・ウーマンとして海外でちゃんと一人で働いているように見える。石田ゆり子が万全で来てるのに、どーも福山雅治そんなにかっこよく見えない。この辺は加齢による物なのか?結婚したからか? 怖っ!!
ラストのあの収まり方は君がいなければ死ぬとまで言ってた若かりし二人の尖り具合から考えると、妥当な落としどころかもしれないがそんなにそれを手放しで褒める気にもなれず。
最近の福山主役戦歴
『そして父になる』でリリー・フランキーにやられ放題。
『SCOOP!』で再びリリー・フランキーにやられ放題。
『マンハント』で鳩にやられ放題。
『三度目の殺人』で役所広司にやられ放題。
【銭】2019.12.29から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その17本目
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マチネの終わりに@ぴあ映画生活
◆『エクストリーム・ジョブ』シネマート新宿1
▲コンテナ見ると「ベテラン」思いだす。っつか、韓国映画コンテナ港でのアクション多い。
五つ星評価で【★★★★すんげ面白えじゃん】
ダメなのはタイトル。タイトルはパッと聞いて内容が分かるもんじゃないとダメなんだよ。こんなん何の映画かも分からない(単語として「エクストリーム」が入っているとスポーツ映画っぽい)。だから単純に
『唐揚げ刑事』とか
『ケンタッキー・フライド刑事』でよかったと思う。一目瞭然でしょ。もちろんオシャレじゃないけど。別に今時「オシャレ」で映画は入らないでしょ。この
『エクストリーム・ジョブ』は韓国で付けた英語圏タイトルをそのまま流用してカタカナにしたもの。ダメだろ、それじゃ。
主役は麻薬捜査班5人組。中年の班長、ヒゲ、女刑事、バカ、若者と一目で五人を選別できるのが上手い。彼等が麻薬捜査で張りこんでるマフィア事務所の向かいのチキン店が倒産、売り出しに出していたので、捜査を続けたい麻薬班はこの店を買い取ってしまう。そして、張り込みがばれないように常態を装うために始めた唐揚げが大成功。5人は店の切り回しで手一杯で捜査できなくなってしまう。
未接触のまま張り込んでいると上司からの連絡があり、署に戻っている間、マフィアは引越し、張込監視下から逃れてしまう。ってのが粗筋。
捜査以外、朴念仁の刑事達が徐々にチキンに目覚めていったり、振り回されたりが面白くてたまらん。また、終盤、ドッと挿入されるアクション・シーンで彼等の有能さが証明される展開もアゲアゲでいい。
それでもケチを付けてしまうなら、班長とラスボスの船の上でのアクションが画面の暗さで何か全然すげーもんに見えないのと、女同士の肉弾戦が似たような服を着せたせいでどっちがどっちだかよく分からない構造になってしまったのは減点だ。いや、他はみな加点。OK。おもろろかったよ。それが大事。
【銭】テアトル会員券割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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エクストリーム・ジョブ@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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エクストリーム・ジョブ@ここなつ映画レビュー
多部未華子が入社8年目の経理部員を演じる。
毎回、会社の経費について謎が生まれ、
じっちゃんは出てこないので「じっちゃんの名に賭けて」とは言わず、
「兎を追うな」という謎のキーワードをブツブツ呟きながら
多部未華子が謎を解明する一話完結タイプのドラマ。
正月期間中に深夜枠で集中再放送をしてたので録画して見た。
ラストまで経費の裏に隠れている事件が何故「うさぎ」なのかは明かされなかった。
多部未華子が超上手い。
会社にいる時は地味OL。プライベートはぬくぬくお一人様。ぶっちゃけ多部未華子は処女っぽいから30まで恋もせず、お付き合いもなかったというのはリアルすぎる(まあ、現実にはこの間、結婚してしまったけど)。そんな彼女が会社の後輩に猛アタックを掛けられてタジタジになってるのもおもろい。今、気が付いたけどNHKだからそういうのドラマ内で展開せず控えたという可能性もあるが、物語が終わった時点でドラマの展開から見てまだ処女なのだ。ボーイ・フレンドは海外に長期勤務に行ってしまい、彼女は「待つ」と言ってるから、まだしばらく処女のまま。ナイス・バージン。
しかし、営業部でも、総務部でも、広報でも、秘書でもない、経理部にいそうな女の子という多部未華子の演技解釈が完璧すぎる。ともかく全てにキチっとして、派手さはなく、控えめで感情が表に出ないけど、芯は強い。
彼女の所に届く領収書が正しく会社のために使われている物かどうか、毎回、思いも寄らない事件が起きて大ゴトになって争われる。そこには表面上の金額だけでは分からないそれぞれの事情が隠れている。多部未華子はその事件を過去のトラウマから出来れば「解決したくない」と思い込んでるのだが、それでも周りに泣きつかれると知恵を貸してしまう。
これはやはり「美味しんぼ」ドラマの亜流であるのだが、主人公を経理部員にして、謎を企業の中に流れる経費にした事で、抜群にリアリティーのある話になった。毎週毎日料理にまつわる謎が発生し、それを料理の蘊蓄で解決する話には無理を感じるが、経理部員が経費を扱う話には頻度的にも嘘を感じつらい。
彼女が正しさを目指しながらも、正しさだけを盲信しない「いい人」であるのもポイント高い。物事は正しい方が良いけれど、正しいだけでは全ての人が幸せになれない事も彼女は分かっている。
ドラマの後半、全て正しくない秘書室のベッキーと、全てを正しくしなければ気が済まない新経理部員の江口のりこの諍いが一番盛り上がった。江口のりこのウザさは分かっていたが、ベッキーの猛獣具合も素晴らしい。この役、割と匙加減が難しい役だ。全身全霊を込めすぎて真に迫った嫌われ者になってしまうと今後の役者として損だ。ベッキーはどれほどイヤな役を演じても「素」は違うだろうと言う安心感がある。いやあ、ベッキー見事だ。
でんでんが出る回に千葉で地震があって、20分くらい中断したのにもビックリした。
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