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『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』ヒューマントラストシネマ渋谷2

◆『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』ヒューマントラストシネマ渋谷2

▲水上バイクで逃走中、狙撃に会う主人公と相棒。ロシアの川の水は冷たそう(ロシアじゃなくイタリヤかどこかだったか?)。

五つ星評価で【★★★前半のノリはいい。中盤なかだるむ】
「未体験ゾーンの映画たち2020延長戦」の枠組みで公開。121分、2019年。
やはりロシア人とは体感が違うのか中盤がたるかった。まん中30分くらい削れたんじゃないだろうか。

ロシアスパイもの。
15年鑑スリーパーとして各国に潜入したロシアの「ユース」という特殊部隊。彼等は命令を待ち続け眠り続ける。「ユース」在籍の主人公はある日いきなり謎の爺に襲われるが。
物語の冒頭、主人公けっこう有能なのてある。しかし、中盤から特殊部隊の指揮官が現われるとメッキが剥がれてくる。訓練を最後まで受けなかったのは指揮官から追いだされたからとか、全てのスキルが今一だったよねとか、そんなディスいるかあ? 敵の強さを強調するためとは言え、心苦しかったわ。はっきり言って主人公は無能であってもかまわない。ただ、ルールを破ってでも危険を引っ繰り返せる起死回生の切り札が必要である。そういうの持たされず三段落ちくらいで弱くなっていき、どうにか辛勝した主人公にはちょっと乗れなかった。JOJO第二部みたいに嘘でも「それも策略のうちかとお前は言う」みたいなハッタリが欲しかった。


【銭】
基本1400円均一料金だが、テアトル会員割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ザ・スパイ ゴースト・エージェント@ぴあ映画生活

『ダンスダンスダンス』と『バードソング』ヒューマントラストシネマ渋谷1

◆『ダンスダンスダンス』と『バードソング』ヒューマントラストシネマ渋谷1
五つ星評価で【★★★音圧は強いのは魅力があるが何かどーもな】
競作二編の「未体験ゾーンの映画たち2020延長戦」という枠組での同時上映。落合賢の『ダンスダンスダンス』はディーン・フジオカ、森川葵、伊藤歩出演で47分、2016年。ヘンドリック・ウィレミンスの『バードソング』は永夏子、金山和彦、麿赤児出演で90分、2020年。

『ダンスダンスダンス』:特殊な魚の餌でトリップする森川葵、DJブースのディーン・フジオカの家に拾われると、そこで奇妙な映像を見る。ディーン・フジオカの過去の後悔がドラッグなどで精神がシンクロすると見れるらしい。森川葵はディーン・フジオカの過去の話を聞く。ディーン・フジオカ兄貴がかっけー。でも、彼の部屋で見れるビジョンは彼の部屋だから見れるという理由はなく、引越ししても背後霊のように付いてくるだろう。ちょっと話が弱い。4年前の森川葵は不思議ちゃんベクトル全開であり、美形で可愛いけど、可愛ければ全て許されると思っていそうに見える自己中な部分に引く。金魚が踊るCGは素晴らしい出来。若きディーン・フジオカが工場の機械の騒音だけで、重厚な音楽に仕上げるシーンも良い。ラストそんなんで終わりかよ感強し。

『バードソング』:歌手オーディション番組に参加する永夏子、彼女は高額な代金を支払い、過去の大歌手・金山和彦の個人レッスンを受けている。レッスン料支払いのため、プロダクションが斡旋する「個人セッション」は単なる売春の斡旋であり、彼女は壊れていく。永夏子さんは存じ上げないが、鬼気迫る演技でした。でも、頭とか要領の悪い女の人が、社会にいいように騙されていくのは見ていて気が滅入る。話として面白いのは、彼女が客に性的にひどい仕打ちを受ければ受けるほど、個人レッスンの場で、その彼女の負の感情が曲に力を入れ、名曲として仕上がって行き、遂には師匠を越えてしまう滑稽さ。この映画もラストが取って付けたよう。「極楽鳥さん」という源氏名が泣ける。


【銭】
基本1400円均一料金だが、テアトル会員割引+曜日割引で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
《『ダンスダンスダンス』『バードソング』》@ぴあ映画生活

『テルアビブ・オン・ファイア』ギンレイホール

◆『テルアビブ・オン・ファイア』ギンレイホール

▲志村けんと荒井注。

五つ星評価で【★★★★ラストが秀逸】
あらゆる問題がクリエイターの手腕を蛸殴りにした挙句、作品をあらぬ方向に捻じ曲げていく、という極めて三谷幸喜臭が強い一本。まあ、脚本家は見習いも見習い、素人に毛が生えたみたいな奴なのだけど。それにしてもラストの問題解決策には唸った。そこまでちゃんと地道にミスリードしていく脚本の用意周到さも偉い。パレスチナとイスラエルでいがみあってるが、こと昼ドラは紛争地域のどの女性をもトリコにしてやまないという設定もニコニコさせられてしまう。


【銭】
ギンレイホール会員証で入館。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
テルアビブ・オン・ファイア@ぴあ映画生活

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』『水曜日が消えた』『グッド・ボーイズ』トーホーシネマズ日本橋1、日比谷4、渋谷10

トーホーシネマズ3本まとめて。

◆『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』トーホーシネマズ日本橋1

▲走るシアーシャがムチャクチャ愛しい。

五つ星評価で【★★★★シアーシャ萌え】
冒頭のシアーシャ・ローナンの走る姿のなんとウキウキする事よ。
という訳で、一般的に割と変な顔のベクトル向いてる(単純な美人顔じゃない暴れん坊タイプの)シアーシャが少女マンガど真ん中でたまらん。
長女と四女は美形ベクトルなのだが、長女エマ・ワトソンは恋を自制できないし、四女フローレンス・ピューはメンタルが闇落ちっぽく、三女ベスは裸の大将系キャラなので、断然次女シアーシャに目が行ってしまうのである。他の三姉妹がそこそこ喜怒哀楽を抑え目に演じてるのに、シアーシヤちゃん、感情の振れ幅が大きい。えげつない。いや、そう見えてしまうのか、主役だから。何にせよそんなん好きにならずにいられないだろ。シアーシャのちょっと魔女っぽい鼻が涙で赤くなってるのが激・萌えた。
設定をワールドワイドに変えてもいいから彼女なりの『はいからさんが通る』を演じてほしいくらい少女マンガっぽいキャラだった。エマ・ワトソンも環役で推すぞ。
ローラ・ダーンは安定してるし、メリル・ストリープの嫌味な婆さんも、実は若い頃にシアーシャ・ローナン張りに乙女だった感じが逆張りに連想できて楽しい。
前後ひっきりなしに行ったり来たりする構成が分かりづらく煩わしいとの評価がある。それはつまり、これが『若草物語』という基本設定を知った上で見る構成になってしまっているという事であろう。話を知ってて二巡目の人は楽しみが強い。一巡目の人はちょっと話に翻弄されてしまう。この辺はちょっと悩ましいところ。

シアーシャ・ローナンの『はいからさんが通る』、本当に出来ないかなあ。樹の上に登って蘭丸のティモシー・シャラメ(もち女装)を慌てさせたり、嫁ぎ先の伯爵(これは男装のメリル・ストリープでOK)と剣道で勝負したり、が見たいなあ。


◆『水曜日が消えた』トーホーシネマズ渋谷4

▲「どっちに付く」「おんなぁ~」的カット。左は深川麻衣、右は水曜日を演じてる火曜日を演じてる中村倫也。

五つ星評価で【★★★火曜推しではあるがそうでもないか】
七つの人格を演じる主役の中村倫也は良い。七つの人格を演じ分けてるという事が評価点ではなく(主人格以外ほとんど出てこないし)、中村倫也だったら曜日ごとに変わる七つの人格を持っていても違和感ないと思わせる佇まいが評価点だ。そして、彼等の悩みに寄り添ってあげたくなるのは中村倫也の技巧だろう。この役、他に嵌る人が思い浮かばない。内面ホンワカの火曜日が好きになりそうな、ちっと野暮ったくあったかい感じの彼女の深川麻衣と、尖がってるけどベースやるせない慈愛という石橋奈津美は両ヒロインとして上手く機能していた。

火曜日がもう少し、水曜日に対して気にかけてやる描写が欲しかったかな。


◆『グッド・ボーイズ』トーホーシネマズ日比谷10

▲左から真面目黒人、哀しい瞳の少年、パンク聖歌隊野郎。

五つ星評価で【★★★★実写ソーセージ・パーティー(いや、違う)】
超傑作と思ったらセス・ローゲン、プロデュースじゃん、そら面白いだろ。主役の少年は(*´Д`)ハァハァできそうに可愛い(ちなみに(*´Д`)ハァハァしてないし)。
三馬鹿少年の青春チンポジウム。少年の取り合わせが良い。
見知らぬドラッグ少女から「哀しい瞳の少年」と詩的に表現される美形の主人公。
小学生なのに無理して見れば大学生にも見えてしまう、真面目メンタルの黒人。
パンクぶってるが中身はビビリの少年聖歌隊のダチ。

ドラッグ少女二人が単にズブズブのジャンキーではなく、いいとこもあるじゃんみたいな描き方もよかった。本気でいい所が一つもないのはジャンキーハウスの売人達くらいだけど。

「それはセックスに使うのよ!」何故そこ詳しい妹?

最後に主人公の横にいる女の子がちょっとだけ性格良さそうなのも良かった(既に尻に敷かれてる風であり破局が見えないのでもないのだが)。


【銭】
各作品トーホーシネマズメンバー週間に見たので、シネマイレージ会員1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語@ぴあ映画生活
水曜日が消えた@ぴあ映画生活
グッド・ボーイズ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語@ノラネコの呑んで観るシネマ
グッド・ボーイズ@yukarinの映画鑑賞日記α

『プレーム兄貴、王になる』新宿ピカデリー9

◆『プレーム兄貴、王になる』新宿ピカデリー9

▲ちょっと谷喜隼人と松岡きっ子っぽい。

五つ星評価で【★★★★懐古調とか復古調なのであるが、それが最高】
歌あり踊りありの正面切ってのマサラ・ムービー。最近ではこういう「歌あり踊りあり、しかない」マサラ・ムービーは珍しい。大概、素地は残しつつも何かプラス・アルファを与えている。と言う訳で、ある意味、凄く古めかしいマサラ・ムービーであるが、これがとても良い。まあやはり、来る映画、来る映画、全部これだとしんどいのだろうけど、1年に一本こんなんなら良いかもしれない。
歌と踊りは目を離せなくなる素晴らしさ。あと、パレードに象がいると映える。

替玉の方が本物を凌駕してしまう身代りコメディー。

なんて豪華
なんて盛大
なんて心やさしく
なんて子供だまし。
でも、あえてメチャクチャ騙されたい時もある。だからOK。そんな映画。

王女様が美形は勿論の事、メンタルが超純朴で可愛い。

主役は『バジュランギおじさんと、小さな迷子』のサルマン・カーン。あと『サーホー』で組織にいる謎の男アジャイを演じたニール・ニティン・ムケーシュも出てた。顔で分かったが、名前が分からない、このジレンマ。多分、両方のチラシの出演者で被る名前の人がこの人だけだから合ってる筈。


【銭】
旧作価格で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
プレーム兄貴、王になる(『プレーム兄貴、お城へ行く』)@ぴあ映画生活

『マジンガーZ対デビルマン』渋谷TOEI②

◆『マジンガーZ対デビルマン』渋谷TOEI②
五つ星評価で【★★★だが、ワクワクしてしまう】
1973年、カラー、43分、二回目。
昔、TVで一度観た。劇場で見るのは初めて。
『マジンガーZ』や『デビルマン』のこの曲あの曲がかかって大変気持ちがいい。
機械獣や妖獣が暴れて、マジンガーZやデビルマンがフィーリングで倒していく(AだからBで倒すという論理的な帰結ではなく、あれとあれとこれを使うくらいで相手は倒れるだろうというアバウトな戦い方)のがずっと続くので、話の内容はけっこうクソみたいな感じなのだが、この音楽とたまに出てくる驚天動地のアングルカットなどで全編もれなく楽しめる。
マジンガーサイドの敵はドクター・ヘルとあしゅら男爵、デビルマンサイドの敵は妖獣シレーヌと魔将軍ザンニン。ドクター・ヘルがバリバリ顔色が悪くてサノス色。科学者なのにピチピチ・スーツを着込んでいて、何か凄い人生を歩んでいそうだ。弓教授の声が八奈見乗児でギルモア博士・ボヤッキーで科学者一人3連単でオマケにポチ校長。アルフォンヌ先生なんて1カットだけだが美樹やタレちゃんすら出てないのに、永井一郎が充ててて実に豪華だ。しかし、波平とアルフォンヌ先生一緒って凄いな(昔の声優の履歴見てるとそんなのは山ほどあるけど)。弓教授もボタンを押す時「ポチっとな」と言ってほしい。
銃弾一発でヘルの部下になってしまう妖獣軍団がチョロすぎる。妖将軍ザンニンなんて「ここはお任せください」と言って1分かからずにやられてしまう。おいおいおいおい。妖獣三体出てくる中、一番踏ん張りきいてない。
やはり出番は少ないが不良三人。うちの一人は田の中勇で、鬼太郎のオヤジ以外はこれくらいしか知らない。ボスが女言葉なのが妙に気持ち悪い。昔の不良って割とそんな喋り方をしてたのか。
兜甲児が「さやかさんよりマジンガー」みたいな事いって叱られるノロケカットとか良いなあ。さやかさんは本当に強いんだけど、主人公の前では乙女というボンクラの理想と欲望を固めたみたいなキャラだ。
ドクター・ヘルもわざわざ、さやかさんを浚って手元に妖獣がいるのだから、そこは触手でどうにかしないと! 分かってないなドクター・ヘル! ちなみに兜の弟は美少年の気配がないからどうでもいい。どちらかと言うと弓教授をあしゅら男爵が責めるという方がグッと来る/グッと来るなよ、俺。
「兜工事」って「仲本工事」みたいな変換出た。頭部マジンガーで首から下、真っ白の体操着か。
飛行要塞ナバローンのコックピットにドクター・ヘル、あしゅら男爵と超偉い二人が並んで座って操縦してるの、恋のペアシートみたいで良い。

面白かったです。理由は「何となく」の域を越えないんだけど。


【銭】
旧作価格で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
マジンガーZ対デビルマン@ぴあ映画生活
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マジンガーZ対暗黒大将軍@死屍累々映画日記・第二章
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fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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