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『事故物件 恐い間取り』新宿ピカデリー1、『ウィンダミア夫人の扇』シネマヴェーラ渋谷

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『事故物件 恐い間取り』新宿ピカデリー1

▲この写真以外、スチールがみんな無人の部屋写真ばっか。

五つ星評価で【★★★見所はいろいろあるけど筋物としてはつまらんかな】
いい所も多々あれば悪い所も多々ある、微妙な一本。
いい所の最大最高の一番手は菜緒の怖がり演技。これは金を払うに値する演技だ。恐怖シーンが「CGバリバリやなあ」思った直後に彼女の怖がり演技がカットインすると、恐怖カット塗り替えられて怖くなる。それほど素晴らしい怖がり演技。
恐怖映像は頑張った物と頑張り損ねた物が適当に混ざってる感じ。赤い服の女やエレベーターを降りて殺しに来る男など、どちらかと言うとリアルタイプの幻覚の方が演出に合っているのか出来が良い。
まず、元の芸人、松原タニシを知らないのだが、亀梨君は致命的と言うほどではないが、ちょっと合わない気がする。と言うのは、現役アイドルである為「絶世の美少年」みたいには見せてはいないが、人間としてのポテンシャルの高さがあちこちで見えてしまう。亀梨くんガタイいい。頼り甲斐がありそうに見えるのは構成状マイナスじゃないかと思う。亀梨くんが髪をアップにして頭に手拭巻いてるシーンなんかは、アイドルの美肌にしか見えない。
4軒回るがどこも事象的には解消していない。なのでヤキモキする感じが残る。原因等が明確に分からんからつまらん訳ではなく、誰にでもありそうな話に見えて、そこは恐怖映画としていいのだが、やはり何かしらのレポートは付けないと、映画として雑に見えてしょうがない。


◆『ウィンダミア夫人の扇』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★ルビッチのかーいー映画】
特集「素晴らしきサイレント映画Ⅱ」から1プログラム。
1953年、白黒無声サウンド版、89分、初見。
ルビッチが描く社交界を舞台にしたラブコメ。
ルビッチの描く主人公ウィンダミア夫人がお目めキラキラで、尻軽で可愛い。
ウィンダミア公はある日、アーリン夫人からある秘密を相談される。
ウィンダミア夫人は夫とアーリア夫人の不貞を疑うが、
自身も夫の知人から恋愛を告白される。

いやあ~、少女マンガ(笑)


【銭】
『事故物件 恐い間取り』:ピカデリー前回鑑賞割引で1300円
『ウィンダミア夫人の扇』:一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
事故物件 恐い間取り@ぴあ映画生活
ウィンダミア夫人の扇@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・事故物件芸人 怖い間取り@死屍累々映画日記・第二章
劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人~(題材近い奴)@死屍累々映画日記・第二章
劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人2~(題材近い奴の第二弾)@死屍累々映画日記・第二章
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『痴漢電車 車内で一発』ラピュタ阿佐ヶ谷

企画「最後のプログラムピクチャーと呼ばれて 滝田洋二郎監督と異色のフィルムメーカーたち」から1プログラム。

◆『痴漢電車 車内で一発』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★★これが普通というのが異常な滝田の快進撃】
1985年、カラー、60分、2回目。
2年前に大杉漣の追悼上映をやった上野オークラで初見していた。
女優が織本かおる、星野マリ、竹村祐佳、男優が池島ゆたか、蛍雪次朗、大杉漣だが、大杉漣濡れ場がないのである。
主役は蛍雪次朗、ジョーク東郷こと、ゴルゴ17。時代がもちっと後だったら竹中直人にオファーしてたかもしれないような役。ヒットマンで松田優作みたいな場面もある、シリアスだったら大杉漣がやはり何本か撮ってる。
脚本が片岡修二なのでコメディーっぽい話の転がりは少なめ。驚くのは滝田洋二郎の濡れ場の上手さ。女優三人でそれぞれ色実を変えてエロく撮影してる。竹村祐佳なんて特異な顔立ちで、映えるように撮るのが難しい女優なのに、あー、こんなん上手く撮ってもらって良いなあ。


【銭】
番組料金一般入場料金各1300円。
【関連記事】。
痴漢電車 車内で一発(一回目)@死屍累々映画日記・第二章
・痴漢電車 車内で一発(二回目)@死屍累々映画日記・第二章

『8日で死んだ怪獣の12日の物語―劇場版―』UPLINK吉祥寺5

◆『8日で死んだ怪獣の12日の物語―劇場版―』UPLINK吉祥寺5

▲メインビジュアル。っつか、スチールが会議ソフトの上半身撮影ばっかや。

五つ星評価で【★この長さで、この金を取るべき作品ではない】
「8日」と言うのは映画作品内の怪獣が生きていた時間で、主人公が通販で怪獣を買って届いた日から数えてラストカット(映画内では怪獣が死んだという表現は取られていない)までの期間が8日間である。
では「12日」と言うのは何かと言うと、その怪獣のドラマがインターネットで配信されていた期間だ。
だから「12日」は作品内部の物語の時間とは全く関係がない。「メタ」って奴である。例えば、単に『マクベス』という題では満足せず、『ネットフリックスでマクベスを』ってタイトルその物に公開時の条件を付けちゃうに等しい。そういう感覚は恥ずかしくない?
配信の短い単元の映像を繋ぎ合わせて映画にしたのであるのだろうが、きっとこれが配信なら、そう怒らなかったに違いない。単純に短いからだ。そして、寄せ集めて拵えた物語のテンポは悪い。ふわふわしたニュアンスな話であり論理的な理屈に欠けている話なので、これくらいの物語をまとめて見せようというのなら、30分くらいの長さが妥当じゃないかと思う。それは話に論理的整合性がなさすぎるからだ。御都合主義すぎる。これは美しく装飾されていても他人ルールが支配している他人の夢に他ならない。ルールに口を挟めない他人の妄想を長い時間見るのはしんどい。
主人公が買った怪獣の形が毎日変わる。目まぐるしく変わるが、そこに「何故」とか「理由」はない。強いて言うなら、変わる事によって怪獣談議が花開く。ただ、製作してる人達が楽しく怪獣の話をしたいだけなんじゃない? なら、逆に物語いらなくない? そんな訳でたいそう苦々しい心持ちで見てしまった。
役者は普通。本業から素人に至るまで、下手でもなければ括目して見るほど上手さに圧倒されもしない。いやいやいやいや、別に下手じゃない。映像はシックな白黒で綺麗。そこに関しては流石岩井俊二監督と思った。
そんな規模の作品じゃないと言い返されたら終わってしまうのだけど、怪獣には動いてほしかった。単純に「動く」という要素が怪獣の魅力の一つなのだ。私はそう信じる。


【銭】
UPLINK水曜全員割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
8日で死んだ怪獣の12日の物語―劇場版―@ぴあ映画生活

『唐獅子株式会社』神保町シアター

◆『唐獅子株式会社』神保町シアター
五つ星評価で【★★★横山やすしの味】
1983年、カラー、102分、初見と思ったら全く忘れてるだけで昔一回見てた。
特集「80年代ノスタルジア」からの一本。
曽根中生って確か『嗚呼花の応援団』『野球狂の詩』の併映で見て、汚い絵を汚いまま撮るなあという印象だったが、その辺は変わらない。どこかゴミゴミしてて、日常的。コメディーカットが多いからコメディー映画なのだが、キッチリ落ちを付けるような技巧的な雰囲気がない。鈴木則文から茶目っ気を削って一晩覚ましたみたいな感じ。
そこに横山やすし。横山やすしにヤクザやらそうなんて考えた人は天才でその物ズバリである。ヤクザのいい所も悪い所も入っている。美しいヤクザがいるなら高倉健であり、そうでないヤクザがいるなら横山やすしである。男の意気を賭けてドスを振り回すヤクザがいるなら菅原文太であり、同じ心根を持ってるのにそういう見せ場もなく、地べた這って生きてるのが横山やすしである。見た目も中身も横山やすしのまんまなので(競艇のボート乗ったりするし)、違和感がない。けっこう味があってペーソス溢れる。
そのやすしの兄貴役に伊東四朗。基本いつもと同じ演技だが、やすしと合わせるのは相手が狂犬みたいなやすしだけに安定感があって良い。そう言えば西川きよしは出ていなかったが、カメオだけの出演なら必要なかろう。若い時の紳助とさんまも端役で出てる。どっちもそれなりに美味しい役である。
丹波哲郎親分の命令一下なれないカタギ仕事をさせられるやすし、最初は雑誌編集、次はビデオ撮影、そして最後にタレント発掘。タレント発掘の金の卵は甲斐千恵美。なつかしー。丹波親分作詞の演歌歌手をこれはあかんとロック歌手に変更して、東京のオーディション番組で一発当てる。だがまあ、甲斐千恵美、別に下手じゃないから演歌歌っていてもそんなに違和感はなかった。ロック歌ってる最中、やすしに「胸と声がデカいのが売りだ」と言われるが、そんな胸でかい印象はない。すったもんだで歌が当たって、甲斐千恵美は横山やすしに抱かれたいのだが、横山やすしは我慢する。なかなかクラリスを抱きしめてやれないルパン三世みたいである。『凶悪』のピエール瀧みたいにシャブ打ちながら甲斐千恵美抱いたらまずかろう。横山やすしなんて常にアッパーでヒロポンとか打ってそうだったから、濡れ場のシーンとかあったらはりきっちゃいそうでマズい。ちなみに、横山やすしと一緒に甲斐千恵美をレッスンするピアノが引けるヤクザが桑名正博。コカインで捕まっとるがな。

あとTVオーディション番組の審査委員長が、なぎら健壱。このなぎら健壱がホモで横山やすしに色目を使う。う~ん、ホモで色目を使う、なぎら健壱の存在感が素晴らしすぎる。なぎら健壱は歌手だから当然、歌も上手いのだけど、もし、歌手じゃなかったら、このホモの演技をやるために生まれて来たのだと思う。


【銭】
神保町シアター一般1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
唐獅子株式会社@ぴあ映画生活
▼関連記事。
唐獅子株式会社(一回目)@死屍累々映画日記・第二章
・唐獅子株式会社(二回目)@死屍累々映画日記・第二章

『怪談新耳袋Gメン 2020』キネカ大森1

企画「夏のホラー秘宝まつり2020」から1プログラム。

◆『怪談新耳袋Gメン 2020』キネカ大森1

▲Gメンの雄姿。

五つ星評価で【★★★またまた通常営業】
変異や怪異はゼロではなく起こっているのだが、バエない。ただ、バエないのだ。
音の変異は怖いが地味。
今回シリーズ初演出になる佐藤監督のテンション上げが地味に人体実験みたいで怖い。

はちか可愛いのはいつも通り。


【銭】
テアトル会員割引で1100円で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
怪談新耳袋Gメン2020@ぴあ映画生活

『熱砂の秘密』シネマヴェーラ渋谷

◆『熱砂の秘密』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★ああワイルダー】
特集「ナチスと映画Ⅲ」から1プログラム。
1943年、白黒、97分、初見。
オーソン・ウェルズとビリー・ワイルダーだったら全然ビリー・ワイルダーが好き。でもまあ、正しいのはウェルズの方だろう。ワイルダーの脚本でこんなんは本当にあったとは思えないみたいなのは、山ほどある。まあ、すげえ嘘ツキなんじゃないかなと思うんですよ、ワイルダーは。話が面白くなるのなら躊躇なく嘘を付く。整合性なんて最終的に合ってなくても構わない。建て付けだけ、立ってるように見えればそれでいい。ワイルダーはそういう資質の持ち主だと思う。
そして、この『熱砂の秘密』も嘘が顕著。でも、好き。そもそも、砂漠のホテルに迷い込んだ敗戦の英国将校が後からホテルを接収しに来たドイツ軍から身を守るために事故で死んだ給仕になりすますというのが、もうコメディーバリバリのプロットである。その給仕が実は潜伏して潜入しているドイツ側のスパイである事が分かる追加設定により、英国将校に迫る危機また危機。でも、プロットは成りすましだったり、AさんがBさんとしての顔やCさんとしての顔を持つ事の混乱、というやはりコメディーっぽいプロットなのである。
そのくせ、史実であるロンメルの敗走が、このホテルでの独英仏伊の4人の痴話喧嘩に端を発しているなど、まことしやかに嘘を付き、物語の中ではこれはこれでそれなりに納得出来てしまう筋立てになっている。「なっている」じゃねえよ。力技もいいところだ。でも、そんな嘘が随所随所、面白い。
劇中ホテル従業員のフランス女性が英国将校をなじる場面がある。彼の弟が、あのダンケルクで捕虜として捕まったらしい。映画『ダンケルク』では困難の末、英国軍が兵隊全員を魔法のように撤退させ、ドイツに一泡吹かせた、みたいなまとめ方になっていたが、実際の所はどうにかイギリス人のみは潮が引くように片付けたが、イギリス人以外はそこそこほったらかし、みたいなニュアンスだったらしい。連合国全体から見たら決して作戦成功ではなかったのね。おもろ。
『熱砂の秘密』というタイトルだけに、割とちゃんと驚くような「秘密」が用意されているのだが、ちょっと、ザ・ぼんちの「恋のぼんちシート」を思いだした。「♪A地点からB地点まで、行くあ~いだに、ボクは恋をしてたんです」って奴。勿論そのままでは使えないので「A地点」と「B地点」は「P地点」「T地点」に変えないといけないのだが。


【銭】
一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
熱砂の秘密@ぴあ映画生活

『謎のストレンジャー』シネマヴェーラ渋谷

◆『謎のストレンジャー』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★ウェルズ節に乗り損ねる】
特集「ナチスと映画Ⅲ」から1プログラム。
1946年、白黒、94分、初見。
隠れナチスを探せ、狩り出せ、吊し上げろ的な第二次大戦終結1年目のオーソン・ウェルズの映画。
コントラストが厳しい画面がウェルズっぽい(かな?)
♪日曜日はストレンジャー
いや、石野真子かんけーない。
メイン・ヒロインになるお嬢さんが「美しい」とか「可愛い」とかより、「フランケンシュタインの花嫁」っぽい。コントラストが強く、そのコントラストに負けないように化粧や隈取りが強く、良くも悪くも強烈に画面に映える。
もっとも、それはメインヒロインのみではなく、追う側も、追われる側も、セリフが付いてるような役者はみな同じように濃い。
あと、BGMや効果音が嵌るところにポンと嵌る。逆に言えば、今ではバラエティーでさえやってる、音での効果強調を凄く地道にやっている。
会話内容とか上手く転がしてる。逆にアクション一辺倒になるラスト前、映画が目には映っているのに心に沁み込んでこないと言うエンジン空ぶかしみたいな状態になってしまった。睡眠不足が悪かね。


【銭】
一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
謎のストレンジャー@ぴあ映画生活

マンガ『異世界からの企業進出!? 第1~2巻』原作 七士七海 漫画 鵜山はじめ、ヤンマガKCを読書する男ふじき

ブラック企業を勢いでやめてしまった社畜の主人公が魔界の企業に就職。持ち前の頑張りで異世界のダンジョンを切り開いていく(というのが仕事なのだ)。
1巻。主人公が凡庸なコツコツタイプって好き。人事部のダークエルフ、スエラさんが可愛い。
2巻。晴れて社員になった主人公が徐々に頭角を表わしていく。よいぞよいぞ。
ラスコマの引きが挑発的。早く次が読みたいわい。

『王の涙 -イ・サンの決断-』トーホーシネマズ池袋4

◆『王の涙 -イ・サンの決断-』トーホーシネマズ池袋4

▲五分割してる左二つ目のコマが恐るべき祖母。

五つ星評価で【★★★★ヒョンビン繋がり】
ヒョンビンの旧作『王宮の夜鬼』見たら、同じく旧作のこれを勧めてくれる人がいて、ちょうど1日だけ上映があったので見に行きました。
おー、おもろい。
ヒョンビンだけの手柄でもないけど、『王宮の夜鬼』よりはこっちの方がストレートに苦労人な役で良い。こういう役柄は日本人として凄く好感持つ。怠け者よりは誠実な努力家が好きよ、ごくごく普通に。

半島の歴史的な素地は分からんので、最初に軽く説明してくれたのは助かった。配給会社はこういう労を惜しんではならない。
権勢のない王様を主役に、濃いキャラの男女が王宮に渦巻く。ゾンビは出てこない。
が、ゾンビ以上に、王の祖母(祖父王の再婚相手なので若い)が怖かった。人としての考えが読めない。これがとても怖い。同情心や憐憫などを感じず、痛痒なく敵を退ける。敵でなくても1%でも敵の可能性があれば摘む。どちらかと言えば楽しんでる素振りさえ見せてやる。こわいわ、人間離れしてて。
同様に怖いのは、王宮の役人に盗みや殺しなどの汚い仕事をさせる奴隷を売る人買い、これもメンタリティーの壊れ方が並以上で怖かった。リアリストを突き詰めるとこの二人のようになるのかもしれない。
あと、強烈なキャラは王宮に売られた3人の奴隷。
自分達の仕事に疑問を持ちながらも雁字搦めに縛られてひっくり返す事は出来ない。
彼等は自分達も、仲間も、卑しいが故にどちらの勢力からも捨て駒として使われる事を知っている。
そして奴隷の一人は遂に知る。この連鎖を断ち切れる才能が王かもしれないと。そして、その芽は今、摘まれようとしていると。

王の実戦的な短弓がかっけー。

物語の冒頭で時制が順序ポコポコ変えるのは面食らう。


【銭】
旧作公開価格で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
王の涙 -イ・サンの決断-@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
王の涙 -イ・サンの決断-@いやいやえん

『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』EJアニメシアター新宿、『第十七捕虜収容所』シネマヴェーラ渋谷

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』EJアニメシアター新宿

▲イカレ主人公。

五つ星評価で【★わはははははは、ダメだろ、こんなん】
上映時間25分、学校を模したと思われる閉鎖空間内で準精霊、精霊と呼ばれる少女たちが武器を使って最後の一人になるまで殺し合う。最後の一人にはどんな願いでも叶えられる権利が与えられる。『ハイランダー』とか、『仮面ライダー龍騎』のアレである。しかし、殺し殺され合う人達は何の保証があって、「何でも叶えられる権利」の有効性を信じるのかね。それに、主人公達が最強であり、「どんな願いでも適えられる能力」を持つ者がいるのなら、そんなんそれぞれが殺し合いなどするより、ゲームメイカーを制圧して、いくらでも望みを適えさせた方が効率的だと思うが、そうは考えないらしい。まあ、ラスボスがゲームメイカーという可能性が亡きにしもあらずだが。
ゲームか、ラノベか、元々のオリジナルがあり、これはスピンオフ作品らしいので、見に来てる観客は基本設定を知ってるらしい。ちっ、俺だけハブかよ。
「せんそう」とルビを振った「デート」は視覚効果から、それなりにおもろい。でもまあ、25分の長さで、これだけ何も説明もせず、冒頭から爪先ちょっと線の外に出してみました的なはかどらないシナリオの癖して、堂々エンドロールをバンと出してきた時には笑った。


◆『第十七捕虜収容所』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★★おもしれーのなんのって】
特集「ナチスと映画Ⅲ」から1プログラム。
1953年、白黒、121分、初見。
流石ビリー・ワイルダーと言う感じで捨てる所がない面白さ。
裏切者の汚名を着せられた一匹オオカミの男が真犯人と対峙する場面のサスペンスがたまらん。
この映画を元にいろいろな方向に間口を広げたような映画に『大脱走』があり、あれはあれで傑作だが、それでもこっちの方が全然好き。多分、あれはあれでスティーブ・マックイーンが主役のようで、他の捕虜それぞれにスポットライトがあてられて、みな全員に花を持たせてるような映画だけど、これは全員均等にそれぞれを主張させつつ、最後は捕虜の中に埋もれていたウィリアム・ホールデンに強烈なまでにスポットライトを当てて、強引に彼の映画にしてしまう。そこが気持ちいいのだろう。


【銭】
『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』:イベント上映番組価格1300円均一。30分しかないのに高っ!
『第十七捕虜収容所』:一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
デート・ア・バレット デッド・オア・バレット@ぴあ映画生活
第十七捕虜収容所@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・デート・ア・バレット デッド・オア・バレット(前編にあたる)@死屍累々映画日記・第二章
デート・ア・バレット ナイトメア・オア・クイーン(後編にあたる)@死屍累々映画日記・第二章
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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