『Fate/stay night [Heaven’s Feel]III.spring song』トーホーシネマズ日本橋3
- Date
- 2020/09/13/Sun 11:06
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
◆『Fate/stay night [Heaven’s Feel]III.spring song』トーホーシネマズ日本橋3

▲「桜、ものすごい魔力を身に付けたが服のセンスは最悪だな」と誰か言ってやってください。
五つ星評価で【★★話が雑い、でもBGMがステキなのが相変わらず】
私、ゲームをやらない人なので、詳しくは知らないのだが、「Fate」って立派なエロゲーという事らしい。今回の三部作以前の映画はその辺を上手い具合に避けて、アクション・ゲームのように振る舞っていたのだけど(勿論そういう側面もあるのだろう)、今回の三部作では前二作目で遂にその「箍」が外れまくって、一作目で純情ヒロインとして売りだしていた間桐桜を売女的に闇落ちさせて観客を唖然とさせた。その落とし方があまりに非道でおっちゃんつか爺さんはいたく興奮した。なまじっかのSM映画よりひどい被虐だよ。一つ分かったのは、ファンタジーを味方に付けた被虐はけっこう無敵。ゲラゲラゲラゲラ、そんな真理発掘すんなよ。
さて、なのだけど、にも関わらず二作目でそれだけの事をやってのけたので、三作目はエロゲー的な側面は減じた。今回のシリーズでの「エロ」のボルテージを数字で表わすなら、
一作目:10/100
二作目:90/100
三作目:15/100
てな感じじゃないだろうか。桜さん恥ずかしいビジュアルの、妙な服を着てるだけで、悪役としては機能するけど、エロとしてはそんなに機能してない。そこはお前がその立場になったのなら、他の女子キャラを闇落ちさせるのがお前の使命なんじゃないのか?
このシリーズや似た系統の「空の境界」シリーズで、強く心に刻まれる「大事な何かを失う痛み」が今回の三部作で一番色濃かったのが二作目であり、三作目はそのケツを拭くだけで終始してしまった感じであり、衝撃が弱い。非道な事をあからさまに言うなら幼女を目の前で斬殺してもいいし、桜の姉である(らしい)遠坂凛を性に溺れさせてもいいし、主人公の衛宮士郎を多数の男達に犯させてもいい。お、俺、おかしいっすか。一回外した「箍」はどんどん外すべきだ。躊躇してはいけない。
とは言うものの、そういう事を言うのにも実は躊躇がある。私は「Fate」というゲームをやっていないし、この三部作の映画を通してですら、あまり話がよく分からなかったからだ。明らかに説明不足である。三本も映画があって何をやってたんだよ。こういう設定であるという事は説明されるのだが、その設定が「確からしい」という説得力が薄い。「聖杯戦争」という物がある事は説明されても、そもそもその「聖杯戦争」の根拠が曖昧である。そこに投入される「大いなる力(聖杯戦争の根拠)」の出自さえ明確でない。ユダヤ・イスラム・キリスト教的な一神教の何か(エホバ=アラー)なのか、それ以外の何かなのか。別にそれが何であってもいいのだが、そういうのちょっと匂わすだけでも深みが増すのに。料理で言うなら、出汁を取らずに調味料だけで味を調えたスープみたいである。
キャラは、横綱相撲的に強いセイバーさんより味方だと頼れるし、想像以上に運動性能の高いライダーさんがステキだった。
逆にセイバーさんは乗り越えられる壁という位置しかもらえなかったので、キャラにさえ到達していない感じが不憫。
衛宮士郎くんは左手の封印を解くと無双。サイコガン扱うコブラかよって例えが古い。しかもあれは右手だった気がする。あの継ぎ接ぎした太い手で大リーグボール3号を投げて左腕の神経をイワしてほしい(何じゃそりゃ)。勿体ぶって封印を解いた割には、そんなに困った事になってない。そこを丁寧にやるには時間が足りないか。
遠坂凛はギリギリの線でちゃんとキャラとして成立、いやあ、鼻っ柱強いんだからへし折ってほしくはあった。逆に「へし折られはしない」というのが遠坂凛の個性なのかもしれないけど。
残り、神父と爺ちゃんの壊れっぷりが目を引くがあまりに人間感情として異質なので感情移入ができない。だって、ごくごく近くに神父さんみたいな人はいないから。私がSMの人で身近に究極のMみたいな人がいたら分からなくはなくなるのかな? まあ、実生活において分からないで充分である。
桜がずっとエロい仕打ちを受け続けて、それがプラトニックLOVEな士郎にバレて、化け物みたいなパワーを爆発させてしまうと言うのがシリーズの肝なのだけど、士郎が「ナイスですねえ」というようなタイプだったら、実は単にエロいバカップルが一つ爆誕するだけで終わってしまう話ではないのか? 士郎が気取らず「そんな桜にいつも勃起してたのでございます」と言ったら、桜は闇落ちしなかったのではないか? 士郎の封印してる左腕ってチンチンのメタファーじゃないのか? まあ、そこまでダイヤモンド映像的な「Fate」は皆に求められていないのかもしれないけど。
相変わらず音楽がいつも通り良かった。あの良すぎる音楽で「志高」的な何かのように勘違いさせられるのだけど、その実、日本の奇祭とかでチンチンの張り子を振るうような盛り上がりと素地がいっしょっぽいってのが「Fate」の愛される「変さ」なのだと思う。
【銭】
チケット屋で前売券1200円で見つけてGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]III.spring song@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・Fate関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章

▲「桜、ものすごい魔力を身に付けたが服のセンスは最悪だな」と誰か言ってやってください。
五つ星評価で【★★話が雑い、でもBGMがステキなのが相変わらず】
私、ゲームをやらない人なので、詳しくは知らないのだが、「Fate」って立派なエロゲーという事らしい。今回の三部作以前の映画はその辺を上手い具合に避けて、アクション・ゲームのように振る舞っていたのだけど(勿論そういう側面もあるのだろう)、今回の三部作では前二作目で遂にその「箍」が外れまくって、一作目で純情ヒロインとして売りだしていた間桐桜を売女的に闇落ちさせて観客を唖然とさせた。その落とし方があまりに非道でおっちゃんつか爺さんはいたく興奮した。なまじっかのSM映画よりひどい被虐だよ。一つ分かったのは、ファンタジーを味方に付けた被虐はけっこう無敵。ゲラゲラゲラゲラ、そんな真理発掘すんなよ。
さて、なのだけど、にも関わらず二作目でそれだけの事をやってのけたので、三作目はエロゲー的な側面は減じた。今回のシリーズでの「エロ」のボルテージを数字で表わすなら、
一作目:10/100
二作目:90/100
三作目:15/100
てな感じじゃないだろうか。桜さん恥ずかしいビジュアルの、妙な服を着てるだけで、悪役としては機能するけど、エロとしてはそんなに機能してない。そこはお前がその立場になったのなら、他の女子キャラを闇落ちさせるのがお前の使命なんじゃないのか?
このシリーズや似た系統の「空の境界」シリーズで、強く心に刻まれる「大事な何かを失う痛み」が今回の三部作で一番色濃かったのが二作目であり、三作目はそのケツを拭くだけで終始してしまった感じであり、衝撃が弱い。非道な事をあからさまに言うなら幼女を目の前で斬殺してもいいし、桜の姉である(らしい)遠坂凛を性に溺れさせてもいいし、主人公の衛宮士郎を多数の男達に犯させてもいい。お、俺、おかしいっすか。一回外した「箍」はどんどん外すべきだ。躊躇してはいけない。
とは言うものの、そういう事を言うのにも実は躊躇がある。私は「Fate」というゲームをやっていないし、この三部作の映画を通してですら、あまり話がよく分からなかったからだ。明らかに説明不足である。三本も映画があって何をやってたんだよ。こういう設定であるという事は説明されるのだが、その設定が「確からしい」という説得力が薄い。「聖杯戦争」という物がある事は説明されても、そもそもその「聖杯戦争」の根拠が曖昧である。そこに投入される「大いなる力(聖杯戦争の根拠)」の出自さえ明確でない。ユダヤ・イスラム・キリスト教的な一神教の何か(エホバ=アラー)なのか、それ以外の何かなのか。別にそれが何であってもいいのだが、そういうのちょっと匂わすだけでも深みが増すのに。料理で言うなら、出汁を取らずに調味料だけで味を調えたスープみたいである。
キャラは、横綱相撲的に強いセイバーさんより味方だと頼れるし、想像以上に運動性能の高いライダーさんがステキだった。
逆にセイバーさんは乗り越えられる壁という位置しかもらえなかったので、キャラにさえ到達していない感じが不憫。
衛宮士郎くんは左手の封印を解くと無双。サイコガン扱うコブラかよって例えが古い。しかもあれは右手だった気がする。あの継ぎ接ぎした太い手で大リーグボール3号を投げて左腕の神経をイワしてほしい(何じゃそりゃ)。勿体ぶって封印を解いた割には、そんなに困った事になってない。そこを丁寧にやるには時間が足りないか。
遠坂凛はギリギリの線でちゃんとキャラとして成立、いやあ、鼻っ柱強いんだからへし折ってほしくはあった。逆に「へし折られはしない」というのが遠坂凛の個性なのかもしれないけど。
残り、神父と爺ちゃんの壊れっぷりが目を引くがあまりに人間感情として異質なので感情移入ができない。だって、ごくごく近くに神父さんみたいな人はいないから。私がSMの人で身近に究極のMみたいな人がいたら分からなくはなくなるのかな? まあ、実生活において分からないで充分である。
桜がずっとエロい仕打ちを受け続けて、それがプラトニックLOVEな士郎にバレて、化け物みたいなパワーを爆発させてしまうと言うのがシリーズの肝なのだけど、士郎が「ナイスですねえ」というようなタイプだったら、実は単にエロいバカップルが一つ爆誕するだけで終わってしまう話ではないのか? 士郎が気取らず「そんな桜にいつも勃起してたのでございます」と言ったら、桜は闇落ちしなかったのではないか? 士郎の封印してる左腕ってチンチンのメタファーじゃないのか? まあ、そこまでダイヤモンド映像的な「Fate」は皆に求められていないのかもしれないけど。
相変わらず音楽がいつも通り良かった。あの良すぎる音楽で「志高」的な何かのように勘違いさせられるのだけど、その実、日本の奇祭とかでチンチンの張り子を振るうような盛り上がりと素地がいっしょっぽいってのが「Fate」の愛される「変さ」なのだと思う。
【銭】
チケット屋で前売券1200円で見つけてGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]III.spring song@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・Fate関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章
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