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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』神保町シアター

◆『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』神保町シアター
五つ星評価で【★★珍品は苦手】
特集「渡哲也 わが青春の日活撮影所アンコール」から1プログラム。
1970年、カラー、86分、初見。
乗れなかった。
登場人物はみな必要以上にキャラが立っているが、三つ巴の抗争が分かりづらいし、勝ち負けが付いた時点での爽快感も乏しい。
・半グレチーム(渡哲也+原田芳雄+梶芽衣子)
・ヤクザチーム(今井健二+成田三樹夫)
・暴走族チーム(沖雅也・他)

半グレチームはヤクザチームに出し抜かれて、その結果、暴走族チームに借金がある。暴走族チームが半グレチームから取り立てを行う事により抗争化、半グレチームはヤクザチームに対抗し、その成果を暴走族チームと二分。

みんないがみ合っていて、その中央にマリファナとその売り上げがあるのだが、登場人物の誰もがそんなに金を欲しがってるように見えないので感情の流れが形骸化して乗れなかったのだと思う。キャラはみなそれぞれそこに配置されているが、そこで泣いたり怒ったりする理由に乏しい。

そもそも渡哲也が何故刑務所に入っていたかは何も語られないし、そんな渡哲也をスカウトに来た原田芳雄が何を持って渡哲也を連れ帰ったのかも分からない。ムショから出てきたのが川谷拓三だったらどうするんだ? すぐ死ぬし、死ぬカットが長いぞ。そして居つくようになる渡哲也の気持ちもさっぱり分からない。友情とか愛情とかでなく、居場所がないからって理由なんだろうが、それにしては場所に馴染みすぎる。ふらっと現われてラスボス位置に収まる成田三樹夫はいつも通りだから違和感がないのだが、あの暴力団がスカスカで、銭が儲かって嬉しくってたまらないという空気が希薄。原田芳雄に敵対して銭を取り戻したい暴走族も、普段の生活が「暴走」という不思議にファンタジーな集団で、ここも銭に困ってる風には見えない。勿論、金持ちにも見えないが、東欧の神話の鍛冶屋の小人みたいに、存在する事だけが彼等の仕事に見えてしまう。
おいおいおいおい、みんないい年なんだからちゃんとやろうよ(俺か、俺だけが乗れなかったのか)。

渡哲也はモッサリしてて、服も『じゃりんこチエ』の脇役みたいな古スーツでイケてない。暴力を振るう時だけちょっと輝くって難儀なキャラ。
原田芳雄は中年以降しか知らなかったが、若いとこんなんなんか。かっけー。
梶芽衣子、映画の中で無駄に美人。マジにあんな美人である必要はない。
成田三樹夫、ザ・いつも通りで安心する。
沖雅也、革ジャンで、武闘派の眠そうじゃない沖雅也は新しい。いや『必殺仕置人』の棺桶の錠が現代に来たと言えばそんな役でもあるか。

背景は新宿の筈だが、猥雑な繁華街はあまり映らない。でかい車体のバイクを複数引き連れた暴走族を映せるロケ地に限りがあったのか、妙にオフィスオフィスしたビルの狭間みたいな土地で、「銀座アウトロー」でも「東京アウトロー」でも通じそうだ。


【銭】
一版1300円から神保町シアター水曜一律割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
新宿アウトロー ぶっ飛ばせ@ぴあ映画生活
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