


▲画像はシネロマンさんから借りてきました。
◆『春画夫婦の秘かな愉しみ』五つ星評価で【★★役者が皆かーいらしい。】
今野由愛主演、たんぽぽおさむ、出演
坂本太監督 2006年のエクセス映画、初見。
売れない浮世絵師が枕絵を依頼され、艶笑ピンク。
主演の今野由愛が可愛い。まあ、それでいいだろ。
◆『人妻弁護士 真っ赤なざくろ』旧題
◆『女弁護士 強制愛撫』五つ星評価で【★★★なんか凄く絵作りが妙にスタイリッシュ】
冴島奈緒主演、幸野賀一、相沢知美、村上ゆう出演
関良平監督、1998年のエクセス映画。60分。初見。
話が大きな幹のみで、これと言って面白い話ではないが、要所要所の撮影が妙にスタイリッシュで、登場人物に深味が付いて見えるため、ちょっといい映画を見たような錯覚を起こしてしまう一本。やっぱり、これは錯覚で、大した映画ではないよなあ。
ムショ帰りの男が法律事務所に立寄る。執行猶予がつかず実刑判決を食らってしまった弁護士に対して怨みがあるのだ。弁護士は自分が雇っている女弁護士と寝んごろで、女弁護士は復讐の為に浚われて強姦される。その件で女弁護士と弁護士は破綻するが、弁護士の対応に優しさがなかったため、女弁護士はムショ帰りの男に弁護士を浚って同じ目に合わせる事を頼む。
冴島奈緒がタイトルロール演じているだけあって濡れ場もメインで、いい身体をしているんだけど、顔が何かいかつい。まあ、そうだ。そういう人だった。ムショ帰りの男の妻で、バーテンが村上ゆう、獅子っ鼻のお姉ちゃんだが、この映画では妙に可愛く撮れている。あまり、村上ゆうを可愛いと思った事はなかったので自分的に意外だった。
ムショ帰りが冴島奈緒を強姦するが、冴島奈央とはバーで顔見知りでもあるため、トラウマになるようなヒドイ強姦ではない。
そして、ムショ帰りが浚ってきた男に対して、同じ目に合わせるために強制的にセックスをさせられるのだが、その相手が冴島奈緒本人と言うのは論理的に頭がおかしい。別にカットとして撮っておかなくてもいいから、男にでも犯させれば良かったのではないか? ノンケ向き成人映画では、それをやったら負けか。
◆『女高生(スケバン)SEX暴力』「スケバン」はルビ
五つ星評価で【★★★★異世界もの】
片桐夕子主演。
白井信明監督。 1973年のロマンポルノ。初見。
片桐夕子の負け犬っぷりと言うか、犯罪者が卑屈に笑うみたいな表情がいつまでも心に残ってしまう1本。
1973年頃のスケバンと言うのがもうどこかこの世の物と思えない。不良女子、昔からスカートは長目。脚はストッキングにガーター(ガーターベルトではない)。一人としてパンストを履いてる人間がいないのは、まだ爆発的な売れ行きに至っていなかったか、高校生が着用するアイテムとしては高価だったからだろう(推測)。この時期のスケバンと言えばマンガ版の
『スケバン刑事』があるが、あれは学園闘争もので麻宮サキはスケバンと言うより、義理人情に硬い侠客みたいな女子高生であり、決してスケバンファッションではない。ここから10年くらい経つとドラマの
『スケバン刑事』や
『ビー・バップ・ハイスクール』などで、今のスケバンに近いファッションに移行して行く。この映画の中でビックリしたのは「OL番長」という言葉。OLになって「おいおいおいおい」みたいなヤンチャしてる人がいるのかと思ったら、OBやらOGに相当する概念で、社会に溶け込みつつ、女子高生のスケバンから吸い上げた上納金でおいしい目を見てる。怖い怖い。
あと、ラスト、スケバン世界のしがらみを全て捨て去り、現総長をやつつけ、後ろ盾であるOL番長の相談役もコテンパンにした片桐夕子が微笑む笑顔が寺山修司っぽくて怖いと思った。でも、凄みがある顔で魅力に溢れている。
PS そうそう、敵のスケバンと仲のいい三人組の男の不良が出てくる。そのリーダー格が学ランに赤のカラーシャツ。これは中々、
『ビー・バップ・ハイスクール』とかと地続きでもないなとか思ってたが、腰の所にバカボンのパパが着用してるような立派な腹巻が巻いてあった。うわあ、かなり初期の昭和だわ。
【銭】一般入場料金は1800円だが、劇場に無料で置いてあるスタンプカード割引で1500円(スタンプ八つ目で満スタンプ/期間一カ月無料の招待券になる/ちなみにポレポレ東中野にも何気に置いてある/って書いたら置いてなくなってしまった)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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春画夫婦の秘かな愉しみ@P.G.
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特集「一周忌メモリアル 折れない花・原知佐子」の1プログラム。
◆『女賭博師鉄火場破り』シネマヴェーラ渋谷五つ星評価で【★★★★賭博の異能が凄い】
1968年、カラー、87分、初見。井上芳夫監督。
江波杏子の「女賭博師」シリーズの第七弾で、シリーズその物からして見るのが初めてなのだが、映画として独立しているので何の支障もなし。権力構造的に一番悪いのはラスボス位置にいる成田三樹夫の筈なのだが、江波杏子の前に立ちはだかる最後の敵は育ての親と父親を自殺に追いやってしまった因縁を持つ妹分である。単に外道を成敗して手打ちという形ではなく、「人には避けて通れない戦いがある」というシナリオ作りは物語の説得力を否が応でも高めてたまらない。
一番、権力を持っているのは成田三樹夫だが、彼は彼なりに大きな賭場を経営する業界の一人者であり、ただその役得で江波杏子を一回抱きたかっただけであり、袖にされてむくんでいるという何だかとっても可愛い親分。ペットにポケットモンキーを飼っているのがオシャレ。
サイコロを使った壷振り、敵の出す数字を当てるカルタで戦いは行われるが、その緊張感が半端ない。どちらの賭博師も思った目が出て当たり前、敵の札を当てられて当たり前の世界なのである。おいおい、超能力者かよ。この戦いの描き方がホットでクールでたまらない。
江波杏子ヘビみたいで怖くてステキ。
【銭】一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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女賭博師・鉄火場破り@ぴあ映画生活
♪ 私が織田さんになったら延暦寺焼き討ちよ。
とても心配だわ、あなたは若い僧が好きだから。
以上
特集「ソフィスケイテッド・コメディへの招待」の2プログラム。
◆『街角 桃色の店』シネマヴェーラ渋谷五つ星評価で【★★★★ルビッチ凄い】
1940年、白黒、99分、初見。エルンスト・ルビッチ監督。
盤石。
『ユー・ガット・メール』のオリジナルとのこと。
口から生まれたようなメグ・ライアンは成程適役かもしれない。
しかし、スマートと言うより最軽量の鉄骨に近いボディーのジェームズ・スチュアートの役をトム・ハンクスってのは土台無理がある。リメイクを見て面白かったという印象は残っているが、オリジナルを見た後だと「トム・ハンクスはないだろ」と思わざるを得ない。覚えてないけど、トム・ハンクスがジェームズ・スチュアート寄りの演技をしたのだろうか? それは
『七人の侍』で左卜全に宮口精二の役をやらすような愚行ではないか? それくらいイメージが合わない。キャスティング・ディレクター能なしよのう(いや、トム・ハンクスが上手く凌いだのかもしれないが)。やっぱり心は優しいけど、決して外見には出ず、自分の仕事に誠実な為に、周りとは諍いが起きがちで、それがきっかけで職も恋も失いそうになる皮肉屋はトム・ハンクスではないだろう。そして、ああ、これも又クリスマスの映画なのだな。ハリウッド黄金時代のモノクロ映画とクリスマスはよく似合う。クリスマスの清さ正しさが見せかけの物であっても、その裏のゴッサム・シティでひどい悪事が行われていようとも、映画の中だけは善行が行われ、幸せな笑顔であふれる。そんな幸せを信じられるのはアメリカン・ニューシネマより前の映画が現実を売りにしていなかった時代までなのだ。
原題直訳だと
『街角にある店(The Shop Around the Corner)』なのだが、
『街角 桃色の店』ってタイトルはやらかしてしまったなあ感が強烈。
ちなみに、この映画の社長の妻役は2020年のクリーンヒット
『アルプススタンドのはしの方』に出てきて出てこない登場人物・矢野の控えめなご先祖と言っていいかもしれない。まあ、矢野ほど鮮烈ではないが、社長の妻は確かにあの世界のどこかにいるのである。
◆『小間使』シネマヴェーラ渋谷五つ星評価で【★★★ルビッチ快調】
1946年、白黒、97分、初見かと思ったら二回目。エルンスト・ルビッチ監督。
「うわ、見た事あるじゃん、これ」配管工の話題が出るくらい(冒頭1分)で気が付いた。事実上のルビッチの遺作らしい。ルビッチどれ見ても面白いんだけど、配管工の仕事をあんな山師のように書いたのは本当によくないと思う。小間使いのジェニファー・ジョーンズは冒頭シンクの下にスカート姿で潜り込むところから、性的なアイコンとして描かれている。冒頭のシンク(中盤にも出てくる)がもう女性性器の暗喩であり、それをお客さんの目の前で貫通したりしたら、上流社会では怒るだろう。ラスト、剥き出しの黒いストッキングを手に主人公シャルル・ボワイエの元に駆けつけるジェニファー。欧米は靴社会で、靴を脱ぐのはベットで寝る時かシャワーを浴びる時、という事で「靴を脱ぐ」という行為をエロいと感じる欧米人は多いらしい。その靴下(贈答品だから未使用だけど)を隠しもせずに露出して見せつけるように追いかけてくる女。これ案外パンツ(パンティーの方のパンツ)を手にヒラヒラさせながら追いかけてくるみたいな光景じゃないだろうか? そして二冊目の推理小説。脚本の流れ上、観客はこの推理小説の発行により、ジェニファー・ジョーンズが出産した事を知るのである。配管を通す(処女膜破壊)から始まって下着をヒラヒラさせて、男を誘った後に出産って、エロ暗喩総決算かよ!(そんなん言うんは俺ぐらいじゃ)
遺作侮りがたし。
与作も頑張って木を切れ。
【銭】それぞれ一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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街角 桃色の店@ぴあ映画生活・
ルービッチュの小間使 クルーニー・ブラウン@ぴあ映画生活▼関連記事。
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小間使(1回目)@死屍累々映画日記・第二章・小間使(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
割と近々に鑑賞した5本をまとめてライトに。
◆『新感染半島 ファイナル・ステージ』ユナイテッドシネマ豊洲1
▲「どっちの味方する?」「おんなぁ~!」「だろうな」
五つ星評価で【★★★★マッドマックス的なゾンビ・ムービー】
ドカン、ズダン、ズダダダダダダ的な一本。
まあ、まず、シリーズとしては前作の方が人気があるのは分かる。
前作は普通のゾンビ映画を越えるゾンビ映画だったが、
今作はそのゾンビが添え物になっている。
今回はカー・アクションが一番の見せ場であり、
ゾンビはその障害物にすぎない。話の設定さえ合えば
マンモスだろうが、恐竜だろうが、マツコ・デラックスの
大群だろうが、何でもいいのだ。そこが面白い所でもあり、
前作のゾンビのユニークさを好んだ者からすれば歯痒い所でもある。
ぶっちゃけ
『新感染』+
『地獄のデス・ロード』である。
行って帰る物語でもあるし
(但し、楽園は半島の外にあるし、そこはそこで生きづらい)。
ああ、でも、ドカン、ズダン、ズダダダダダダなんである。
そんな映画は嫌いになれない。
あと、ロリ的にうずく映画(未就学児ではなく、
生理始まったばかりくらいな方にウズウズする/
あえて無視されたのだろうが、あんな世界で4年間、
野郎どもはそこそこ近くにいるというのに
誰一人女を抱けてないし、その女を捕まえようとしないのは、
不自然。そんなに男同士がいいのか。BL花盛りかよ。
腐女子を叩き込んでヒドイ目に会わせてやりたくなる)。
そんな話です(違うだろ)。
◆『私をくいとめて』テアトル新宿
▲のんとけんと。
五つ星評価で【★★★積極的な肯定を拒めと俺の中の誰かが言う】
ドカン、ズダン、ズダダダダダダではない映画。そら、そうだ。
世の中「ドカン、ズダン、ズダダダダダダ」な映画の方が少ないのだ。
頭の中に「脳内相談役」が爆誕した「のん」が、
林遣都にハラホロヒレハレになった挙句、
「今更、恋なんて出来てたまりますかバカヤロー」みたいに
異常なドーパミング状態になり、破滅寸前、
敵のATフィールドをこじ開けながら、収まるところに収まって、
マ○コがチ○コを収める濡れ場までは描写しない映画。
的確じゃないか、俺(イヤな的確だ)。
「のん」が精神異常者手前の熱演。まあ、あれ、同じ監督の
『勝手にふるえてろ』の松岡茉優みたいなもんだ。同監督の
『美人が婚活してみたら』『甘いお酒でうがい』も、同じようにジタバタする女の映画であるが、二つとも主人公がカワイコちゃんではなく、美人系である。これは私が野郎だから思うのかもしれないが、美人がジタバタしてもがく様は割と見ていて苦しげ。カワイコちゃんがジタバタしてもがく様はつまずくポメラニアンみたいに更なる可愛さを感じてしまう。できれば大九監督にはこっちのタイプの女優さんを使ってほしい(単に向くと思う)。ただ、大九監督ドラマとしては正しく見れるのだが、極めてテレビ的と言おうか、何か映画っぽくないのが気になってる。今時、ロングで引く映画撮りばっかりで撮る監督の方が少ないかもしれないが、映像的にも映画っぽくなく、エピソードの単位が細かく羅列するので、強く物語の中に引きこまれるのが抑えられてしまう。面白い物を見せられているのは確かなのだが、没入感が低いのかもしれない。
脳内相談役のあの人(映画内に姿も出てくる)、なかなか味があって、そして、とても紳士を思わせるいい声だと思う。なので、姿が出てきた時に「うわ」とか思ってしまう。意地悪いなあ(撮る方も見る方も)。あ、あれ、声と見掛けでWキャストらしい。なんつか、贅沢なと言うより、やはり、意地の悪さを感じてしまう。
あと、片桐はいりが飛び道具的な役割ではなく、いい味わいだった(飛び道具的な使われ方も勿論好きなのだけど)。
◆『銀魂THE FINAL』ユナイテッドシネマ豊洲10
▲良い子、悪い子、普通の子。
五つ星評価で【★★★ちょっと長い】
みっちり詰まってる。詰まりすぎじゃないだろうか。ただ流れの方向が予見できるにしてはアクションは長い。アクションは割とルーチンっつーか、繰り返しが多いから飽きてしまうのかもしれない。しかし延々と突っ込みがあきらめないのは相変わらず凄い。あきらめたらゲーム終了ですみたいな。主題歌はスパイエアだが、挿入歌のドーズの方がバリバリかっけー。スパイエアの方がメロディーがキャッチーなのだが、キャッチーであるよりも、鈍く凄みが効いてる方が
『銀魂』には向く。まあ、宣伝する会社からしたら、キャッチーな方がありがたいだろうが。
途中で疲れてしまって、心が無になった状態があり(決して寝ていた訳ではない)、存分に楽しめなかったのでもう一回見たい。っつーか、オマケが欲しい。もう、あの、
『鬼滅の刃』色紙は終わったらしいが、コンプしたくなるいい出来だった。コンプの代わりに次は、あのイラストを全部集めたポスターと言う事なので、それはそれで欲しい。ちなみに色紙は甘露寺蜜璃、きゅん。
ちなみにこれは、ドカン、ズダン、すってんころりんみたいな映画。
◆『むっつり右門捕物帖 鬼面屋敷』神保町シアター五つ星評価で【★★死んだように楽しめなかった。いつかリベンジしたい】
特集「没後40年 嵐寛寿郎」の1プログラム。
1955年、白黒、85分、初見。山本嘉次郎監督。
アラカン、エノケン、キンゴロウ、ZZZ。失敬失敬。
◆『ズーム/見えない参加者』109シネマズ木場5
▲ずーむ
五つ星評価で【★★そんな大層なもんじゃないっしょ】
やりたい放題だな。これはやりたい放題をやらずに、実はこういう恐ろしい事が起こっていたのです、というカマシ方か、ともかくやれるだけやっちまえ、いえー、みたいなカマシ方しかないのじゃないか。なら、やりたい放題でいいのだと思う。ただ、心に何も残らない。今回、思った事は「うわ、眼鏡女子、一番ブス」くらい。日本人が演じてた分、感情が詳細に伝わってきたからか、同じズーム(会議ソフト)を使ったホラーとしては
『真・鮫島事件』の方が推せる。外人の叫び声は声量がでかくて、皆が一度に悲鳴を上げているとうるさい。詫び寂び無双(何じゃそりゃ)。
代金が1000円である事に関してツイッターでけっこう流れてきて、それで見に行った。映画自体はともかく、60分の長さで一本サクっと見れて1000円だとかの枠はいいなと思う。
発券器でチケットを買った時には10人くらい観客がいたのに、場内に入った時も、見ている最中も、場内から出る時もずっとボッチだった。見えない観客でもいたのか。劇場から引きずり出されなくて良かった。
【銭】『新感染半島 ファイナル・ステージ』:劇場モギリで貰ったユナイテッドシネマ期間限定割引券を使用して1200円で鑑賞。
『私をくいとめて』:テアトル会員券+曜日割引で1100円。
『銀魂THE FINAL』:劇場モギリで貰ったユナイテッドシネマ期間限定割引券を使用して1200円で鑑賞。
『むっつり右門捕物帖 鬼面屋敷』:神保町シアター通常料金一般1300円。
『ズーム/見えない参加者』:番組特別価格1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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新感染半島 ファイナル・ステージ@ぴあ映画生活・
私をくいとめて@ぴあ映画生活・
銀魂 THE FINAL@ぴあ映画生活・
むっつり右門捕物帖 鬼面屋敷@ぴあ映画生活・
ズーム/見えない参加者@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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新感染半島 ファイナル・ステージ@ノラネコの呑んで観るシネマ・
新感染半島 ファイナル・ステージ@ノルウェー暮らし・イン・原宿・
新感染半島 ファイナル・ステージ@yukarinの映画鑑賞日記α・
私をくいとめて@ここなつ映画レビュー・
私をくいとめて@ノラネコの呑んで観るシネマ▼関連記事。
あとから。
同日鑑賞2本をまとめてライトに。
◆『劇場版ポケットモンスター ココ』ユナイテッドシネマ豊洲2
▲上白石萌歌。
五つ星評価で【★★★★ターザンをポケモン世界に翻訳】
ジャングルでポケモンに拾われて育った子供、ココ、彼はジャングルでスクスク育ってそれなりに無敵。だが、そのジャングルに侵略者である人間が。実にターザン。ターザン映画ではミッシング・リンクの類人猿だったり、ゴリラだったりする親の役は「ザルード」というウータンとゴリラの中間に毛がボーボーみたいなポケモンが務める。このザルードという種族がアフリカの戦闘部族のように彼等独自のプライドと選民思想を持ちながら、軍隊のような強さで楽園を守っている。ココを育てる為にザルード群から弾き出されたザルード父ちゃんとココの種族を越えた信頼の話が良い。朝ドラでこれでもかと反面教師のクズ親を演じているトータス松本が歌う「父ちゃんの歌」も良い。ココが素直で可愛い(上白石萌歌ちゃんの声も熱演)。このまま、実は第二次成長期がまだで、胸が膨らんできて、サトシが「服、着ろよお」みたいなブラのないラブコメ展開に進んでほしい。上白石萌歌ちゃんがトップレスで演じてほしい。(*´Д`)ハァハァ 父ちゃんザルードの中村勘九郎も熱が入った演技でよかった。他の二人、山寺宏一と中川翔子はもう普通にプロだから上手いも下手もない(上手いけど)。ロケット団、何をやりたいのかがよく分からない。何か便利に脚本家に使われてるなあ。サトシ「ピカチュウ10万ボルトだ!」そればっかだなあ。ザルードが神殿を守る戦闘部族で、ジャングルのポケモンが雑多な難民で、ジャングルを開発しようとする人間がポケモンを野蛮な獣としか見てなかったり(野蛮かどうかはともかく獣ではあるが)、SWの帝国は白人純血主義みたいな考えの流れが裏にあるのかもしれない。
最後にココが取った行動は、ポケモン映画の中での最終回答であるかもしれない。
トータス松本もいいけど、ボンゴボンゴ響くザルードの歌も肉感的で好き。
◆『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』ユナイテッドシネマ豊洲8
▲誰かに似てると思ってたのだが、ゼントラーディ人のブリタイだ。
五つ星評価で【★★★短編2本】
30分の新作アニメ2本を劇場用映画としてカップリング、1300円という価格なら妥当と思ってしまうくらい、昨今の特別上映は高価になっている。
背景的に「恐ろしい物語」として語ろうとすれば語れるが、「怪異」が「妖怪」である場合は、実はそれほど大きな恐怖を伴わない。「幽霊」や「悪霊」と違い、「慮外の物」ではあるが、明らかな害意を向けてきたり、自分らの意思の為に他の存在をとことん無視するような排外性が少ないからだ。「妖怪」は「人間目線」で捕えた「自然界の挙動」である事が多い。例えば自然界の雪害に人格を与えたのが「雪女」である。そこには人に見立てた「人格」や「意識」がある。そういう物とは折衝が可能だ。だから、彼等に付随する恐怖感は薄い。ただ「人間」と「妖怪」では、世界に対する向きあい方や考え方が違うので、相手を知らないが故に、噛みあわない事もある。主人公の夏目は「怪異」である相手に対して、それがどういう存在で何を求めているかをゆっくり噛み砕こうとする優しさと真摯さを持つ。決して「人間が至高である」との考えに偏らない。それがこの物語を優しくしているし、大人な味付けにしている。このマンガのオリジナルは少女マンガであるが、さもありなん。「他者」とどう共存するかという思想が女性的な考え方なのである(いいとか悪いとかではなく)。逆に少年マンガだったら、「他者」をどう従えるか、になる。これは男性的な考え方である(単純に鬼太郎なのだ)。
単に同じ日に見ただけだが、
『ポケットモンスター ココ』の異種部族の争いについても、それぞれの部族の立場で考える事で平和が成立する。この話の終わらせ方は実に少女マンガ的な結論に到達している。但し、その役目を担うのはポケモンに育てられた人間という特殊な存在である。彼を「勇者」ととらえれば、彼の開拓する全ての者が彼に従わされる者とも言える。この構造は少女マンガ的でもあり、少年マンガ的でもある。この「勇者」と夏目の存在は実はよく似ている。ポケモンに育てられた少年のように、夏目も人間にスポイルされ、怪異に育てられた存在である。狭間の位置にいるので、どちらに対しても公平な目で立場を見る事が出来る。ただ、違うのは彼はその異なる二つの母体を決して一つの物にしようとは考えていない事だ。二つの母体は争うような位置にはないので、わざわざ一つにする必要はないのだが、夏目がミニマムに行っている事は「人」のいる世界で「怪異」が不幸にならずに存在できるあり方の模索だったりするので、進む方向は大きく変わらなく見える。だがまあ、夏目が「勇者」のように、二つの世界を一つに開拓して行くなら、その物語は大川隆法的な物語になってしまうだろう。それは誰も求めていまい。そして、逆に言うならば、ポケモン世界の「勇者」とて、彼が開拓するこれからの道は大川隆法のような荒れ地の開拓になるに違いないのだ。
前置きが超長くなった。
『石起こし』:ミツミの純粋な感じに心がほだされる。しかし、岩鉄がアバウトであっても、岩起こしまでの経緯はちゃんと見ているのではないかという気もする。それは見ていてほしいという願望かもしれないが。
『怪しき来訪者』:怪しい。
【銭】『劇場版ポケットモンスター ココ』:有料入場ポイント2ポインを使って1000円で鑑賞。
『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』:特別価格1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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劇場版ポケットモンスター ココ@ぴあ映画生活・
夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者@ぴあ映画生活▼関連記事。
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夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~(一作目)@死屍累々映画日記・第二章・夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者(二作目)@死屍累々映画日記・第二章
◆『大コメ騒動』トーホーシネマズ日本橋6
▲真ん中三人の演技が凄い。
五つ星評価で【★★★★井上真央が凄い】
映画全体としては主人公のやりきりに呼応した悪漢のギャフンがないのが不満なのだが、ともかく井上真央が素晴らしくて、そういう「あれっ、あそこ足らんかったんじゃないの?」な部分は見た直後、思い浮かばなかった。井上真央はちんまくて、黒くて、目がギョロギョロして、黒蟻のようだ。ちょっと大丈夫だろうか?ぐらいな感じに挙動不審で、つまり、余裕がなく、いきなりバタンと倒れそうに見える。日焼けで肌が黒いのは浜に出てる女達は皆、同じなのだが、井上真央の黒さには何だろう、隙がない感じがする。その井上真央は極貧の身の上ながら、文字が読めて学問が好きだ。周りの女達はみな文盲で、井上真央の事を「変わり者」扱いしている。どちらかと言うと文字が読める事で彼女は逆に差別をされているのだ。この構造がたまらない。新聞などの正しい情報を彼女が周りの女達に警告として伝えると、彼女がそれを呼び寄せたものであるかのように非難をされる。だからと言って、それらの情報が必要とされない訳でもなく、せっつかれて話をしては非難を受けている。全体貧乏な集落の中で、彼女がスケープゴートとして機能していて、それをくつがえそうものなら村八分に会うのも目に見えている。
村の女の生き字引みたいな、と言うより生きすぎて妖怪になったような役を室井滋が演じる。室井滋すげーのー。
井上真央の姑役に夏木マリ。ちょっと夏木マリの印象でなかったので驚いた。
男の役者はいろいろ出てるけど、何かちっこい役ばかりが当てられている。
その中でも幼女に執拗に絡んで手を握ってニヤニヤする石橋蓮司の気持ち悪さは出色。もう、すっかり名優なんだから、今から傷跡とか残さなくてもいいでしょ。ただ、石橋蓮司だから演技で済むけど、他の役者がやったら「あの人本当にロリじゃないの?」とか言われそうだから石橋蓮司でよかったのかもしれない。
タイトルロゴの「大」に「だい」とフリガナ振ったのは「オオコメ」だと「オオメコ」っぽくて、それはちょっと不味いかもって気遣いじゃないだろうか。でもまあ、映画の内容としては、かなり「オオメコ騒動」な内容でありました(言っておくが濡れ場は一切ないぞ)。
【銭】トーホーシネマズデーで1200円均一。
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大コメ騒動@ぴあ映画生活
年末総集編で11時間連続放映してたのを録画しておいて一気見。
厳しい。キツい。でも、面白い。可愛い。真面目なようで、割とテキトー。
中学の修学旅行か何かで上京していた上白石萌音が偶然、道端で急病人と遭遇、その場を颯爽と処理した外科医・佐藤健に一目惚れする。5年後、彼女は看護研修生として佐藤健の病院に佐藤健目当てで赴任、赴任当日に告白をして振られる。佐藤健は数ある恋愛物件を薙ぎ倒してきた「魔王」という仇名を持つので、上白石萌音は自動的に「勇者」の仇名を拝命する。
「勇者ちゃん」と呼ばれる上白石萌音が、かーいーの、何のって、かーいー。たまに「勇者」の衣装をシレっと着てるのもよい演出。感情的で、正義漢が強くて、ドジで、一生懸命で、善意の塊って鉄板である。対する佐藤健も不愛想なのに職務に忠実、その中に隠れ潜む優しさ、そして病院ならではの恋人かつ同僚の美女との死別ロマンス。恥ずかしくもなく、鉄板を詰め込んでくる。
11時間11回の中で上白石萌音が成長し、佐藤健がダメダメな勇者にメロメロになるまでを描く。
しかし、わざわざ一回分の物量で佐藤健が上白石萌音に「手出しをして貰えない」なんてSEX待ちエピソードを持ってくるとは思わなかった。なら、それに応えて、ちゃんとSEXも実況してほしい。
毎熊克哉がイケメンラインで、いい医師を演じてるのが不思議。基本クズという視点でしか見た事がなかった。
ゲストキャラ柄本明。久し振りに孫がいない役(的な印象)。でも、爺なので死期は近い。そこは変わらない。いや、違う。あまりに柄本明なキャラクターだったが、あれはモロ師岡だ。
話のメリハリを付けるため、上白石萌音の目の前に急遽、急病人が!って展開は一生に1、2回だろう。それが①出会い②大阪③交通事故④モロ師岡⑤結婚セレモニーハプニング、こんなだったか。そりゃあ都合良すぎだろう。人がバタバタ死んでくコナンくんにかなり近い。
オフィシヤル髭ダンディズム 薄い。薄い曲じゃ。まあ、それでいいんじゃないかと。
CMが驚くほど多かった。そして、同じCMが多かった。
◆『ホワイト・ストーム』新文芸坐
▲アンディ・ラウ(左)とルイス・クー(右)。キスの近さ。
五つ星評価で【★★★★★破壊の気持ち良さよ】
アンディ・ラウ、プロデュースによるアンディ・ラウ映画。相変わらずトカゲみたいな顔してるくせにかっこ良くてステキ。丸ごとの善人ではないのだが、アンディ・ラウ演じる主人公の行動はその道しか選べなかったという説得力をいつも観客と共有する。観客を味方に付けるのが他のどの香港スターよりも上手い気がする。
今回はこの逆目の運命を背負わされる悪役にルイス・クー。中々の悪人ぶりである。「ニタニタ」という、とてもイヤらしく信用のおけない笑いを浮かべる。怒ると雲散霧消してしまう軽い笑顔である。
アンディ・ラウが結婚する堅気の株ブローカーっぽい女弁護士が、ちょっと広瀬アリスっぽい。広瀬アリスっぽいという事はあまり、頭がよく見えないという事も含む。いや、失礼。
チラシにある「ラスト15分、映画史を塗り替える大激突!」という惹句は決して大袈裟ではない。いやあ、凄かった。ビックリした。まだまだ、アクションのアイデアってあるのだなと、その唖然に「ポカーン」と口を開けた。こんなのを撮るのだから、アンディ・ラウはやはり信用できる。とは言うものの、流石にファースト・ランの「のむコレ」までは手を出せない。【銭】特別興行+新文芸坐会員価格で@1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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ホワイト・ストーム@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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ホワイト・ストーム@ここなつ映画レビュー
特集「ソフィスケイテッド・コメディへの招待」の1プログラム。
◆『オペラハット』シネマヴェーラ渋谷五つ星評価で【★★★★キャプラ凄い】
1936年、白黒、116分、初見。フランク・キャプラ監督。
もう映画はすんげ面白い。凄いわ、フランク・キャプラ。
にしても何で
『オペラ・ハット』なんて邦題にしちゃったのかは不明。だって、原題の直訳は
『ディーズ氏が街にやって来た』だもの。映画内で「オペラ」は話題の一つとして出てくるが(主人公ディーズ氏がオペラ興行組合の理事長になる)、ハット(帽子)なんて、主人公が日常的に着用してるだけである。単にこの1年前にヒットした
『トップ・ハット』にあやかってるだけなんだろうか。
田舎の兄ちゃんが世界的な大富豪の遺産争いに巻き込まれるコメディーなのだが、主人公に与えられる「いくら何でもここからは逆転できないだろう」って負荷がエゲツナイ(っつか、あそこから逆転できるのが神技)。
【銭】一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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オペラ・ハット@ぴあ映画生活
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