『白雪姫の赤い靴と7人のこびと』『孫悟空 vs 猪八戒』ヒューマントラストシネマ渋谷3,2
- Date
- 2021/03/31/Wed 00:05
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
「未体験ゾーンの映画たち2021」縛りで2本をまとめてレビュー。
◆『白雪姫の赤い靴と7人のこびと』ヒューマントラストシネマ渋谷3

▲こびとと白雪姫。一番上の小人が主役のマーリー。小人形態の時はフランキー堺似。
五つ星評価で【★★★我田引水が強い】
特集企画「未体験ゾーンの映画たち2021」の一本。
ちょっとポッチャリな白雪姫が義理の母の魔法の赤い靴を履くと絶世の美女になる。魔女の義理の母は白雪姫を殺して赤い靴を奪おうとする、と言うのが話の主軸。白雪姫自体には何の能力もないので、魔女に対抗するのに外見を小人に変えられた7人の勇者が頑張る。彼等には外見が小人に見える呪いがかけられており、呪いの解除には真の美女の愛のキスが必要なので、みな白雪姫に首ったけになる。
話が面倒くさくなってしまったのは呪いと言おうか、マイナス傾向の魔法を使う魔女が二人いて、一人の魔女の魔法にはそれなりに正義がある。そして、一見、この物語は「外見の美しさよりも心の美しさこそが大事である」という真理を訴えかけようとしているように見えるのだが、「でも、外見が美しい事自体は悪ではないし、外見が美しい事を追い求めるのは普通」というベーシックな意識を隠しもしない。あくまで程度問題であり、「自分の美を追及する為に他人の美や命や自由を侵害してはいけません」というのが一応のルールじゃないだろうかという緩さなのである。なので、何が正義なのか、真の問題が何なのかが分かりづらい。世界で一番の美を追求する魔女を退治した後に、自分達の美を取り戻したい小人が同じ椅子に座らないという保証は何一つないのだ。
そういう論理的未熟さを煙に巻くために大回転するCGアクションはなかなか面白い。でも、やはり、話は釈然としないし、それでは作品として成立しないのである。
◆『孫悟空 vs 猪八戒』ヒューマントラストシネマ渋谷2

▲ビジュアル系猪八戒。
五つ星評価で【★★安い】
特集企画「未体験ゾーンの映画たち2021」の一本。
猪八戒に美形を当て込んだのはチャウ・シンチーの『西遊記 はじまりのはじまり』からだと思うが、この映画はその延長上で、猪八戒を主役に泣ける話を仕込もうとした物。目論見は失敗。孫悟空、猪八戒、天界の神様達のCG大喧嘩が今までにない切れ味と派手さでドッカンドッカン冒頭から展開する様子は素晴らしいが、それだけの映画と言っていい。CGで鎧などを盛れるので、元々の人が付けてる衣装やメイクなどは逆に安くてデザインがあまりよくない。孫悟空をあんな醜い猿に仕上げた意味が全く分からない。最終的に猪八戒も豚のデザインに収まって「終わり」を迎えるのだが、「え、そのデザインが決定稿なの?」と疑わざるを得ないかっこ悪さ。八戒が地上に降りてからの取り巻きもみな魅力のないチンピラばかりで、金の為に八戒を騙そうとする彼等と、安々と騙されてしまうどうかしてる八戒とで魅力を削りあってる。
【銭】
『白雪姫の赤い靴と7人のこびと』:特集料金は1400円だが、水曜一律料金で1200円。
『『孫悟空 vs 猪八戒』』:特集料金は1400円だが、テアトル会員+曜日割引で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・白雪姫の赤い靴と7人のこびと@ぴあ映画生活
・孫悟空 vs 猪八戒@ぴあ映画生活
◆『白雪姫の赤い靴と7人のこびと』ヒューマントラストシネマ渋谷3

▲こびとと白雪姫。一番上の小人が主役のマーリー。小人形態の時はフランキー堺似。
五つ星評価で【★★★我田引水が強い】
特集企画「未体験ゾーンの映画たち2021」の一本。
ちょっとポッチャリな白雪姫が義理の母の魔法の赤い靴を履くと絶世の美女になる。魔女の義理の母は白雪姫を殺して赤い靴を奪おうとする、と言うのが話の主軸。白雪姫自体には何の能力もないので、魔女に対抗するのに外見を小人に変えられた7人の勇者が頑張る。彼等には外見が小人に見える呪いがかけられており、呪いの解除には真の美女の愛のキスが必要なので、みな白雪姫に首ったけになる。
話が面倒くさくなってしまったのは呪いと言おうか、マイナス傾向の魔法を使う魔女が二人いて、一人の魔女の魔法にはそれなりに正義がある。そして、一見、この物語は「外見の美しさよりも心の美しさこそが大事である」という真理を訴えかけようとしているように見えるのだが、「でも、外見が美しい事自体は悪ではないし、外見が美しい事を追い求めるのは普通」というベーシックな意識を隠しもしない。あくまで程度問題であり、「自分の美を追及する為に他人の美や命や自由を侵害してはいけません」というのが一応のルールじゃないだろうかという緩さなのである。なので、何が正義なのか、真の問題が何なのかが分かりづらい。世界で一番の美を追求する魔女を退治した後に、自分達の美を取り戻したい小人が同じ椅子に座らないという保証は何一つないのだ。
そういう論理的未熟さを煙に巻くために大回転するCGアクションはなかなか面白い。でも、やはり、話は釈然としないし、それでは作品として成立しないのである。
◆『孫悟空 vs 猪八戒』ヒューマントラストシネマ渋谷2

▲ビジュアル系猪八戒。
五つ星評価で【★★安い】
特集企画「未体験ゾーンの映画たち2021」の一本。
猪八戒に美形を当て込んだのはチャウ・シンチーの『西遊記 はじまりのはじまり』からだと思うが、この映画はその延長上で、猪八戒を主役に泣ける話を仕込もうとした物。目論見は失敗。孫悟空、猪八戒、天界の神様達のCG大喧嘩が今までにない切れ味と派手さでドッカンドッカン冒頭から展開する様子は素晴らしいが、それだけの映画と言っていい。CGで鎧などを盛れるので、元々の人が付けてる衣装やメイクなどは逆に安くてデザインがあまりよくない。孫悟空をあんな醜い猿に仕上げた意味が全く分からない。最終的に猪八戒も豚のデザインに収まって「終わり」を迎えるのだが、「え、そのデザインが決定稿なの?」と疑わざるを得ないかっこ悪さ。八戒が地上に降りてからの取り巻きもみな魅力のないチンピラばかりで、金の為に八戒を騙そうとする彼等と、安々と騙されてしまうどうかしてる八戒とで魅力を削りあってる。
【銭】
『白雪姫の赤い靴と7人のこびと』:特集料金は1400円だが、水曜一律料金で1200円。
『『孫悟空 vs 猪八戒』』:特集料金は1400円だが、テアトル会員+曜日割引で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・白雪姫の赤い靴と7人のこびと@ぴあ映画生活
・孫悟空 vs 猪八戒@ぴあ映画生活
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