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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『世界残酷物語』『続・世界残酷物語』『さらばアフリカ』ヒューマントラストシネマ渋谷1

特集「未体験ゾーンの映画たち2021 ヤコペッティ没後10年企画」から3プログラム。

◆『世界残酷物語』ヒューマントラストシネマ渋谷1

▲おいおい「世界長編ドキュメントの最高峰」やないで。

五つ星評価で【★★★★薄く浅くドギツク】
1962年、カラー、108分、初見。グァルティエロ・ヤコペッティ監督。
どこからどこまでだかは知らないが、やらせ映像なんかもかなり含むドキュメンタリー。だがしかし、いい。いいぞ。土人がいい。
最初、美形俳優ヴァレンチノの二代目(みたいなの)がシャツの採寸に行くと次から次へと女性が沸いて出て『セブンチャンス』状態に。こんなんハナからやらせじゃん。次は未開の島のボーイ・ハントの話。男を見つけるとトップレスの黒人女子軍団が100人くらいで追っかける。あーいーなー。くだらない。くだらないけど、女の子の腰ミノが一度に揺れる様が可愛い。乳首いっぱい見れるのも楽しい。今、乳首を一度にいっぱい見るのは案外難しいし。これも男女比率が嘘くさい。いや、全然、嘘でもいいのよ。そして、ニューギニアの豚祭。打楽器しこたま打ってムチャクチャこえー顔の人が豚を次々と斬殺する祭。豚を全部食べてしまうので、この後、5年はずっとひもじい。って、そんなんじゃ部族途絶えるだろ。全体に一つのエピソードはダラダラ長く、基本、ドキュメンタリーの体なので落ちはない。だから、ダレるかダレないかと言えばダレる。
そこで日本パート。マッサージされて、脂肪を付ける為にビール飲まされる牛、ブランドはキリン。ずいぶん分かっている牛じゃん。

▲違いの分かる牛。

もう一つ日本パート。「東京温泉」と言う按摩・洗体付き温泉。ファッション・マッサージとかピンサロではない真っ当なサービス・サウナみたいなの、嘘だろうと言う人もいるけど、この辺は本当じゃないかな。「抜き」とは別に、こういうのがこういうのであった時期もあったのよ。江戸時代なんかにもあったし。下着で接客する女子が玉石混交すぎ。

▲女子の下着が実に生活っぽい。

ラスト、豚祭と同じくニューギニアで、飛行機を神と崇める部族の神話が無茶苦茶SFっぽくて惹かれる。


◆『続・世界残酷物語』ヒューマントラストシネマ渋谷1

▲ 福澤朗「ファイヤー!」

五つ星評価で【★★★薄く浅く今回も適度にドギツク、そして、手を出さず】
1963年、カラー、100分、初見。グァルティエロ・ヤコペッティ監督。
前作大ヒットに次ぐ第二弾。と言いながら、ストック&弟子が編集という事でヤコペッティ先生ほぼほぼ手を出してないらしい。でも、特に味や風味や雰囲気は変わらず。生きた虫の包み焼き、虫のアクセサリー、カツラあれこれ、ユダをかたどった人体お菓子、修行僧の焼身自殺、ビンタ演奏、吐瀉芸術などなど。相も変わらず世界珍百景だ。フラミンゴの死んでいく様が胸を打つ。冒頭イギリスに対する当てこすりナレーションがヤクザの開き直りみたいで素敵。


◆『さらばアフリカ』ヒューマントラストシネマ渋谷1

▲そう言えば『さらば宇宙戦艦ヤマト』も死体だらけの映画だった。

五つ星評価で【★★★★動物が受難する地獄、人間が受難する地獄】
1966年、カラー、139分、初見。グァルティエロ・ヤコペッティ監督。
植民地支配から手を引いたヨーロッパ列強により、アフリカに訪れた混乱、阿鼻叫喚を理詰めではなく、右から左に、起こった事を順番に羅列するように編集。何だかもう人間ってどうしてこんなにどうしようもないのだろう。冒頭、イギリスがケニアから手を引いて帰ってしまう部分から描かれる。未来永劫、植民地として支配する訳にもいかないから、それは正しい事の筈なのに、その後に起きる出来事はもうこれ以上にない地獄。システマティックな描写がないので推測になるが、支配者としてケニアのアフリカ人を部下として掌握していたイギリス人がいなくなってしまった為、残された貧民はイギリス資本による富の享受が不可能になった。生きていく為に、彼等は簒奪できる物は簒奪する。身近にいる野生動物は乱獲するし、密輸もすれば、ツアー客への違法な手引きもする。この辺、狩り殺されていく動物の悲哀がぐぐぐーんと来るのだが、狩ってる方だって、まず食い扶持を稼がなければならない。おそらくそういう食い扶持を稼ぐ為の手段や手法もイギリスは全部、引きあげてしまったのだろう。だって、残しておいても自分の得にはならないもの。
この後、受難は徐々に人間に移っていく。
白人も死ねば、アラブ人も死ぬ、返す刀で黒人もどんどん死ぬ。
こんなに一本の映画の中で本当の死体が映されてる映画は他にないに違いない。
もう、何が正義だかすっかり分からない。白人を保護する為に手当たり次第に対抗抵抗する黒人を殺していくのも正義だし、彼等が犯した罪を命で贖わせるのも正義、但し、彼等が被殺人者に牙を剥いた事が、その時、正義でなかったともきっと断言できないのだ。正義かどうかなんて流れにしかすぎない。
大の男が二人で手と足をそれぞれ持って人間の死体を運んでどかす。ぐたーんとした死体。四足の動物がハンターに殺された際の力の無い肢体の動きと何も変わらない。ただ、くたっとしてて、力点がない。そして風景の中にあちこち点在する死体。そのどれもがそれぞれ別の個体であったのに、今では全体でナンボという数でしかない死体なのだ。そして、徹底的にずっとそんな状態が続くので、見ている方でさえ麻痺してしまいがちになる。
恐ろしい映画。


【銭】
企画に対してのテアトル会員割引が有効な為各作品200円を割り引いて1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
世界残酷物語〈HDニューマスター版〉@ぴあ映画生活
続・世界残酷物語〈HDニューマスター版〉@ぴあ映画生活
さらばアフリカ〈HDニューマスター版〉@ぴあ映画生活
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