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『人間模様』『恋人』新文芸坐

特集「市川崑 初期ライト・コメディの誘惑」の1プログラム。

◆『人間模様』新文芸坐
五つ星評価で【★★★突飛ではあるがコメディーではあるまい】
1949年、白黒、89分、初見、市川崑監督作品。
恋愛感情を持たず損得勘定に縛られない生き方をしている善人モンスターの上原謙、その幼馴染で彼がビジネスの勝者になってくれたら嬉しいけどそれは無理そうなので他に結婚相手を探している月岡千秋、上原謙を都合のいい時だけ友達扱いするビジネスの勝者青山五郎、その秘書山口淑子(李香蘭)、四者の恋愛関係を描く。なんつかコメディーではないと思う。上原謙が癖の強い善人役を好演。彼は資産家の息子に生まれて、大の男の仕事と言えないバイト生活をしながら鳩の世話や絵画鑑賞などで時間を潰す今でいう所の趣味人(ディレッタント)だ。「みんな幸せになればいいのに」と漠然と思っているが、ビジネスなどに邁進して大金持ちになって、その資本力で幸福を分配しようみたいな好戦的気性はない。彼にとっての幸福は太陽がその陽光を平等に振り撒くようにごくごく自然に地を満たすみたいに考えてるのではないか。でも、映画観客はとことん善人で無私の甘ちゃんである彼の事を嫌いになれない。ビジネス勝者青山五郎は癖が強い。その自信や自惚れが彼を嫌いにさせる。上原謙の幼馴染、月岡千秋も上原謙にキツく当たってギスギスしてる。そう、この二人は自分が認める事の出来ない人間は目下の人間として扱っていいと思っている傲慢なキャラなのだ。そして、山口淑子はただただ可哀想。凄い。結婚適齢期でみなが(正確には上原謙以外が)恋愛を望んでいるのに誰一人としてそれを成し遂げない。いや、この中の二人は結婚まで到達するのだが、どう見てもその二人が幸せには見えないのである。
舞台はもちろん日本なのだが、重厚な背景に、ダメ押しするような強張った誇張した表情がドイツの無声映画時代のF.W.ムルナウを思い起こさせる。市川崑はスタイルの人だが、この辺、シャープでメリハリ付きすぎてるドイツの無声映画からスタイルを借用してる気がする。
伊藤雄之助は妻がいながら、山口淑子を追いかけて、彼女の過去を脅迫の手段にして復縁を迫るクズ。顔がでかくて長いから怖い。
山口淑子の顔が外人顔で日本髪などに結いあげるのだが、その顔の中身がまんまベッキーみたいでちょっと怖かった。申し訳ないけど目鼻立ちがパッチリしすぎてて、呪い人形みたいである。


◆『恋人』新文芸坐
五つ星評価で【★★評価は他人に任す】
1951年、白黒、70分、初見、市川崑監督作品。
マリッジ・ブルーもの。と一言で済ませていいだろうか?
結婚式一日前に「案外やる事がない」と言って、幼馴染の男・池部良を呼びだし、遊んでいるうちに分かれづらくなり、この今の私が本当の私かも? と地団駄を踏む久慈あさみ。彼女が私好みでないので、この映画の話はここでおしまい。


【銭】
一般料金1450円を300円会員割引で差し引いて1150円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
人間模様@ぴあ映画生活
恋人〈1951年〉@ぴあ映画生活
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『結婚行進曲』『足にさわった女』新文芸坐

特集「市川崑 初期ライト・コメディの誘惑」の1プログラム。

◆『結婚行進曲』新文芸坐
五つ星評価で【★★★★犬も食わない奴】
1951年、白黒、83分、初見、市川崑監督作品。
仕事人間の上原謙と山根寿子の無風だったラブラブ結婚生活に降って湧いた8年目の大夫婦喧嘩とその顛末を描く。夫も妻もどちらもどちらを大好きだけど、夫は妻以上に仕事を優先するので、してない浮気を疑われる。なんだこの天国のような世界線は? まあ、映画だから浮気をしないが、現実だったら上原謙は会社の部下や、馴染みの芸者に手足を縛られておいしい目に会ってもおかしくはない。さんざん酔った結果の不貞くらいあってもおかしくない。でもまあ、そこは作り物だから愛しあう二人が肯定されればそれでいい。
小気味いいのはムチャクチャ早口で論理的に喋るのでクレーム言いに来たのに営業戦力として抜擢されてしまう杉葉子。『愛人』の女性陣が有馬稲子しか可愛くなかったみたいに、この映画では杉葉子だけ。なんかホモちゃうかってくらい、女優陣にスポット当ててあげてない気がする。
越路吹雪は越路吹雪役。足を露出した踊りを踊る。
伊藤雄之助は妻・山根寿子を落としたい踊りのお師匠。伊藤雄之助なのにお姉言葉ってギャップが凄い。


◆『足にさわった女』新文芸坐
五つ星評価で【★★★越路吹雪が美人?】
1952年、白黒、84分、初見(リメイク鑑賞あり)、市川崑監督作品。
この原作の映画は3本作られ、これは2本目。3本目は以前に見てた。
休暇中のスリ担当刑事・池部良とスリ常習・越路吹雪とお姉言葉の小説家・山村聰の電車旅行記。
見た覚えあるような、ないようななのは3作目を見ていたからか。
伊藤雄之助は必ず顔を覚えられるのでスリを禁止させられてる越路吹雪の弟役。なんか呪われた血よなあ。
個人的には越路吹雪を美人とは思わないので、そんなに盛り上がらない。


【銭】
フィルムセンターから借り出した2本での特別料金1600円を300円会員割引で差し引いて1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
結婚行進曲 WEDDING MARCH@ぴあ映画生活
足にさわった女〈1952年〉@ぴあ映画生活
▼関連記事。
足にさわった女〈1960年〉@死屍累々映画日記・第二章
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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