fc2ブログ

『戦車闘争』『陶王子 2万年の旅』ポレポレ東中野

ポレポレ東中野で2本4興行(眠ったり、眠ったけど面白かったり、再び見たり)。

◆『戦車闘争』ポレポレ東中野

▲日本の普通の道路を運搬される戦車の写真。

五つ星評価で【★★★,★★1972年という近さ】
ドキュメンタリーの題材で選ばれる第二次世界大戦がもうかなり昔になってしまった事により存命の方が減り、情報の正確さが検証しづらくなっているのに比べて、ベトナム戦争の頃はまだまだ「覚えてるよ」という人がわらわらいて、そういうのって今のうちに撮っておくの凄く大事。
ベトナム戦争真っ盛りの頃、アメリカがベトナムで使って故障した戦車やジープを修理する修理工場が相模原にあり、修理した戦車をベトナムで再び使用する為に日本から輸送していた。この緩やかな戦争参加に反対する市民団体が、この流れを変えられないかといろいろ抵抗した運動の記録。

戦車のビジュアルがかっけーというウツケな入口から入るのも全然あり。
「よく分からない肉片が戦車にこびり付いていた」とかイヤな証言も出てくる。

ともかく取材範囲が広くて多い。浅い所から深い所まで。
テントを立てて座り込み運動をやったと言えば、その時、町の八百屋(だったっけかな?)や風呂屋でどんな影響があったのかみたいな証言が、そこにいた本人達から話される。この証言の多さと切り替えはドキュメンタリーとして、かなり魅力的。ドキユメンタリーは1人の人が100語るより、100人の人が自分の立場で1ずつ語る方が出来事の全体像が見えやすい(ただ同類の人100人を呼んでしまうと割と苦痛な展開になるのでバリエーションは必要)。
その頃の共産党の人気のなさ、とか、戦車を運搬する場合、法律的に道路の規定重量を超過してしまうので、法律違反みたいな戦い方をした、とかが面白かった。

泉谷しげるのナレーターもなかなかいい味。


◆『陶王子 2万年の旅』ポレポレ東中野

▲上腕の部分マカロニみたいだな(そんなこつどうでもよか!)。

五つ星評価で【★★,★★★陶王子ビジュアル割と不気味】
泥を捏ねて焼いた陶器(初期のは縄文式土器みたいなもんやろ)が次第に洗練され、その技法が国同士の経済を左右し、産業スパイみたいなのも跋扈という、大きな話に変質していくのがおもろい。ある特定の色を出す為に錬金術師を幽閉し、その秘密を隠蔽する為に成功しても錬金術師を自由にせず飼い殺したみたいな「ロマン」な話には惹かれる。
ただ、そういう「ロマン」な蘊蓄が110分の中に割と希薄で、陶王子兼語りのナレーションをする「のん」の声も優しすぎて、ちょっと眠気に勝ちづらい一本になっている。


【銭】
『戦車闘争』:ポレポレ東中野10回券10000円のうち9,10回目使用(2019.10/27から1年の期限だったが、新コロナによる閉館などで期限が伸び、最終使用は2020.12/27)。
『陶王子 2万年の旅』:ポレポレ東中野5回券6000円のうち1,2回目使用(1年使用の10回券は廃止になったようだ)。2021年1月26日購入。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
戦車闘争@ぴあ映画生活
陶王子 2万年の旅@ぴあ映画生活
スポンサーサイト



『名探偵コナン 緋色の弾丸』ユナイテッドシネマ豊洲1

◆『名探偵コナン 緋色の弾丸』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲4人家族だけど、秀吉だけ目の色が違うよ。

五つ星評価で【★★★★荒い部分はあるけど抜群に面白いから、しょうがない】
ぼーっと見てる分には間違いなく楽しめる。後から「でも、あれは怪しい」とか浮かび上がってくる。
まず、「RELOAD」が付いた予告編でも異常にかっこよかった東京事変。
今回が初顔合わせなのだろうが、東京事変はコナンと相性いい。理由は簡単で、どちらも「かっこよくありさえすれば」多少のインチキやイカサマを許容してしまう、かっこ良さ優先と、それが故の緩さにある。嘘でも面白ければいい。そういう方向性が似てる。

今回は、なんちゃってオリンピックのスポーツ大会の要人誘拐と殺人未遂の捜査に絡む、赤井ファミリー終結の有無。このビックイベント(終結の有無)の方が事件より大きな話題になっているようで、原作未読の自分としてはちょっと居心地が悪かった。だが、まあ、それはそれ。そういう舵の切り方のあるスピンオフ調の映画があっても別に悪くはない。ただ、問題なのは赤井ファミリーの四人が普段、どういう関係性を保って、どう弦んでいるかがこの映画だけからは分かりにくい、という弱点はあげられる(一本予習の為のTV編集映画を作ったにも関わらず、その弱点は克服できてない)。
母のメアリーと長女の世良真純は一緒に行動しているからこれで一纏まり。長男の赤井修一と次男の羽田秀吉もコナンを起点に連絡取りあっているが、これがお互いに家族と認知した上での共闘かどうかは分からない。次男の羽田秀吉が婚約者に会わせたいと言っていた家族はどこまでなのかが原作を読んでいないと謎だ。そして、メアリーから赤井修一は特定されているように見えるが、意図的にその特定を避けているようでもある。映画版の常で、黒の組織がメインの話でも、いろいろ引っ掻き回したうえで、黒の組織の存在や内部の関係性は一切変わらない。同様に、今回も赤井家についても寸止めギリギリのソフトタッチで、特に関係性は変わったりしない。毎回毎回上手い事スレスレまでよくやりよるのう。

登場人物みんなにそれぞれ見せ場があり、羽田秀吉とかとてもかっこいい。
灰原哀の恋女房振りも萌える。

しかし、皆がスマホを持ってスクープ動画を撮影する昨今、コナンくんがあんなにニュースに取りあげられてしまうような立場に身を置いてしまうのはどうなの? でっかいサッカーボールだって絶対誰か撮影してるだろう。

それと15年前の過去の事件と因縁で繋がっているのに、その過去の事件の犯行目的などが明確でないのは気持ちが悪い。確かに、その辺曖昧でも話は成り立つのだけど。

あー、でも、ちきしょー、それでも面白かった。

あと、毛利小五郎が神谷明じゃなかった。うまい事入れ変わるもんだ。おそらく、神谷明は謎の組織に薬を飲まされ、変声期前の子供の身体に変わってしまったのに違いない。

コナンくん今回も、土建屋からいくらか貰ってるだろって都市破壊っぷりだった(つーか、壊すならオリンピックもどきの開催都市を勝ち取って開場予定の土地を更地にしなければならないとかのタイミングだったら公共福祉的にも正義なのに)。


【銭】
ユナイテッドシネマのメンバーポイント2ポイントを使って1000円鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
名探偵コナン 緋色の弾丸@ぴあ映画生活

歯医者通院

2021年4月27日歯医者通院開始。

歯医者はもうとことんまで行かずに伸ばすが、もうどうにもこうにも生きていけません、という状態になって駆け込む。大変、タチの悪い患者である事は認めるのだが、Mじゃないのだからしょうがない。いや、でも、かかりつけのお医者さんは、ぶっちゃけ名医だと思う。治療その物は気持ちいい性質ではないが(そこはMじゃないから)、ひどい目に会った事は基本的にない。痛いとかキツいとかは勿論あるが、折り込み範囲内に納まっている。
今回は冷たい水とかあてると、人生を儚むように痛むので足を向けた。時は既にGW直前、ここで行かないと二週間くらい間が空いてしまう。食事毎に人生を儚むのはキツい。結果、右の奥歯が上2本、下1本、左奥歯1本、上前歯1本とかやられてるようだ。もっともあかん部分(沁みる右の上奥歯1本)を塞いで、他も応急処置を済ませてくれた。
うお、治ったとは言わんが、痛まなくなった。
まあ、何にせよ、大々的にあちこちガタが来てるのでしばらく毎週通院だ。

『まともじゃないのは君も一緒』東宝日比谷3、『騙し絵の牙』『ファンタジア』ユ豊洲8,5

同日鑑賞3本をまとめてレビュー。

◆『まともじゃないのは君も一緒』トーホーシネマズ日比谷3

▲悪巧みする二人。

五つ星評価で【★★★★★ブラボー清原果耶】
大爆発したり、人が何人も死んだり、超絶アクションが散りばめられたりはいないけど、ムチャクチャ面白い地味で控えめな大傑作。
ちなみに上記三要素をこの映画に取り込むなら、世直しセミナー主催者の小泉孝太郎が裏に回るとテロリストで、各地で講演会を行ないながら爆破計画の下見をしている。その小泉孝太郎の恋人兼テロリスト実働部隊隊長泉里香にただの痴情の縺れで近寄る清原果耶と成田凌。だが、成田凌は実はその類まれなる数学計算能力を駆使して、かつて伝説のテロリストと対峙した過去を持つ警視庁のスーパーアドバイザーだった。わははははは。これはこれで見たい気がする。

胡散臭いなりに正しい事もいう俗物に小泉孝太郎、この人、半分爽やか、半分クズみたいな役に合う。
夢のような恋愛に憧れながらも、最後には現実的な選択をする泉里香。
つまり、この二人が「まとも」な人々である。

その裏面「まともじゃない」のは、
自分の直情の為に、年上の家庭教師を洗脳紛いで操作する清原果耶、
人と人との距離感や接し方に、非常識な一面を輝かせる成田凌、の二人。
この、清原伽耶の浮き沈みのおもろい事、かーいー事。バーの濃い面々を脇役として従わせる清原伽耶の主役力。それでいて終り方が無理なく爽やかに落とす。
成田凌は顔立ちがシャープじゃないから、こういう女の子に勝てない男の子的な役はよく似合う。その辺の非常識具合が一定線を越えると殺人鬼まで触り切れちゃうんだけど。

ちょっと前なら妻夫木くんと吉高由里子だったんちゃうかな。


◆『騙し絵の牙』ユナイテッドシネマ豊洲8

▲妻のパート先で「財布デカすぎでしょ」とか無駄口を叩いていそうな大泉洋。

五つ星評価で【★★★★ふむふむ】
物語の主人公が大泉洋宛書きなのだけど、そのままの大泉洋ではダメというのは凄くよく理解できる。
松岡茉優もエライザも氷魚くんも美しい人はみんな良し。
大泉洋が投げ捨てたコーヒーカップの残骸が精液っぽくてエロかった。
それにしてもあんなに予告つまらなそうなのに。あと、予告編の組み方でかなりのミス・リードが活きているのも分かる。しかし基本、予告変えなかったのは結果として成功したか失敗したかは分からないけど心臓強い事だけは確かだ。
大泉洋が映画内で自分をサラブレッド馬に例える。あれ、騎馬プロジェクトで私に乗って使いこなしなさいという意味と、「馬」へんに「へん」の作りで「騙す」の漢字になるからなのね。


◆『ファンタジア』ユナイテッドシネマ豊洲5
五つ星評価で【★★魔法使いの弟子は大好き】
1940年、カラー、126分、2回目か3回目。
かなり長いにも関わらず退屈しないのが「魔法使いの弟子」だけというのは会社帰りのサラリーマンにはキツい。手塚治虫の『展覧会の絵』とか全部オチが入ってて偉い。


【銭】
映画ファン感謝デー料金、各1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
まともじゃないのは君も一緒@ぴあ映画生活
騙し絵の牙@ぴあ映画生活
ファンタジア@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
まともじゃないのは君も一緒@ノラネコの呑んで観るシネマ
騙し絵の牙@ここなつ映画レビュー
騙し絵の牙@ノルウェー暮らし・イン・原宿
騙し絵の牙@ノラネコの呑んで観るシネマ
▼関連記事。
・騙し絵の牙(一回目)@死屍累々映画館・第二章
騙し絵の牙(二回目)@死屍累々映画館・第二章

マンガ『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語②』

マンガ『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語②』
原作 サトウとシオ
漫画 臥待始
キャラクター原案 和狸ナオ
ガンガンコミックスオンライン

この巻までで、「序盤の街(王都)」の魔王騒ぎが決着する。
基本、そこそこ話の整ったギャグマンガという体裁だと思うのだが、割とキャラがみんなうるさくてガチャガチャしてる。この雰囲気をそのまま引き継いでるアニメの再現度は偉い。個人的にはこのうるささはあまり好まないではあるのだが。
つーか、ロイドくんが勘違いしたままと言う状態が持続する事で、全てのギャグが回っているのだが、誰かちゃんと教えてやれよ。いやまあ、教えるとギャグが成立しなくなるのかもしれないし、話の展開の速さによって、ロイドくんに真実を教える時間を与えずに畳みかけるという調整もされていると思うけど、一人くらい、彼に真実を教えようとする、普通の心の持ち主がいてもいいと思う。

そこが今一つ、自分が物語に傾倒できない理由かもしれない。

『ベラ・ルゴシの幽霊の館』シネマヴェーラ渋谷

特集「Men & Guns」の1プログラム。

◆『ベラ・ルゴシの幽霊の館』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★ベラ・ルゴシ様ーっ】
1941年、白黒、64分、初見。ジョセフ・H・ルイス監督。
ファースト・シーンから屋敷の主人ベラ・ルゴシが狂人である事が明らかにされる。食事の席で空席になっている妻の席に向かって親しげに語りかけ、黒人の執事に妻への給仕を頼む。主人の娘の元にボーイフレンドが押し掛けてきて、何年か前に不倫の後に逃走した妻の幽霊と一年に一回会食をする主人の奇行が明らかになる。ここでの主人の奇行に対しては皆が「お辛い事があったのだから」と善意解釈で、特に狂人として諫めようみたいな空気がない。
そうこうしてるうちに、コック兼メイドが主人の娘のボーイフレンドと実は関係があったり、黒人執事が怪しい行動を取ったり、お抱え運転手の実家に事故で死ななかった主人の妻が記憶喪失のまま保護されているなど、どんどん脇を埋める話が進んでいく。そして、保護から逃げだしてきた妻と主人が顔を合わせる時、主人の正常のキャパシティは崩壊し、主人は殺人鬼に変貌する。
話の前半で今まで起こったとされる事件も含めて、主人が犯人である事を観客だけが知るようになる。その後も幾つも続く殺人事件。観客はベラ・ルゴシとその被害者を案じつつ、殺人事件が起きなければ起きないで越した事はないのに、という複雑な感情に振り回される。ちょっと不思議なスリル&サスペンス映画。話の行く末が見当つかずぐるぐるループしてヤキモキさせられる快感みたいなのが得られます。
ベラ・ルゴシの元から威厳があり優しい主人としての顔と、機械が故障しているかのように機能不全になる狂人の顔の使い分けがなかなか上手くてよい。ベラ・ルゴシ、大味な感じはあるけど、いい役者よ。


【銭】
一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ベラ・ルゴシの幽霊の館@ぴあ映画生活

『るろうに剣心 最終章 The Final』ユナイテッドシネマ豊洲8

◆『るろうに剣心 最終章 The Final』ユナイテッドシネマ豊洲8

▲赤い逆光の剣心、かっけー。やっぱり赤はノーマルタイプの3倍の性能の色なのだな。

五つ星評価で【★★★★何らかんら言っても面白いのが凄い】
まあ、何だ前提として普通にちゃんと面白いよ
流石に佐藤健がちょっと若者からおじさんに脱皮する側面も垣間見えつつ、嵐の相場くんに角度で見えたりもする。「若者」が厳しくなってきた感じである。でも、それは人間だし、映画の中で経験相応に歳を取っているので、そういう風に見えてもいいのじゃないだろうか。その点、江口洋介は一作目からけっこう老成した大人の設定で、そのまま1ミリもブレてない。ただ、元からスリムすぎるからだろうか、警察のタイトな制服とあいまってあまり健康そうに見えず、ちょっと痛々しくも見える。いやまあ、駒木根隆介みたいな江口洋介は考えづらいけれど。青木崇高なんて筋肉のケンカ馬鹿のまんまを維持してて凄い。一作目からギョっとする顔ばかりしてる武井咲も変わらずに愛しいわあ。彼女の周りだけは空気がちょっと少女マンガ。

話はけっこう荒いけど、こういう作りになるのは作品の内容上仕方ないだろう。一応、これはこれでちゃんと完結している体を取っているが、明治東京(というより彼の周辺)を脅かす魔の手が再び現れたら、剣心は何度でも逆刃刀を手に立ちあがるだろう。「最終章」だけど、これが『銀魂』だったら、やっと身体が温まってきた程度だ。いや、『銀魂』じゃないから、「最終章」でいいのだけど。

前作や前々作からの継投組にみんな見せ場があるのはとても優しい。左之助なんてもう見せ場しかないのは逆に青木崇高の功績だろう。そう言えば、あのでかい刀はもう使わないのね。あれ使うと強くなりすぎるし、機動性に欠けるという配慮なのだろうな。唯一剣を持たない継投組の蒼井優は普通に上手くて、いるのが当たり前。今回は武井咲を陰ながら炊き付けるただのお節介なクラスメートみたいな立ち位置なのが微笑ましい。アンク三浦涼介なんて刀を振らせてもらえなかったが、彼の見せ場は「ぶぶづけ食ってかんか」的な京のネチネチ気質にあるからあれはあれでよし。土屋太鳳ちゃんなんて、どんなダメ映画に出ようとも、この剣心での、あの「太腿露出」だけで百点満点。そう、大友啓史は割と演出家としての人気は低いのだけど、男はかっこよく、女は可愛く撮るのだよね、凄く。この世界の土屋太鳳をハグしたい。蹴られそうだけど。あと、チラシに役者名は載ってるがビジュアルがない伊勢谷友介は剣心の映画世界の中で剣心とタメ張れる最強の一人だから出てきた時は「おおっ」っと思った。退場はちょっと唐突。もう、伊勢谷友介でスピンオフ作れと言いたいくらい最強でかっこいい。もう一人、チラシにビジュアルもなければ、役者名も載ってない本気の隠し玉のあの人。あの人もいいわあ。よくも一番萌える存在を再登場させた。あの予備動作が良い。だがまあ、あの辺のシナリオラインはメチャクチャ甘くて、何か確かに本人が言ってるのだけど、本人が言いそうにないセリフだなと思った。でも、体技に惚れる。それでいい。

新しい登場人物、新田真剣佑。出る映画、出る映画ビジュアルが違うが、割と共通してウジウジした役をやりがち(いやいや直前作『群青戦記』がそうだっただけだろ)。千葉真一の息子だからアクションはできるだろと思われてしまう悲劇を小さい頃から背負わされていたに違いないが、この『るろうに剣心』って国内最高峰のアクション映画で、そのトリのアクションで対峙する主役と遜色ないというのは凄い。なのに正体的に「俺はシスコンだああああああ!」しか内面がないキャラだ。あと登場シーンが中国人の服を着ているのだが、色味がとても吉野家カラーだったので、「速い安い上手い」かよと無言で突っ込んだ(当たってるし)。この新田真剣佑の手下のビジュアルがヘルレイザーの魔導士っぽくてたまらない。手下になる際にビジュアル審査とかありそうだ。あんな闇を抱えた服で春の日差しの中とかは恥ずかしくて歩けない。そこが弱点だ。仮に歩けたとしたら、凄い恥知らずで、そこが弱点だ。

あと有村架純かあ。綾瀬はるか同様、誰にも好かれる、好かれるモンスターじゃん(この両名でダメな作品は彼女たちがどうとかではなく作品や演出がダメと盲信してる)。そんなんを連れてこられて「ゲゲゲビーン」みたいな状態になった武井咲が可哀想だけどこれはこれで「捨てられた子犬に更に豪雨」みたいで、なかなかいい善戦をしていた。


【銭】
ユナイテッドシネマ金曜メンバー価格1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
るろうに剣心 最終章 The Final@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
るろうに剣心 最終章 The Final@yukarinの映画鑑賞日記α
▼関連記事。
るろうに剣心関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章

『スタートアップ!』シネマート新宿1

◆『スタートアップ!』シネマート新宿1

▲主役は金髪。ポスター図案の全体のバランスとかおかしい。

五つ星評価で【★★★ムード抜群】
「ザ・バッド・ガイズ」公開記念マ・ドンソク旧作上映。
ピンクのシャツにオカッパがキツい。
ノーマルタイプのマ・ドンソクも兼ね揃えている所が映画として偉い。
中華料理屋のオーナー(マ・ドンソクではない)から滲み出てくる人の良さがとても良い。


【銭】
『ザ・バッド・ガイズ』半券割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
スタートアップ!@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
スタートアップ!@銀幕大帝

『BLUE/ブルー』ユナイテッドシネマ豊洲4

◆『BLUE/ブルー』ユナイテッドシネマ豊洲4

▲いい枯れ具合の松山ケンイチ。

五つ星評価で【★★★ムード抜群】
人の勝つ姿には尻馬に乗って快楽を覚えるが、
人の負ける姿はもの悲しく、切なく、絵になる。

だから、この物語の中で一番美しいのは松山ケンイチである。
ともかく、負けまくる。
あんなにボクシングを愛しているのに、ボクシングからは愛されない。
ボクシングを始めたキッカケは初恋の相手の薦めなのに
彼女はその事を覚えていない。
以前は彼が教えていたであろうルーキーにその相手を奪われる。
こんな完璧な負け試合はないだろう。
でも、彼は見ていて清々しい。
彼はいつだって上手く行かない事が分かっている。
だが、それでも挑むし、そこに彼女以外の部分で後悔はない。
彼は大いなる凡人であり、だから、つい彼に自分を投影してしまう。

彼に比べれば、東出昌大も柄本時生も負けているとはいえ、
完膚亡きまでに負け切ってはいない。
ただ、東出昌大は健康上の爆弾を抱えており、落ちる時は一気に落ち切りそうだ。
でかい仕掛けが自分の自重に耐えられなくなる瞬間が近づいてきている怖さを
観客皆がシェアしている気持ち悪さよ。

あと、木村文乃がとことん普通で、二人の男の人生を狂わせたなどと微塵も思っていなそうな「如何にも女性のテリトリーで生きている女性的な女性」であるのも大変素晴らしかった。彼には彼の言い分があり、彼女には彼女の言い分がある。それは誤魔化される事はあっても、決して交わりはしない。

PS ツイッターでこんなことを書いてた。
柄本さんの息子は長男も次男もボクシング似合いそうだなあ。
明確に幸せそうに見えない人ってボクサー役に合うと思う。


今回の三人は三人ともボクサー役に向いてました。


【銭】
ユナイテッドシネマの割引キャンペーンが始まって、割引チケット持参で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
BLUE/ブルー@ぴあ映画生活

『るろうに剣心 伝説の最期編』トーホーシネマズ日本橋8

◆『るろうに剣心 伝説の最期編』トーホーシネマズ日本橋8

▲「未来の為に」、、、、、って次の映画もそんなコピーだよなあ(笑)。

五つ星評価で【★★★この獅子雄編はやっぱ風呂敷広げすぎて無理があるんだと思う】
2014年、カラー、135分、2回目、大友啓史監督作品。
劇場映画4作目5作目公開前の振り返り上映。ファーストラン公開の時に見ているので、2回目の鑑賞になる。

やっぱり、一作目のシンプルさが見やすい。『京都大火編』と『伝説の最期編』を合わせた1エピソード2本の獅子雄編は多分、十本刀がほとんど出てこないから、マンガではもっと長い話なのだろうけど、映画ではそこまで尺を使わすにもっと短い長さに切り刻んでも良かった。師匠の所で鍛え直すとか、明らかに話のテンション落ちる。佐藤健と武井咲は『京都大火編』の最後で海に飛び込んで生き別れになって、『伝説の最期編』で何となく最後の方にのこのこ出会う。そこに理屈はない。何だか、ただ単に「剣心くんが好きなのに殺されちゃう、いや、いや」という少女マンガ的な傍観者として武井咲が現われる。この別れと再会の無駄な事よ。藤原竜也の日本攻略も行き当たりバッタリにしか見えないし、あちこち話の大筋がどこか歪んでる。佐藤健と藤原竜也が暗殺者の裏表であるなら、その暗殺者両名の更に裏表である武井咲の綺麗事である正義とをきっちり対峙させるべきだったのではないか。その上に高橋メアリージュンの正しくはないけど最も思いの強い愛をぶつける事で武井咲に何かを言わせるという算段に持ち込んだら「理屈」としては、面白かったのに。
『伝説の最期編』の音楽は1作目の「いつでも、どこでも、いくらでも咽び泣く」剣心のテーマは余り流れず、獅子雄の悲壮感を演奏する獅子雄曲がメイン。

アクションは伊勢谷友介がやはり凄い。あれに勝ててしまう剣心は異常。
そして、神木隆之介リベンジ戦が燃える。アクションその物の速さも凄いが、一太刀毎に壊れていく神木隆之介の演技がたまらん。逆に藤原竜也戦は藤原竜也が強すぎてリアルさを欠く感じ。それでも全体の話はつまらないのだが、合間合間に挟まるアクションが見事で鑑賞後に「見終わったあ」という満足感が得られる。

時たまコスプレ重そうだなあという人がいて、その人なんかは十本刀なんでしょうねえ。

滝藤賢一、あー、お前、うるさいよ。声だけではなく、演技がうるさいよ。


【銭】
旧作特別価格1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
るろうに剣心 伝説の最期編@ぴあ映画生活
▼関連記事。
るろうに剣心関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

最新記事だ
検索できるんだ
最新コメントだ
最新トラックバック(直結)だ
俺のリンク集
カテゴリだ
月別アーカイブ(タブ)
カレンダー
03 | 2021/04 | 05
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる