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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』シアター・イメージフォーラム2

◆『ジャッリカットゥ 牛の怒り』シアター・イメージフォーラム2

▲「牛の怒り」というサブタイトルより「暴走牛vs1000人の狂人!!」というコピーの方が大事。

五つ星評価で【★★いや、牛、怒ってねーし】
牛、怒ってねーっす。いや、激情ほとばしるような怒りではなく、沸々とたぎるような怒りがあるのだろうとか推測も出来るけど、そんな牛目線で牛主体の映画じゃねえっす。牛は何かひたすら逃げてるだけ。目が脅えてる。たまにその牛の角に引っかかって死ぬマヌケがいる。問題なのは牛を追い回す「1000人の狂人」の方。これが明らかに普通じゃない。すぐに集まるや悪態をつき、おまいら保育園の先生に礼儀とか行儀とか教わってこなかったなというのが肌にビンビン感じられる。そういう暴動の追体験を味わえるムービーという意味では他に例を見ないのだが、ただこれはどうだ。面白いのか。なんか、胡散くさいシチュエーションに騙されてる気がする。牛なんて一生のうち1回も追わないからな。そういうフェイク渇望感を丁寧に取り除いたら、これはつまらんだろう。ただ最高密度に理由もなく狂人が詰まってると言う意味ではLEEの20倍カレーみたいな執念を感じる。インド恐るべし。
インドの下層の方々の顔は等しくみんな野蛮な顔で見分けがつかなかった。どれがどれ、誰が誰で、話なんかあるようでないようで、あったんだかなかったんだか、分からなかった。そこか、俺が楽しめなかった原因は。いいよ、もう、楽しめなくて。俺が楽しめなかった事を墓標に刻んでいいよ。
音楽がラップ調に妙にスタイリッシュだったりするけど、そこはこの映画を他にないものに見せかけている要素の一つ。内容と乖離しているから更に悪目立ちしている。
個人的にはこの映画に平手友梨奈が車椅子で出てきて、堤真一の生まれ変わりと言う設定の牛に恥ずかしい箇所をベロベロ舐められて悔しそうに泣きながら鼻息は荒くなっている箇所があったら、星を二つプラスしたい。そこだよ、そこ(いや、そこじゃないだろう)。

異常なテンションが好きな人には楽しめる映画じゃないかと思います。いや、俺、これを楽しむにはもうそこそこ爺さんだ。


▲イヤらしい泣き顔で鼻息が申し訳なく荒い平手友梨奈の登場を待ちたい。


【銭】
月曜はシアター・イメージフォーラムのサービスデー。1200円均一料金。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ジャッリカットゥ 牛の怒り@ぴあ映画生活
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マンガ『リエゾン①②③』

マンガ『リエゾン①②③』
原作 竹村優作
漫画 ヨンチャン
講談社モーニングKC

発刊途中で現在は5巻まで出てるが読んだのは3巻まで。
副題に「こどものこころ診療所」とあり、舞台は、児童精神科がメイン診療の病院。
病んだ子供が毎回出てくるが、お涙頂戴的なすごく「可哀想」な子供はあまり出てこない。子供にはその幼さから自分が病気であったり、他人と異なるという自覚があまり無い。どちらかと言うとそれで苦しむのは保護者側である。だから起こっている事象の問題度の高さの割にはマンガ内容はカラっとしている。

主人公は大人になってから、自分が発達障害であると診断された医者のインターン。彼女は患者に向きあいながらも、患者とリンクする事で今までの自分(=発達障害)と向きあっていく事になる。

なんつか、講談社が凄いのは「発達障害」が大きな問題になったら、それに対するアンサーの物語をマンガに仕上げてすぐ発表していく、その目利きと機動力にある。社会に必要な物をマンガで補填する、社会に対してそういう貢献の仕方もあるのだなあ。
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『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』ユナイテッドシネマ豊洲10

◆『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』ユナイテッドシネマ豊洲10

▲家族ゲーム(左からお母さん、お父さん、子供、家庭教師)。

五つ星評価で【★★★★おもしれーぜ(ジャッカル除く)】
と言う訳で『ザ・ファブル』が一作目で、今回の『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』が二作目。ややこしいタイトルつけんなよ。
なんつーても一作目は説明が多かった。岡田君演じるファブルから、その育ての親、ファブルが厄介になる組、ファブルが厄介になるバイト先、ファブルを狙う組の外の敵、設定に次ぐ設定、説明に次ぐ説明である。今回は簡単、過去に途中中断したミッションの相手が以前助けられなかった少女をエサにファブルを罠にかけようとする。前作のように全てを一つの流れとしてくっつけて関連づけさせようとしたみたいな話の無理が薄れ、いい意味でベタで分かりやすい話になった。
掴みは過去。駐車場での凄いアクションに目を奪われる。大きなアクションはこの冒頭と、中盤、集合住宅の人質脱出アクションの二つしかないが、それで充分、満足できる。ラストはギネスに載るようなアクションではないけど、意味や動きに重みのある地味なアクションを最後に見せるのがセンスがいいと言うか、大人。

岡田くんは前作と大きく変わってないように見せながら、家で常に全裸であるとか、テンションの高い変笑いの数を少なくするとか、観客が自己同一化しやすいキャラにマイナーチェンジしてる。サンタクロースの静かなボケとかとても気持ちが安らぐ。それは聞いてる相手が佐藤二朗と山本美月というベタベタにゆるい二人だからかもしれない。ただ、この二人が岡田くんを合わせた三人組のお笑いユニットみたいな出番しかないのはちょっと寂しかった。
敵の堤真一も上手い。あんなマンガならではの人間を堤真一が演じると、ちゃんといろいろあってこうなったんだろうと推測できる深みが出来る。
平手友理奈平手友梨奈たまらん(とだけ言っておこう)

▲鉄棒の棒にイボイボつけたい。

パンクブーブーの黒瀬純。すんげえ靴に入った小石みたい。

見かけてないだけの可能性もあるけれど、岡田くんのイラストの商品がない時点で、担当者の無能を信じて疑わない。

レディー・ガガとアリアナ・グランデのED豪華だけど、「なんで?」感漂う。

ファブル3作目作成で考えられるデンジャラスポイント
①監督が変わる
②敵が宇宙人
③佐藤浩市が山の神というスピリチュアル設定が導入される
④ラスボス佐藤二朗
⑤中国資本が入り、劇場で無茶苦茶予告が流れるも限定配信公開
⑥佐藤がタイムスリップして昆虫学者ファーブルになる。

続きみたいよ。


【銭】
ユナイテッドシネマの1200円で5/31まで鑑賞できるクーポンチケットが期間2カ月延長になったというのを使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ザ・ファブル 殺さない殺し屋@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ザ・ファブル 殺さない殺し屋@ここなつ映画レビュー
ザ・ファブル 殺さない殺し屋@yukarinの映画鑑賞日記α
▼関連記事。
ザ・ファブル(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
ザ・ファブル(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
・ザ・ファブル2@死屍累々映画日記・第二章
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『とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー』トーホーシネマズ新宿4、『ダルバール 復讐人』新宿ピカデリー8

同日鑑賞2本をまとめて軽くレビュー。

◆『とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー』トーホーシネマズ新宿4

▲ライダーキックみたいな乗車の仕方。

五つ星評価で【★★★★初めて見るけどお噂はかねがね】
TV放映時は5分番組にもかかわらずツイッターのタイムラインを毎週賑わせたカルト幼児アニメ。よく出来てるのは子供はストレートに普通に見れ、大人は映画のパロディーとして見れるという二重性。いや、大人も子供のように単純にストレートで見るのだけど、その言い訳として映画のパロディーが付いているという方が正しいか。
可愛くて、世界観が変で、全体的に優しい。これはいいわ。
これがダメとか、あれの方が良いとか言いだす奴は「社会不適合者」扱いされてもそんなに問題じゃないと思う。人は単純に丸くて、フワフワで、弱くて、一生懸命な物が好きって方向でいいじゃん(単純に丸くて、フワフワじゃないから、ユダヤ人については排斥してもいいとか言いだすのは、ダメ、今、そこに触れては)。
個人的には趣味度の高いゾンビが一番印象に残ってる。人間のフィギュアを緑と赤(クリスマスカラーじゃん)に塗るだけでゾンビに見えるってのは新発見。
①モルカー視点②フィギュア視点③モルカー車内搭乗人間視点、があり、①②は混在してるのだけど、③は乗ってる人が少し不気味寄りでステキ。モルカーに乗るフィギュアがどう見ても窓から不法侵入してるみたいなのもリアルじゃ困るけど、この世界ならステキ。

しかし、とどのつまり、ついつい目を細めてしまうのを自覚しながら、人は幼稚には一生かかっても勝てないのかもしれない。えーとみんな、映画『アンパンマン』も出来るならちゃんと見るように。たまにごっつ名作混じるぞ。いかん、そろそろ見ないと今年の終わってしまう。


◆『ダルバール 復讐人』新宿ピカデリー8

▲やりたい放題ラジニカーント(それでよし)。

五つ星評価で【★★★インドに生きる伝説の吉永小百合的存在ラジニカーント】
見る映画の落差が激しいよ、俺!
ラジニカーントの新作である。そりゃあいない女房を質に入れてでも見ない訳にはいかない。ってほど積極的ではない。私もお年を召してるんで長い映画はキツいのよ。158分。そういう意味でも『モルカー(=34分)』とは対照的。まあ、『モルカー』で158分の映画にするのは見る方は大丈夫でも、作る方にしたら拷問だろう。逆に『モルカー』の中にラジニカーント出演というのはキャラが強いからできなくもなさそう。モルカーに踊ってほしいわ。
ラジニカーント驚かされるのは『ムトゥ 踊るマハラジャ』でも使われていた「SUPER STAR RAJNI」のロゴマークがまだ使われていた事と、ラジニカーントその人が一切老けていなかった事だ。これはちょっと凄い。『ムトゥ 踊るマハラジャ』の頃で既に60を超え、髭とか白髪染めで染めてるなんて話を聞いた気がする。あれから20年は経っているだろう。でも、見た目が40代なら全然通るという感じで、マッチョで筋肉質で、相変わらず踊りの切れは良く、アクションも楽々こなす。自分の肉体に対してのセルフ・コントロールが普通じゃない。まるで吉永小百合である。ラジニカーント27年ぶりの警察官役という事で、流石に今回は若者の警官ではなく(いや、27年前の知らないけど)、警察署長役である。関根麻里な立ち位置の大きな娘がいて、奥さんは死んでて、娘から「再婚しろ」と言われている。この相手との間のラブコメパートがハードな復讐劇の間に挿入されるのにちょっと違和感があるのだが、まあ、全部入ってこそのラジニカーントという感じで微笑ましくもある。
ストーリーは超・警察署長のラジニカーントがちょっと正義をやりすぎちゃった為にしっぺ返しを食らうが、そんなのラジニカーントなんだから正しい道を驀進するしかない。もう本当、ただ、ラジニカーントに任せておけば大丈夫。そういう話だ。いつも通りである。

ラジニカーント頑張れ。あなたは何時までも同じでいい。


【銭】
『とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー』:番組特別価格(多分短いから)1000円均一料金。
『ダルバール 復讐人』:松竹の前回有料入場鑑賞割引+ネット割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー@ぴあ映画生活
ダルバール 復讐人@ぴあ映画生活
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『サイダーのように言葉が湧き上がる』ユナイテッドシネマ豊洲11

◆『サイダーのように言葉が湧き上がる』ユナイテッドシネマ豊洲11

▲老いも若きも男がわたせせいぞう感から大きく逸脱してるのだな。女性もわたせせいぞうの描く女性とはまた違うのだけど。わたせせいぞうの描く男女にあまり悩みはないと思うので、起用しなかったのは正しいだろう(ラッセンの描くイルカくらいには悩むかもしれない)。

五つ星評価で【★★★サイダーのようには】
大瀧詠一のレコード・ジャケットと言おうか、わたべせいぞうテイスト持ち込みと言おうか、スクリーン一面にパステルカラーが隙間がなく配色され、BGMともども「爽やか」を盛り上げる。そんな中でのボーイ・ミーツ・ガールである。男子はコミュ障っぽい。女子は外見にコンプレックスを持ってる。仮想世界で描かれるマンガ男女のこの夏一番の大勝負的でありながら、ライトな恋愛映画。色々な要素が取り込まれ、良くも悪くもそれらの要素が目まぐるしくバッティングしてる。

メインキャストは三人、少年、少女、老人。残りは物語の環境を整える為のモブ(群衆)と言っていい。
少年は非社交的で大勢を前に声を出せない。少女は自分の外見が嫌い。老人は人知れず煩悶や懊悩の中にいる。しかし、少年と少女はある意味、同じ病なのではないか。少年はあがる。声を出して人に言葉を聞いてもらう時、常の状態でいられない。それは何故かと言うと、大勢に対して、より自分が魅力あるように伝わらないかという意識があるからだ。そこは少女の歯列矯正に似ている。この声を出せないのが常態であるという状況と、中々話しかけられないという状況が合わさって、少年は少女に大事な事を隠してしまう。こんなん単にいかんだろう。確かにそれが青春だと言われれば凄く青春くさいエピソードではあるが、電話でもネットでも方法はある。伝えればいいじゃん。伝え方にこだわって「伝えない」という結論に陥ってしまうのは誠実ではない、青春的ではあるけど。なので、少女も落胆してしまう。その落胆は正しいと思う。
最終的にどうにか上手く行くのだけど、おまいらそんな綱渡りみたいなんでいいんかと思ってしまう。

ポップアートな映像や、凄くガシェットに拘った部屋の間取りや設定など、妙な所に気を使っていて、そういう見方をする人には面白いのかもしれない。私個人はこの映画は些末な二つの事からそんなに好きにはならなかった。

ヒロインであるスマイルの絵にそんなに可愛さを感じない。いや、そこは大事。マスクをしていても、マスクを外して歯列矯正器具が剥き出しに見えていても、歯列矯正器具の無い生の歯の状態でも、三様がそんなに変わらない。歯列矯正器具が付いている事は情報として分かるが、それが容貌を更に悪くしているとか、付けていない状態のスマイルのコンプレックスとか、説明はしてくれるが、絵や感情では観客に伝わらない。そこは伝えるように努力すべき。

そして、もう一つ。17際の彼のあだ名は「チェリー」。俳句をするような、多くの言葉とぶつかってる彼が「チェリー」の隠語的な意味を知らない訳がない(知らないとするのは無理がある)。一番多感な時期だから、彼自身が「チェリー(童貞)」であってもなくても(当然ないだろう)、こんなあだ名を付けられたら、俺、相手の奴をあだ名呼ばなくなるまで殴るね、恥ずかしいじゃん。

という二つの点でスタートラインからつまづいてしまったんで、ちょっと辛かった。
あと、エンドロールのラストにも注意書きが出てたけど公共の物にそれがとてもアート全開であってもラクガキしまくるガキは素巻きにして海に沈めろと思う。

サイダーのように湧き上がるのは言葉でなく、もっと別の物だった。自分の17の時は。今の若い人が言葉が湧き上がるなら、それはそれで「それはよかった」と思うけど。

「わはははははははは」
「さ、サイダーのように後鳥羽上皇が湧き上がっているうぅ!」



【銭】
ユナイテッドシネマ金曜メンバー価格1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
サイダーのように言葉が湧き上がる@ぴあ映画生活
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『夏への扉』、『いとみち』、『アイアン・シーク』、『ブラック・ウィドウ』、『グリーンランド』

5本をまとめて軽くレビュー。

◆『夏への扉 ーキミのいる未来へー』トーホーシネマズ池袋5

▲絵ヅラが美しいわあ。

五つ星評価で【★★★★お話が面白い。そーゆージャンルのSFなのね】
有名な原作であるが、題名しか知らないので大層楽しめた。これは全体的なプロットを知らない方が楽しめると思う。
こーゆーのは最初の「三億円事件」みたいにドカンとカマすのが大事(このブログを書いている自分以外、三億円事件の犯人が捕まった世界線に生きてたらどうしよう)。
山﨑賢人なかなか上手いなあ。凄く同情してしまう。
それは夏菜が効いている(説得力の為には一肌脱いでほしくはあった)。
清原果耶も実に清原果耶らしい役(説得力とか抜きに脱いでほしかった)。
そして偉いぞ藤木一族の一員として藤木直人偉いと褒めておきたい(脱がなくてもよい)。
蝿男的な観点から、あのマシンの作用点にて山崎賢人と藤木直人が混ざらなかったかについてはちょっと心配。
原田泰造の奥さん役で高梨臨。彼女がわざわざ事故にあって車椅子を使う役なのだが、その事が話の上で必然性がない。ロボット工学的な先進技術で彼女をサポートするのかと思っていたのだけど(尺の関係か?)
話の怪しさは残るけど「普通にちゃんと娯楽映画」なのは強く評価したい。

田口トモロヲは自分に自分でナレーション付けてもいいくらいプロジェクトXな役。
N「もう酔ってなんかいられなかった」

ちなみに田口トモロヲは脱がなくて良い。いや、脱ぐな。


◆『いとみち』ユーロスペース2

▲メイド喫茶のメイド嬢の娘と客の父。

五つ星評価で【★★★主人公の内向具合に疲労(おそらくそれが好きな人もいよう)】
規格外に自己主張できない主人公が自分の居場所を見つけるまで。
自己主張の出来ない具合がキツくて割と見ていてストレス溜まる。ストレスを溜めながらチャンネルそのままにしないだろうから、TV向きではない。津軽三味線の音色は魅力的だが、メイド喫茶という業態でアレが客寄せになるかについては強い説得力を感じられない。「そりゃあどう見ても大丈夫でしょう」という結論が見てて分かるくらいじゃないと娯楽映画としてはいかんのではないか(勿論、映画内でイベント自体は成功してるが、その成功が次の客の入りを確約できる訳ではない)。
メイド喫茶店長役の中島歩、見た事ないけどいい役者だ。

メイド喫茶のメイド服、そんなに可愛くないと思う。


◆『アイアン・シーク』シネマート新宿2

▲「ジャイアント」が付いた方が映画ファン受けする。

五つ星評価で【★★しーくんおとなしい】
アメリカ市場で初のヴィランプロレスラーを演じたザ・シークの伝記ドキュメンタリー。
ザ・シークのアウトラインは知っていても、その当時の熱狂を知らないので、今一つピンと来ない。こーゆードキュメンタリーは後の世の当時を知らない世代の人にこそ分かる作りにしないといかんのだと思うが、あまりそうはなってない。おそらく権利問題などで、全盛期の活躍がちょっとしか見れない作りなのがいけない。ローリスクにハイリターンはやってこないのである。
タイガー・ジェットシンや上田馬之助の方が見たいかな。


◆『ブラック・ウィドウ』ユナイテッドシネマ豊洲10

▲「この後、手を上げて『ふぉー』よ」タスクマスターにレイザーラモンHGの物真似をマスターさせたいナターシャ。

五つ星評価で【★★★★多少中弛みはあるが、私、タスクマスター様が好みでたまらない】
見終わった直後のツイッターの呟きが次。

悔しいけど面白いんだよなあ。悪役が正真正銘のクズなの凄い。バイクのBWと戦車のタスクマスターのチェイスとかワイルドスピードかよ。アベンジャーズでチャーリーズ・エンジェルっぽい。そしてタスクマスター様が私の好みです。

「何が悔しいの?」って言われて答えた回答が次。

作品の出来がいいと、それが不誠実なトップやセールスマンに売られてる現実が悔しい。

最初に書いた通り、家族ごっこをしている部分で多少中弛みはある。でも、王道で面白い。凄い。凄い。ヴィランは単なる人間でマスクみたいなのを被っていない。でも、正真正銘の屑。女子供に対してこれだけ屑く扱えるのは今のハリウッドのポリコレ的にも大正解な悪役(そう考えると多少気持ち悪く、気がかりでもある/次のヴィランは果たして大丈夫か?)。崩壊するラピュタの中でのアクションっつより、崩壊して瓦礫と化して落下している大惨事の中でまだ正義と悪が殺し合いの決着を付けようとしている業の深さにやられる。書いてなかったけどスカーレット・ヨハンソン様ステキすぎる。

タスクマスター様とジャンケンをして30分くらい引き分けを続けたい。


◆『グリーンランドー地球最後の2日間ー』トーホーシネマズ新宿8

▲割と奥さんの顔、怖め。

五つ星評価で【★★★相も変わらずジェラルド・バトラー】
ばりばりジェラルド・バトラーが無双する映画。だけど、いつものジェラルド・バトラー映画だったら、如何ともし難い犠牲者は出ても、大筋全員救われる方向に話は進むのだが、今回は自分達は助かるが、楽観的に善人であっても助からない者は助からない。情け容赦なく殺してしまう話だ。

いきなり地球破滅が分かってしまい、アメリカ政府が選出した避難民名簿に名前が載っていたジェラルド・バトラー一家三人は避難民として逃れようとするが、その行く手には次から次へと障害が立ち塞がる。障害となるのが全て、自分達も助かりたい避難民という構造が絶望的。

ハリウッド映画界でおそらくポリコレが進みすぎた結果、黒人は高潔で、白人は一様にクズというセオリーが気持ちいいくらい貫かれている。お前らそういうメガネもいかんだろ。


【銭】
『夏への扉 ーキミのいる未来へー』:トーホーシネマズポイント6ポイントを使って無料入場。
『いとみち』:ユーロスペース会員割引で1200円。
『アイアン・シーク』:テアトル会員割引+曜日割引で1100円。
『ブラック・ウィドウ』:ユナイテッドシネマの1200円で5/31まで鑑賞できるクーポンチケットが期間2カ月延長になったというのを使用。
『グリーンランドー地球最後の2日間ー』:トーホーシネマズポイント6ポイントを使って無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
夏への扉 ーキミのいる未来へー@ぴあ映画生活
いとみち@ぴあ映画生活
アイアン・シーク@ぴあ映画生活
ブラック・ウィドウ@ぴあ映画生活
グリーンランドー地球最後の2日間ー@ぴあ映画生活
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夏への扉 ーキミのいる未来へー@ノラネコの呑んで観るシネマ
いとみち@ノラネコの呑んで観るシネマ
ブラック・ウィドウ@或る日の出来事
ブラック・ウィドウ@ノラネコの呑んで観るシネマ
グリーンランドー地球最後の2日間ー@yukarinの映画鑑賞日記α
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『竜とそばかすの姫』トーホーシネマズ日本橋7(ネタバレ的)

◆『竜とそばかすの姫』トーホーシネマズ日本橋7

▲ポスター。

そのものズバリなネタバレはしてませんが、周辺的な事は書いてますので参照注意。

五つ星評価で【★★★★ポンコツな主役が愛しい】
ごく一般的なポンコツとしては、そらこんなん好きだよ。と言うのがツイッターで呟いた最初の感想。ポンコツが見るポンコツを主役にした映画には夢がある。

『美女と野獣』に似てるか? 似てるだろう。でも、それがこの映画を嫌いになる理由にはならない。あれも好きだし、これも好き。『美女と野獣』は心の醜い青年が魔法の力で外見も醜い野獣に変えられるが、心の美しい少女ベルの看病で人間の心を取り戻していく。だが、その時、村人の一群が野獣を討伐に城にやって来る。野獣は自分を犠牲にし、ベルを救う。大雑把に「心の美醜」は外見と異なるというのが『美女と野獣』のキーワードだ。「美女」というタイトルから、ベルは外見も美しいが奇跡のように心も美しい。それは心がビッチだと話が難しくなり、美貌が不自由だと興行が難しくなるからだろう。ただ『美女と野獣』の場合、殊更にベルが美女でなくても話としては成立する。田舎育ちのカワイコちゃんタイプでも大丈夫だ。つまり、「美女」とはタイトルされているが、性的な符号なしでもOK。人として真摯に野獣に向かいあえるのであれば、小学生時代の芦田愛菜ちゃんを起用しても大丈夫だ。二人の関係性は苦しんでいる人と労わる人に近い。「苦しんでいる人がいたら、労わってあげましょう。それでみんなが幸せです」というのが観客が受け取る気持ち良さだ。そして「それを邪魔する奴がいたら殺しても構いません」と言うのが裏口経由で受け取る気持ち良さだ。
『美女と野獣』の野獣とベルの関係性は『竜とそばかすの姫』の竜とすずのそれに似てる。ただ一点、すずは竜を労わろうとする存在であるが、すずそのものも大きな問題を抱えていて、ネットワークの世界ではそれが竜のようにマイナス方向に可視化されていないに過ぎない。すずは問題を抱えているが、それがネットワークの世界でプラスに作用し、他人から注目を受けている。すずは自らの心理的な傷を他人をも癒すようにメッセージで伝えられる。竜は自らの心理的な傷からくる痛みを適正な強さで他人に向けられない。平均でいられないと言う意味で、この二人はあのネット世界で同質の存在なのだ。「苦しんでいる人がいたら、あなたがそれ以上に苦しんでいても労わってあげましょう。それでみんなが幸せです」というのが『竜とそばかすの姫』で観客が受け取る気持ち良さだ。『美女と野獣』よりちょっと音量が強くなってる。「それを邪魔する奴がいたら殺しても構いません」と言うのはまあ同じ(大きな声で言えない所も含めて)。
この二人と相対するのが彼等以外の平均的なアカウントの波。彼等は欲望に忠実。自分が気持ち良くなる為には自由に行動するし、他人を下げる事も厭わない。まあ大衆とはそういう物だ。そして、その大衆の上で流れを扇動し、自警行動に名を借りたマウントを取りたがる者も出てくる。そのマウント取りたがり屋が手に入れた新たな脅威ガジェットが「アンベール銃」。これが怖い。映画でのネットの世界が自分をアバターに置き換えて楽々にいられる世界であるなら、その「アバターというベールを剥ぎ取る銃」。例えば、それは「あつ森(あつまれ動物の森)」でFBのように現実世界の個人名と現実世界の容貌を常に表示する銃。それはちょっととってもお手軽で深刻な地獄だろう。人間が自分の要素を持つコピーロボットを使役する『サロゲート』という映画で、あのブルース・ウィリスでさえロボットに髪の毛がふさふさ生えていたのだから。ちょっと、そんなリアルな仕打ちには耐えられそうにない。いやまあでも、ちょっとだけ出会い系サイトで、アンベール銃を乱射したい欲望にかられないでもないが(JKを自称する野郎ばかりになるか)。
この「アンベール銃」と言うのが、この映画の中での最大の発明じゃないかと思う。
みな現実の世界で現実の自分が嫌いだ。
現実は疲れる。現実はくさい。現実ではデブだ。現実ではハゲだ。
現実の自分の失敗や自信のなさに追い詰められる。
ネットが面白いのはそういうの抜きで傍観者でいられるからではないだろうか。
私のネットは割とそんなだ。割とごくごく普通にみんなネットに巣食ってしまうのはネットに演劇性があるからじゃなかろうか。傷付けられない他人を演じる。
悪魔の弱点は「悪魔の真の名前」と言うルールがある。これはユダヤ教の神が物や事に名前を付ける事で世界を作成していったからだろう。だから本当の名前が分かれば神の真意が分かるだろうし、それはそのものの性質全てを明らかにする事であると言える。ちょっと民俗学で怪異に付けられる妖怪の名前に似ている。普通に寝ているのに枕があらぬところに移ってしまう。それは「妖怪・枕返しがいるからだ」。うむ、ユダヤ教的だ(そうか?)。真の名前=真の知恵と言ってもいい。枕返しの弱点は妖怪がいるかのように枕が動いてしまう寝相の悪さだ。これで、枕返しは存在を失う。ネット世界でのアバターの弱点は悪魔同様「アバターの真の名前(真の情報)」を明らかにする事である。怖い怖い。

「ユーの歌姫ベルってステキだわあ」
「でも、あの子の本当の顔写真持ってるし、小学生までオネショとかしてたらしいよ」
こわいこわい。

PART2作成案:
竜とすずの事案により、「ユー」のスポンサー企業の中で、ある種のトラウマを持っているアカウントの方がカリスマ性を獲得できる事に気が付く。「ユー用カリスマアカウント育成シミュレーション」が現実世界に立ちあがる。アジアの貧困住宅から乳児幼児の買取、誘拐がすすむ。彼等は適度な虐待を与えられながら育てられ、24時間環視されながらネットを徘徊させられる。一方、すずはあの事件以来、ストーキングに悩まされるようになる。ワゴンカーに無理やり連れ込まれようとされたのも一度や二度ではない。ある時、すずはユーのスポンサーであるという企業から特殊な申し出を受ける。彼女の「ユー」でのアカウントは「ベル」、現実世界での活動を彼女に変わって行う特殊なアバター「ベルⅡ」を使用しないか? という事だった。会社の名前はタイレル社。ストーキングや誘拐に苦しんでいたすずはこの申し出を了承してしまう。徐々に現実的な肉体の身体感覚を失っていくすず。その頃、竜は「ユー」の世界で育成シミュレーションで育てられた複数アカウントから攻撃を受けていた。
(うわ、ハッピーエンドに繋がりそうにないよ/中断中断)。

ちなみに私は声優等よう分からん。みんな声優的でなく、普通の声っぽかったのが逆によかったと思う。ただ、誰が声優で、誰がタレントだかもよう分からん。みんなようやった。ベルのうたもよかった。すずの一々動きがヘタレっぽい感じもよかった。

あと、悪意と言うには無神経なディスがポポポポポと生まれて並行的に増えていく様は本当に今のネットみたいであり、それをツイッターやスマホの直線方向での充満でなく、吹き出しが3D空中に浮かんでるみたいにビジュアル化したのは本当に凄い。空間感覚が若いなあ。


【銭】
トーホーシネマズポイント6ポイントを使って無料入場。
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るろうに剣心関連記事リンク▼

▼関連記事(るろうに剣心関係)。
①・るろうに剣心(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
②・るろうに剣心 京都大火編(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
③・るろうに剣心 伝説の最期編(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
④・るろうに剣心(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
⑤・るろうに剣心 京都大火編(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
⑥・るろうに剣心 伝説の最期編(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
⑦・るろうに剣心 最終章 The Final@死屍累々映画日記・第二章
⑧・るろうに剣心 最終章 The Beginning@死屍累々映画日記・第二章

一応、これでコンプリートやね。あっ、もう一つ。
⓪・るろうに剣心関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章
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『るろうに剣心 最終章 The Beginning』ユナイテッドシネマ豊洲12

◆『るろうに剣心 最終章 The Beginning』ユナイテッドシネマ豊洲12

▲「気持ちが良かったらこの笛を吹くのだぞ」にちょっと見えなくもない巴と剣心。

五つ星評価で【★★★巴の可愛さと剣心の剣の冴え/そして北村一輝はアラブ人のビルダーでも通じそう】
公開から6週ほど経過してやっと見れた。
その間に緊急事態宣言が始まって、解除されて、又、始まってしまった。
まあ、ともかく剣心の剣の冴えが今回も凄い。前作までは、相手を立たせて見せるという映画キャラクター上の両雄相い立つ作りが入っていたので、剣心の剣のスピードが今作より抑えられていたように見える。普通に撮影の順番から言ったらこっちが後だろうから、更にスピードアップが進んで本当に「目にも止まらぬ早業」が延々と展開している。それが殺人鬼としてのリミッターが切れている剣心に合っているので違和感がない。今回は一部のアクションを除き、剣心が自分より剣技に劣る持ち主の集団を圧倒して斬殺する場面の方が多い。特に最初の捕虜にされてる状態からの格闘は観客がその場に放り込まれるような臨場感に溢れている。

そこに楔を打ち込む有村架純の「ぼうっ」とした実在感を凄く丁寧に話に組み込んでいる。
ただ、最後の場所に舞台が映った後は、話のスピード感が衰え、前作で見せた部分との答え合わせをするような作りになってしまったのは残念だ。そして、今作のアクションの中で、剣心が危機におちいる田舎の場面が突出してつまらない。道徳観みたいな物を捩じ伏せてまで殺戮の快楽に浸らせた観客を最後のアクションは裏切ってしまうのだ。別に、その裏切りがラストの悲劇を印象付ける為の物であるなら構わないのだが、あまりその悲劇が「どーん」と観客に突き刺さらないので、単につまらないアクションにだけなってしまった。悲劇が起こる事は前作の予習で分かっていたのだから、そこは分かっていても浸れるくらい情動のラインを突き動かすような演出が必要だったのではないか?

格闘アクションには一切加わらないのに役者として美味しかったのが桂三枝、もとい、桂小五郎役の高橋一生。「いらっしゃーい」とか言って(言ってない)剣心を討幕運動に引きずりこむ。ちゃんと人格が立ってないと成立しない役だが、高橋は強引に役を自分の近くに引き寄せて多くの説明を省いた。やるなあ。

沖田総司って割とイヤなキャラなのか? 決着が付かないので気分悪いだけで終わってしまった感じ。
近藤勇ただ顔がでかい。物語が斉藤一推しなので、異常に土方歳三にスポットが当たっていなく、役者が誰なのかも分からなかった。隠密かよ(あん蜜食べたい/壇蜜も食べたい)!

そして、北村一輝のともかく「ザ・敵」という設定のみで、誰でもいい感。性格が悪く、味方が負けていく事に関しても見極めが悪い。悪い奴キャラ(てきとーに今、思い付いた)。アラブ人のビルダーっつか、『アサシン・クリード』のキャラだよと言っても通りそう。江戸時代にいそう感が少ない。なんか負ける為に出て来た感が濃厚で居たたまれない。

今回の話がどう閉じるかは前作で分かっているので、後半、テンポダウンしていくのがちょっと冗長で、やはりここが前作より推せない部分である。好き嫌いだけなら無印→ファイナル→京都大火→ビギニング→伝説の最期、くらいか?


【銭】
ユナイテッドシネマの1200円で5/31まで鑑賞できるクーポンチケットが期間2カ月延長になったというのを使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
るろうに剣心 最終章 The Beginning@ぴあ映画生活
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るろうに剣心 最終章 The Beginning@yukarinの映画鑑賞日記α
るろうに剣心 最終章 The Beginning@ノラネコの呑んで観るシネマ
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『仮面ライダー対ショッカー』『仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ』『五人ライダー対キングダーク』『ライダー対銀河王』丸の内TOEI②

特集「KAMEN RIDER FILM ARCHIVE vol.1」の4プログラム。

◆『仮面ライダー対ショッカー』丸の内TOEI②
五つ星評価で【★★★★演技熱い】
1972年、カラー、32分、初見、山田稔監督作品。
冒頭「人口重力装置を開発した、だが、これを悪用すれば地軸をも曲げてしまう」と悪用してくれればいいのにみたいな気軽さで口にする大道寺博士。あにはからんや、博士の研究はショッカーに目を付けられており、完成と共に奪いに来る。現われる死神博士。天本英世の演技が熱い。岡本喜八の映画で度々見かける名優だが、こんなアップで大見栄きって、憎らしく語りかける映画は他にない。ヨイヨイ。研究所に研究結果を奪いに来たのはハエ男。「同じ科学者じゃないか!」そんな展開はない。博士は研究の大部分を盗まれるが、コアになる方程式を娘の所に預けておいた。すぐさま誘拐される娘。お前らバカだろ。
この娘が誕生日パーティーででかいケーキを切る前に炎を吹き消そうとしたらケーキが炎上、ショッカーにも中々シャレた事をする奴がいる。子供部屋に来たのがアリガバリとドクガンダー。カーテン開けると窓にアリガバリがいるのは撮り方が上手くてけっこう怖い。ドクガンダー、もふもふ。本郷、一文字駆けつけるがメイン怪人ザンジオーも現われ、娘は誘拐されてしまう。娘はなかなかのロリで赤いスカートでばんばんパンチラ、キャーキャーよく泣くのは人質としてOK。ザンジオー、デザイン悪い。蝶ネクタイが似あいそう。顔がちょっと小堺一樹。本郷、一文字、滝、立花と出てくる役者の演技が凄くしっかりしてて、見てて気持ちいい。

死神博士から立花レーシング倶楽部に電話がかかってきて、人質交換で「地獄谷」の名前が上がる。「地獄谷」は映画『仮面ライダースーパー1』で、悪役5人が「地獄谷5人衆」を名乗っていた場所だ。何も関係あらへんがやな(まあ、使いやすげな名前ではある)。この地獄谷でライダー達を待ち構えていたのが、ショッカー再生怪人軍団。けっこうな量が登場するが、その中に狼男が混ざっている。それは悲しいからやっちゃダメよ。狼男って先代幹部ゾル大佐じゃん。

ライダーと戦闘員によるバイク戦もある。戦闘員のバイクがあちこちから集めてきたみたいでけっこう特徴バラバラなのが気になる。幾つもバリエーションを付けて負けてくれる戦闘員さんたち。ありがとうありがとう。


◆『仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ』丸の内TOEI②
五つ星評価で【★★だるだる】
1988年、カラー、25分、初見、小西通雄監督作品。
仮面ライダーBLACKその物が物語として初見。
ゴルゴムの悪い意味で演劇的な外観が何となくダイレンジャーに出てたゴーマのフリフリ白い服版という感じ。
幾人もの子供が誘拐され、誘拐された子供をBLACKが開放するのだが、子供の服とかがかなり洗練されてきている。「戦後」キーワードの悪ガキから脱してきて「お子様」っぽさが強く出てきた。同一世代の視聴者にはオモチャを買ってもらわないかんから、金持ち層にシンパシーを抱くような設定にしたりしたのかもしれん(考えすぎか)。
主役の倉田てつをはちょっとおぼっちゃん風。


◆『五人ライダー対キングダーク』丸の内TOEI②
五つ星評価で【★★ぐだぐだ】
1974年、カラー、28分、初見、折田至監督作品。
XまではTVをリアタイでなんちゃって視聴してた筈だけど、GODの怪人もキングダークも毛ほども覚えてない。
本編もなんか訳も分からずみんなただ戦ってるみたいな。
今回の映画用敵キャラ、コウモリフランケンは戦力分析して作成したのにプラスアルファ要素が加わって勝てないという展開なのだが、そういうのは1対1で、差が僅差の時にやるから燃える展開になるんじゃないだろうか? 
マンションだか団地の騒音問題を「仮面ライダーに伝える」と夜間、外に出ていく子供。そっちの方が危険だ。それをストーカーのようにぬっと出てきて話を聞いてやる変身後の1号ライダー(2号?)、存在が変質者っぽいぞ。そして、その騒音が本当にGODの悪巧みが漏れていたって、、、静かに喋れよ、お前ら。つか、神話怪人で、出身が日本じゃないんだから、日本語で悪巧みするなよ、お前ら。いいよ、視聴者の事そこまで考えなくても。

V3に付けてもらった冠を子供に外されるライダーマン。
ライダーマン「仮面ライダー4号!」
子供「あっ、ライダーマン」

神話怪人デザインがグロくて怖い。

「対キングダーク」だけど対決しなかったなあ。


◆『仮面ライダー8人 ライダー対銀河王』丸の内TOEI②
五つ星評価で【★★前衛映画】
1980年、カラー、45分、初見、石森章太郎(!)監督作品。
あえて言っちゃうと、映画が終わって、主演の村上弘明が「TBS、MBSで放映してるライダーもよろしく」ってウィンクするキラー動画が一番の見所。かーいーわー。あんなん男とか女とかないわ。
ストーリー適当。
宇宙空間で新エネルギーのテストをしてた博士、成功と同時に宇宙人とネオ・ショッカーの両方にその成果を狙われて、技術の大事な情報を犬に巻きつけて地球にいる自分の娘へ。なんか博士はすぐに自分の情報を娘に送っちゃうのだ。そういう性癖とか感染するような病気があるんじゃないか? で、犬とか娘の争奪戦が始まる。まず、宇宙人である銀河王、お前は太陽系外惑星からホイホイやってきてる身分なんだから、ホイホイ新エネルギーなんか欲しがるな。絶妙に壊れそうな、と言うか対ショックに弱そうなデザインが宇宙の広さを語っているようでいいぞ。銀河王とお付きの鳥っぽいのとお付きの兵士っぽいの、統一感が無くて逆に良し。その銀河王と表面上手を組み、水面下で出し抜こうとするネオ・ショッカーも中々良い。と言うより全体ダメなので、良いところが色々浮かび上がってくる状態。流石に石森章太郎先生、天才とは言え、監督業は素人だ。
でも、次の二つの演出は神っぽい。
①ネオショッカー戦闘員得体のしれないゾワゾワ行進(これ怖い)。
②人質女子を執拗に引きずり回して着衣を乱れさせる(にっかつっぽいぞ)。
あと、ネオショッカー本部でその姉ちゃんをわざわざ縄で縛るの趣味性高い。

ライダー8人出てきて悪と対決するアクションシーンはひたすら並行展開。とても残念。

富士の演習場で今まで見た事のないような実用小型戦車とバイクに乗ったライダーの戦いなんて、凄い映像になりそうなのに、ごめん、この間『ブラック・ウイドウ』で凄く似た展開を500倍くらい見事に表現してたから一切興奮できなかったわ。

ネオショッカーのジャガーの怪人何か見かけた事がある気がする。何だろうと思ったら、『キャッツ』の猫に似ているんだ。あれは怖かったからな。ショッカー中々やるな。

「銀河王」と聞いて、マンガの登場人物にいたなと思った。
違った。マンガ側の登場人物の名前は「山田銀河丸」、ちょっと惜しかった。


【銭】
各作品1000円均一興行。まあしかし、30分を切るものは500円、45分を切るものは800円くらいでいいんじゃないかねえ。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
仮面ライダー対ショッカー@ぴあ映画生活
仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ@ぴあ映画生活
五人ライダー対キングダーク@ぴあ映画生活
仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王@ぴあ映画生活
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仮面ライダー対ショッカー@徒然なるままに
仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ@徒然なるままに
五人ライダー対キングダーク@徒然なるままに
仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王@徒然なるままに
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