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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ザ・スイッチ』『ガンズ・アキンボ』キネカ大森3

◆『ザ・スイッチ』キネカ大森3

▲殺人鬼わりとナデ肩じゃん。

五つ星評価で【★★★★単純明快でよし。】
ツイッター第一声↓。

うひょーおもしれー。

よかよか、それでよか。入れ変わった後の凶悪女子高生とピチピチ殺人鬼のギャップ演技がステキ。
生贄の儀式で失敗すると心が入れ替わってしまう懲罰って、何でそんなこと考えたのか分からないよ、マヤ文明アステカ文明(※)。それって神様が下界を見て楽しむ為にムリムリ作った感じありありだ。中身が少女の殺人鬼と、その少女の片想いの相手少年の、まだ身体が戻る前のキスとかロマンティックじゃない? 画面上はホモホモちっくだけど。でもまあ面白い映画は多弁にならない。

※「マヤふみあき」と「アステカふみあき」というリングネームのレスラーが戦ったら「マヤふみあき」が勝ちそうな方に5ペソ。


◆『ガンズ・アキンボ』キネカ大森3

▲おーまいがーっな瞬間。

五つ星評価で【★★★いやちょっとダレてもた】
これもツイッター第一声↓。

うっひょーちょっと寝た。ずっとかかってるピポピポ音楽が明るくて愉快な感じ。

悪くないし、とっても快調なのだけど、ラストまで一直線に一度も飽きさせないという事はかなわなかった。残念(俺が)。本拠地乗り込む辺りからかなりヘロヘロ(ニックスみたいにドラッグとかはやってません)。
最強の殺し屋ニックス、なんかビジュアルが『鬼滅の刃』の那田蜘蛛山編辺りで見た気がする。吾峠呼世晴先生が描きそうな強くて綺麗で悲しい顔に似てる。ダニエル・ラドクリフの彼女役の髪の毛が鮮やかすぎて、それはちょっとトロールズの人形みたいだった。ナイロンっぽいつーか。殺人ゲーム「スキズム」の管理者のハゲで刺青のビジュアルもカッケー。キングレコードの山口プロデューサー(『怪談新耳袋Gメン』とかで縦横無尽に出演するプロデューサー)は刺青を入れてああいう人になって欲しい。
ダニエル・ラドクリフが両手に銃を縫い付けられて、ニッチもサッチも行かずに街行く人に助けを求めるが誰も助けてはくれない。そこでダニエル・ラドクリフが言う一言。英語で何て言ってるかまでは気が回らなかったが、字幕は「ですよねー」。うわー字幕担当者ムチャクチャいい仕事。


【銭】
『ザ・スイッチ』+『ガンズ・アキンボ』の二本立て:名画座キネカード割引1100円と会員更新料1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ザ・スイッチ@ぴあ映画生活
ガンズ・アキンボ@ぴあ映画生活
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『FAKE』『一度も撃ってません』『トロールズ ミュージック★パワー』『スタントウーマン』『RBG』キネカ大森3

キネカ大森括りで2021年の名画座パスポート使用から5本まとめてレビュー。

◆『FAKE』キネカ大森3

▲苗字に漢字四文字使う「佐村河内」だが、苗字長い方が偉い気がする。「佐村鬼龍院」とかあったら苗字としてかっけーじゃん。テストの名前書くロスタイムで小学生くらいの時「うちはなんでこんな苗字なんだよ」って怒ってそうだけど。

五つ星評価で【★★★★何が正しいかを判定する術がないなら、そこはもう人柄を信じるしかない】
この映画を見るまで佐村河内氏の事は知らなかった。ワイドショーで名前くらいは聞いてたが、何が問題の争点かがよく分からなかった。へー、こーゆー話なのね。この映画だけ見てると佐村河内氏より新山氏の方が怪しい。それは撮影チームの用意した反論の機会を拒否するからである。ただ、これは佐村河内氏側(およびドキュメンタリー映画作成側)がニュースを捏造している可能性がある。それも含めて『FAKE』というタイトルなのではないか? という疑いを当然、持ってくれと森達也監督なら考えていそう。逆に『FAKE』に見えようが見えまいが、これが自分の見つけた見解である、そう主張しているようにも見える。そして、最後、ドキュメンタリーの枠組みを外れるのではないかと言う逸脱がある。目の前の物を撮っているだけでなく、目の前の物に働きかけるドキュメンタリー。「お前、はっきりしないんだから人の手を借りずに本当に作曲できるのかやってみい」と言う。私は、佐村河内氏が新山氏の力を借りずに作曲した新曲に対して、確かに、こなれてはいないのだが、彼独自の個性が散見されると思う。


◆『一度も撃ってません』キネカ大森3

▲石橋蓮司(右)はまごう事なき爺ちゃんなんだけど、それより少し前の石橋蓮司にちょっとだけ吉田鋼太郎(勿論この映画に出てない)が寄せてきてる気がする。石橋蓮司の息子に吉田鋼太郎とかキャスティングして親子喧嘩とかやらせたら面白そうなのだけど、そもそもそんな脚本とか原作がな、、、、、『光のお父さん』を吉田鋼太郎を息子、石橋蓮司を父でリメイクするか。後から画像と入れたキャプションの方が映画の感想より長いぞ。

五つ星評価で【★★★大人の笑いが笑いでいいかどうかは微妙】
凄い職人的な間の取り方で生じる大人の笑い。あー、こーゆー作り方もあるのね、とは思うもののバカ正直にくだらない事でゲラゲラ笑った方がコメディーやコントは幸せだと思うのよ。だから、小学生が腹を捩るような映画が本当はいいな(但し、うんこの笑い禁止)。あの若い編集者にはギャフンと言わせたかったな。


◆『トロールズ ミュージック★パワー(吹替版)』ユナイテッドシネマ豊洲12
◆『トロールズ ミュージック★パワー(字幕版)』キネカ大森3

▲上白石萌音より萌歌顔の主人公。別に横の黒毛逆立ててる奴もウエンツが声宛ててて全く似てないからそれはそれでいいんだけど。ウエンツのキャラが着込んでるチャンチャンコに関しては実は先祖代々の霊毛が編みこまれた物であってって、ウエンツが鬼太郎やったって事自体が黒歴史化しつつある気がする(ウエンツの黒歴史と言うより鬼太郎の黒歴史)。つーか、キャプションなげーよ、俺。

五つ星評価で【★★★,★★★★自尊心と協調】
全編音楽に彩られていて楽しいが、最近のアニメの例に漏れず、実は谷底のように深い内容を秘めている。かってトロール達は一つの王国で幸せに暮らしていたのだが、ある時、音楽性の違いから国は六つに分裂してしまう。ロック、クラシック、カントリー、テクノ、ファンク、ポップ。物語の冒頭はロックがテクノを「こんなピポピポは音楽じゃねえ」と言って滅ぼしてしまおうとするところから始まる。ロックは自分達の音楽によるトロール王国統一を目指しているのだ。これは第二次大戦の日本の大陸戦略みたい。占領した地区の住民を日本人にしてしまい、母国語を喋らせず、日本文化を強要する。今の中国のチベット政策もこれに似てる。相手が何者であれ、それは関係なく、素晴らしい自分達に同化すべきである。自分達が素晴らしいという事は、自分達と違っている彼等は素晴らしくないという事なのだから。怖い。怖い。そして、面白いのは悪役として配置されているのはロック・トロール達だが、主人公のポップ・トロールのお姫様が「ポップ」が好きなのが高じて他の音楽を「つまらない音楽と無意識に決めつけている」のだ。根が変わらない。ポップはロックの侵攻を受ける。そこでポップは自分達自身も持ってる間違いにやっと気が付く。
いやー、多様化万歳。ハッピーエンドで終わってよかった。
ポップの姫様ポピーの声は上白石萌音、キャラは丸顔で上白石萌歌に似ている。困り眉でもないし。
王国の瓦解の原因解明もほろ苦い。人は中々、自分達の失敗に対して振り返れないし、秘密にしてしまいがちなものである。


◆『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』キネカ大森3

▲ゴルゴ松本の「命」のように「女」をやろうとしたら爆発が早くて体制を崩したスタント・ウーマン(嘘)。

五つ星評価で【★★出落ち】
スタントウーマンの活動内容は素晴らしい。だから、最初にモンタージュして流されるアクションシーン集は見逃せない。派手でかっけー。逆にそこが一番である。それを支える種々のインタビュー発言はなかなか納得できるものだったりするのだが、どっちかと言うと常識的な内容で、そこにグッと耳を傾けさせるエピソード・トークとしての魅力が乏しい。アクションは注意しないと危険だ。死んだ人だっている。悲しい。いや、それは分かるが、それはインタビューせんでもみんなそうと分かっている事だろう。確かに出来上がった結果(スタント)が全てだから、その内訳が面白いとは限らないのだ。ちょっとその辺りもうちょっとどうにか出来なかったのかについては残念。


◆『RBG 最強の85才』キネカ大森3

▲DBGだったらダース・ベイダー・グレイトなのに(いや、判事だからそんなリングネーム付けないだろ)。

五つ星評価で【★★★チャーミング】
85歳にして現役の女性最高裁判所判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグに迫ったドキュメンタリー。飄々と戦い続ける政治的なアイコンであるのだが、あくまで感情的にならず知性やユーモアで物事に対処するのは、当たり前の事だが素晴らしい。なんか日本の政治家(RBGは政治家ではなく法律家だが)や、法律家から転向して政治家になる人物達が誰も彼も知性をかなぐり捨てて、感情だけでこの国を振り回してるのを見ると、米国だって不完全な国だが、日本は輪を掛けてしまってると感じざるを得ない。殊更、第二次安倍政権以降は人に反論されないように中身の見えづらい物言いをする人ばかりで、物事の解決の為に内容のある話を使用と言う人間が与党にいない。と、ここまで全部、映画と関係ない。
ありきたりの事だがファースト・カットとかから好人物である事が分かる。そういうプロパガンダなのかもしれないけど、悪い気はしない。彼女の主張が通ったとしても、まだまだ彼女の望む公平な世界には遠いからかもしれない。


【銭】
『FAKE』:名画座キネカード+ラスト一本割引600円。併映見なかったのは『虚空門 GATE』で、これは前に見ていたから。
『一度も撃ってません』:名画座キネカード+ラスト一本割引600円。併映見なかったのは『おらおらでひとりいぐも』で、時間が合わなかったので一本だけ見た。『おらおらでひとりいぐも』は未だに見れてない。
『トロールズ ミュージック★パワー』:名画座キネカード+ラスト一本割引600円。併映見なかったのは『ビルとテッドの時空旅行』で、これも前に見ていたから。キネカの前にユナイテッドシネマで1000円で観てる。これは有料入場ポイント2ポイント使って割引で観たもの。
『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』&『RBG 最強の85才』:名画座キネカード割引1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
FAKE@ぴあ映画生活
一度も撃ってません@ぴあ映画生活
トロールズ ミュージック★パワー@ぴあ映画生活
スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち@ぴあ映画生活
RBG 最強の85才@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち@ここなつ映画レビュー
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『赤い唇』『デッド・オブ・ナイト』『アントニオ・ダス・モルテス』『黒猫』『呪いの家』K's cinema

特集企画も「奇想天外映画祭2021」から5本。

◆『赤い唇』K's cinema
五つ星評価で【★★★ぼいんに免じて】
1971年、カラー、100分、初見、ハリー・クーメル監督作品。
ベルギーの吸血鬼映画。耽美。
白黒のディートリッヒにカラー彩色したみたいな伯爵夫人、
妙に肉感的でボインボインな女秘書、
吸血鬼らしい彼女たち二人が新婚夫婦に絡む。
女秘書は死に、野郎は整理され、残った二人の女は一人に統合される。
題材としての死は散りばめられているが、継承を目的としない死はとても軽く扱われる。
「ポーの一族」的だが物語に悲しさはない。喜びもない。
ただ「美しさ」だけ目の前を過ぎていくのが「耽美」っぽく感じるのだろう。
日常生活で感情の増減もなく、ただ「美しさ」だけが目の前を横切ったりはしない。
だから、ただ「耽美」を垂れ流すだけの映画が存在してもいいし、そういう価値がある。
あと女秘書のおっぱいボインボインが生命力っぽくって可愛い。
そういう意味で言うと「ぼいん」は個人的に美しいと思うが「耽美」ではないのだな。
でも「ぼいん」と「耽美」だったら「ぼいん」が好き。
だって「ぼいん」だぜ。「ぼいんぼいん」。
なんだ、このプチ性癖白状。
ちなみに「映画生活」さんの題名検索「赤い唇」でひっかかる三本『赤い唇(1971)』『愛獣 赤い唇(1981)』『官能病棟 濡れた赤い唇(2005)』はどれも見てる筈。思いも寄らず「赤い唇」好きなのかなあ、俺。まあ多分「黄色い唇」とか「青い唇」とかよりは好きよ(赤以外の唇は見た事ないから推測の域を越えないけど)。いや、ちょっと待て。ハーレクインの黒い唇とかは好きじゃないだろうか。あの肉厚な黒い唇で全身リップの、、、、、、、、、、弁士中止!


◆『デッド・オブ・ナイト』K's cinema
五つ星評価で【★★★★唖然とする後味】
1945年、白黒、103分、初見、チャールズ・クライトン他3名監督。
ゲストとして呼ばれた建築家がそこに集まった人達の恐怖体験(五つの怪談話)を聞くことになる体裁のオムニバス映画。ゲストの男はこの光景をデジャ・ヴで体験しており、「いけない、いけない、このままでは本当に大変な事が起きてしまう」とずっと恐れおののいてる。そして、その大変な事が起こる直前のキッカケが遂に訪れ、、、、、、、、、、、あー、そーなのか、それは怖いし、覆しようもない。そして、怪談話がメインプロットに取り込まれながら、元の地点までそそくさと戻っていき無限ループになったりする。なんて巧みな。腹話術師のエピソード人気が高いが、凄い悪い後味で劇場を追いだされる巧みな構成がこの映画を他にはない作品に仕上げているのだと思う。ラストの劇伴も人物の心情に寄り添うようでいて、なんか、心臓を陰から人知れず絞めつけているようなイヤらしさを漂わせている。


◆『アントニオ・ダス・モルテス』K's cinema
五つ星評価で【★★ザ・謎映画(多分、俺が理解できてないだけ)】
1969年、カラー、100分、二回目、グラウベル・ローシャ監督作品。
昔、高田馬場にあった畳敷きの映画館ACTミニ・シアターで見たのだと思う。その時も今回同様途方に暮れた事だろう。すっかり忘れてた。こういう映画に置いていかれた映画って記憶に残らずに、見直して昔も分からなかったとか思い出したりする。まーなんつーか物語が分からない。ちゃんと会話は和訳されているのに原語版を見てるように何を言ってるのか噛みあわない。と言うより、主役がアントニオ・ダス・モルテスという殺し屋である事が分かるくらいで、後は何が起こっているのかサッパリだ。あんなに明確にキャラが別れているのに登場人物の見分けがつかず(みんな小汚ねえメキシカンにしか見えない/ブラジル映画だからメキシカンではないのだろうけど)、話が皆目分からない。人々の行動原理が分からない。
映画解説を拾って読むと、野武士を殺させようと地主が呼んだ殺し屋は、野武士と言われた奴等が地主反対派の農民であり、殺し屋は農民側に立つ。地主は殺し屋を殺す為に農民の姿をした殺し屋の集団を雇う。みたいな話らしい。ええっ、そうなの?
外人がガイド付けずに歌舞伎見せられたらこんな感じを受けるんじゃないだろうか?
「♪アントーニオ・ダス・モルテス」とガナる演歌ともブルースとも知れない主旋律が強烈だけど邪魔でうるさい。
主人公が「アントニオだす」と自ら言う事はあるだろうが、風大左衛門のように青森出身でもなければ、動物と会話できる訳でもなく、音楽が鳴っても踊り出して服を脱いだりはしない。おそらく「♪モルテス、ドバっと丸裸」という事はないと思われる。


◆『黒猫』K's cinema
五つ星評価で【★★★エドガー・アラン・ポーも驚く】
1934年、白黒、65分、初見、エドガー・G・ウルマー監督作品。
見終わってポーの黒猫ではなかったなーと思ったら、原作はポーの黒猫なのだと言う。いやいや、こんな話ではなかったよ。共通点は黒猫が出てくる事くらいだよ。それは「黒猫も出さずに『黒猫』と名乗るのもどうかな?」程度のアリバイ的な出方でしかなく、ガッツリ主役ですみたいな「前へ、前へ」の体で黒猫出てないよ。と言うか、黒猫出さないなら出さないで、この話、成立してしまうよって、どんな『黒猫』だよ。
ベラ・ルゴシとボリス・カーロフの初共演作らしいが、いつも通りのベラ・ルゴシに「これが俺の芸風だ(泣)」みたいにメイクバリバリで現われるボリス・カーロフが何か可哀想。あんなに極端なマッド・サイエンティストメイクで出てくる必要はさらさらない。いいんだよ、もっと普通で。舞台『ドラキュラ』で大当たりを取って映画に移ったベラ・ルゴシに比べて、被り物やメイクで頭角を表わしたボリス・カーロフは同じ金を稼げる役者であっても大きなコンプレックスを抱いていたに違いない。と思ってたら、ボリス・カーロフが頭角を表わしたフランケンシュタインズ・モンスターは「あんなセリフもない役」と言って、ベラ・ルゴシが蹴った役らしい。二人は仲が悪いという事もなく、ごく普通の共演者として何回か共演を果たしているが、内心それぞれ心穏やかではなかっただろう。英語なんて全然自信がないからベラ・ルゴシのハンガリー訛りなんて分からんのだけど、でもまあ、ベラ・ルゴシの演技が舞台的で大仰な感じなのは分かっていた。ジャンルは違うが林家こんぺいみたいな役者なんである(こんぺい師匠と一緒にしたら流石にベラ・ルゴシも浮かばれないが、大きな意味では間違えてないと思う)。
ちなみに、舞台がハンガリーになっているのは、ハンガリー人でハンガリー訛りが抜けないベラ・ルゴシに対する対応じゃないかと思う。ベラ・ルゴシが映画『魔人ドラキュラ』で大当たりを取るまで映画界でさしたる業績を得なかったのはキツいハンガリー訛りが抜けなかったとの事なので(だから逆にドラキュラは適役)。
ウィキによれば、ベラ・ルゴシが185センチ、ボリス・カーロフが180センチ。巨人同士じゃ。
物語はエドガー・アラン・ポーをビックリさせる事が目的かのように、ベラ・ルゴシの妻と娘の両方を新興宗教に嵌っているマッド・サイエンティスト兼気鋭の建築家のボリス・カーロフが慰みものにしていると言う。うーん、そんな話だっけ『黒猫』
あと、ボリス・カーロフのメイクが講談社マガジンからイブニングに継投連載がずっと続いている『スーパードクターK』の脇役の誰かに似てる。いや、言ってる事が分からないかもしれないが、決して主役ではないのだけど、たまに出てくる物凄い真剣にメイクが濃くて懊悩してるみたいな顔の脇役にこんな顔の人がいる。
そんな意味でいろいろ奇跡の映画なのである(強引に閉じた)。


◆『呪いの家』K's cinema
五つ星評価で【★★★なかなかだ】
1944年、白黒、99分、初見、ルイス・アレン監督作品。
見終わった直後、なかなかだと思ったが、あっという間に何も思いだせない映画になってしまった。きっと『呪いの家』の呪いか、ウツラウツラしてた事の弊害だろう。


【銭】
当日3回券3000円を2回、購入。『デッド・オブ・ナイト』のみ2回鑑賞。
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赤い唇@ぴあ映画生活
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『キネマの神様』ギンレイホール

◆『キネマの神様』ギンレイホール

▲永野芽郁さえ可愛ければそれでいいならいい映画なのだが。

五つ星評価で【★★違うと思う】
半分ほど撮り終えた所で主演の志村けんを失ったとの事。そこからの建て直しや、コロナその物を物語の中に取り込むなど、転んでもただでは起きない強欲な山田洋次という感じだが、転び方が悪かったのか、立ち直って又、転び続けてるような映画になった。これは大変、個人的な事情なのだが、もう死んで十年以上経つ自分の父はギャンブル依存症で、若い時から貯めてきた蓄財を散財してチャラになるような所で頭の血管が切れて寝たきりになった後、死んだ。体質が合わずアル中にはならなかったが、「晩年がなければ立派な人だったのに」と言われるような人だった。だから尚更、沢田研二に同情できなかったのかもしれない。あのヘラヘラした嵐が過ぎるまで待てばいいだろうみたいなズルさや哀しさは近くで見ていた。
だから、現代パートはとてもイヤ。後から沢田研二に成功が訪れるが、そんなクジに当たるような成功にはとてもリアリティーを感じないし、そこで話は美談で閉じるが、美談で閉じられるのなら、依存症ではないだろう。現代パート、娘が怒鳴り散らし、母が泣く。この連鎖が嫌い。とっても大きく躓いてしまった為、菅田将暉は沢田研二になり、永野芽郁は愛して支えると決意したのに支えきれずに宮本信子になる。キャラクターが繋がっていない。そんな最初に作ったキャラクターを理由も強く提示せず、能なしにしてはいけない。娘はあんな大きな子供を育てながら、その年で居座るのが難しい契約社員をしており、どの時代の人間なんだかもよく分からない。孫は何か超然としていて面白いが、その超然の理由は映画では語られはしない(おそらく発達障害なのではないだろうか)。この辺もキャラクターの掘り込みが浅い。孫が脚本のどこが面白かったか聞かれて「全てのキャラが立っている」と答えるのだが、恐ろしい事にこの現代パートは全てのキャラクターが掘り下げが甘く居心地が悪いのだ。有言不実行。ポンポさんの逆かよ。
逆に過去パートは楽しいのだが、その過去の体験が驚くくらい現代パートに反映されない。だから、同一人物に見れないのだ。仮に菅田将暉が田舎に帰り、映画と違う仕事を得て、それが上手く行かなかったからと言って、あまりあの沢田研二になりそうに思えない。そこに沢田研二になる転向があるのなら、それは描かれるべきだし、そういう転向を撮影所の仲間達はいっさい気に掛けず、何の手助けもしなかったのなら、そこにどかーんと長い時間や、果てしなき遠さが横たわっているにしても、その間の人間を描こうとしていない不誠実な作品に見える。

えらく美しい掃除屋のあんちゃんが志尊淳か。あんな人はいない。
永野芽以の母親、除霊士をやめた柴田理恵かと思ったら広岡由里子か。
リリー・フランキーが相変わらず美味しい所を浚う。

まあでも、永野芽以が映画の出来以上に可愛かったので、それで、映画としてダメな分全てをチャラにしてもいいような気がしてる。


【銭】
会員証で入場。同時上映の『くれなずめ』はそこそこ近々に見たので再見しなかった。
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キネマの神様@ぴあ映画生活
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『劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人3~』シネマ・ロサ1

◆『劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人3~』シネマ・ロサ1

▲ザ・マミィの酒井と江野沢愛美(可愛い)。

五つ星評価で【★★★今回は設定に良さがある】
見た直後のツイートが下記。

これが本当とは全く思わないがモチーフになってる背の高い女「八尺さん」の非日常性に痺れる。そんな見たことのないもの怖すぎる。ただ映像は資金不足でいいカットと悪いカットが混在する。芸人は上手い人も下手な人もいるのはしょうがない。

凄いのが2021年になってからこれがもう三本目だという事である。『大魔神』かよ! 一本目が普通の借家、二本目がホテルの一室、三本目が貸スタジオが題材。本来の「事故物件」は一本目がドンピシャで、二本目、三本目はニアな位置付けだが、一本目の借家設定はあまりパターンも作れずにキツいので、この目先変更は正解。

ところで、もう普通に大人なので、これが本当の心霊ドキュメントでもないし、計算して作られた本当風の話であると理解しているのだが、チラシに「今が旬の新世代芸人が遭遇した恐怖体験を自ら演じる新感覚ホラームービー!!」と書いてあるのは普通に大嘘なのでやめた方がいい。前作までも「本当」はうたってるが「当の当人が演じている」なんて宣伝は一言もなかった筈だ。嘘にもついていい大きさとついちゃいけない大きさがある。これはついちゃいけない大きさ。普通にこのメンツが同じスタジオで類似経験をしている筈がない。すぐバレる嘘はつくべきではない。ちなみに今回の芸人は東京ホテイソン、蛙亭、ザ・マミイ。

今回の怪談のモチーフである「八尺さん」が怖い。2メートル40センチの巨体で子供を上から覗きこんでじっと見つめる。そして、たまに浚う。タイプが人間であるにも関わらず、ちょっとだけ他と異なってる要素が混じっている存在は怖い。それは常識を裏切る存在であり、その者がどんな行動を取るかが分からないからである。何をしでかすか分からない相手は怖い。予算が少ない事が見え見えでカットごとに大きく見えたり、そうでなかったり、みたいな映像になってしまったのは残念だ。


【銭】
一般入場料金1800円を普通に払って入場。
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劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人3~@ぴあ映画生活
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『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』ユナイテッドシネマ豊洲1

大遅刻で感想アップ。

◆『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲ハゲ率が低くなってる。

五つ星評価で【★★★★ネタ映画的に面白いんだけど根本に反する部分はないか?】
「家族家族」と言いながら、ここでの家族は「血を分けた実の絆」よりも「固い絆の義兄弟」であり、それはマフィア映画で言うところの「ファミリー」なのだが、そういう突っ込まれ方をしないのはドムさんちがほぼほぼ流血的な騒動を起こさないからである。『孤狼の血レベル2』の鈴木亮平あたりを放り込んだら「ファミリー」になるかもしれんが、そういうの好かれないぜというのをジェイソン・ステイサムが前半暴れ過ぎたあたりで反省したので、もうそれはやらないだろう。まあ、やったとしてもボディ改造して、赤い血を甲殻類のように透明に変色させるなどして生々しくなくするだろうから家族みんなで安心して見れる線はキープする筈。さて、ドムさんところはちょっとずつ修正して「血を分けた実の家族」の割合を増やそうとしているようだ。ドムさんの弟や父のエピソードを混ぜ返しつつの、子供が大きくなりーの、そうしたら又、剃るんだろうか。このままのハゲ率でいいとはドムさんも思っているまい。
いや、実のところ、家族一軍はドムさんが頑張ってるだけで、仕事の関係で付きあいのある家族二軍にハゲが多いのかもしれない。今回は家族二軍(アメリカの諜報とか国防関係)の出番は希薄。もう黙っていてもドムさんの仲間が宇宙まで行って、超犯罪者と戦ってくれる。なんか引っ込みつかなくなって悪と戦ってるアメコミヒーローみたいだ。今の最終何部作かが終わったら、車と合体する家族ヒーローとしてネクストエイジ作品を作るかもしれない。いや、ちょっと待て。車とセックスする映画があったな。クローネンバーグの『クラッシュ』だ(そうなようなそうでないような)。うわあ、ドムさん変態。そして、車に片想いされる映画もあった。キングの『クリスティーン』だ。ドムさん達的にはああいう車があったら、それなりに便利かもしれない。車が喋る『ナイトライダー』なんてのもあったけど、あれはドムさん達と相性が悪かろう。ドムさん達が車イジメしてるようにしか見えなくなってしまう。

今回はオマケの二人みたいなのが宇宙まで行って「俺たち実は昔からいる立派な家族なんだぜ」という親戚が集まる宴会のよく知らないおじさんみたいな主張でちゃんと活躍する。それはそれでメデタシメデタシ(すまんのう、俺に取ってはオマケの二人なんじゃ)。

ただ、毎回ぼーっと観て楽しませてもらってるので、過去の因縁話で、誰が誰でどう繋がってるみたいなのは好きな人は好きかもしれないが、私はもう置いていかれてしまっている。俺、「1、2、3、いっぱい」の人なのでメインキャストが4人以上の映画はどうも苦手。

で、今回は磁石でゲラゲラ大笑いしたのだが、本当はアレはやっちゃいけない。何でって、アレは公道に駐停車している車や走行中の車を武器にするじゃない。危ない。と言うより、車好きの奴が「正義の為」とは言え、車をもてあそんではいけない。一台一台の車が路傍の石ころではなく、誰かがローンを積み重ねたりして大事にしているであろう愛車なのである。いや、一歩譲って自分達の車とかはいいよ、その為に用意してるもんだから。

デジタル担当の姉ちゃんが車転がせないってのはよいアイデア。いや、結局、転がしてたけど。


【銭】
ユナイテッドシネマのメンバーズデー(金曜日)で、割引後の入場料金1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ワイルド・スピード/ジェットブレイク@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ワイルド・スピード/ジェットブレイク@ここなつ映画レビュー
ワイルド・スピード/ジェットブレイク@ノラネコの呑んで観るシネマ
ワイルド・スピード/ジェットブレイク@ノルウェー暮らし・イン・原宿
ワイルド・スピード/ジェットブレイク@yukarinの映画鑑賞日記α
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『岬のマヨイガ』トーホーシネマズ池袋1

◆『岬のマヨイガ』トーホーシネマズ池袋1

▲芦田愛菜パイセン演じるユイ。

五つ星評価で【★★★★優しく厳しく今、描かれる理由がある】
見た直後のツイートが下記。

TLで見かけないし、見る気はそんなになかったけど時間が合うから観賞。すげーいいじゃん。冗談で一本でっちあげたような「妖怪大戦争」より、よっぽど妖怪大戦争している。そして物語が物語られなければならない理由が濃厚。河童の声が素晴らしい。

という形にノックアウト。ごめん、映画を見る前は赤い大竹しのぶと青い芦田愛菜が合体する良心回路搭載済のロボが敵に人質を取られると迷ってしまって「人造人間マヨイガー」みたいなのかとか思ってた(思うなよ)。
マヨイガー01は仁王像から飛び出てトランペットで迷いを吹き飛ばすけど、やはりビジンガーの胸のボタンを外すかどうか攻撃にはきっと迷ってしまうんだぜ(俺だったら迷う)。

東日本大震災後の東北、避難所で居場所のない二人の少女ユイとひよりはキワというお婆さんに共同生活を提案される。二人はキワ婆さんと東北地方に伝わるマヨイガという家の妖怪に住み、徐々に震災などの痛みを癒されていくのだが、マヨイガの近くに封印された妖怪アガメが逃げ出し、人々の生活を脅かすようになる。キワ婆さんは二人を遠くにある別のマヨイガに逃がし、一人アガメと対決しようとする。戦いに身を投じる二人。みたいな話。

まず、主役の三人の生活がちゃんと描かれている。8歳の声の出せない少女、17歳の家出娘、80歳くらいの優しい老婆のものいいやぶつかり具合がとても自然である。そこに、居場所のない子供が徐々に居場所を確立したところに現われる居場所を奪う化け物の話が絡む。アガメは目に見えない祠から逃げだしたという設定で、これは原子力発電所から漏れている放射汚染のメタファーであり、人の居場所を奪って侵食する「災害」その物のメタファーでもある。対するキワ婆さんは二人の「居場所」が具体的に実体化したものと言っていいだろう。なので、キワ婆さんに加勢する二人の姿勢はとてもよい。間違えていない。自分の居場所は自分で守るのだ。

そして、アガメにだって言いたい事があるとする世界観は、意に沿わぬものを有無も言わさず滅ぼしてしまう弱肉強食の掟とは別に、全てのものにはそれぞれに理由があるとする八百万(やおよろず)の祖先信仰を基底としているのではないだろうか。それは強く厳格ではないけれど鈍く優しい。

とてもいい話ではあるが、地味で集客はあまり良くなさそうだ。自分自身見るリストには入れてなかった。回数もグングン減っている。でも面白いから見れる人は見てくれ『妖怪大戦争 ガーディアンズ』以上に妖怪大戦争してるし、これは今、語られるべき背景がある物語だ。

▲あと、河童がいい味出してます。


【銭】
トーホーシネマズデー、メンバーズデー(火曜日)で、割引後の入場料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
岬のマヨイガ@ぴあ映画生活
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『かぐや様は告らせたい』『かぐや様は告らせたいファイナル』ユナイテッドシネマ豊洲9、12

2年前に書きそびれたレビューと同時掲載。だから『かぐや様は小倉世帯』なんて製餡業者の社長夫婦みたいな漢字変換はやめろ、ワープロ。

◆『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』ユナイテッドシネマ豊洲9

▲お二人ともおかわいいこと。

五つ星評価で【★★★★決して映画として上等ではない事を承知で推したい】
まず一作目。以下が見た直後のツイート。

ああ、このくだらない映画がとても好きだ。なんてくだらない人間なんだ俺。佐藤二朗は自由にしすぎ。橋本環奈の完璧じゃない部分が可愛い。映画っぽくないギミックが多いけど花火のエピとか普通にいい。

映画っていろいろな種類があって、ハリウッドで作られる『風と共に去りぬ』も映画なら、日本で作られる『おしりたんてい』だって映画だ。そんな幅広いジャンル幅がある中で、本作はゴリゴリの映画を捨てた作風。そう、『風と共に去りぬ』よりは『おしりたんてい』に近い作風。あー、だから、橋本環奈さまのお尻を何故、出さない。いや、必然性とかどうでもいい。俺は橋本環奈のお尻を探偵したいのだ。閑話休題。映画じゃない作風と言えば『燃えよロボコン』と言うのもあったが、あれは映画であるかとか以前に、作品であるか、と言う問題を含む為、触れてしまったが触れずにおこう。『かぐや様は告らせたい』の原作はマンガであり、マンガとして読む分には違和感なく読める。現実3D空間のリアリティーラインと、マンガのリアリティーラインが異なるからである。リアリティー・ラインはぶっちゃけ「おいおいそんなんありえんだろう」って線。マンガを実写映画に置き換える時、嘘であるマンガをスムーズに現実としておかしくない立体化、色付けなどが行われる。この辺の立派な失敗作があれ、『鋼の錬金術師』。まあ、それは触れちゃったけど触れずに置いといて、『かぐや様は告らせたい』は学園生徒会内部で一組の男女が死力を尽くしてマウントを取りあうような話なので、実は実写映像化で困るような設定はそんなにない。かぐや様の実家が超金持ちである事なども説得力を付けて実写化するのは普通に予算が付くならそんなに難易度は高くない。どちらかと言うと、この場合、マンガのキャラクターが上手く実際のアイドルの上に違和感なくトレースされているかの方が大事になる。主役二人はOK。ちゃんと嵌っている。嵌っていながら、彼等自身の元からアイドルとして備わっている存在感も損なわれていない。マンガの登場人物に見えながら、こういう奴いるよなって線も保持されている。そして、このマンガの中では一人だけ甚だしくリアリティーを持つてないマンガキャラクターがいる。それが藤原千花。被り物を被ったゆるキャラに近い。マンガの中でなら、生徒会長とふなっしーが対等に話してもそんなに違和感はないのだが、実人間を使うのは難しいのではないかと思っていた。いや、実人間を使う事は難しくないが、他から浮くか、キャラが死ぬのではないかと思っていた。映画はこの人物をちゃんとマンガのまんまで映画に登場させて、人間の血肉を与えて尚且つ場として違和感がなかった。うわ、藤原千花が藤原千花のままでいるよ、マンガのままだよ。浅川梨奈凄い凄い。ちょっと感心した。ただ、こういうマンガ人物が違和感なく映画に溶け込んでいるので、映画はコントっぽい世界にまでリアリティーは落ちた。つまり、作品は映画としての格調より、マンガの再生を選んだのだ。そういう品の無い行為大好き。だんだん酩酊気分で何を書いてるか分からなくなった。まあ、今まで書いたゴタクはどうでもよくて(どうでもいいのかよ!)浅川梨奈バカっぽいけど可愛い。一緒にカトゥーンになって追っかけっこをしたい。堀田真由とスクリーンには映らないようなエロい関係になりたい。橋本環奈と別にエロくなくてもいいから密着してただただイヤな顔をされたい。そっちの方が本音だ。そういう映画が見たかった。他の人はともかくとして(いや、本当はそこはそこで大事だから)。
唯一、私の中で石上書記は佐野勇斗の顔ではない。いや、それ言ったら高嶋政宏も白銀会長の父ちゃんとはちょっと離れてるが、あれはそこそこ脇役としての出現率が低いからそんなに気にならない。石上書記と佐野勇斗は単純に顔が違う。実写『銀魂』で菅田将暉が配役発表された時くらいの違和感がある。でも、菅田将暉は外観の徹底変更で、佐野勇斗は演技で頑張ってたから許しておこう(好きな映画を語る時は偉そうな俺)。

▲「カトちゃんぺ」
  「四宮、それは違うぞ」


◆『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』ユナイテッドシネマ豊洲12

▲この二人に対しての縦の剣は誰よ。

五つ星評価で【★★★★更に今回も決して映画として上等ではない事を承知で推していきたい】
上のレビューみたいに一作目が映画よりマンガを取った事をとても評価してるので、今回もその延長上にあるので普通に好き。
相変わらず橋本環奈は主役を張ってるのに「美人」と言うより「カワイ子ちゃん」扱いで、パーツパーツ見るとけっこうどんくさい感じが残ってるのが逆に非常に好感が持てる。そして、今回の鑑賞直後のツイートは以下。

映画文法的に気が狂ってるバラエティーショー部分もあるのだが、一作目同様マンガキャラのリアライズの凄さに細かい所吹っ飛ぶ。原作も贔屓な石上エピが好き。

原作マンガが今回の「ファイナル」のその先に到達してしまっており、原作で扱いたかったかぐや様の世界に置ける立ち位置と、その中で二人がどう生きるかを馬鹿正直に映画としては実現できないので、映画はマンガのエッセンスだけ集めて幕を閉じたのは有終の美だったと思う。そして、やっぱり石上のエピが好き。
あふれ出るハートの風船も胸キュンだ。この映画にDCが絡んでいたら絶対ジョーカーが風船の中に毒ガスを仕込んでいて、記念すべき文化祭になったろうに(とかすげえ蛇足を思い付いがもうどうでもいいから書いて残しておく)。「そんな事まで書いて気を引きたいなんて、ずいぶん、おかわいらしい事」と言われたいからである。


【銭】
『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』:おそらくキャンペーン期間中の割引価格で1100円。
『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』:ユナイテッドシネマの1200円で9月末まで鑑賞できるクーポンチケットを使用しようとしたら紛失してて、急遽、有料入場ポイント2ポイントを使って1000円の入場料で割引鑑賞した。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~@ぴあ映画生活
かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル@ぴあ映画生活
▼関連記事。
かぐや様は告らせたい ファーストキッスは終わらない(アニメ)@死屍累々映画日記・第二章
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『スーパー戦闘 純烈ジャー』109シネマズ木場6

◆『スーパー戦闘 純烈ジャー』109シネマズ木場6

▲戦隊シリーズゆかりの大地で戦う。基本、銭湯では戦闘しない。

五つ星評価で【★★但し、小林幸子の巨大感は素晴らしい】
特撮部分(スーツアクターに変わって純烈が出ていない部分)は基本、出来が良い(と言うより売りになる絵がある)。人間ドラマ部分は安くて遅くて薄い印象。いや、別にこれ見て感動しようとかは思わないから、特撮ドラマが成立するように話が繋がってくれさえすればいいのだけど。逆に純烈のファンはここがお楽しみ部分だろうから、純烈ファン・特撮ファンそれぞれ見るべき部分が逆目になっているこの仕組みそのものは否定出来ないだろう。自分が昭和の人間だからか、小林幸子や純烈の歌はちゃんと聞かせてくれるなら、それなりに気持ちいいだろうと思えた。
温泉の妖精オフロディーテというのはビジュアルがギリギリOK。純烈のファン層を象徴しているから、おばさん四人というのはキツいのではあるが、この辺は若い娘を連れてこないのは苦しいけど逆に正しい。
悪の組織の四天王がまんま人間の顔なのはアクション俳優に対する温情かもしれないが、ここは逆にそこいらの兄ちゃん感を漂わせてしまった。顔そのものをマスクで閉じる事が出来ないなら、半マスクやメイク、衣装などで戦隊ヒーローと戦う悪役である事をちゃんと誇示してやるべき。予算がないなら、純烈の私服、ステージ衣装を借りてマスクだけ変えて偽純烈として処理するなり、やり方はあったと思う。
そして、小林幸子が偉い。紅白のステージ衣装のようにでかくなるのは勿論、今まで見たどんな特撮悪役よりもいい感じのラスボス感で超巨大化した。あれ、見せ方が上手い。あそこは必見と言いたい。必見部分以外はそんなに必見じゃないよとも付け加えておくけど。「フローデワルサ」と言う名前もこじゃれている。せっかく超巨大化で出てきたのに、さしたる流血とかもなく、何となくやられてしまうのだが、そこは逆に問題ない。小林幸子がでかくなる事に必然性はあるが、その小林幸子が強い事には格段、なんら後ろ盾する必然性が何もないのだから。あまりダラダラ、アクションして場もたせとかしないでサッサと理由も分からないまま負けさせたのは慧眼だったと思う。

▲フローデワルサ様の雄姿。映画観てる時は全く気が付かんかったが、何気に『エマニエル夫人』椅子だな。

ヒーローの武器としてシャワーやハウリング・マイクと言うのはありえずに大笑い。こういう銭湯ヒーローならではの違和感が増えれば楽しい。


【銭】
109シネマズのメンバーズデー(毎月19日)で1200円。
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スーパー戦闘 純烈ジャー@ぴあ映画生活
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