最終回(120回)まで見終わった。
二カ月くらい貯めていたのをどうにかこうにかラストスパートかけて見終わった。
謎の言葉「19対5」の意味も分かった。
DJボーズ「いえ~ぃ19対5」
菅波「いや、君には言われたくない」
みつお(=ボーズ)、身の振り方とラッキーが比例しない感じであまり好きじゃない。
それ以上に、ミーちゃん、りょーちん、のコンビが対主人公キャラとしては最高レベルで病んでて怖い。ガソリンを入れに町外れの雑貨屋に入って二人が出てきたら、実は猟奇殺人鬼ってプロットが自然なくらいイヤ。すると、藤竜也は牡蠣棚に死体を隠して牡蠣の味を高めているし、その死体はきっと浅野忠信の奥さんだ。モネの親父と朝岡さんは別の時空では同性愛者で乙女の夢を実現している(何故かこれは秘密のように話題が伝播していない)。
そんな中、火曜の最後に「感染症医」って、時は2020年、ゲー、今から後ラスト3回しかないのにそこに踏み込む舵を切るのかとビックリ。残り3回を見て、巧みに踏み込まなかった事にも更にビックリ。水曜はミーちゃんの告白。最後にそんなのを仕込んでいたのか。
モネ「ミーちゃんは悪くないよ」
志村喬「ミーちゃんは悪くない。悪いのは百姓たちだ」
ラストにマリアンヌが出てくると画面が華やぐ。
と言うか、モネとミーちゃんに華や色がない。この愛すべき朴訥だが無個性な二人を主人公に、よくもまあ最後まで。題材も「傷付いた人たちの復興」と、目を背けてしまいがちな物で。それを更に下町芸能コメディ「おちょやん」の後番組として放映するなんて。何てチャレンジングなんだろう。と、そのチャレンシングが裏目に出て人気はそこそこ。家事とか「ながら見」をせずに、じっくり見ないと面白さが伝わらなかったりする。
高岡早紀にも出てきてほしくはあった。出してくれるなら、銭湯の顔を見せないナントカ君が高岡早紀の双子の片割れとかでも良くってよ。
菅波先生もご苦労様でした。
ラストみんな出てくる中、割と扱いが低い感じだったのが朝岡さん。
朝岡「観測機器をあちこちの小麦生産農家に置いてもらいます。ここで無償の初期投資が必要になります。そして、私達は気象予測により、未来を予測して小麦の先物市場で大儲けするのです。つまり、『おかえり、マネー』です。」
あーもー火傷しそう。朝岡さん独身っぽいけど高岡早紀とくっつきはしないのか? まさか井上順社長と、、、、、?
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◆『CUBE 一度入ったら、最後』ユナイテッドシネマ豊洲10
▲吉田鋼太郎がダチョウ倶楽部の「やあ!」をやってる。
※ネタバレ内容を含みます。五つ星評価で【★★★改変自体は否定しないが詰めが甘すぎる】
かなり、コアな部分をオリジナルの映画から改変している。
オリジナルの映画でも「キューブ」というシステムが存在する理由は最終的には明かされないのだが、類推して「こうではないか」という仮の結論が出ている。その仮の結論と今回の映画での「キューブ」というシステムが存在する理由が必ずしも一致しない。おそらく原作著作権者のヴィンチェンゾ・ナタリが興味を持ったのはこの改変なのだろうと思う。全く同じ物を作るのではリメイクの意味がない。ただ、コアな部分を改変してしまった為、細部で辻褄が合わなくなってしまった。そういう所はちゃんと合わせて行こうよというのが不満の主原因である。
オリジナルを見たのが20年以上前なので、細部が誤っていたらごめんなさい。
オリジナルでは、「キューブ」を作ったのは政府。作成意図などはっきりしないが、それは企画立案され、制作され、いつの間にか運用されている。最初のキューブ一室に6人集められた形で始まり、その中にはキューブ制作に携わった者が一人加えられている。この最初の一室(入室に使われた部屋)が一定の周期で位置を移動して再度、入室に使われる位置に移動する。その際、外部と接触する場所に移動する為、最初の一室に戻れば外部への逃走が可能である、そう考えられていた。
今回、「キューブ」を作った者については言及を巧みに避けられている。規模的な意味では政府、及び、それに相当する組織、もしくは超存在、まあ、どんな物でもいいのだろうが、「罪を犯した者を罰する処刑装置」という考えが導入されている。その為の監視者、もしくは、誘導者が一人ついている。但し、この一人が進む方向に関しては全く機能しない。そもそも、この一人が全体、もしくは、一人をどの方向に誘導したいのか、ただ単にその人物の本質を見極めたいだけかも明らかにされない。それは、この思考実験が何をしたいのかを明らかにしないのと同意で非常に曖昧である。色々な映画があって、「最後はあなたが考えてピースを埋めなさい」という映画もあるのだけど、この新「キューブ」は「最後」と言うより、個々のピースの出来が悪くて最後の前にあちこち隙間が出来てしまっていて、これでは最後も全体像も類推できない。
もし、これが心理的な擬似体験で集団カウンセリングだったとしたら、観察者(カウンセラー)は最初からそこにいるべきだし、全員集まって始まればいいし、柄本時生の存在の意味が全く分からない。観察者が特別、他の五人と分けられているようには見えなかったので、罪人同様死ぬか、擬似的な死(仮想体験での死)は得るのであろう。まあ、再生を知った上での死は死でないかもしれないが。そういう意味で、観察者が行き当たりばったりで罪人に会うルールその物が論理的でない。罪人もグループ・カウンセリングの方が効果が上がるなら、各人別々に部屋に入れるのは理に適っていないし、元の部屋が元の位置に戻ると言うロジックが意味不明になる(要はその部分だけオリジナルのキューブのシステムが間違えて無理に残ってしまったのではないか)。
キューブシステムが動く→「ある一定方向を進んでいて上よりも下に進んだ」のに元の部屋に戻った、その元の部屋がやって来た場所には当然、別の部屋があったのだから、元の部屋一室のみが動いている訳ではない。ならば、自分達がどこに移動しても端に辿り着けるかどうかは保証されない。部屋の移動その物を彼等が感知できるかどうかも不明である。そもそも、その元の部屋は各人別々なのだ(柄本時生が落ちてきた部屋は6人が偶然集まった部屋にすぎない)。
そう言えば斎藤工が急いでいる理由も分からなかった。
ただ、日本の役者の一人一人違う顔と演技は個人的には面白かった。菅田将暉の喜怒哀楽がお手本のようでグー。
吉田鋼太郎にもイライラさせられるし、
岡田将生のアレとか「やったー」感がある。ああいう崩れ方は実に大好き(それで星を一つ増やしてしまった)。まあでも、健康な日本人だったら杏ちゃん一人を含む何人もの罪を犯した男が一緒に行動するなら、絶対成人映画展開になるだろうし、一歩間違えると、上野傑作劇場展開、もとい、横浜光音座1展開(1がホモの成人映画、2がヘテロの成人映画)もあるだろう。その為にわざわざ少年を入れたんじゃないのか? 吉田鋼太郎は両刀、岡田将生は霊が見えるから菅田将暉の弟とやってしまって、菅田将暉が激怒のあまり、半分だけライダーになるとか。半分だけのライダーがセックスする映画はR15どころか成人映画でも全面ボカシ入れないと多分、ダメだろう。そんなキューブは認められない。
休部だ。九部構成でやりたいなら後2人役者連れて来い。
【銭】ユナイテッドシネマのメンバーズデー(金曜日)で、割引後の入場料金1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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CUBE 一度入ったら、最後@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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CUBE 一度入ったら、最後@yukarinkの映画鑑賞日記α
◆『最強殺し屋伝説国岡[完全版]』シネマ・ロサ1
▲チラシ。
五つ星評価で【★★★かまいたちの濱家っぽい感じ】
殺し屋のドキュメンタリー。
登場している殺し屋の中で主人公の国岡は群を抜いて技術に長けている。腕がいい。ただ運がない。
質の悪い客に絡まれたり、逆怨みの被害でほぼ全財産を失ったり、いい目がない。
楽をして生きる為に殺し屋を営んでいるのに、閉塞感半端なくなってくる。漂う超ペーソス。
来年は国岡くんにいい事あってほしい。
主人公と観客の距離感の取らせ方が上手い。
坦々と仕事をこなす国岡がちょっと、かまいたちの濱家に似てる。テクが高く、熱くならず一本線を引いて下がって見ていそうなところ。話の中ではカタを付けるしかない野良殺し屋との殲滅戦が悲しくも燃える。ビジュアル的には国岡と直接関係のない舞妓殺し屋が一番ばえた。
【銭】シネマロサは水曜サービスデーで1100円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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最強殺し屋伝説国岡[完全版]@ぴあ映画生活▼関連記事。
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ある用務員(同監督殺し屋映画)@死屍累々映画日記・第二章・
ベイビーわるきゅーれ(同監督殺し屋映画)@死屍累々映画日記・第二章・最強殺し屋伝説国岡[完全版]@死屍累々映画日記・第二章
ホットケーキに魚卵が混ざったような味で「うえ」から「うわ」で「うま」になる感覚がヤバい。
◆『マイ・ダディ』トーホーシネマズ新宿12
▲物語のベースは「娘を救う唯一の方法は、本当の父親を探すことだった」というコピーのみ。これ以上が全くない。でも、こういうベタベタなの大好き。
五つ星評価で【★★★★ムロツヨシに泣かされる事が恥とか思わない】
ツイッターでの鑑賞直後感想(↓)。
ムロツヨシの美点は人より優れて見えない所である。だからこの人はコメディーで何の運命かトントン拍子に上手くいってる役がよく似合う。それ絶対違うよなと言う。今回はリアルに運が悪い。あー泣かされる。いいねムロツヨシ。割と小さいサイズの客演の小栗旬が冴えてる。相変わらず的確じゃん、俺。
ムロツヨシ、ちょっと間違えるとムツゴロウツヨシと書いてしまいそうには、、、、、ならないな。無理はいかん。その「ツゴ」と「ウ」がない方の「ムロツヨシ」だが、整いがちの顔にヒゲヅラと鼻くそホクロ。そして顔の大きさに比べて、明らかにちんまい身体と手足。ベース善人だが、何をやるにしても決して大きな事は成し遂げられない外観。恵まれているような、そうでないような。ただ、役者としては他にいないタイプなのか、ここぞという時じゃない時に何となくそこにいて、重宝されてると思う。
今回も冴えないタイプである。でも、冴えないのが似合う。流石、「冴えない」を主戦場にして渡り歩いてきた男。この男の傷付きグチャグチャになりながら、でも、子供を幸せにすべきである、という決心が泣ける。俺、こういう理屈に合わないけど、自分の意思を貫き通すバカが好き(リアルにそういうのと結婚したりはしないけど)。いいよ、ムロツヨシ、不様で。
クズをやらせたら定評がある毎熊克哉がごくごく一般的なクズをサクっと演じている。実にそこいらにいそうな、リアルにあまり大袈裟でないクズ。その毎熊克哉を支える気の強い妻に臼田あさ美。臼田あさ美はどんな役でも任せておけば大丈夫なイメージ。
平成ノブシコブシの「吉村じゃない方」の徳井健太が医者役で出ている。スーパードクター感は皆無だが、実直な医者役が妙に似合う。話し言葉が熱すぎず寒すぎず抑揚がないのがいいのかもしれない。
白血病ってあんなにすっと意識がなくなって倒れちゃうんだとしたら、それがとても怖い。
小栗旬、チラシに名前が乗ってないので、友情出演だろうか。確かにデビューとか同じ頃な印象。
【銭】トーホーシネマズの会員入場料金割引日(火曜日)を使って1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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マイ・ダディ@ぴあ映画生活PS
三面怪人ダダ「もう一つ“ダ”を入れてくれ」
沢田研二「もう一つ“酒場でダバ”を入れてくれ」
特集「秋の新東宝祭り」の1プログラム(二本立てで1プログラム)。
◆『九千万の明るい瞳』シネマヴェーラ渋谷五つ星評価で【★★うーん】
1961年、カラー、49分、初見。赤坂長義監督。
ぼーっと見てたら見終わってしまった。個人的には特に可もなく不可もなく。
完全に若い頃を知らない女優、十朱幸代の若い頃を見るのが不思議。本人だから当たり前なのだが、面影がある。でも、超美形ではない所が十朱幸代らしい。
◆『娘の設計図』シネマヴェーラ渋谷五つ星評価で【★★★のんびり】
1956年、白黒、25分、初見。山田達雄監督。
大蔵省製作による貯蓄啓蒙ラブコメディ。
ちょっと太っちょな愛されキャラの主人公が目新しい。全体、のんびりしている事。残業する作業があると、上司が「今日、残業ができる者?」って募るのが今ではなくなってしまった文化。
【銭】一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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九千万の明るい瞳@ぴあ映画生活・
娘の設計図@ぴあ映画生活
◆『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』トーホーシネマズ日比谷6
▲顔ドーン!
五つ星評価で【★ダメ】
ツイッターでの鑑賞直後感想(↓)。
ニコラス・ケージの、と言うか、園子温の最新作。ちょっとやそっとの駄作ではない飛び抜けた駄作です。私は世間一般と同じ評価。ただ背景、大道具小道具などのビジュアル班の頑張りは認めてあげたい。まあ、それはいい。その通りだ。
見終わって一週間、この映画の事をもうほぼほぼ忘れている。脳がこの映画を見た事を忘れさせようとしているみたいだ。不快っつか、この映画の為に残しておく領域が脳内にないと判断されたらしい。だから、来週になったらもう、この映画の事を覚えていないかもしれない。まあ、一回見てはいるのよ、という記憶の記録を残しておく為に、見た事だけ触れておくものとする。
未来の俺へ「見た事、忘れちゃったかもしれないけど、見ているからね。そんだけ」
【銭】トーホーシネマズの会員入場料金割引日を使って1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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プリズナーズ・オブ・ゴーストランド@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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プリズナーズ・オブ・ゴーストランド@ここなつ映画レビューPS
しかし『ファーザー』という主人公が記憶を覚えていられない映画のレビューの直後に、自分の記憶が秒速で消えていくような映画のレビューをすると言うのが、実にメタな展開だ。
◆『ファーザー』ギンレイホール
▲娘と父。
五つ星評価で【★★爺いじめ映画】
ギンレイホールの会員なので、会員カードを持参すれば基本、無料(年会費11000円)で見れるのだが、見るまではどうにも腰が重たかった。私は映画を見て、気が重くなりたくないのだ。私が映画を見るのは楽な気分になりたいからだ。勿論、全ての人はそうじゃないだろうし、そうでない人はそうでないで構わない。単に好みの問題だ。私は辛い者が苦手なので、辛口専門料理店には入らないし、普通の店でも辛口の料理は避ける。それと一緒だ。軟弱と言わば言え。軟弱なんだからそれでいい。でも、中華料理の定食でミニ麻婆が付いてたら食べてしまったりする。大体、後悔するが勿体なくて残せない。自分の身体を痛めつけるのは好かないが、それ以上にサービスを無下にするのは信条に反する。と言う事で、見てしまった。まあ、よかったという気持ちと、よくある後悔と。なので、SMプレイ専門の風俗が出来て、マゾヒスト専門の無料チケットとか貰ったら、いやいやいやいや、それはリスクが高すぎる、、、、、、多分、行かない(「逝かない」という意味ではなく)。
で、
『ファーザー』はきつかった。きつそうだという事で長澤まさみの
『マザー』さえ、敬遠したというのに。ちなみに北野武の
『BROTHER』はそんな大した映画じゃないという事しか覚えていない。
『ファーザー=父ちゃん』というタイトルだが、内容的には
『爺ちゃん』だ。「老い」と「健忘症」の映画だ。若かろうが、老いていようが、健忘症は恐ろしい。それは人々が普通に精神異常者を恐れるのと一緒、自分の拠り所である精神が壊れてしまうからである。精神異常者が怖いのは13金のジェイソンのように立ち向かってくるからではない。その精神異常に自分がなる可能性がゼロではないからだ。ついつい、自分に置き換えて恐怖する。そういう意味で、手がないもの、足がないもの、何かが欠損している者も怖い。勿論、彼等に害意があるとかそういう話ではなく、近くにいると、そういう運命を引き寄せてしまうような気になるのだ。ここんところ、ヒドい事を書いているのは自覚してるが、できるだけ、快適な状態で快適な最期を迎えたいというのが生物の願い一般だろう。で、そうならない老後を突き付けるこの映画はとてもキツい。それが自分でも発生しそうだというのはありあり見える。そら衝撃だわね。
この映画を見てると藤子不二雄のマンガに出てきたガンコ親父の隣人のカミナリさんとか、
『ろぼっ子ビートン』に出てきた子供と張り合う変人ガキオヤジが何だか随分幸せに見えてくる。彼等はちょっと変な目で見られたりもするが、社会とのコミュニケーションは成立しているし、彼等は隔絶されたりしていない。ちゃんと一人で暮らしていけてるのだ。
『ファーザー』のアンソニー・ホプキンスはそうではない。ただ、話をややこしくしてるのは映画でのアンソニー・ホプキンスの性格がプライドが高く、自分の誤りを肯定できないタイプだからだ。これが自分の誤りを肯定できるパーソナリティーだったら、もうちょっと楽し、、、、、くはないかもしれないが楽な老後だったんじゃないだろうか。認知症で過去の一定年齢まで意識が戻ってしまう事もある。いきなり退職した職場に出勤したりみたいな奴。その戻った時の意識がナチスのゲシュタポであり、ユダヤ人をバンバン殺していったらホラー映画が出来るな。
あと志村喬
志の代表作の三老人が年老いて健忘症になったら、やはりみんなそれなりに「我」がつよそうで大変そうだと思う(
『生きる』『ゴジラ』『七人の侍』)。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はもちろん見直したりしないぞ。
◆『ミナリ』ギンレイホール
▲水を媒介して呪いを掛けたり掛けられたりする老婆(違う)。
五つ星評価で【★★★婆いじめ映画】
大して役に立っていないだろうと思われていた婆さんが、実は家族の中で大事な役割を担っていたという寓話。
「死霊館」シリーズの新作を見た後では、家族の誰かが呪い攻撃を受けているようにしか見えない。
父「うん、お婆ちゃんのお手柄だ」
店「バカ野郎、こんな雑草摘んでこられて売れるかあ!」
【銭】会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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ファーザー@ぴあ映画生活・
ミナリ@ぴあ映画生活
◆『護られなかった者たちへ』ユナイテッドシネマ豊洲9
▲かんちゃん(左)可愛い。男の子かと思ったら女の子だった。仮にちんちん付いてても可愛いぞ(小さい頃の神木隆之介みたいな可愛さだった)。
※ 多少、ネタバレ気味かもしれません。五つ星評価で【★★★気持ちは分かるが説明に今一つ付いていけてない】
震災から10年目二つの殺人事件が起き、その捜査に阿部寛と林遣都が駆けずり回る。
犬部はどうした林遣都!というくらい犬は一匹も出てこない。犬が出たら話がブレそうな気がするからしょうがない。
阿部寛が出てきた途端、何とも言えない塞ぎ込んだ顔で、うわ年取ったと驚かされる。でも目が離せない可哀想な顔である。大体、刑事コンビは若手のイケイケに年寄りの思慮深い人情派がセオリーだが、若手の林遣都はサラリーマンチックでそこそこ惰性的で、年老いた阿部寛は人情派ではあるが、それ以前に妙に変人で偏屈だ。何か最初のギクシャクぶりが楽しい。
捜査するのはこの二人とオマケに上司の鶴見辰吾。鶴見辰吾、確か
『マスカレード・ナイト』にも出てた。無条件に警察上層部が似合う顔になってしまった。お前なんか金八で杉田かおるを妊娠させたくせに!(そんな事言っちゃいかん俺)
殺人される恨みを抱かせる側が三人、この三人がやった事は法的には合法だが、道理的にはグレーというもの。どちらかと言うと普段「善人」や「被害者」を演じているイメージの強い「吉岡秀隆、永山瑛太、緒方直人」の演技のバランスの上手さよ。どんなに正しい事をやろうとしても零れてしまう事はある。特に基本的にはいい人であるんだろうけど、つい簡単な方に舵を向けてしまった永山瑛太の「ほとばしる適当さ」には拍手を送りたい。ただ、彼等のやった事と、その正当化は映画的には説明が上手くなく、分かりづらかった。そこが、この映画の一番の弱点だろう。
殺人する恨みを抱いてしまう側が三人。この三人の関係性が過去パートとしてじっくり描かれるので観客は彼等に同情せざるを得なくなる。この三人はそれぞれの事情により、避難所生活においてもはみ出していた一匹狼で、彼等が生きる為に肩を寄せ合った災害の大きさも胸を締め付けるほど描かれる。倍賞美津子の無限に温かい感じ。佐藤健の不器用な生き方、石井心咲ちゃんかーいーなどなど。この三人と同じ境遇にいた阿部寛との自分の存在を確認するかのようなぶつかり合いも良い(但し、阿部寛と倍賞美津子は絡まない)。
物語としては舌ったらずで、言いきれていない所はあるものの、これが言いたいんだという部分は伝わってくる。そして、瀬々監督は一人一人要所要所役者のいい演技をちゃんと引きだす。
今回、出番が少ないが良かったのは出る場面出る場面ヒスを起こす波岡一喜、小役人の弱さ全開の黒田大輔、物語の核心にいるのに周りの人間の優しさで物語を知らされる事がない西田尚美、別に他の演技は出来ないだろうが本当に悪い奴にしか見えない千原せいじ。
番外として、両者ともいつも同じ事をやってるのにチラシに名前が載る三宅裕司と名前が載らない諏訪太郎。
もちろん、『おかえりモネ』こと清原果耶も良かった。震災に苦しめられてばっかである。
yukarinさんの所にコメント付けにいって気が付いた。
総理大臣が「自助、共助、公助」と言ってしまう。これがこの映画の問題の核心です。【銭】前回入場時に手渡されたサービス割引券で1300円で鑑賞。
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護られなかった者たちへ@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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護られなかった者たちへ@風に吹かれて・
護られなかった者たちへ@yukarinの映画鑑賞日記αPS もう一つ。
題材が震災から始まると言う事もあり、避難所生活を送る三人の組み合わせ(老女、跳ねっ帰り、幼女)が『岬のマヨイガ』に似てる。救いがなかったため、リアルに恐ろしい話になったのが『護られなかった者たちへ』であり、スピリチュアルによるファンタジーとして締めくくったのが『岬のマヨイガ』である。もっとも過酷な解釈は餓死する人物が夢見たスピリチュアルな妄想こそが『岬のマヨイガ』である、と言う事になるかもしれない。
◆『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ユナイテッドシネマ豊洲10(ネタバレ)
▲ポスターだ。
※ 記事内容にネタバレを含みます。五つ星評価で【★★★おいおい】
「ノー・タイム・トゥ・ダイ」というタイトルなのであるが、「W」の悲劇かよ、というネタをネタバレできないツイッターで呟き損ねた。「ノー No」でなく「ナウ Now」かよって言うね。でもまあそこを除けば、シリーズの中では最良ではないが最悪でもなかったと思う。そんなにアベレージが高くないシリーズなのである。何にせよ、これは驚いた。それは
『スタ・ウォーズ 帝国の逆襲(EP5)』で、ダース・ベイダーにルーク・スカイウォーカーが斬り殺されてしまうようなものだろう。もしくは
『スタ・ウォーズ シスの復讐(EP3)』で、この世界線ではダース・ベイダーは生まれませんでしたと言ってシレっと終わってしまったりとか。基本、やってはいけない事をやった。これをやっていいのなら、ボンドは劇的な死を迎えながら自己を犠牲にしてみんなを救うラストで毎回、終了してもいい。ラストの災害で必ず死ぬ名探偵コナンかよ。今回までのダニエル・クレイグ出演五作品を風変わりなスピンオフとして位置づけるとしても、やはり、作品としては禁じ手だろう。
たまにツイッターに流れてくる既定の中で、ボンドは黒人でも成立するか、女子でも成立するか、みたいな話があり、今回のノーミはそのちょっと意地悪な回答なのだが、それと同じくらい「死ねる」かどうかと言うのは、ジェームズ・ボンドの物語の根幹部分である。それは、「ジェームズ・ボンドが実は宇宙人(ジェイソンだって宇宙人なんだから追い付け追い越せでなくはない)」、「ジェームズ・ボンドが目から光線を出す」、「ジェームズ・ボンドがムエタイで戦う」とか、同様、当然忌避すべき項目なのである。だから、そのプロットに関しては物凄く評価しない。
おめえらようけ酷い事をしくさりやがって、この落とし前どないつけてくれんねん、という感じ。本気でラス5分付加した夢落ち完全版もありかと思う。
で、まあ、それ以外はそこそこ。
世界の危機の作り方は独特だし、アクションの見せ場は楽しいし、荘厳なオーケストレーションによる007テーマを含む音楽はたいそう気持ち良かった。ノーミはビックリさせられ、パロマに魅せられ、サフィンの能面の気色悪さはなかなか好みではある。
ただ、ノーミ、パロマ、サフィン、マドレーヌ、などみんなキャラとしては強烈なのに中身がない。サフィンは何の為に何を企んでいるかと言う内面が希薄なので、大きな凶器を手にした精神異常者にしか見えず、能面の下の口の部分は「えっ、もしかしたら超カミソリ負け」みたいに見えて、何かよく分からない人だった。ノーミなんてボンドに対する当て馬キャラでしかない。でも、この辺のストーリーラインの弱さはショーン・コネリーの時代からあった話なので、まあ、話なんか繋がっていてくれればいいよ、くらいに思う事も出来る。007って困った事に割とそんなシリーズなのよ。
まあともかく、次はどうするの? と言うのは楽しみに待ちたいと思う。
【銭】有料入場ポイント2ポイントと引き換えに割引後価格1000円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ@徒然なるままに・
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ@ノラネコの呑んで観るシネマ・
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ@yukarinの映画鑑賞日記α▼関連記事。
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
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