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『ノマドランド』『ブラックバード 家族が家族であるうちに』『騙し絵の牙』ギンレイホール

◆『ノマドランド』ギンレイホール

▲男前女。

五つ星評価で【★★★アカデミーなのか】
悪い映画とは思わないし、普通に最後まで退屈せずに見ていられるから、カンヌ、ベルリン、ベネチア的な賞としてはいいけど、アカデミーという気はしない。ロケが主体でスタジオじゃないからか? 個人的には凄いセットで物凄いお金をかけて高いハリウッドスターが出る映画にアカデミー賞を取ってもらいたいのだが、実際はもう、そういう時代じゃないのだろう。

見た直後のツイッターの呟き(↓)。

個人的にはNo Mad Landでマッドサイエンティストが山ほど出てきたら面白かったのに。主人公が野郎だったらイヤな映画になってそう。いい映画なんだろうけど自分向きではない。

私、多分、普通の人の日常生活を描く映画にはあまり、興味がないのだ。せっかく「映画」という「今までに見た事のない見世物」を見せるシステムが構築されてるから、出来れば変わった物が見たい。だから、多分、これにノマド(放浪者)だけを専門に殺す強盗チームとか出てくるようなら俄然、見たくなるのだが(情報を正確に把握しているアマゾンが怪しいのだが、生活の都合上、誰も捜査するよう進言できないとか)。


◆『ブラックバード 家族が家族であるうちに』ギンレイホール

▲そう言えば何で『ブラックバード』という題なのか? ググったら、聖書で悪魔が使役する黒い鳥を指していて「誘惑」や「罪」を表わすらしい。そんなん分かるか! 映画の中で説明もないし。バカじゃないの、配給した会社。

五つ星評価で【★★★ケイト・ウィンスレットいつも通り恐るべき】
同週に見た『ルパンの娘』も家族映画だったが、これも両極端ながら家族の映画。泥棒はしないし、いきなり踊り出したりもしない。濡れ場はある。家族同士でも問題がない組み合わせなら濡れ場はあってもいいのだよ、深キョン。
父(サム・ニール)、母(スーザン・サランドン)、姉(ケイト・ウィンスレット)、姉の夫、姉の息子、妹、妹の同性愛パートナー、母の親友が家に呼ばれる。これから難病を患った母が医者である父の手によって違法な安楽死を迎える。その最後の挨拶や語らいに来たのである。認めてはあげたいが、最後まで止めるべきではないだろうかという判断に苦しむ家族。佳作。
勿論こんな事態は人や家族それぞれであるから、どんなケースでもありうるのだが、家族は普通その精神的な支柱を母親に据える構造にになりがちなので、その母親の不在の予感が不安を誘う。
いろいろよく考えられているが矢継ぎ早に起こる問題は詰め込み多い感を感じないでもない。でもまあ、しょうがないか。
相変わらずケイト・ウィンスレットの別人振りが凄い。
ケイト・ウィンスレットの夫のデブで禿っぽくて愚鈍に見える感じがステキ(ダンディーなサム・ニール父ちゃんとの対比も悲しい)。


◆『騙し絵の牙』ギンレイホール

▲綾瀬はるかみたいに揺れないであろう胸。もう一度見る機会があったら確認したい。

五つ星評価で【★★★★おもろい】
2回目。再観賞でもおもろい。ああこの設定のまま成人映画にしてしまって松岡茉優の痴態を心おぎなく見たい。いや、だって、松岡茉優が身持ちが硬そうで可愛いのよ。そういう子が乱れちゃいけないのに乱れてしまうみたいなのが成人映画の醍醐味。成人映画で女優三人1パックなら、後は木村佳乃と池田エライザ。木村佳乃は佐野史郎の異常セックスの見せ場。池田エライザは3Dプリンタで作った銃を身体に這わせ、自分でエロいことやる。そんなん考えるのが異常にスムーズだな、俺。
エンドロールのタイポの動きが素晴らしい。キャストロールは大丈夫だが、スタッフロールは早すぎてギリ読めない。でもかっこいい。それでいい。キャストは別として、スタッフの作業の確認は必要な人がいるなら業界内に回る試供品のソフトで確認できるだろう。
佐藤浩市も佐野史郎も立派に老獪な爺だ。
予告にあった
松岡茉優「人を騙してそんなに面白いですか」
大泉洋「ムチャクチャ面白いです」は全然、別のシーンだったのが面白かった。
大泉洋のアンサーはラストシーン、拘置所にいるエライザに掛ける言葉。
大泉洋はエライザを騙そうとしているのか。エライザを弾丸にもっと大きな何か誰かを騙そうとしているのか。気の効いた問いかけだ。


【銭】
会員証で入場。『ノマドランド』と『ブラックバード』がカップリング、『騙し絵の牙』と『犬部!』がカップリング。『犬部!』はそんなに見直したくなる感がなかったのでパスした。
追加ネタ「電人N、人間椅子、奇形人間、救える猟奇はみな救う、名前はN部だ」こういうのが山ほど頭に思い浮かんでたら、ネタ供養する為にもう一度見てたかもしれない。なに、その共感性の低い再鑑賞意欲。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ノマドランド@ぴあ映画生活
ブラックバード 家族が家族であるうちに@ぴあ映画生活
騙し絵の牙@ぴあ映画生活
▼次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ノマドランド@ここなつ映画レビュー
▼関連記事。
騙し絵の牙(一回目)@死屍累々映画館・第二章
・騙し絵の牙(二回目)@死屍累々映画館・第二章

茄子のペンケース



20年くらい使ってたペンケースのジッパー部分が硬くなって難儀するようになったので新しく買い換えた。今度は茄子のデザインである。笑顔が可愛い。2021年11月6日にDAISOで購入。7日から使用。

『最後の決闘裁判』109シネマズ木場7

◆『最後の決闘裁判』109シネマズ木場7

▲左から、間男、妻、夫。

五つ星評価で【★★★ダークですな】
「最後の決闘裁判」と言うタイトルで「サイゴの決闘相手はキーラ」とかつい言ってしまう老害。
「最後のケツを問う裁判」と言うタイトルで「サイゴ×キーラ」、キーラのお目々はキラキラだから壁ドンされないようにバックでズンドコとかつい思ってしまう腐女子的老害。
そんなにヒットしてないと聞いたので、明るく楽しくライトな「踊る決闘裁判」にしないと、と思ったエコノミック老害。

一つの強姦事件を三者三様(夫、間男、妻)の視点から描く。これは実は黒澤の『羅生門』と同じ構成。ただ、藪の中で三人が争う『羅生門』と異なり、事件その物は妻と間男のみでなされる。なので、正しいか嘘かについては「妻」と「間男」しか答を持ちえていない。逆に「夫」にとっては、その事件が正しいか嘘であるかは大きな問題ではない。『羅生門』で大事になった誰が誰を好きになるという恋愛感情の揺らぎやその際に発生する優越感・劣等感がこの映画にはない。「夫」と「妻」の関係性が現代と違うからだろう。「妻」は「夫」にとって、「パートナー」や「相棒」ではなく「子を産む為の用具」でしかない。だから、「妻」が「間男」とまぐわっても、馬の種付け程度に相手として「あの馬はダメだ」としか思っていない。おそらく「夫」は「妻」の才覚についても認めていない。それは彼女が彼女の権限として口を出す仕事ではないからだ。
物語は「妻」の近くに三人の女性を配置している。「女中」「女友達」「義母」だ。「女中」に性はない。働くのみだろうし、手を付けられたとしてもそれだけの関係で、甘んじて受け入れなくてはならないに違いない。「女友達」は強姦犯の味方に近く、「イケメンと上手くやったわよね」程度にしか思っていない。おそらくこっちの方が当時の一般感覚だったのではないか? そして「義母」は同じように自分を押し殺し忍従してきた。だが、「妻」の仲間ではなく、彼女は「母」になる事で、やっと家族として迎え入れられたし、それを「妻」にも求めている。つまり「妻」だけ、現代的なキャラクターであり、浮いている。「妻」だけが「家」より自分が大事な人間である。
「妻」に比べれば、「夫」や「間男」は自己の権利闘争の為に、この裁判を利用している。「夫」も「間男」もそれぞれがそれぞれの政敵であり、亡き者に出来れば、より自分の権利をその所領で拡大できるだろう。それは「家」の為だ。「家」を強くし、「家」を守る事が「家族」を守る事に繋がる。「妻」の父はそれが出来なかった。「夫」も「間男」も「神」と「王」の威光を借りて自らの権利を主張する。これは一発逆転のチャンスである。先に裁判まで起こしたのに認められなかった「夫」の所領も、相手が「神」が正しくないと断罪した男であるなら、彼の手に戻るかもしれない。「間男」側は「間男」側で、「夫」が持つ全ての財産(残念ながら「妻」は含まれない)くらい簒奪できる可能性がある。何と言っても「神」に断罪された相手なのである。
こういう構造があるので、『羅生門』とは違う。誰が正しいかではない。彼等一人一人に関しては誰もが正しい。きっつい映画である。

マッド・デイモンとベン・アフレックが脚本を書いたという事で出演も兼ねているのだが、おかげでたいそう芋くさく、英語喋ってるのもあって、イギリスっぽかった。でも、フランスだ。マッド・デイモンはジャン・ギャバン、アダム・ドライバーはアラン・ドロン、ジョディ・カマーはエマニュエル・ベアールとかなのかもしれん(最近のフランス人役者知らん)。


【銭】
ファーストデー価格1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
最後の決闘裁判@ぴあ映画生活
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最後の決闘裁判@ノラネコの呑んで観るシネマ
最後の決闘裁判@yukarinの映画鑑賞日記α

『不思議惑星キン・ザ・ザ』『クー!キン・ザ・ザ』キネカ大森3

◆『不思議惑星キン・ザ・ザ』『クー!キン・ザ・ザ』キネカ大森3

▲壁紙みたいなのの妙に気持ち悪い事。

※ ダメ出ししか書いてないので、この映画を好きな人は読まない事をお勧めします。

五つ星評価で【両★俺のバカ】
いい加減、覚えろよとか思う。オリジナルの『不思議惑星キン・ザ・ザ』はおそらく3回目。10年単位くらいに見て、見る度に躓いてる。つか、俺、きっと単純に合わないのよ、これ。なのに、何かがあるかもと思って、再度、再再度、見直してしまう。そんな物はない。いい加減気づけ。あったとしても俺には手を出せない、手が届かない。そういうのはこれを見て「おほほほほほほ」と楽しめる上流で、睡眠時間が足りてる人達の物だ。俺の物じゃない。
と言う事で、オリジナルは、不快になるコミュニケーションの断絶を超絶な美術に乗せ、人の想像を凌駕する断絶続きの展開で人々(かどうかは知らないが)確実に俺は轢死させられた。135分が無駄に長い。異世界に飛ばされて、思い通りに行かない事の数々を山場とか無視して全く無計画にダラダラ重ねている。「クー」じゃねえよ、こんなん30分で充分だろ。そして、92分になったアニメも俺を疲弊させた。変わっていない。この場合、変わらない事が勲章なのだろうけど、ダメである事を自覚してしまったので、変わらない事は苦痛でしかない。アニメ化したキャラがみな輪をかけて好きじゃない。人間だったら「味」だった部分が、アニメになる事で、誰も彼もがどうでもよさを増してしまっている。

▲くーの方。

と言う事で俺はダメ。オリジナルの卓越した美術関係の素晴らしさにだけは脱毛もとい脱帽するのだが、それなら、絵葉書にでもして、映画にしなくてもよい。現場からは以上です。


【銭】
名画座キネカード割引1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
不思議惑星キン・ザ・ザ@ぴあ映画生活
クー!キン・ザ・ザ@ぴあ映画生活

『キャッシュトラック』ユナイテッドシネマ豊洲9

◆『キャッシュトラック』ユナイテッドシネマ豊洲9

▲無双の前振り。

五つ星評価で【★★★★★こういうのドンピシャに好きです】
大当たり。物凄く趣味に合う。話の暗さから爽快感はないが、半端なく染みる。主演は仁王様のような睨みが怖いジェイソン・ステイサム。ここのところ、「でも、心はナイスガイ」みたいな場所に位置付ける役が多かったが、久しぶりに外見同様、半端な優しさなど微塵もない徹底した戦闘者の役です。闘う為に生きる闘犬みたい。

主演のステイサムの「突き進むしかない暗黒」もいいけど、敵になるビジネス強盗集団も魅力がある。このビジネス強盗集団に一つ不良部品があるだけで、ステイサムと対立する羽目になってしまう。この不良部品がスコット・イーストウッド。いい感じに軽い。あと、ステイサムの部下という珍しい役どころで三人くらい、有名人じゃないだろうけど、とても食えない顔立ちの「悪」みたいなのが出てくる。彼等もステイサムの部下だけあって一筋縄ではいかない有能な感じが漂って来ていて良かった。

監督はガイ・リッチー。こんな抑えたノアールっぽいの撮れるのね。音楽が地味にずっと狂ってるみたいで、それも良い。

P.S. しかし、『キャッシュトラック(現金輸送車)』って邦題は分からなくもないが超雑で、この題じゃないだろう、としか思えない。原題は『WRATH OF MAN(男の憤怒)』、これをそのまま使えないにせよ、内容との乖離がなく、しっくり具合が違う。


【銭】
前回入場時に手渡されたサービス割引券で1300円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
キャッシュトラック@ぴあ映画生活

『モーリタニアン 黒塗りの記録』トーホーシネマズ日比谷8

◆『モーリタニアン 黒塗りの記録』トーホーシネマズ日比谷8

▲すんげ攻撃的でスタンドとか出しそうだったジョディ・フォスター(JOFO)。
とすると、この映画は『JOFOの奇妙な冒険ZERO』で、ヴィランはまだ覚醒していない別世界バースの奇妙医師ことドクター・ストレンジである。つーか、軍人側か。スラヒにも叫ばせたい。「ドイツの教育はぁ~、世界一ぃ~っ!」

五つ星評価で【★★★殴り合いは殴る前が肝心】
アメリカ同時多発テロを起こした犯人として身柄を不当に拘束されている男を裁判で救いだそうとする話。
裁判の展開がドラマになるのかと思ったら、その前段階がじっくり描かれていた。
ビジュアル的に黒く塗られている資料は黒味が多ければ多いほど人目を引くが、あの黒く塗られている部分その物が裁判内容に影響したかどうかは描かれていない。でも、どうやら、裁判で不利になる部分を政府や軍が黒塗りにしてたのではないらしい。と言うのは、獄中にいる証人が取り調べ中に拷問を受けた手記が黒塗りされる事なく、弁護士の元に届くのだ。映画内で描かれている通りなら、黒塗りを行っているのは第三者組織である。ただ、弁護士との接見内容は画像解析されるだろうし(唇読まれるかもしれん)、たまたま録音などされようものなら、その手記の入った郵便物が第三者に届く前に政府や軍に接収されてしまう危険性は大きくあった筈だ。

で、検察側のカンバーバッチが正義にやられてしまう。いい役じゃん。
弁護士側はいつの間にか白髪鬼みたいになってしまったジョディ・フォスター。とてもいい感じに食えない婆ちゃんである。
しかし、映画で悪役として描かれる時のアメリカ(政府・軍)は本当にアメリカの利益の為なら、徹底的に正義に背く行為をしてもしょうがない存在に描かれる。昔っからずっとそうなので、まあ、これがそのままリアルなのだろう。

ラスト、本物のスラヒ氏が画面に映るが、とっても自由人っぽくって、ちょっと火野正平っぽかった。もてそー。


【銭】
トーホーシネマズの会員入場料金割引日(火曜日)を使って1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
モーリタニアン 黒塗りの記録@ぴあ映画生活
▼次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
モーリタニアン 黒塗りの記録@yukarinの映画鑑賞日記α

『コレクティブ』『人生模様』『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』『そして、バトンは渡された』『アイの歌声を聴かせて』

5本をまとめてなるたけ軽くレビュー。

◆『コレクティブ 国家の嘘』シアター・イメージフォーラム1

▲ヴァンダムと中国人監督みたいに見えるが、どっちもルーマニア人。そう言えば最近めっきり、ルー大柴を見てないな(いや、それはどうでもいい)。

五つ星評価で【★★★ルーマニアおそろしか】
ルーマニアのドキュメンタリー。
ロックバンドのライブ演奏中に火事があり、何人かが入院を余儀なくされたが、入院した彼等は決して返ってこなかった。
問題は病院。彼等は殺菌等に使う消毒薬を水増しして使っていたのだ。消毒薬は雑菌が繁殖し、事故で入院した患者はみな感染症にかかって死んだ。そして、これらの事実は当初、隠蔽されていた。
事件のあまりのひどさにリアリティーが失われるというまさかの状態。ブラックジャックとは言わないまでも(あれも金には強欲だが)、そんなエセ医者が当たり前のようにはびこる世界が文明国家圏内にあるというのが驚きだ。まあ、コロナ騒動で外国からの人の出入りがチャランポランな日本だって威張れはしないレベルだけど。


◆『人生模様』シネマヴェーラ渋谷
「▲画像は後から。」間違えた。基本的にクラシックに画像は付かない。それは借り元の映画生活さんに画像が付いてないからである。
五つ星評価で【★★★モンロー一択の可愛らしさ】
1952年、白黒、118分、初見。
特集企画「神話的女優」から一本。
O・ヘンリーの短編5作のオムニバス。間違いはないが、古典的すぎてたまげるようなラストはない。
①『警官と讃美歌』 ちょっとだけ出てくるマリリン・モンローの綺麗で可愛いこと。萌え萌え。おそらく娼婦、よくいって水商売の女であるモンローが、街角で「お嬢さん」と呼びかけられ、感激してしまう。そういう機微が可愛い。
②『クラリオン・コール新聞』 イヤな奴が凄くイヤな感じ。
③『最後の一葉』 以前、英語の授業で読まされた。画家が抽象画や現代美術画家でなくて良かった。朝ドラ「まんぷく」の忠彦さんではおそらくダメ。
④『赤い酋長の身代金』 どんどんドロンボー的な一編。
⑤『賢者の贈り物』 以前、保険会社のCMで内容が30秒で説明されていた。まあ、30秒で済む話と言えばそうなのだが、伸ばせばちゃんと20分くらいの話になるし、クリスマスに贈り物を贈りあう貧しい夫婦の美談はなかなか良い。舞台はニューヨークかどこかだと思うが、窓を開けた所にある四角い箱が、今で言う「冷蔵庫」。もちろん自然の冷気を集めるだけで電気製品ではない。ちょっと目から鱗。
原作がO・ヘンリーで、監督のうち5人に3人がヘンリー(コスタ/ハサウェイ/キング)で、ヘンリー尽くし。「どきっ、ヘンリーだらけの水着大会」とか作れそう。みんな、男じゃ。


◆『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』トーホーシネマズ六本木3

▲小劇。
「リクルートだけどシスんところ行ってみようか思ってる」
「わしはジェダイかな」
「ところで忍者ってニッカボッカ履くんか?」
「ぎゃふん」

五つ星評価で【★★やんべえ、つまんねえ】
忍者映画。
つーか予告編うめーよ。
主人公がかっこよくもなく正義でもなく、かと言ってピカレスク悪漢物でもない。そんなのダメダメだろう。ヤクを魚に詰め込む手伝いをするので「魚くさい奴」と言われるのはちょっと同情する。
外人が和服着てるビジュアルでゴリゴリ押すので、寺沢武一がコミカライズしたら面白そう。
金髪の姉ちゃん(サマラ・ウィービング)と眼鏡の姉ちゃん(ウルスラ・コルベロ)は美形。日本人女(安部春香)は顔がでかくて体型の見栄えが悪い。性格もベタっとして暑い感じで、まー日本女性はそんな感じなのかもしれん。主人公のヘンリー・ゴールディングより、脇の小路アンドリューの方が主人公っぽい。小路アンドリューは食パンマン的、ヘンリー・ゴールディングはカレーパンマン的。
空手マスターの一人にイコ・ウワイス。なんか日本人っぽいのに日本人でないと、スタンドとか使いそうに見える。
空手マスターのもう一人にピーター・メンサー。黒人で和服って威圧感ある。黒人で和服だったらお座敷で尻相撲とかやったら強いだろう。いや、全く何の根拠もないイメージです。
あと、お年を召されてるけど、扇で応戦する叔母様(そーか、石田えりなのか)かっけー。
あの赤いちょっと固まったスライムみたいなのの「えいっ」って使い方には「粋」とか「詫び」とか「寂び」がない。まだまだだな、外人。


◆『そして、バトンは渡された』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲田中圭と永野芽郁。人生目標的に永野芽郁を養えるなら、一流企業に勤めるのも悪くない(しかし、手は出せないのだ)。
「どんな映画?」
「セリフにはないんだけど田中圭が『あなたの番です』って言われる映画」

五つ星評価で【★★あれ、これはあかん奴くさい】
「バトン」じゃなく「馬頭」だったら『ゴッドファーザー』みたいで怖い。
「バトン」じゃなくって「ヴィトン」でも石原さとみなら、渡しそうよ。
予告編の要素から主要登場人物4者の関係が伺い知れてしまう。そらあかんだろ。そここそが映画の核だ。原作と映画ではラストが違うらしい。そこがどうなってるかはちょっと確認したい欲を刺激する。
永野芽郁可愛い。健気で、ヒョロっとしていて笑顔が魅力。つまり、物語としては永野芽郁に依存して成立している。
ブラジルにいた大森南朋がお年を召して麿赤児になって戻ってきたら怖い(ありえなくないやろ)。
もしかしたら、続々男親が現れて、石原さとみが歌い出したりしたら、ちょっと形の違う『マンマ・ミーヤ』かもしれない。あ、バトンがちんちんだったら、すげー下ネタ。それも踏まえて(踏まえるなよ)石原さとみってどちらかと言うと苦手。


◆『アイの歌声を聴かせて』ユナイテッドシネマ豊洲12

▲矢口真里のセクシービーム発射直前みたいな画像。さとみが今、幸せかどうかは分からないが、セクシービームくらったら幸せになるかもしれんと言う予感はある。
「さとみ今、幸せ?」と『そして、バトンは渡された』の石原さとみに聞いたら、それはそれで「幸せ」と答えるしかない罠。

五つ星評価で【★★★★景色が綺麗だったりする】
これは面白い。みんな見ろ。
ポンコツなAIの話と思わせておいて、コミュニケーションの深淵を覗くような話だ。難しそうな表現にあえてして誤魔化したが、ある一つの個性が、別の一つの個性をあんなにも正面から肯定してくれて、深淵の深淵たる恐怖感の一つもないと言うのが万物に魂がこもるアニミズムの国、日本である。シオン唇がいつも笑った顔になってるのが可愛い。『そして、バトンは渡された』の永野芽郁かよ(まあ、そんな設定があるのである)。踊るように柔道するシオンも可愛いが、柔道の打ち込み用AIロボットの三太夫も中々愛されてていいと思う。
私は意識体が深淵に潜むという設定から『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX『劇場版スタートレック』第一作のビージャーを思い出したりした。
P.S.西城役の声を聞いて「こ、これは悪い奴の声だ」、第一声でスムーズにそう思わせる、津田健次郎氏凄い(他がどうとか全く知らないけど)


【銭】
『コレクティブ 国家の嘘』:月曜、イメージフォーラムの感謝デー、1200円均一。
『人生模様』:一般入場料金1200円-会員割引400円。
『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』:トーホーウェンズデー、1200円均一。
『そして、バトンは渡された』:ユナイテッドシネマ金曜メンバーズデー、1100円。
『アイの歌声を聴かせて』:クーポン利用で1300円。
ネマズポイント6ポイントを使って無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
コレクティブ 国家の嘘@ぴあ映画生活
Oヘンリの人生模様@ぴあ映画生活
G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ@ぴあ映画生活
そして、バトンは渡された@ぴあ映画生活
アイの歌声を聴かせて@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
人生模様@或る日の出来事
G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ@ここなつ映画レビュー
アイの歌声を聴かせて@ノラネコの呑んで観るシネマ
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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