『レイジング・ファイア』『劇場版 呪術廻戦 0』『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
- Date
- 2021/12/31/Fri 10:28
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
対決アクション系公開作から3本。この3本を一緒にしたのは、善玉と悪玉の対決要素があり、その対決内容の成否とその理由について、前者は許せて、後二者には違和感を感じたからである。
◆『レイジング・ファイア』シネクイント2

▲「あーんたの事なんか何とも思ってないんだからね、ふんっ!」ではないシーン。
五つ星評価で【★★★★ドニーさん】
ドニーさんの新作で、ベニー・チャンの遺作。
敵はニコラス・ツェー。ニコラスは情け容赦のない悪役だけど、冤罪で人生を狂わされた過去がある。ニコラスはそんなにカンフーが達者というイメージがないが、ドニーさんの手に掛かるともうキチキチに仕上がって来るから流石だ。上手いのは現代の刑事アクション映画なので、ほぼ8割くらいがガン・アクションなのだが、その出来が普通に素晴らしい。矢継ぎ早で臨場感が止まらない。そして、必要な時に挿しこまれる生身の身体のアクション。その導入に無理がない。上手いなー。
映画の中で、一歩一歩ドニーさんがニコラスを追い詰めていくが、最終的に追い詰め切ったところで話は終わる。二人の実力はほぼ伯仲しているが、ニコラスが最初から捨て身である事が勝敗を分けたように見える。ニコラスは最後の戦いに辿り着いた時点で、目標は達成しているし、既に勝っている。そこからはボーナスステージだ。勝っても負けても御褒美なのだ。だから、負けて良い。香港の外に逃がしたと言っている彼等の家族に対して、それはいいのかと思わなくもないが、犯罪者になったニコラス達が自分達の信じる物を捨てた時に、そういう世俗的な感情も捨てたのだろう。そういう意味でドニーさんとニコラスは正反対のベクトルで「正義」を遂行しようとしているように見える。
ニコラスやドニーさんが集まる墓の主の印象がやたら小さいのがよく分からない。あれは誰なんだろう。
あと、女優がほんま添え物(と言うか、ドニーさんとニコラス以外は構成的にどの役も添え物である)。
◆『劇場版 呪術廻戦 0』ユナイテットシネマ豊洲10

▲呪いのにぎりっぺ攻撃。
五つ星評価で【★★★呪いの数値化が低い】
私は「呪術廻戦」はジャンプ二三回読んで止めてしまった一見さんです。
連載マンガ・アニメの劇場版だが、エピソードゼロなので、ここから始めても大丈夫という構成にはなっている。とは言うものの、通常エピソードでも登場する悪役や呪いもかなり併用されているようなので、それらについての説明が割とおざなりっぽいのが気になる。前半二つの、友達と仲が良くなりながらの「初めてのお使いエピソード」は見やすくて悪くない。後半、悪役が出てきて、「呪い」が五万と顕現するようになってからが逆に呪いの強弱が分からなくなってしまい、私は面白さを感じづらかった。それは絵ヅラであったり、呪いに対する格闘者の対応でしか、呪いの強弱が判別できず、それは製作者の舌先三寸で如何様にも操作が可能であるからで、戦いがそういう「見栄」のみの争いにしか見えなかった。能力の適正な数量化、特徴のピックアップがされないと、単に「頑張った者」「諦めなかった者」が勝つという結果になりがちだが、それこそそれは「みんな頑張っていたら成立しない」のであって、説得力に乏しい。対面格闘は必ず「何故、勝者が敗者に勝ったのか」の説明が本来はいるのだ。その辺りがラスト、戦いが行列と学園とで二つに分かれて更に集中力を失わされる中で、私には判別できなかった。ただ、戦っている悪役がどうもお馴染さんらしいので、エピソード1をご覧の人はそういう匙加減が分かるのかもしれない。何だよ、毎回負けて再挑戦するドロンボー一味かよ、お前ら。
ごじょうせんせいの目とか何も説明してくれないんですか? いやそら、『ドラゴンボール』だって、いちいちカメハメ波を説明したりはしないけど。という意味で、あの目については未だによく分かっていない。単純に邪眼みたいなものなのかしら? ごじょうせんせいと言えば、私、社会人を長い事やっているから、物凄く能力があって実利を稼ぐような人でも、場に対する立ち方を全く考慮しない人は嫌い。彼は自由であるのだけど、その自由はその他大勢の不自由を糧に成立しているのだ。
ゆうたとリカの処女と童貞の行き過ぎた清いお付き合いは嫌いじゃない。ああもうリカの声優の人に声だけで逝かせてほしい。というのは大人が言っちゃいけない。あー、あの魔道具先輩の魔道具を全て大人のオモチャと取り換えてしまいたい。これもな。
「乙骨」なんて異常な苗字を過去の大きな呪いに結び付ける捜査でスピーディーに調べられないというのは能力足りてないと思う。
ラスボス悪い奴が何をしたいのかがよく分からない。社会体制を変えるのに「巨大な呪い」が必要なのだとしても、その巨大な呪いを得て、社会体制なりが変わった後に、呪いを持つ一族が貴族階級のように暮らせる世の中が来るようには到底思えない。そういう風に上手く立ち回って新しい世界を作るほど、ラスボスの頭がよく見えない。まー、私も頭は悪いから「推し量れないだけだ」言われたら言い返せないんですが。
◆『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』新宿ピカデリー9

▲サンドイッチマン富澤似。
五つ星評価で【★★★痴話喧嘩が苦手】
寄生生物と宿主、寄生生物二体の親子関係、宿主の人間の恋愛関係なんかを常に痴話喧嘩としてまくし立てるのがうるさくてどうも乗れず。吹替の方が良かったか? でも吹替の評判が今一良くないみたいでもあるのだよなあ。
ヴェノムとカーネイジのカートゥン張りの戦いは楽しい。
ただ、ヴェノムよりカーネイジが優勢である理由や、それがひっくり返る理由が希薄なので御都合主義に見える。音女の嬌声はヴェノム、カーネイジ双方に効果があるだろうし、それが奇跡の一手になるような何かが行われたように見えなかった。まあ、画面がかなり雑然としていたので見逃しただけかもしれない。

▲大悟似。
【銭】
『レイジング・ファイア』:ドニーさんの新作をとっとと見たかったのでシネクイントで割引なし正規料金1900円で鑑賞。
『劇場版 呪術廻戦 0』:キングスマン見ようとして時間が合わず、バカなくらい劇場使ってるこっちに変更。そら、シネコン内3館くらいで上映してれば時間も合うわ。逆に言えば、こういう公開第一週大盤振る舞いタイムテーブルが他の映画との接触機会を著しく損なっていて苦々しく感じる。期間内1300円で見れるクーポン使用。
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』:死霊館のアンケート書いて貰った松竹系シネチケで無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・レイジング・ファイア@ぴあ映画生活
・劇場版 呪術廻戦 0@ぴあ映画生活
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@ぴあ映画生活
▼次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・劇場版 呪術廻戦 0@いやいやえん
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@ここなつ映画レビュー
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@ノラネコの呑んで観るシネマ
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@徒然なるままに
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@SGA屋物語紹介所
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@ノルウェー暮らし・イン・原宿
▼関連記事。
・ヴェノム(1作目):レット・ゼア・ビー・カーネイジ@死屍累々映画日記・第二章
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2作目)@死屍累々映画日記・第二章
◆『レイジング・ファイア』シネクイント2

▲「あーんたの事なんか何とも思ってないんだからね、ふんっ!」ではないシーン。
五つ星評価で【★★★★ドニーさん】
ドニーさんの新作で、ベニー・チャンの遺作。
敵はニコラス・ツェー。ニコラスは情け容赦のない悪役だけど、冤罪で人生を狂わされた過去がある。ニコラスはそんなにカンフーが達者というイメージがないが、ドニーさんの手に掛かるともうキチキチに仕上がって来るから流石だ。上手いのは現代の刑事アクション映画なので、ほぼ8割くらいがガン・アクションなのだが、その出来が普通に素晴らしい。矢継ぎ早で臨場感が止まらない。そして、必要な時に挿しこまれる生身の身体のアクション。その導入に無理がない。上手いなー。
映画の中で、一歩一歩ドニーさんがニコラスを追い詰めていくが、最終的に追い詰め切ったところで話は終わる。二人の実力はほぼ伯仲しているが、ニコラスが最初から捨て身である事が勝敗を分けたように見える。ニコラスは最後の戦いに辿り着いた時点で、目標は達成しているし、既に勝っている。そこからはボーナスステージだ。勝っても負けても御褒美なのだ。だから、負けて良い。香港の外に逃がしたと言っている彼等の家族に対して、それはいいのかと思わなくもないが、犯罪者になったニコラス達が自分達の信じる物を捨てた時に、そういう世俗的な感情も捨てたのだろう。そういう意味でドニーさんとニコラスは正反対のベクトルで「正義」を遂行しようとしているように見える。
ニコラスやドニーさんが集まる墓の主の印象がやたら小さいのがよく分からない。あれは誰なんだろう。
あと、女優がほんま添え物(と言うか、ドニーさんとニコラス以外は構成的にどの役も添え物である)。
◆『劇場版 呪術廻戦 0』ユナイテットシネマ豊洲10

▲呪いのにぎりっぺ攻撃。
五つ星評価で【★★★呪いの数値化が低い】
私は「呪術廻戦」はジャンプ二三回読んで止めてしまった一見さんです。
連載マンガ・アニメの劇場版だが、エピソードゼロなので、ここから始めても大丈夫という構成にはなっている。とは言うものの、通常エピソードでも登場する悪役や呪いもかなり併用されているようなので、それらについての説明が割とおざなりっぽいのが気になる。前半二つの、友達と仲が良くなりながらの「初めてのお使いエピソード」は見やすくて悪くない。後半、悪役が出てきて、「呪い」が五万と顕現するようになってからが逆に呪いの強弱が分からなくなってしまい、私は面白さを感じづらかった。それは絵ヅラであったり、呪いに対する格闘者の対応でしか、呪いの強弱が判別できず、それは製作者の舌先三寸で如何様にも操作が可能であるからで、戦いがそういう「見栄」のみの争いにしか見えなかった。能力の適正な数量化、特徴のピックアップがされないと、単に「頑張った者」「諦めなかった者」が勝つという結果になりがちだが、それこそそれは「みんな頑張っていたら成立しない」のであって、説得力に乏しい。対面格闘は必ず「何故、勝者が敗者に勝ったのか」の説明が本来はいるのだ。その辺りがラスト、戦いが行列と学園とで二つに分かれて更に集中力を失わされる中で、私には判別できなかった。ただ、戦っている悪役がどうもお馴染さんらしいので、エピソード1をご覧の人はそういう匙加減が分かるのかもしれない。何だよ、毎回負けて再挑戦するドロンボー一味かよ、お前ら。
ごじょうせんせいの目とか何も説明してくれないんですか? いやそら、『ドラゴンボール』だって、いちいちカメハメ波を説明したりはしないけど。という意味で、あの目については未だによく分かっていない。単純に邪眼みたいなものなのかしら? ごじょうせんせいと言えば、私、社会人を長い事やっているから、物凄く能力があって実利を稼ぐような人でも、場に対する立ち方を全く考慮しない人は嫌い。彼は自由であるのだけど、その自由はその他大勢の不自由を糧に成立しているのだ。
ゆうたとリカの処女と童貞の行き過ぎた清いお付き合いは嫌いじゃない。ああもうリカの声優の人に声だけで逝かせてほしい。というのは大人が言っちゃいけない。あー、あの魔道具先輩の魔道具を全て大人のオモチャと取り換えてしまいたい。これもな。
「乙骨」なんて異常な苗字を過去の大きな呪いに結び付ける捜査でスピーディーに調べられないというのは能力足りてないと思う。
ラスボス悪い奴が何をしたいのかがよく分からない。社会体制を変えるのに「巨大な呪い」が必要なのだとしても、その巨大な呪いを得て、社会体制なりが変わった後に、呪いを持つ一族が貴族階級のように暮らせる世の中が来るようには到底思えない。そういう風に上手く立ち回って新しい世界を作るほど、ラスボスの頭がよく見えない。まー、私も頭は悪いから「推し量れないだけだ」言われたら言い返せないんですが。
◆『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』新宿ピカデリー9

▲サンドイッチマン富澤似。
五つ星評価で【★★★痴話喧嘩が苦手】
寄生生物と宿主、寄生生物二体の親子関係、宿主の人間の恋愛関係なんかを常に痴話喧嘩としてまくし立てるのがうるさくてどうも乗れず。吹替の方が良かったか? でも吹替の評判が今一良くないみたいでもあるのだよなあ。
ヴェノムとカーネイジのカートゥン張りの戦いは楽しい。
ただ、ヴェノムよりカーネイジが優勢である理由や、それがひっくり返る理由が希薄なので御都合主義に見える。音女の嬌声はヴェノム、カーネイジ双方に効果があるだろうし、それが奇跡の一手になるような何かが行われたように見えなかった。まあ、画面がかなり雑然としていたので見逃しただけかもしれない。

▲大悟似。
【銭】
『レイジング・ファイア』:ドニーさんの新作をとっとと見たかったのでシネクイントで割引なし正規料金1900円で鑑賞。
『劇場版 呪術廻戦 0』:キングスマン見ようとして時間が合わず、バカなくらい劇場使ってるこっちに変更。そら、シネコン内3館くらいで上映してれば時間も合うわ。逆に言えば、こういう公開第一週大盤振る舞いタイムテーブルが他の映画との接触機会を著しく損なっていて苦々しく感じる。期間内1300円で見れるクーポン使用。
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』:死霊館のアンケート書いて貰った松竹系シネチケで無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・レイジング・ファイア@ぴあ映画生活
・劇場版 呪術廻戦 0@ぴあ映画生活
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@ぴあ映画生活
▼次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・劇場版 呪術廻戦 0@いやいやえん
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@ここなつ映画レビュー
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@ノラネコの呑んで観るシネマ
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@徒然なるままに
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@SGA屋物語紹介所
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ@ノルウェー暮らし・イン・原宿
▼関連記事。
・ヴェノム(1作目):レット・ゼア・ビー・カーネイジ@死屍累々映画日記・第二章
・ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2作目)@死屍累々映画日記・第二章
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