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『ホムンクルス』『ヤクザと家族 The Family』『恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~』『親愛なる君へ』『バクラウ 地図から消された村』キネカ大森3

キネカ大森名画座括りで5本。

◆『ホムンクルス』キネカ大森3

▲高橋葉介「触覚」っぽい絵面。

五つ星評価で【★★絵はおもろい】
脳の一部を外部に露出する事により、目に見えないものを見えるようになる男に綾野剛。その手術を仕向ける男に成田凌。「生きる理由をあげますよ」とそそのかす成田凌。何がどうして「生きる理由」なのか、もう、その時点で分からない。妙に変な演技をする成田凌だが、この辺りは原作起因なのかもしれない(原作未読)。
綾野剛が見るビックリ映像見本市は一見の価値あり。石井杏奈の砂女までが積極的におもろい。マンガにはない話を挿しこんだ(と何かで読んだ)岸井ゆきの辺りの話については、テイストが違ってしまってあまり奮わない。
清水崇は確かに短い恐怖ビジュアルを面白く上手く撮るのだけれど、一回りした後に迷子に戻ってしまうようなこの話は満足度が低く、それを打破するようなアイデアが出せる演出をするような作家性も低い。これで1900円割引なしと言う興行形態に決めた奴をバカと呼びたい(反面大ヒットしたのなら有能であるが、そんなにこの映画が当たったという記憶もない)。あー、2本立て1300円興行(各種割引あり)で観て良かった。そんなに期待度を高めて秘密にして値段を上げるような映画ではない。価格に拘らない金持ちはともかく、価格に拘る貧乏人は満足させるのが肝要。満足度が高い作りとは思えない(っつか圧倒的に貧乏人だ、俺)。


◆『ヤクザと家族 The Family』キネカ大森3

▲渋い二人。

五つ星評価で【★★★ヤクザいじめ映画】
『ヤクザと憲法』というドキュメンタリーがあったが、言わば、あれのドラマ版。良いヤクザも悪いヤクザもブイブイ言わせてきた時代から、暴対法の公布と共に社会から排斥されていくヤクザをヤクザ側から描く。悪いヤクザは悪い警察と結託して肩身は狭くなるが生き延びる。当然、主人公達は良いヤクザであり、どんどん生活が困窮していき、悪いヤクザに身を落とす者も現われる。かと言ってカタギとして生きていく事も許されない。映画はその最低の状態で咽び泣くように終了。それは告発としては正しいかもしれないが、娯楽映画、もとい、娯楽ヤクザ映画としてはキツい。まあ、巨悪がいないから巨悪と刺し違えにはならんのだろうけど。この映画での巨悪は一般大衆なので一億人くらいは殺さんと勝ちにならんし。っつか、娯楽映画ではあっても「任侠もの」でも「実録もの」でもないから、面白くはあっても苦手。ジャンルでいうなら「超実録もの」か「ニュー実録もの」か?


◆『恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~』キネカ大森3

▲『俺物語』のラップ越しのキスが清潔でいいと思う。

五つ星評価で【★★ガン寝】
潔癖症同士の恋愛。片方が快癒してしまう。
『恋する寄生虫』の寄生虫無し、同病バージョンみたいな韓国映画。
病気である状態がしち面倒臭くはあっても、相手の快癒を喜べない事に(出来てしまった格差に振り回されてしまうとしても)違和感。何か描き方のステップを間違えてしまったのか。「病気 > 恋」という常識が「恋 > 病気」になればこそ非常識でドラマチックとは思うのだが、その前提である「何よりもしんどくて、死にも値する辛い苦しい病気」という病気の重要度バランスが重く描かれていないのではないか? そこをきちんと描かないと「単に変わり者の二人の一方がノーマルになったから、もう一方がそれに嫉妬する映画」になるし、それはオタク映画とかで見る文脈。彼等を「社会の異物=変わり者」として外出ししすぎて、実は自分達とあまり変わらない「地続きの人間」である点が軽視されていたのではないか? それともこれは単にガン寝しちゃった自分がいろいろ読み取れずダメだっただけか?


◆『親愛なる君へ』キネカ大森3

▲主人公と義母と息子(息子、手が長くね?)。

五つ星評価で【★★★-ホモ差別】
同性愛のパートナーなき後、その義理の息子(パートナーの連れ子)と義理の母親と同居している男性が、義理の母親を殺し、義理の息子を養子にして財産を独り占めにしようとしているのではないかと言う嫌疑を掛けられる。主人公が刑事に言う、「自分が女性だったら、亡くなった夫の家にそのまま残る事に誰も疑問を挟まないだろう」と言うのが中心ロジック。亡くなったパートナーの兄弟が甥である子供を心配し、ゲイである主人公の養子として育てられる事に対して、「普通の環境で育ってほしいんだ」と言うのも理解できる。ただ、パートナーが死んだ遠因はその兄弟が作った莫大な借金を返す為に過労で倒れるほど働いていたからだ。「普通の環境」を奪っているのは、その兄弟自身なのだが、それはスルーされる。主人公は職も失うし、最終的には逮捕もされる。義理の母親の死も病院で痛み止めが処方されない為に主人公が手を出した麻酔系の違法薬物の用法を義理の母親が守らなかったからである。
この物語で書かれる異性愛者はポンコツだらけ。罠に掛けるように主人公の足を引っ張る。そして、3人登場する同性愛者は聖人のようにみな、振る舞いが正しい(もちろん、わざわざ濃厚に描写される同性愛の行為については聖人的とは思わない/但し、同じように異性愛の行為についての描写が挿入されないので、同性愛者の行為についてのみどうこう言うのはフェァではない/っつーか、あのSEX描写必要か?)。
そんな感じで「同性愛者はみな心の正しい清らかな人達でした(同性間でSEXはするけど)」と言う描き方をする事は、逆の意味で差別なのではないか? これは身体障碍者が出てくるドラマがあると、彼等が必ず絶対、善人で描かれるのに似てる(殊更、悪人として描く必要はないが、最初のバイアスとして善人ありきで描かれているのが問題だ)。


◆『バクラウ 地図から消された村』キネカ大森3

▲ポスター図案。実はUFOがそんなに大事ではない。

五つ星評価で【★★★★謎映画】
謎に面白い。だから村の日常生活をそこそこ丹念に描くような前半は割と退屈。謎が大暴れする後半が楽しい。そして、謎が謎のまま終わるのに満足度が高いのが面白い。まあ、そういう事もあるだろうし、そういう人達なのだろうよ、と。インファント島なう。かな。


【銭】
名画座キネカード割引1100円×2回。『バクラウ』はキネカード持参ラスト1本割引で600円。併映は『ジャッリカットゥ 牛の怒り』。あれは2回見なくていいや、と判断。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ホムンクルス@ぴあ映画生活
ヤクザと家族 The Family@ぴあ映画生活
恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~@ぴあ映画生活
親愛なる君へ@ぴあ映画生活
バクラウ 地図から消された村@ぴあ映画生活
▼次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ヤクザと家族 The Family@ここなつ映画レビュー
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fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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