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『テレビで会えない芸人』ポレポレ東中野

◆『テレビで会えない芸人』ポレポレ東中野

▲ポスター。

五つ星評価で【★★なんでか】
芸人のドキュメンタリーと言ったら笑福亭鶴瓶の『バケモン』という映画がある。笑福亭鶴瓶に密着しておきながら、一切、話芸や笑いを映画の中に盛り込まないという超絶技巧を駆使して、つまらない映画にした逸品である。今回は予告編の段階から、タイトルになっている芸人の松本ヒロの話芸が盛り込まれている事も確認しており、娯楽として楽しめるだろうという取らぬ狸の皮算用で見に行ったのだが、なかなかこれが上手くいかない。
元「ザ・ニュースペーパー」の松本ヒロ。確かに彼の話芸はテレビにはそぐわないのかもしれない。テレビ側から強いてお呼びを掛ける事をせず、彼も規制で変えられ、ぶつかり合いながらすり減らしていくよりは、独演会を満席にする道を選んだように見える。映画で見る分にはそれほど悲壮な境遇にも見えず、割とライトにその選択はなされたようだ。その彼をテレビの撮影班がドキュメンタリーとして収めようと出向いてくる皮肉。話芸として取りあげると、その話芸を肯定してるように捉えられ、現政権与党の痛い腹を突いてしまう芸風は、その政権与党が実権を握る免許制度である放送業としてはあまりよろしくない。ドキュメンタリーであるなら、「こういう人がこういう事を言っている」というのをそのまま放送するだけ、肯定も否定もないという理屈が通るのだろう。
松本ヒロの話芸は達者だと思う。でも「ふふふふふ」という上品な笑いで、「わっはっは」という大笑いではない。
故桂歌丸師匠がチョコチョコ披露していた批評精神の強い「頭のいい笑い」に似てる。
政治上の問題や閣僚の情報などが「松本ヒロ」というファクターを通して笑いに変換される。
この「ファクター」には何となく音韻を重ねる笑いや、ルールを重ねる笑いが多いように見えた。「あそう」と「あほう」みたいな奴や、自分の恩師の話と政治家の常套句を重ねた「記憶にありません」など。
芸人が面白くあれと通常からフル稼働しようとすると、いつも使っている「ファクター」に強く頼る形になる。つまり、「ファクター」は芸人の「癖」に近い。例えば、120分の高座をやるなら、この「ファクター」だけで即時に処理する作業を120個入れたりする事はないだろう。台本を作って、波などを考え、色々なネタも盛り込む。「ファクター」は癖だからゼロ使用はありえず、自然に入ってくるだうが、それが全てではない。そうした方が笑いに緩急が付き、より面白くなる。これを捨てたのが初代林家三平師匠なんじゃないかと思うが、それはそれでそれなりに凄い覚悟が裏にあった事だろう。松本ヒロの一つの作品としての笑いを、この映画ではじっくり見せていない。摘まみ食いはしているが、あまり長い時間見せていない。どちらかと言うと多く裂かれているのは松本ヒロの日常であり、どこにいても同じようにちょっと面白い。それは「ファクター」の笑いである。なので、馴れてくると見ている方もこの人が言いそうな事だと言う事で割と面白くはあるの手だけど面白さが麻痺してきてしまう。だから、ちょっと思ったより平坦に感じてしまったのかもしれない。
いやね、ただ単に俺がバカで笑いが何だかも分からんからダメだったという可能性も多いにあるが。


【銭】
ポレポレ東中野5回券6000円のうち1回目使用。2022年2月8日購入。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
テレビで会えない芸人@ぴあ映画生活
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プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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