古い書きかけ記事を供養。東映括りで5本。
◆『人体のサバイバル!』渋谷TOEI②
▲映画の中では赤血球を食ってる女の子の体内に入る。
五つ星評価で【★★ロボコンの悪夢に魘されて寝てもうた】
感想なし。きっとちゃんとしてたのだと思う。成人映画がもうちょっと勢いがあったら
『女体のサバイバル!』とか作る若手がいたと思う。と言うか、今からでもそれ出来たら見たいわ。
◆『がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』+『スプリンパン まえへすすもう!』渋谷TOEI②
▲ロビンちゃん妙な服。ロボコンのデザインはなかなか未来的なのだが、時代遅れっぽくて燃費の悪いアメ者みたいな方がロボコンらしい気がする。
五つ星評価で【★あかんあかんあかん、大事な事だから三回言って見ました】
ロボコンは下馬評と予告編通り気が狂ってるのだけど、これは何の説明もなしに牛糞や臼がキャラとして成立する猿蟹合戦的な世界観と思えばそれ以上の破綻はない。ただそれをそんな世界観のないロボコンで展開する理由が分からない。嫌がらせだろうか? それとも「汁なしタンタンメン」が「汁ありチンチンまん」に近いという卑猥な言葉遊びだろうか。「汁なしタンタンメン」に自我があり恋をするのなら、「汁ありチンチンまん」に自我があり恋をしてその先のセックスまでしたい、そういう願望が封じ込まれているのではないだろうか? 魔封波! よう、封じた。いや、封じんで子供達にもっと激烈なトラウマを残してもよかった(よくないか)。
演出が物語に比例して狂っているのが逆に楽しい気持ちなのは毒されてるって事か? ロボコンの頭部デザインは旧作の方が良い。あの狸みたいな目の周りの縁取りは好かん。だが、ロボコンの目のバリエーションが変な方向に増えたのは良い。自分の知るロビンちゃんはロボットではなかったのだが、新ロビンちゃんの性格は世紀末な感じでよし。ビジュアルはバレリーナ萌えみたいなのが薄くて残念、そもそもロビンちゃんの設定がどうなってるのか全く分からん。俺がアラブの石油王だったらバレリーナの衣装のメイドという設定で橋本環奈のロボダッチをラブドールの会社に注文する。何かそのロボットが50台くらいで一斉にカンペー師匠の「かいーの」をバレリーナ衣装でする所を生きている本物の橋本環奈と一緒に見て赤面させたい。そして、その後、橋本環奈に俺の「汁ありちんちんまん」を! 弁士中止! ロボコンのレビュー、何書いてもいいから楽っちゃ楽(もう既にロボコンの映画のレビューではない)。
ちなみに汁なし担々麺の声(笑)はヤン・ウェンリーの鈴村健一さんです。豪華配役じゃん。SGA屋さんの所で、続編があれば見てみたいと書いてあったが、続編があったら銀河に轟く名軍師振りを汁なしタンタン麺が展開したりするかもしれない(おそらくしないだろう)。
しかし、ロボコン無駄にタイトル長い。
スプリンパン まえへすすもう!:これも狂ってるので2対1でロボコンは気狂い興行に決定。
下に映画.comへのショートカットを貼っておくのでスプリンパンのフォトギャラリーとか見てください。ちょっとその異常性にビビります。
◆『《東映まんがまつり〈2020年〉》』渋谷TOEI①
▲りさいくるずーに出てくるまんが電王。
五つ星評価で【★★忘れてました。もうそれぞれ見た記憶も曖昧です】
「映画 おしりたんてい テントウムシいせきの なぞ」「映画 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 つりたい焼き」「仮面ライダー電王 プリティ電王とうじょう!」「りさいくるずー まもれ!もくようびは資源ごみの日」の四本立て。電王お前マンガだったのか?
◆『461個のおべんとう』渋谷TOEI①
▲道枝くんハカセでね?
五つ星評価で【★★★そーねー的な】
イノッチに抱かれるか道枝くんを抱くかを迫られる映画。どっちか選ばなければいけないならイノッチに抱かれる方かな。道枝くんは顔は綺麗だけど、あの眼鏡がよくないと思う。っつか、道枝くんサイドの話が単に道枝くんの気分次第にしか見えず、それじゃあ共感できない。対するイノッチが共感の塊みたいな役者だから尚更だ。森七菜相変わらず普通が豪速球で凄い。ルパンピンクの工藤遥もよかった。ちゃんと役者してるじゃん。弁当作り続けるのは愛情がなければできない事だろうが、それはそんなにドンと表に出すような事でもないだろう。まあ、ただ、じゃあ他にどうするって言われたら対案もない。「タイアンもない」あー、鯛焼きには餡子ないとダメだ。461日間鯛焼きを焼かすか。いや、それは今川焼で朝ドラみたいな話だよ。何を言ってる、俺?
眼鏡を掛けた道枝くんはサンダーバードの博士みたいなんだよ。
◆『魔女見習いをさがして』渋谷TOEI①
▲風呂の写真は貼るっしょ。
五つ星評価で【★★★ちなみにオマージュ元は一つも見た事がない】
主役3人のアフレコの上手さが偉いなあ。アニメ作品のオマージュ映画なのだが、アニメで作る方が企画が立ちやすいだろうが、実写で作った方が設定に近づくので作品としての力が上がったのではないか、と推測する。ヘタレ野郎大宮にひたすらシンパシー。
◆『サイレント・トーキョー』丸の内TOEI②
▲この後の広瀬アリスの絶望の表情が尊い。あとエキストラに一人だけマスクいるのが趣深い。
五つ星評価で【★★★渋谷のアレを評価】
悪評は聞いていたけど、渋谷のあのシーンと、広瀬アリスと山之内すずで充分お釣りが来る。あ、西島くんもいつも通りだけどカッコいい。ダブルキャストがちょっと掴みづらい。物語はしょり感が強い。
【銭】『人体のサバイバル!』+『がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』+『スプリンパン まえへすすもう!』:東映株主券3500円(202008~202101)をチケット屋で買って6回分のうち1回(1枚目)。
『《東映まんがまつり〈2020年〉》』:東映株主券3500円(202008~202101)をチケット屋で買って6回分のうち2回(2枚目)。
『461個のおべんとう』:東映株主券3500円(202008~202101)をチケット屋で買って6回分のうち3回(3枚目)。
『魔女見習いをさがして』:東映株主券3500円(202008~202101)をチケット屋で買って6回分のうち4回(4枚目)。
『サイレント・トーキョー』:東映株主券3500円(202008~202101)をチケット屋で買って6回分のうち5回(5枚目)。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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人体のサバイバル!@映画.com・
がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻@映画.com・
スプリンパン まえへすすもう!@映画.com・
映画 おしりたんてい テントウムシいせきの なぞ@映画.com・
映画 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 つりたい焼き@映画.com・
仮面ライダー電王 プリティ電王とうじょう!@映画.com・
りさいくるずー まもれ!もくようびは資源ごみの日@映画.com・
461個のおべんとう@映画.com・
魔女見習いをさがして@映画.com・
サイレント・トーキョー@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
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がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻@徒然なるままに・
がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻@SGA屋物語紹介所・
サイレント・トーキョー@ここなつ映画レビュー
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未レビュー感想割とあかんかった奴五つライトに。
◆『ゴーストバスターズ アフターライフ』ユナイテッドシネマ豊洲10
▲ガコンゲコンみたいな工事現場的なギミックには男の子なので惹かれる。
五つ星評価で【★★凡】
後半あの展開はそりゃウルウル来るだろうが、全体長くてテンポも悪く凡庸。ドキっ女だらけのゴースト・バスターズも乗れなかったが、これも何やら今一つ。眼鏡博士娘には萌える。オリジナルもそんなに大した映画でもないのだけど、何か擦り寄ってくるような愛くるしさがオリジナルにはあるんだよね。
◆『嘘喰い』ユナイテッドシネマ豊洲8
▲映画では出てこない白石麻衣の脚。
五つ星評価で【★★騙し合いバトルの質が低い、又は底が浅い】
五つくらいバトルがあるのだが、そのバトルの「当然、勝てはしない筈なのに逆転して相手を負かすインチキトリック」がみな想像の域を越えてこない。「えっ、そんな程度の手で勝ててしまうの?」みたいに見えてしまうので醒めてしまう。原作起因の騙し合いなら、チョイスが悪いか、足りない濃さ深さを補完しなかった脚本に問題がある。鉄火場で生きてきたのに主人公の横浜流星の前ではゴロニャン的な、まんがっぽいキャラの白石麻衣について、「これ演技下手っぽい」と思いながらも何か好き。シャープにクールに振る舞わなくてはいけない従来の白石麻衣のお綺麗なイメージが、役同様、人間らしい不完全な部分がダダ漏れてしまっているメタな構造が良いのかもしれない。もしくはチラシの脚線美にまんまと騙されたか、だ。あんな脚出すシーンないよね。
主役の嘘喰いこと横浜流星が言う「あんた、嘘つきだね。」と言うのがキラー・ワードだが、この言葉は敵対者の仕掛けてくる嘘が面白くないと活きてこない。何かちょっとお可哀そうな状態になってた。
◆『THE RESCUE 奇跡を起こした者たち』角川シネマ有楽町
▲こういう岩の隙間を通ってって果てしない工程である。
五つ星評価で【★★★まあよし】
ツイッターでの最初の感想(↓)
タイの鍾乳洞に閉じ込められた少年救助のドキュメンタリー。ラスト成功が分かってて上がる。救助者の鍾乳洞ダイバーがマイナースポーツとして自分達を恥じてるのが可愛らしい。タイの子供の中に仲野太賀が混ざっていてもきっと気付かないと思った。特に他に付け加える事もなし。
◆『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』ユーロスペース2
▲ジャッキー・チェチェン(つまんねー)。
五つ星評価で【★★怖いは怖いが】
怖いは怖いが、何となく他人事と思ってしまうのは、自分がゲイじゃないからか? 人権踏みにじられてイヤだなあと随所で思うものの、何か自分の中ではそんなにヒートせずに、見終わってしまった。一人の人間として正義の炎に義憤を燃やし尽くすような心情にならなかった事を申し訳なく思う。独裁者は否定するし、同性愛も異性愛同様に否定はしないが、物理的に眠かった。
◆『余命10年』ユナイテッドシネマ豊洲1
▲小松菜奈がなんだい。俺だって好きだい。
五つ星評価で【★★ごく普通】
大変だねえというのは伝わってくるが感情移入はできずに、ふーん、で終わった。小松菜奈が惜しげもなくブラジャとか見せてくれるのは眼福である。いーなー菅田将暉(映画と関係ない)。
【銭】『ゴーストバスターズ アフターライフ』:ユナイテッドシネマ2ポイント引き換え1000円鑑賞。
『嘘喰い』:ユナイテッドシネマ金曜メンバーデーで1100円。
『THE RESCUE 奇跡を起こした者たち』:テアトル会員券+曜日割引で1100円。
『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』:ユーロスペース映画ファン感謝デー料金1100円。
『余命10年』:ユナイテッドシネマ金曜メンバーデーで1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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ゴーストバスターズ アフターライフ@映画.com・
嘘喰い@映画.com・
THE RESCUE 奇跡を起こした者たち@映画.com・
チェチェンへようこそ ゲイの粛清@映画.com・
余命10年@映画.com
未レビュー感想五つライトに(行きたい、行きたいところであるが)。
◆『キングスマン ファースト・エージェント』新宿ピカデリー6
▲ラスプーチンってプロフェッサー・ギル似(逆か)。
五つ星評価で【★★★★予想外にイケた】
ツイッターでの最初の感想(↓)
これがおもろいのだな。中盤のあの展開にはビックリ。あとラスプーチンがキャラ立ってて好き。あとレイフ・ファインズ以外むちゃギャラ高そうな人いないのも好感持てる。あと悪の本拠地の立地が空前絶後。「あと」が好きだな、俺。
もう今となっては「中盤のあの展開」が思いだせない。何だっけ誰かが「ここは地球だったのか!」と叫ぶんだっけ? そら、どんな中盤だよ。世界にラスプーチンしかいねえのかよ。ラスプーチンは強くて下品だけど彼なりの矜持も持っててよかった。ちゃんと踊れるし。悪の本拠地も凄い。物語が抜けてもああいうインパクトが映画の印象を残す。あの本拠地、駅から遠いし、人もバンバン死ぬから、事故物件で月1000円くらいで借りれるんじゃないだろうか? 私、上でも下でも快適なトイレがないとイヤだから借りないけど。ヤクザの出入りみたいにキングスマンが来るのもイヤだし。あ、でも、ヤクザの出入りみたいに車で玄関突撃されないだけいいか。いや、空から来るのか。何だ。アメリカ同時多発テロかよ。
◆『BanG Dream! ぽっぴん'どりーむ!』新宿ピカデリー7
▲右端の黒髪の子がスカートじゃないのが我が事のように悔しい。
五つ星評価で【★★ルーチンすぎ】
おー、忘れちょる。最初の「ぽっぴんぽっぴん」って曲が自分の持ってる「バンド」の概念と違ったので驚いたのは覚えてる。バンドの目標がライブ演奏の成功なので、はぐれてしまうとか、意図せぬ離れ離れと言うのは試練として定番すぎる。呪いみたいなもんだ。はぐれて出会って次の瞬間にはもう忘れてる。かと言って、
『転校生』みたいな展開で中身がマツコDXやホーキング博士と入れ変わったりして、演奏が出来ないみたいなSF設定も困るだろうが。ホーキング博士階段落ちしたら多分死ぬし。
◆『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』トーホーシネマズシャンテ2
▲ムチャクチャ孤独な戦いを強いられている最中のマーク・ラファロ。こんなん映えない戦いを映画にしようと思ったプロデューサーとかも偉いよ。
五つ星評価で【★★★★怖い怖い】
ツイッターでの最初の感想(↓)二つ連結。
水に複数形があるのか。企業と問題解決を調整する企業サイドの弁護士マーク・ラファロはどうせ言いなりだろうと舐められている。そこで知る金の為の非道。ラファロのとことん地味な弁護士ぶりが良い。妻のアン・ハサウェイのギョロっとした顔が怖い。
気になったのはテフロンの有害が明らかになり、全米のみならず韓国や中国でも問題になるシーンで日本が話題に乗らない事。日本だけマスコミが企業に忖度して何も上がってないとか凄くありそう。ラファロがもてなさそうで、それなのにあんなアン・ハサウェイにキンキンやられて、夫婦の間の事は夫婦にしか分からないと言うけれど、それでも同情を禁じない。何かアン・ハサウェイ一人金持ち体質っぽく映ってるけど、アン・ハサウェイはこの映画に出て損してない?
テフロン米軍絡みで日本でも何か今、話が出てるっぽいんだけど朝のニュースショーに取りあげられるような大きな話題になってない。与党が「問題ない」で押し通している。と言う事は何となくガチにヤバくて、10年20年経って、「何であの時、問題にしなかったのだ?」みたいになりそうな奴。映画はとても怖いけど、日本人の命はアメリカ人よりももっと軽い。一番重いのは金持ちの所に貯まるお金。
◆『真夜中乙女戦争』ユナイテッドシネマ豊洲3
▲柄本祐の左手と永瀬廉の右手に意識を集中して凝視するとフェイスハガーに見えてくる。
五つ星評価で【★★★見掛け倒し】
ツイッターでの最初の感想(↓)
永瀬廉が花屋のバイトでひどい目にあったり、悪魔的な柄本祐と逃避行したり、良いシーンはあるが、一貫した登場人物の悲鳴が聞こえてこない。せっかく若い役者を使っているのに出来事が肉体的ではなく観念的なセリフで処理されてしまうのは良くない。柄本祐はネチっこく、しぶとそうで、ふてぶてしくっていいんだけど、最近、似たような役ばかりになってしまった。色々とローテーションで回していかないと目減りする。池田エライザは言うまでもなく綺麗だけど、高嶺の花としてそこにいるだけで悲鳴が聞こえてこない。ただまあ、そういう役回りなのだと考えれば勿体ないけどそれでいい。池田エライザが悲鳴を上げないなら永瀬蓮が倍の悲鳴を上げないといけないが、悲鳴が綺麗に響かない。バイトやってくたくたで勉強も出来ずって下地の場面が印象的ではあるけどとっても短く描かれているので、彼が搾取されているようにあまり見えない。多分、見栄えの良さも手伝って元々、生活感がなく、何となく生きていけるようにも見えるし。「ケツぐらい売ってから嘆け」と言いたいところだが、そこはもう既にケツを売っている身であるジャニーズ帝国の一員としては触れてはいけない文脈なのだろう。ただ、そこに触れてこその演技のリアリティーが爆発するのではないか。ネチっこく、しぶとそうで、ふてぶてしい柄本祐にケツをなぶられる永瀬蓮。そうであってこそ
『ファイトクラブ』から脱せられたのではないか?
◆『さがす』テアトル新宿
▲清水尋也氏の首の長さが異常。佐藤二朗さんの服はリアルに破けているのではなく、惹句が捻じ込んであるのね。ちょっと岸田露伴的である。伊藤蒼ちゃんについては、映画的な関心から胸を揉ませてもらえたら嬉しい。あ、あ、あくまでもそれは映画的な関心です。だから、別に佐藤二朗さんの胸とかは揉みたくない。
五つ星評価で【★★★★褒めないと褒めないと褒めないとって圧を掛けてくる映画】
ツイッターでの最初の感想(↓)
圧が強い。佐藤二朗にちゃんと向き合うのはいいなあ。伊藤蒼ちゃん大阪の女の子に逆らってはあかん事の体現者。清水尋也はこれが出来て朝ドラの軽い役も出来るの偉い。清水尋也がたいへんイヤな役回りなのだが、今一つ彼がその役回りをする説得力がそういう人間が佐藤二朗を追い詰める為に必要だから配置したみたいにしか見えない。佐藤二朗は映画を見ている人達の代表で「世の中の人は誰もが佐藤二朗なのです」という説得力に満ち溢れている。だから、彼が起こす愚行は痛いし、刺さる。誰もが一面、佐藤二朗みたいにヘラヘラ笑いながら時を過ごし、一面、人生の疲労に直面している。そこが、この映画の強さだろう。そこに頼っている事がムロツヨシの演じた
『マイ・ダディ』とちょっと似てる。違うのは、「世の中の人は誰もが佐藤二朗であり、時にはその佐藤二朗をも逸脱する獣性を内包するかもしれないが、それでも人は伊藤蒼のようにも正しく生きるべきである」という対立軸を映画内で立てた所にある。これで凄く切り口が荒いけど、グンと深くなった。ムロツヨシの
『マイ・ダディ』は世の中の人の誰もがムロツヨシみたいな善人だったらいいなあというファンタジーだが、だから善人は報われてほしいという願望に終わる。そこに強烈な現実感覚はないが、あれはファンタジーなのでそれでいい。
『さがす』の落ち着きの悪さは多分、物凄い現実を観客は付きつけられるのだが、どう終わればそれが正しい回答なのかを想像できない点にある。解答例のないまま、観客に押し付けられるただただ現実。だから、消化できずに目の前で何時までも残り続ける。物語としては未完成かもしれないが、現実はそういうものだ、と。
うん、でも、もう一回見たら違う回答になるかもしれない。分からない。消化できてないから。ともかく殴りつけられた事だけは分かってるが、あまりにその襲撃が見事だったので眩暈で何だかよく分からない。こういう映画は褒めておこう。
凄い。以上。
【銭】『キングスマン ファースト・エージェント』:ピカデリー前回有料入場割引1300円。
『BanG Dream! ぽっぴん'どりーむ!』:ピカデリー6ポイント無料入場。
『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』:トーホーシネマズ水曜1200円均一。
『真夜中乙女戦争』:ユナイテッドシネマ金曜メンバーデーで1100円。
『さがす』:テアトル会員券で1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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キングスマン ファースト・エージェント@映画.com・
BanG Dream! ぽっぴん'どりーむ!@映画.com・
ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男@映画.com・
真夜中乙女戦争@映画.com・
さがす@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
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キングスマン ファースト・エージェント@銀幕大帝・
キングスマン ファースト・エージェント@徒然なるままに・
キングスマン ファースト・エージェント@ここなつ映画レビュー・
BanG Dream! ぽっぴん'どりーむ!@或る日の出来事・
ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男@ここなつ映画レビュー・
さがす@SGA屋物語紹介所・
さがす@ノラネコの呑んで観るシネマ
マンガ『人狼ゲーム』全三巻原作 川上亮
漫画 小独活
竹書房バンブーコミックス
デスゲームとしての「人狼ゲーム」を強いられる系の最初の小説の最初のマンガ化作品(じゃないかと思う)。プレイヤーに選ばれたのは10人の同じ高校の男女で男5人、女5人。多少、この後の作品と違うかもと言うのは運営側がこの10人のプレイヤーを選ぶ時点で誰が誰に怨恨を抱いているというのを全て把握した上で選び、それを各プレイヤーに開示している点があげられる。「あなたが憎むべき相手はあの人です」という事が個別にモニターで告げられる。ゲームを白熱させる為にたいへん効果的だが、それは運営側が神すぎるだろう。一億の金が動くゲームだから(逆に言えば一億をプレイヤーにペイしても成り立つゲームだから)少人数で運営しているであろう運営側がそれだけの情報を網羅把握できる位置にあるという事はあるかもしれない。例えば待機電源が入ってるPCから画像をモニタリングできるみたいなCIAなみの事が出来るなら、逆に怨恨の輪を意図的に作っていく事も考えられないではないが。ただ、ゲーム周期はゲーム流れから一週間に一回くらいと推定される。一週間に一回同一地域で10人近くの人間を消費するなら1年間に500人弱。延々と続けてはいられない。多分、それはそんなに都合よくいかないよなあ、という事で、この怨恨関係の導入は破棄されたのだろう。
10人の中で人狼が2人、村人が8人、村人のうち1人が預言者という構成。夜間跋扈する人狼から部屋に鍵を掛けて他者を守る「騎士」は導入されていない。「騎士」まで入れてベーシックな「人狼ゲーム」かなと思ってるが、これが導入されない事でゲーム流れがシンプルになって格段に読みやすくなっている。入門編として最適。
そして、ラスト。あー、そーなの、そういう事なの、というのはちょっと目から鱗が落ちてよかった。
物語の中で優柔不断で泣いてるばかりだった主人公が、爪や牙を研ぐような人狼に対抗できるような存在に成長するのだけど、これは嫌な成長譚だよなあ。『まどマギ』で、魔法少女が魔女になっちゃうみたいなものかもしれない。あれは主役サイドの話ではないけど。
◆『道場破り』神保町シアター五つ星評価で【★★★長門勇どうよ】
特集企画「映画で愉しむ山本周五郎と時代小説の世界」から一本。
1964年、白黒、91分、初見、内川清一郎監督作品。
勇ましいタイトルだが、松竹らしい人情劇をベースに、主人公の悲哀や手足が飛ぶような残酷剣劇をまぶしている。重厚な剣劇カットの後、余韻を残さずすぐ人情劇で打ち消しにかかるのは何やら勿体ない。長門勇が自分の剣劇カットのない乱戦場面でファニーフェイスをチョコチョコぶち込んでくるが、これが何にもなっていない逆効果でイライラする。長門勇の顔の中心は調子いい時の左とんぺいに似てる。ヘイユウ! しかし、
『雨あがる』と同原作(勿論こっちの方が早い)との事だが、あれってこんなだったっけ。主役が長門勇と寺尾聡じゃそれだけでもう別物か。
長門勇の妻役が岩下志麻。綺麗すぎて長門勇に操を立ててるのが極めて不自然。最後まで長門勇を裏切るのでないかとの疑念が晴れなかった。だって岩下志麻は超絶美しいけど、壁ドンきゃっうふふ的な恋の揺らぎが演技になく、どっちかって言うともう既に極妻っぽい。惚れられる側の長門勇は人柄こそ優しいが、優柔不断で、身なりは汚く、女性に接する態度にも全く自信が見えない、いわゆる一般的な女子が忌み嫌うタイプなのですもの。
家老の娘が倍賞千恵子。さくらなのにキャンキャンしてて、脳内がバグる。
この倍賞千恵子との関係が深くなり、岩下志麻がジャマになったら
『四谷怪談』になるのだが、そうはならない。いっそなれ。
丹波哲郎がかっけーけど謎の役。最後まで見ると納得できるが実に傍迷惑と言えば傍迷惑な役だ。
そして、殿山泰司の乞食宿に居付いてる貧乏人代表が左卜全、ここに家老の宮口精二が訪ねて来るだけで漂う
『七人の侍』感。白黒だからか。まあ、左卜全が白黒で全力で貧しいというだけで
『七人の侍』感濃厚である。
いい人だけど、世渡りは下手という善人談なのだが、善人の度が過ぎて自分を大切に出来ない奴ってのは、あまり共感できない。そこが、この映画にあまりのめり込まされず、ラストもうすら怖く見える所だろう。あそこに行けば必ずいい事があるだろうと言う主人公の希望の言葉が世迷言に聞こえてしまう。【銭】一般入場料金1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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道場破り@映画.com
アメコミ系三つできるだけ軽く。
◆『モービウス』新宿ピカデリー2
◆『モービウス』ユナイテッドシネマ豊洲10
▲「ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ」
五つ星評価で【★★春眠】
二回観たけど、二回とも途中で意識が途切れてしまった。
幾何学系デザインに妙な音のOP、EDはイカレてて好み。
そうすか、吸血鬼ですか。常人が吸血鬼になって血の欲望に抗うという非常にベタな展開で、煙草会社がお金出してそうなCG表現は面白いけど、あまり変わり映えしない話。主人公モービウスの弟分マイロとの確執もテンプ。凄むと表情に獣性が溢れだすのもテンプ。何かヒューンヒューンドコンドコン殴り合ってるうちに終わってしまった。戦いを終わらす最後のスマッシュショットとか覚えてない。
モービウスことジャレッド・レトは苦悩、懊悩、衝動とかよさげな演技だった。
マイロことマット・スミスもスラッと伸びたおみ足に髑髏のような笑顔が眩しい。
吸血鬼だけに蝙蝠イメージが漂う本作だが、ラストに登場する人物の前世が
『バットマン』だったので笑った。バルチャー(ハゲタカ)であり、
『バードマン』でもある。そして、
『モービウス』の前世もバットマンの宿敵ジョーカーだったりする。本当は単に
『バットマン』を作りたかっただけなんじゃないか?
◆『ザ・バットマン』新宿ピカデリー2
日曜大工系ヴィラン。リドラー。
五つ星評価で【★★★端正】
その、バットマン。バットマンの暗さが好き。
明るいイデオン同様、明るいバットマンってかっこ悪い。
何かいつも苦虫噛み潰していて(本当に噛んでたらやだ)、俯いてる男がいいのよ、ブルース・ウェインは。今回の相手はタチの悪い知能犯リドラー(=ナゾラー)。シリアスな話に無理が生じるため、カラーのレオタードに「?」をあしらったアメコミコスチュームじゃなかった。あのスーツをそんなに見たかった訳じゃないけど、心の底にちょっとシコリが疼いた。はっきり言ってリドラーの謎は分からなかった。だが、バットマンは負ける。バットマンって割と勝負の勝ち率低い。そういう悲哀が嫌いじゃない。そして、ペンギンが単にギャングなのに、根性一つでバットマンとタイになる頑張りを見せたのはかっこよかった。
全体、文芸的な物語としてはよく出来ているが、娯楽としては圧倒的なカタルシスを与えてくれないので今一つ。キャットウーマンがエロいのは勿論好き。でも、話が悲惨な方向に傾くとエロとかどうでも良くなってしまいがちなのが悩ましい所。
◆『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』ユナイテッドシネマ豊洲8
▲オイルプレイ直後みたいなてかてかスパイディ。
五つ星評価で【★★★★自己犠牲】
ネタバレに関しては、あーなるかなと言うのは気付いていた。ああであってもおかしくはないし、逆にああならないとバランスが取れない。まあ、商業作品として、いろんな制約があるのによくやった。それより驚いたのは「治す」という方向性だ。ただ、最新のスパイダーマンシリーズの悪役、バルチャーとミステリオは「治す」事が出来ないタイプの悪役なので、「何でそんなこと思い付くかな?」とも思った。二人目三人目の影響が色濃いのかな? スパイダーマンの最後の決心も心にドスドス刺さる。誰よりも傷付く覚悟を持てる者が英雄なのだ。そういう英雄のドラマは基本、好き。
ゼンデイヤは美女とか可愛子ちゃんとかと違う範疇の女の子だったけど、3作よく勤めてくれて、とても好感持ってる。何となくセックス的な折衝抜きで、嫁さんとしてよくやってくれそうなタイプ。
【銭】『モービウス』:ピカデリー前回有料入場割引1300円とユナイテッド2ポイント割引1000円。
『ザ・バットマン』:ピカデリー前回有料入場割引1300円。
『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』:豊洲クーポン使用で1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・
モービウス@映画.com・
ザ・バットマン@映画.com・
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
・
モービウス@徒然なるままに・
ザ・バットマン@ノラネコの呑んで観るシネマ・
ザ・バットマン@徒然なるままに・
ザ・バットマン@ノルウェー暮らし・イン・原宿・
ザ・バットマン@風に吹かれて・
ザ・バットマン@SGA屋物語紹介所・
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム@或る日の出来事・
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム@ノラネコの呑んで観るシネマ・
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム@SGA屋物語紹介所
◆『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章』新宿ピカデリー6
▲集合写真。
五つ星評価で【★★★★おもしれーんだからしょうがねえ】
鑑賞直後のツイッター↓
鉄板で面白いが、何故面白いのかよく分からない。割と今回は話が停滞してる。面白い要素が何なのかよく分からないし、話も停滞してるのにちゃんと面白いのである。
謎。今回は、ユリアン勝ち初陣、ミッターマイヤー囚われの季節、ロイエンタール二つの目の色。ンガング。いや、サザエさんっぽさに失敗しとるわ。割と傍系の話を粛々と進めて話の密度を高めているというところだろうか。ユリアンはともかく、ミッターマイヤー、ロイエンタールはラインハルトに忠誠を誓った頃の回想がメインなので、そこそこキルヒアイスの出番が多いのは、キルヒアイスファンへのサービスだったりするのかもしれない。そんな中、個人的には帝国貴族閥の一番偉い美しくないのに長髪にしてるおっちゃんと、その親戚の美しくないのに無駄に金髪のおっちゃんがキャラとして「もうダメで、ダメで、ダメすぎ」が燦然と光り輝いていて好き。長髪デブ野郎は実写化するなら、と言うより宝塚のキャスティングであってもランニングシャツの大仁田厚を捻じ込んで有刺鉄線電流爆破銀英伝にしてほしい。ああでも片岡鶴太郎も似合いそう(ストレス溜まりそうである)。もう一人の金髪ダメ男はIKKOさんとかでいいや(てきとー)。チョコプラのIKKOさんでもいいぞ(いいのか?)。
◆『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第二章』新宿ピカデリー5
▲シャフト(右)。野性爆弾のくっきー!をまともにした後、ちょっと酒飲ましたビジュアル。
五つ星評価で【★★★★おもしれーんだからしょうがねえ、こっちも】
こっちも謎に面白い。共和国では英雄化されだしたヤンを秘密裏に糾弾する査問会が開かれ、帝国では奪取されてしまったイゼルローン要塞とイゼルローン回廊を奪い返すべく、直接ガイエスブルグ要塞をワープするという検討がなされる。そこで出てくる科学屋のシャフトが赤っ鼻の下賤な人物。基本的にこの世界では人格と外観が一致する事を思い知らされてしまうキャラクターである。だってねえ、ラインハルト様とキルヒアイスが赤っ鼻とかありえないでしょ。
そして、いよいよ次回は派手な要塞戦。楽しみだ。
※オマケ※イゼルローン要塞の歌※※※デビルマンのメロディーで
♪あれは何だ何だ何だ
あれはイゼル、イゼルローンー要塞。
裏切り者の名を受けて、
命を賭けて戦う要塞。
イゼルアローは超音波、
イゼルイヤーは地獄耳、
イゼルウィングは空を飛び、
イゼルビームは熱光線、
悪魔の力身に付ーけたー、
正義の要塞イゼルローン、イゼルローン。
【銭】各1900円均一料金興行。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章@映画.com・
銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第二章@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
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銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章@徒然なるままに・
銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第二章@徒然なるままに▼関連記事。
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田中芳樹・銀河英雄伝説関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章
◆『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』ユーロスペース1
▲映画ポスター。
五つ星評価で【★★苦手】
「美術史は書き換えられるのか」というコピーにあるように、抽象絵画の始祖とされているカディンスキーやモンドリアンより先に非具象絵画を描いていた者がいた。そういう話である。その人物は女性だし、神秘主義にのめり込んでいたし、という事情で当時の美術界に受け入れられなかった。ただ、当時の美術界で神秘主義にのめり込んでいたのは彼女ばかりではないので、あくまで、作者が女性であったから美術史を飾らなかったのではないかと言われる。実際は彼女自身が絵を秘匿し、死後20年は封印するように言い伝えたらしい。
美術史が書き換えられるかどうかはどうでもいい。ただ、現代美術の歴史が「これでも芸術なのか」という意匠の裏の裏をつくようなアイデア合戦で発展してきた事を考えると、その洗礼をわざと忌避したような彼女の作品は「書き換えられない」であってもいいかなと思う。「思い付く」だけでなく「発表」が大事だ。例えばマルセル・デュシャンの「泉」という作品は単に便器に「泉」というタイトルを付け、サインしただけの物だ。こんなアイデアだけの作品は発表しなければ芸術の仲間入りは出来なかろう。
さて、映画の中で彼女の具象作品、抽象作品とも取りあげられる。具象作品は別に嫌いではない。
私感であるが、抽象作品には面白味を感じられない。単に「具象でない」というだけにすぎない。同一モチーフによる連作が幾つもある事から、連作により輪郭を定めていったようだ。どちらかと言うと「世界」に対する彼女の解釈を絵で表わしたもの。でも、それだけ見ても分からない。私が凡人だからだろう。タイトルを聞くだけではピンと来ない。つまり、これは本来、説明されて初めて内容が理解できるものなのだと思う。骨董の世界の「書」に近い。
カディンスキーやモンドリアンの作品はデタラメに描いているように見えて、実はリズムがある。具体的な物を題材にしている訳ではないのに、見ていると情動が発生する。そこが「芸術」なのだと思う。
あくまで私感であるが、ヒルマ・アフ・クリントの絵画からはそれが感じづらい。何かを発信したい事は分かるが、絵画として情動に訴えるように描かれた物ではないと思う。意味はある。これは「絵」で描かれた「魔法陣」みたいなものだと思うのだ。意味はあるが、解説なしには解読できない。非漢字圏の人間から見た時の「漢字」をカラフルにしたようなものだろう。それゆえ、意味が解読される事なしには楽しめないだろう。ヒルマ・アフ・クリントは何故、自分の死後20年、作品の発表を封じたのか? 単に想像であるが、その人と成りや、過去の付きあいから、作品が解釈される事を拒んだのではないか? だとしたら、彼女の非具象作品は芸術と最も遠い所にある意匠かもしれない。そういうのをずっと見ているのは疲れる。意味が分からないのだもの。
ちなみに、彼女の作品には彼女の規定した「意味のある文字」があちこちに嵌めこまれてたりする。分かるか、そんなもん。彼女は彼女を知る者のみに彼女の作品を残したのかもしれない。それが芸術として成り立つのか、物語みたいに読み解けたりするのかは、全然関係のない私には分かりかねる。
【銭】ユーロスペース火曜1200円均一料金。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界@映画.com
◆『いのち・ぼうにふろう』神保町シアター五つ星評価で【★★★仲代達矢の眼力にやられた】
特集企画「映画で愉しむ山本周五郎と時代小説の世界」から一本。
1971年、白黒、121分、3回目か4回目、小林正樹監督作品。
少なくとも二回は見ている。
だから、初回見た時の「ビビっ」と来た感覚に引っ張られる。
ロクデナシ共が自分の得にならない善行に身を投げていくアウトラインがそもそも好きなのだ。
だけど、あー、仲代達矢、間がたっぷりだとか思ってしまうようになった。
ならず者の吹き溜まりの深川安楽亭に巣食う穀潰しが不運な一組の男女を命を賭けてぬかるみから助け出そうとする人情譚。主役の仲代達矢は目玉ギラギラで薬物中毒みたいだし、客演の勝新太郎は割といつも通りにズタボロのアル中みたいだしで、人情譚なのに気軽に心温まらせてくれない。そんな掃き溜めの中で唯一綺麗なのがずっと商家で丁稚奉公してたのに不運に突き落とされて流れてきた山本圭の涙。これが本当に綺麗で純真無垢ですーっと流れる。掃き溜めにいるメンツの中で、佐藤慶と栗原小巻は善人素養が強いので別として、それ以外の近藤洋介、岸田森、他三名が仕事に加担するのはちょっと勢いに乗って端折ったなと感じた。まあ、人数多いからゆっくりもやってられまい。
佐藤慶が悪人の中だとしても善人寄りなのは珍しい。でも、佐藤慶だから手放しでいい人には見えなかった。まあ、それくらいのバランスでいいのか。
安楽亭を目の敵にする同心が中谷一郎と神山繁。中谷一郎って風車の弥七以外は本来はイヤな役の役者だよなあ。神山繁はもうどこからどう見てもいつもイヤな奴。
小林正樹が撮ったから、堂々立派な重い演技演出が付いたが、これが同じ四騎の会の市川崑だったら悪人ももっとライトになって娯楽活劇っぽくなったのかなあ、とか夢想する。武満徹の音楽は気を張らされてちょっと疲れる。
【銭】一般入場料金1300円。
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いのちぼうにふろう@映画.com
◆『シャドウ・イン・クラウド』新宿ピカデリー7
▲クロエちゃんの顔見て分かった。菅田将暉に似てるんよ。
五つ星評価で【★★★★おもしれーよ】
クロエ・グレース・モレッツのニコニコ顔全開。何時まで経ってもエロくならんのう。
話の中盤に明らかになる彼女の任務とその任務に必要なカバンの中身には驚いた。そんな物が入ってるとは。
そして、いなければいないで搭乗者のヒステリーとして成立しそうな空の怪物グレムリン。劇中「ネズミみたい」と言われるこのグレムリンのデザインが大変秀逸。ネズミが人間大で害意を持っている事の本能的な恐ろしさがビンビン押し寄せてくる。
ああやだ、怖い。【銭】前回有料入場割引+ネット予約使用割引で1200円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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シャドウ・イン・クラウド@映画.com
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