『白昼の無頼漢』『ジャコ萬と鉄(1964)』新文芸坐
- Date
- 2022/05/31/Tue 22:10
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
特集「丹波哲郎生誕百年祭」の1プログラム。
「天衣無縫、豪放磊落 名優にして、怪優 こんなスターは後にも先にも、この男だけ」という特集チラシのコピーが実に言い表してていい。
◆『白昼の無頼漢』新文芸坐
五つ星評価で【★★★★ピカレスクよのう】
1961年、白黒、82分、初見、深作欣二監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)
丹波哲郎って人でなしが似合う。行き場のない屑が集まっての大作戦。丹波哲郎の次に屑度の高い朝鮮鮮人の抜け目のなさがステキ。
配給会社が「ニュー東映」。パチくせえ。
国際的な屑野郎を集めての現金強奪計画。
白人夫婦に黒人の暴姦野郎、韓国・北朝鮮の二重スパイに日本人の人斬り兄弟。米軍の現金輸送車を狙うまでは協力しあってるが、一度、金を手に入れてからは誰もが出し抜く事しか考えない。ロクデナシが集まって延々と騙し合いが続くような物語はキツいのだが、絶妙な人の減らし方とキャラの強さで最後まで持たせる。
ジャズに吠える金管とタカタタタタタなコンガみたいな打楽器がイカス。今の映画でこういう音楽を使わなくなっちゃったの勿体ないなあ。
「50万$のうち30万は俺が貰う。後の20万は5万づつお前らで分けな」
「日本人、小学校で計算習わないの、20万$を6人で分けたら5万$にならないよ」
「計画中、二人は死ぬ。だから5万だ」ってのかクール。
◆『ジャコ萬と鉄(1964)』新文芸坐
五つ星評価で【★★★★強い奴同士がぶつかり合うの良いわあ】
1964年、白黒、99分、初見、深作欣二監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)
自分が見てないというだけでまだまだ面白い映画は山とあるな。気持ちのいいバカ高倉健と誇り高いバカ丹波哲郎の意地の張り合いが鰊漁の漁唄をバックに盛り上がる。大坂志郎も若い。
こっちの配給会社は「東映」。脚本が「黒澤明&谷口千吉」。そら面白いだろう。東映のイメージはあまりないが、東宝が監督として雇っていると無制限にお金と時間を掛けてしまうので、黒澤プロという製作プロに独立させて作品買取の形で契約してたので、他社と取引があってもおかしくはないという事らしい。まあそら、「あそこの家、邪魔だから取り壊してこい」という人を社員として預かるのは心臓に悪い事だろう。
大坂志郎、若いと言うほどでもないが、そもそも孫がいるような役しか見た事がなかったからな。健さんが戦争帰りの復員兵みたいな役で、その兄貴なので30代くらいだろう。浦辺粂子は普通に老けている。あの人は老け役のプロだから。健さんが実家に帰って来る時、助清のマスク付けてきたら驚くだろう。まあ、そんな時代背景である。ジャコ萬は舟を盗まれてシベリア抑留になった。それだけでそれ以上の説明は何もない。ロシア人を相手にするひどさみたいなのが、それ以上言わなくても浸透していたという事だろう。
年を取ってから役が寡黙になったが、若い時の健さんって結構とっぽくって可愛い感じがある。何かすぐ脱いじゃう「いなかっぺ大将」気質もあるし(もちろん今回も脱ぐ/っつか北海道の海で諸肌脱いだら死ぬんでないか)。タイプで言うと石原裕次郎とか高島忠夫みたいな、ちゃんと笑う男子。会社が東映だから父親役が山形勲、そら悪い事くらいするだろう。この高倉健と丹波哲郎と山形勲の三すくみの関係が一か所打てば残り二か所に伝わるようでよく出来てる。ジャコ萬の寡黙にふてぶてしく強情なところは丹波哲郎にピッタリ。
女王陛下が出てこないから『女王陛下のプチ・やんしゅ』という冗談が言えない。
PS 健さんはアイヌが掘る木彫りの人形に似てなくもないと思う。
【銭】
旧会員ポイント8ポイント使って無料入場。新しい会員制度もよく分からないが、古い会員制度がどうなるかも、これからどうなるのかよく分からない。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・白昼の無頼漢@映画.com
・ジャコ萬と鉄(1964)@映画.com
「天衣無縫、豪放磊落 名優にして、怪優 こんなスターは後にも先にも、この男だけ」という特集チラシのコピーが実に言い表してていい。
◆『白昼の無頼漢』新文芸坐
五つ星評価で【★★★★ピカレスクよのう】
1961年、白黒、82分、初見、深作欣二監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)
丹波哲郎って人でなしが似合う。行き場のない屑が集まっての大作戦。丹波哲郎の次に屑度の高い朝鮮鮮人の抜け目のなさがステキ。
配給会社が「ニュー東映」。パチくせえ。
国際的な屑野郎を集めての現金強奪計画。
白人夫婦に黒人の暴姦野郎、韓国・北朝鮮の二重スパイに日本人の人斬り兄弟。米軍の現金輸送車を狙うまでは協力しあってるが、一度、金を手に入れてからは誰もが出し抜く事しか考えない。ロクデナシが集まって延々と騙し合いが続くような物語はキツいのだが、絶妙な人の減らし方とキャラの強さで最後まで持たせる。
ジャズに吠える金管とタカタタタタタなコンガみたいな打楽器がイカス。今の映画でこういう音楽を使わなくなっちゃったの勿体ないなあ。
「50万$のうち30万は俺が貰う。後の20万は5万づつお前らで分けな」
「日本人、小学校で計算習わないの、20万$を6人で分けたら5万$にならないよ」
「計画中、二人は死ぬ。だから5万だ」ってのかクール。
◆『ジャコ萬と鉄(1964)』新文芸坐
五つ星評価で【★★★★強い奴同士がぶつかり合うの良いわあ】
1964年、白黒、99分、初見、深作欣二監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)
自分が見てないというだけでまだまだ面白い映画は山とあるな。気持ちのいいバカ高倉健と誇り高いバカ丹波哲郎の意地の張り合いが鰊漁の漁唄をバックに盛り上がる。大坂志郎も若い。
こっちの配給会社は「東映」。脚本が「黒澤明&谷口千吉」。そら面白いだろう。東映のイメージはあまりないが、東宝が監督として雇っていると無制限にお金と時間を掛けてしまうので、黒澤プロという製作プロに独立させて作品買取の形で契約してたので、他社と取引があってもおかしくはないという事らしい。まあそら、「あそこの家、邪魔だから取り壊してこい」という人を社員として預かるのは心臓に悪い事だろう。
大坂志郎、若いと言うほどでもないが、そもそも孫がいるような役しか見た事がなかったからな。健さんが戦争帰りの復員兵みたいな役で、その兄貴なので30代くらいだろう。浦辺粂子は普通に老けている。あの人は老け役のプロだから。健さんが実家に帰って来る時、助清のマスク付けてきたら驚くだろう。まあ、そんな時代背景である。ジャコ萬は舟を盗まれてシベリア抑留になった。それだけでそれ以上の説明は何もない。ロシア人を相手にするひどさみたいなのが、それ以上言わなくても浸透していたという事だろう。
年を取ってから役が寡黙になったが、若い時の健さんって結構とっぽくって可愛い感じがある。何かすぐ脱いじゃう「いなかっぺ大将」気質もあるし(もちろん今回も脱ぐ/っつか北海道の海で諸肌脱いだら死ぬんでないか)。タイプで言うと石原裕次郎とか高島忠夫みたいな、ちゃんと笑う男子。会社が東映だから父親役が山形勲、そら悪い事くらいするだろう。この高倉健と丹波哲郎と山形勲の三すくみの関係が一か所打てば残り二か所に伝わるようでよく出来てる。ジャコ萬の寡黙にふてぶてしく強情なところは丹波哲郎にピッタリ。
女王陛下が出てこないから『女王陛下のプチ・やんしゅ』という冗談が言えない。
PS 健さんはアイヌが掘る木彫りの人形に似てなくもないと思う。
【銭】
旧会員ポイント8ポイント使って無料入場。新しい会員制度もよく分からないが、古い会員制度がどうなるかも、これからどうなるのかよく分からない。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・白昼の無頼漢@映画.com
・ジャコ萬と鉄(1964)@映画.com
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