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『白昼の無頼漢』『ジャコ萬と鉄(1964)』新文芸坐

特集「丹波哲郎生誕百年祭」の1プログラム。
「天衣無縫、豪放磊落 名優にして、怪優 こんなスターは後にも先にも、この男だけ」という特集チラシのコピーが実に言い表してていい。

◆『白昼の無頼漢』新文芸坐
五つ星評価で【★★★★ピカレスクよのう】
1961年、白黒、82分、初見、深作欣二監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

丹波哲郎って人でなしが似合う。行き場のない屑が集まっての大作戦。丹波哲郎の次に屑度の高い朝鮮鮮人の抜け目のなさがステキ。

配給会社が「ニュー東映」。パチくせえ。
国際的な屑野郎を集めての現金強奪計画。
白人夫婦に黒人の暴姦野郎、韓国・北朝鮮の二重スパイに日本人の人斬り兄弟。米軍の現金輸送車を狙うまでは協力しあってるが、一度、金を手に入れてからは誰もが出し抜く事しか考えない。ロクデナシが集まって延々と騙し合いが続くような物語はキツいのだが、絶妙な人の減らし方とキャラの強さで最後まで持たせる。
ジャズに吠える金管とタカタタタタタなコンガみたいな打楽器がイカス。今の映画でこういう音楽を使わなくなっちゃったの勿体ないなあ。
「50万$のうち30万は俺が貰う。後の20万は5万づつお前らで分けな」
「日本人、小学校で計算習わないの、20万$を6人で分けたら5万$にならないよ」
「計画中、二人は死ぬ。だから5万だ」ってのかクール。


◆『ジャコ萬と鉄(1964)』新文芸坐
五つ星評価で【★★★★強い奴同士がぶつかり合うの良いわあ】
1964年、白黒、99分、初見、深作欣二監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

自分が見てないというだけでまだまだ面白い映画は山とあるな。気持ちのいいバカ高倉健と誇り高いバカ丹波哲郎の意地の張り合いが鰊漁の漁唄をバックに盛り上がる。大坂志郎も若い。

こっちの配給会社は「東映」。脚本が「黒澤明&谷口千吉」。そら面白いだろう。東映のイメージはあまりないが、東宝が監督として雇っていると無制限にお金と時間を掛けてしまうので、黒澤プロという製作プロに独立させて作品買取の形で契約してたので、他社と取引があってもおかしくはないという事らしい。まあそら、「あそこの家、邪魔だから取り壊してこい」という人を社員として預かるのは心臓に悪い事だろう。
大坂志郎、若いと言うほどでもないが、そもそも孫がいるような役しか見た事がなかったからな。健さんが戦争帰りの復員兵みたいな役で、その兄貴なので30代くらいだろう。浦辺粂子は普通に老けている。あの人は老け役のプロだから。健さんが実家に帰って来る時、助清のマスク付けてきたら驚くだろう。まあ、そんな時代背景である。ジャコ萬は舟を盗まれてシベリア抑留になった。それだけでそれ以上の説明は何もない。ロシア人を相手にするひどさみたいなのが、それ以上言わなくても浸透していたという事だろう。
年を取ってから役が寡黙になったが、若い時の健さんって結構とっぽくって可愛い感じがある。何かすぐ脱いじゃう「いなかっぺ大将」気質もあるし(もちろん今回も脱ぐ/っつか北海道の海で諸肌脱いだら死ぬんでないか)。タイプで言うと石原裕次郎とか高島忠夫みたいな、ちゃんと笑う男子。会社が東映だから父親役が山形勲、そら悪い事くらいするだろう。この高倉健と丹波哲郎と山形勲の三すくみの関係が一か所打てば残り二か所に伝わるようでよく出来てる。ジャコ萬の寡黙にふてぶてしく強情なところは丹波哲郎にピッタリ。
女王陛下が出てこないから『女王陛下のプチ・やんしゅ』という冗談が言えない。

PS 健さんはアイヌが掘る木彫りの人形に似てなくもないと思う。


【銭】
旧会員ポイント8ポイント使って無料入場。新しい会員制度もよく分からないが、古い会員制度がどうなるかも、これからどうなるのかよく分からない。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
白昼の無頼漢@映画.com
ジャコ萬と鉄(1964)@映画.com
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『フォーエバー・パージ』トーホーシネマズ日比谷6

◆『フォーエバー・パージ』トーホーシネマズ日比谷6

▲仮装してるだけなのにガサばってるので乗られてる馬が可哀想。

五つ星評価で【★★★凄く面白くもなく凄くつまらなくもなく】
もう五作目なのだ。毎回毎回ちょっとだけ前と違うの入れてくる出来不出来はバラバラだけど、それなりに良心的なシリーズ(『人狼ゲーム』みたい)。
基本ずっと都市戦だったのが(前回は違うか)舞台は田舎に。田舎者の悪口を言う訳じゃないけど、都会のパージ参加者の方がスタイリッシュで怖くていい。しかし、メキシコ近くのアメリカ人家族牧場でメキシコ人を多く雇ってるとか火種になりそうな設定をよく見つけるわ。冒頭、殊更、アメリカ人兄貴をメキシコ人にコンプレックス抱かせておいて、抑えになる父ちゃんも始末しておきながら、割と兄ちゃんいい奴って意表突いたのはよかった。あと、立法化した悪漢の思いもよらない形で、最底辺がそれを乗り越えてしまうのが面白かった。ああまでやられたら立法化した奴も困るだろう。パージの期限亡き延長って無政府状態でしかないから。小賢しい事を考えようとも自然は更にその上を行く的な状態だった。メキシコから流入してくる難民を快く思っていないアメリカ人を揶揄するかの如く、メキシコは危機の中、国境を一定時間無効とする策を取るなんてのも皮肉が効いている。

しかし、牧場の人間が体育会系からか、殺す側の優位性があまり強く出ず、そんなにパージっぽくなかったので、そこがそれほど盛り上がらない理由なのかもしれない。妊婦がいるのに、妊婦に「か弱い感」がないし、延長戦が長引いたから夜の印象がないし。

「もう終わりだよ」
「そんなんデマだろ。ずっとやるんじゃい」
って行動に移されたら、終わらないというのは実効性があって良い。


【銭】
トーホーウェンズデーで1200円均一。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
フォーエバー・パージ@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
フォーエバー・パージ@ここなつ映画レビュー
▼関連記事。
パージ関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章

パージ関連リンク▼

▼関連記事(パージ関係)。
①・パージ@死屍累々映画日記・第二章
②・パージ:アナーキー@死屍累々映画日記・第二章
③・パージ:大統領令@死屍累々映画日記・第二章
④・パージ:エクスペリメント@死屍累々映画日記・第二章
⑤・フォーエバー・パージ@死屍累々映画日記・第二章

『わが恋の旅路』神保町シアター

◆『わが恋の旅路』神保町シアター
五つ星評価で【★★★★不穏な空気の中、素敵な二人】
特集企画「宮尾登美子と戦後女性作家の世界」から一本。
1961年、カラー、91分、初見、篠田正浩監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

61年前の映画。川津祐介のかっけーこと。岩下志麻の折れそうなこと。恋愛ドラマだが空気感が真剣勝負みたいで怖い。アラモの店かっこいい。

川津祐介がともかくかっこいい。ちょっと丹波哲郎崩れっぽいが丹波哲郎にはない繊細さがある(すまんタンバリン)。そして、岩下志麻が折れそうに痩せていて、ドスが効いていない。若くて健やかでみたいな薄知的な明るさではなく、美くしいけど不器用で感情を出す事すら不得手、貧富は別として育ちの良さを感じる。そんな岩下志麻が愛に翻弄されて拷問のように辛い目に会うのがたまらない。その地獄に付きあわされる相思相愛の男、川津祐介。なるほど脚本に寺山修司が入っている感がある。後の実験映像集や彼の長編映画のような突拍子もない事は起きないが、リアルな中にもそれぞれの思いの地獄が空回りするって、なかなか意地悪だ。山本直純の音楽はどこか、現代音楽っぽく、ちょっと武満徹っぽい。アラモの店は店内に大きく『アラモ』のポスターが貼ってあるキャバレータイプの飲み屋だ。土地は横浜、町の中がモダンだ。岩下志麻が映画を見に行くカットがある。いつも一人で見に行くというのが実にステキ。

ある仕掛けにより、川津祐介は岩下志麻ともう一人の男と三角関係になる。そのもう一人の男が過去の川津祐介なのだ(比喩ではない)。これは未だかつて他の映画でも見た事はない。画期的な冴えたやり方だ。

川津祐介の会社の先輩役、佐藤慶もシャレててステキ。


【銭】
有料入場スタンプ五つ集めて無料入場。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
わが恋の旅路@映画.com

『死刑にいたる病』シネクイント1(ネタバレ)

◆『死刑にいたる病』シネクイント1(ネタバレ)

▲きっちり無表情で怖い。

レビュー内にネタバレ内容を含みます

五つ星評価で【★★★★阿部サダヲこわい】
まず阿部サダヲに惜しみない拍手を送りたい。
白石和彌監督前作『孤狼の血レベル2』の鈴木亮平の佇まいも怖かった。彼は徹底的な暴力装置で、彼の近くにいると暴力が感染してしまうのだ。日常生活を送る上でそんな人間は近くにいない。だから、彼は人の群れの中にいる人以外の何かなのだ。そういう意味で、あの鈴木亮平と、この阿部サダヲは似てる。阿部サダヲも一見、普通に人間であるが、人間を逸脱している。ただ、思うのはこの映画の阿部サダヲの怖さは人を殺す点ではない。あれはオマケのようなものだ。この映画での阿部サダヲの怖さはもっと哲学的だ。映画の主人公は岡田健史であるが、彼は阿部サダヲと接しているうちに、自分の行動が自分の自由意思によるものなのか、阿部サダヲに操られているものなのかが分からなくなってしまう。これが怖い。岡田健史がリア王であるなら、阿部サダヲはシェイクスピア。日常に働きをかける神様みたいなものだ。
神様は生贄として少年少女を求める。中学生では若く、大学生では老いているらしい。高校生であるというのは理に適っている。中学生までは学区の学校に通うので移動範囲が狭い。高校生になると電車通学が当たり前になる。被害者がばらける。真面目な少年や少女が好きなのだと言う。おそらく、これは性に関係していて、大人になる前に摘み取ってしまうという考えだろう。支配欲と破壊欲が強い。彼にとって旬を過ぎた獲物を何回かあやめたかもしれない。それはいたずらに行った行為であるが、いつもより楽しくなかったのかもしれない。彼の行動がルーチンに戻っていくから。ただ、その行動を取る事で別の対象の運命を操るという戯れ事にも手を出すようになる。それは実際の行動が制限される彼の支配欲を満たす遊びになる。

ダンスを踊らないのはともかく、随分汚していたので岩田剛典ガンちゃんであるのは気付かなかった。汚し方がちょっと不自然。一度美形を汚すのは手間がかかるので、もうちょっと最初から普通にイケてない人でよかったと思う。

中山美穂の「私、決められないから」というセリフでそんな人いるのかと凄く違和感があったが、こういう物語を身近で体験するとああなってしまうという実例なのね。

物語の構造的に岡田健史を気にかける女の子と阿部サダヲの関係がラストのショック効果に使われるのは非常に正しいやり方なのだが、何時の間にか看守が優しくなってたり、彼のことを悪く言う人が一人もいなかったりであるのが(少年時代に関する述懐だけは別か)何気に怖い。彼の近くの世界は彼によってもう耕され尽くされているのだ。

宣材の阿部サダヲの顔が樹木希林に見えたり、上島竜平に見えたり。みんな善人だ(実はみんなシリアルキラーだったら怖い)。


【銭】
シネクイント水曜1200円均一。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
死刑にいたる病@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
死刑にいたる病@ここなつ映画レビュー
死刑にいたる病@ノルウェー暮らし・イン・原宿

『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』ユナイテッドシネマ豊洲8

◆『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』ユナイテッドシネマ豊洲8

▲大男スカーと小さなエド。同じやないかい。

五つ星評価で【★★ワクワクしない理由】
これ、物凄く壮大な物語を描こうとしているのだが、問題なのはそれを演劇や映画の文法ではなく、マンガの文法のまま描こうとしている事ではないだろうか? 私、原作の世界観とか詳しくは知らないので、多少の間違いは許してもらうとして、主人公のエドと弟のアルが住む国が西洋ヨーロッパが集まったみたいな西の大国であり、その大国が民族ごと滅ぼした国がある。大国は錬金術が盛んで、不老不死の妙薬を作る為に都市一つ破壊したようなきな臭い事件も起こしている。その錬金術の秘法を求めて、東からは中国ライクの国から幾つかの凄腕のチームが集まってきている。
それは民族一つ滅ぼそうとするような蛮行があったら、当事者のスカーは怒るだろう。だが、これがどうも村が焼き討ちにあったぐらいにしか見えない。ドイツがユダヤ人を滅ぼそうとした時のユダヤの人口が約1000万人(うちドイツ占領区にいたのが400万人で250万人が殲滅されたらしい)。今のロマが600万、中国の弾圧してるウィグルが1000万。スカーのいたイシュヴァールはせいぜい100人程度の集落にしか見えない。仮に100万人くらいの民族だったとして、第二次世界大戦中ドイツが6年かけて250万人殺したのを相手の抵抗込みでおそらくもっと短い期間で跡形もなく殺したというのは壮絶だ。とても映画の絵からはそうは見えない。おそらく、マンガでは局地戦の一つが描かれていたのだろうが、映画ではそれが戦いの全てみたいに描かれている。マンガ通りに描いただけにしろ、そこはマンガ通りに描いてはいけない。そこをマンガ通りに描くとその世界のリアルを構築できない。もちろん100万人殺した相手に対してたった一人で復讐を仕掛けるというのも箆棒なホラ話であろう。あと、スカーを新田真剣佑が演じているからしょうがないのだが、イシュヴァールの民、全てメイクした日本人である。インファント島かよ。もちろん、エドを初めとするアメストリスも国民は日本人が演じているし、今回初出のシン国も日本人が演じている。ワールドワイドな話なのに人種がみな偏ってるのでコスプレ学芸会っぽい。まあ、これは最初にそのベクトルで行くと決めた時点でもう地獄が見えてたとしか言いようがないのだが。
そんな中、ディーン・フジオカがかっこよかったり、蓮沸美沙子が同じく良かったりもするけど、山田涼介は相変わらず山田涼介のままだ。エドに寄せようとしてない。そら小さくなるのは難しいかもしれんが、山田の感情演技は山田の物であり、エドとは異なる。面白かったのはメフィラス星人役で話題になってる山本耕史が演じるアームストロング、怪演であり、あんな力技でアームストロングに見えてこなくもない。でも、大男ではない。アルと同等の大男なのだから身体CGで作れば良かったのに。スカーも大男ではなくなっていた。そもそも山田涼介が小男ではないのだが。総じて役者の演技はみな合格。でも、何か同じメンツが組み合わせ換えてワチャワチャ何時までも戦ってるだけで、話の進行が遅い。
ホラでも何でも一つの民族を殲滅した国家に牙を剥く殲滅された民族の男、その男と関わってくる同じくらい大きな第二の国家というとてもでかい話の筈なのに、10人くらいで痴話喧嘩やってるみたいになってるのはやっぱりマンガを単にマンガのまま映像化しようとしているからだろう。例えばシンからの来訪者を踏みつけにするエド、又、別の来訪者も足蹴にするエド。いらないだろ、あのシーン。


【銭】
ユナイテッドシネマのメンバーズポイント2ポイントと引き換えに1000円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー@映画.com
▼関連記事。
鋼の錬金術師(一作目)@死屍累々映画日記・第二章
・鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー@死屍累々映画日記・第二章
鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成@死屍累々映画日記・第二章

『バブル』ユナイテッドシネマ豊洲4

◆『バブル』ユナイテッドシネマ豊洲4

▲「痴漢されたいなんて思ってません」と言って世の痴漢を怒らせる服。

五つ星評価で【★★それぞれいい部品を持ち寄って来たけど総合的に箸にも棒にも引っかからない映画】
キャラは美しいけど、みな、没個性で感情移入が出来ない。背景が語られるのは男の主人公の辛そうな過去だけなのだが、その過去が辛かったのか、その過去が今に影響を与えているのか、揺らぎが小さくてよく分からん。ただ、彼には背景があるだけまだましで、彼のパルクールのチームメイトも、対戦相手も、こんな奴を揃えておけば一揃いでしょという感じ程度で揃えられたにすぎず、それぞれの背景や個性は何一つ持たされていない。そんな中に人魚姫ポジションの女の子が一人忽然と現れるのだが、それを誰も不思議に思わない所がもう通常世界の日常性を放棄してしまっているという事だろう。そもそも、彼等の対戦ゲームによる商品は持ちよった物品の総取りだが、ろくに働いて見えない彼等がそんなんで対戦を続けて行ける筈がない。人魚姫ポジションの彼女が満員電車に放り込まれたら5分で痴漢に会ってしまうような服装で現れたのも不思議だ。5分でバブルになって海に帰ったらマズいよな。
パルクール、アニメの動きとしてはとてもクールだけど、一切ドキドキしない。絵だからな。失敗して、命を失うような事になるとしてもそこに痛痒感が伴わない。絵だからな。そして、このパルクールを使ってフラッグを奪うというゲームのゲーム展開が一切予想できない。幾つかある経路を解説したり、攻撃・守備の布陣なども何ら説明もなし。つまり、ゲームとして描写する気はない。かと言ってパルクールの技術論に踏み入る気もない。となると、気持ちの強い者が勝つって方向にしか話は流れない。それは描き方としてつまらないし、パルクールやってる人に失礼だろ。
物語の冒頭から最後までの間に、世界規模の何かが起こった筈なのだが、何だか全く分からない。謎が謎のままだ。いいんか、それで?


【銭】
ユナイテッドシネマの会員券更新に伴うオマケ「1000円で映画が見れる券」を使用。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
バブル@映画.com

『IDOL NEVER DiES』シネ・リーブル池袋1

◆『IDOL NEVER DiES』シネ・リーブル池袋1

▲しかし、井口昇女子を上手く撮るようにならないなあ。

五つ星評価で【★★井口昇というあまずっぱさ】
何か井口監督久しぶり。監督はコンスタンスに作品を発表しているようなのだが、被虐度の敷居が高くてなかなか手を出せない状態。ノーマルで、つまんねー奴だな、俺。
でもまあ、見に行った。うわ、井口監督まったく変わってないよ。つーか、明らかに資金不足な映画で、昔以上にアマチュアっぽい。アイドルの自分探しにゾンビによる世界崩壊が重なる熱病に浮かれて撮ったようなドラマだ。アイドルを何人か連れてきて「映画ゴごっこ」を体験させてあげたみたいな映画。
主役の5人はそれぞれ可愛いのだと思うが、ドラマ部分で持つそれぞれの問題にうじうじ悩むみたいな芝居を可もなく不可もなくこなしている。器用なもんだが、何か、これが実に輝いていない。井口監督って、昔からいい素材頼みであって、監督自身が彼女たちを「物凄く綺麗だったり可愛く撮ってやろう」という気概に溢れていない(気がする)。

なので、オマケに付いてるメイキングの素の彼女たちの方が数倍可愛いし、メイキング映像の方が本編映像より発色が鮮やかという変な状態になっている。メイキングで見れる井口監督も白髪が多く老けた。体型とか昔のまま変わってないので、ヅラとか使って変身してるみたいでもある。

対バンのゾンビの歌のライブの方が主人公達のライブより好き。


【銭】
テアトル会員券使用+曜日割引で1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
IDOL NEVER DiES@映画.com

『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第三章』トーホーシネマズ池袋1(ネタバレ)

◆『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第三章』トーホーシネマズ池袋1

▲ずんずん可哀想な境遇に落ちるケンプさん。しかし、ガンダムのドズルさんって、あの顔でビグザムに乗って、みなから慕われる、銀河英雄伝説世界に生まれなくてよかった(いや、悪めの顔でも味のある顔はセーフなんだよな)。

※ ネタバレ要素を含む記事です。

五つ星評価で【★★★★あの人がかわいそう。でも、面白い】
要塞戦の続き。つか、やっと要塞戦が始まった(終わらないとは思わなかった)。

ケンプ氏が実に可哀想である。彼は多分よき軍人であり、実直に駒になって勇猛に勝利を重ねるタイプ。だが、顔が悪い。美形ではない。だから、勝てない。彼がミッターマイヤーの容貌を持っていれば、こんな愚鈍な負け方をする人間としては描かれなかっただろう。少なくとも戦いの駆け引きがもう少し詳しくセリフに上がっただろう。そういう贔屓な描かれ方がされないので、元々、智将ではないのだろろうが、やけに何もせず、動かず、感情を優先して負ける男みたいになってしまった。まあ、しょうがない。敗者は必要だ。あと、自由惑星同盟側でヤンを査問会に呼ぶ一番偉そうなおっさんもとても顔が悪い。そして、顔が悪いと行動も醜い。『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』というアニメがあるが、その言い回しを使うなら『銀河英雄伝説世界は男ブスに厳しい世界です』になる。そう言えば、この世界、女のブスは今まで一人も見た事がない。普通の容貌のモブだったら暮らしやすい世界かもしれない(あーでも、ずっと戦時なんで物価とか高そう)。

同盟側が戦争をする時、みなサロンにいるかのようにダラっと集まっているのは変だと思う。まあ、「三人寄れば文殊の知恵」側面はあるのだろうけど、戦闘に入った後にみな一カ所にいるのは非効率ではないのか? あれが全員ブレーンで、実際の戦闘に組しないとしたらしたで、賛否の表明くらいしかしないメンツもいるので、実に資金豊富な登用方法だ。なんかいいのかそれ。ムライなんて声がいいだけだろう。

イゼルローン要塞の防衛コンテンツとして出てくる移動砲台。おおっ漢字変換で移動放題と出た。大笑い。あれ四方八方に均等に配備するのが正しい。確かに主砲をやられれば戦力が低下するので、主砲近くに配備しておきたいところではあるが、逆にそこに懸念があるなら主砲近くに固定砲台、もしくは固定砲台の代用になる駐留戦力を置いておけばいい。と言うより、ガイエスブルグからイゼルローンへの一発目がイゼルローン要塞主砲もしくは指揮ブリッジなどへの一発でないのがそもそもダメだろう。距離があって正確な射撃が行えないのなら距離を詰めればよい。パッと見、イゼルローンは主砲一カ所のみ直撃すれば大打撃になるが、ガイエスブルグは数カ所攻撃しないと攻撃力が落ちない構造だ。なら、同盟側が撃ちあぐねている一発目、充分な距離を詰めて撃てばいい。
移動砲台に対する二回目の攻撃を受けてしまう同盟側もいかん。あれは敵の特殊爆弾に対して迎撃し、一次攻撃で誘爆しない爆弾を伴う破片が要塞に降り注ぎ後から爆発する事になるのだが、仮に全く同じ攻撃を受けるのなら、弾着同時の爆発でなく、弾着手前で爆発するようにミサイルを操作して攻撃すればいい。要塞から放たれたミサイルの爆発により、特殊爆弾は要塞外側に押し出されながら、外殻が破壊される。内側の要塞流体に取り込まれた後に爆発する実体の爆弾は宇宙空間を要塞の外側に向けたベクトルで浮遊し、逆に要塞を守る機雷群になる。あわよくば敵側で爆発するし、時限発火で爆発したとしても要塞や移動砲台に実害はない。戦争が終わった後、地雷撤去みたいな作業は必要かもしれないが、戦時に被害を出して爆発するよりはいい。

ヤン不在のまま要塞に帰るまで何日かかかると言ってたが、映画内ではリアルタイム2時間で帰ってきてしまうので、何日も経つてるようには全く見えない。みなさん、よく頑張りました。

ああー、それにしてもあそこで映画を切るなんて。


【銭】
1900円均一料金興行。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第三章@映画.com
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銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第三章@徒然なるままに
▼関連記事。
田中芳樹・銀河英雄伝説関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章

『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』新宿ピカデリー7

◆『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』新宿ピカデリー7

▲『ドクター・ストレンジ松』的なポスター。「屑でニートで童貞」的ではある。「ニート」と「童貞」じゃないだろうという意見が強そうだが、他のマルチバースでは、更に拗らせていて「ニート」で「童貞」だったりするかもしれない。

五つ星評価で【★★★★ごくごく普通におもろい映画。とてもサム・ライミらしい映画と言われているが、サム・ライミらしいって何ぞやってのが個人的にはよく分からなかった】
ツイッターでの最初の感想(↓)

鬼子母神みたいな話だった。職場に一人確保したいベネディクト・ウォン。吹石一恵に似てるアメリカ。ドクター同じ容貌が二人出るなら、ザ・タッチの幽体離脱をやってほしかった。

物語のベースは「母の愛 vs 捻くれ者のヒーローが頼ってきた子供を守る」という物で、理屈はともかく、情動では悪玉側も完全に否定しきれない所が上手。メタな話をするなら、同性愛者である事を公表している主役のベネディクト・カンバーバッチに取ってみれば放り込まれた子犬のようにぶるぶる震えてるアメリカという娘は貰われてきた養子みたいなもの。だから、これは彼等のどちらの子供の生き死にを優先させるかという切ない話なのである。リアルな話にするなら、大きな戦争を起因にして内臓障害を起こした息子のドナーを目の前にして、強制的に誰かを犠牲にして手術してしまおうとする母と、それを阻止しようとする医師のチェイスであり、決着は「目の前のお姉さんを殺してまで僕が生きるのはおかしい」という子供が母親に諭す真理になる。こういう骨子であれば、どっちも本気で殴り合って最後まであきらめないのは当然なので、思いが強いだけあって、話がガチになり、盛り上がる。
しかし、スカーレット・ウィッチさんはしばらく見ない間に(映画シリーズしか見てないから)アサヒ飲料の缶珈琲みたいな名前に変わった挙句、いない息子を追い求めると言う、そんなん大人の話としては信じるに足らないみたいな事を言ったり、やったりするのに、このシリーズだと「世の中広いから、それもありな」になってしまうのは何か確かに凄いな。デタラメもいいところだ。このデタラメ尽くし感が「サム・ライミらしい」って奴なのだろうか? むちゃくちゃ何でも出来る人達が集まっているのに、皿の上に残った最後のケーキを奪いあうしかないという状況が切ない。あっちのワンダ無糖とこっちのワンダカフェオレを混ぜて一緒にするみたいなのは出来ないのね。
そして、けっこう有能だけど結果が伴わない奴扱いのドクター・ストレンジがマルチ・バースの中では、マシな方で、それ以外がもっとひどい目に会っている。主人公だけがどうにか、うんこ味のカレーを振る舞われて、それ以外のマルチバースのドクターはカレー味のうんこを振る舞われたみたいな。いや、逆の方が幸せか。一番マシで、これなのかみたいな皮肉バッチリ。まあでもいいよ、偉いよ。マントも可愛いよ。後半とかすっかり存在忘れてしまってたけど。
飛ばされた世界でのよく分かんないグループ『インシテミル』、それは俺が見てない藤原竜也の映画じゃ。もとい、そんなようなグループとのドクターとかアサヒ飲料の缶珈琲との戦いも面白い。あれは案外パチものに見えて、パチもの的だな。あの、組織の事もドラマパート組らしく、詳しい事は何も知らない。でもまあ、分からなくても困らない体で映画が作られてるから大丈夫。
アメリカが何となく可愛いとは思えないのだけど、吹石一恵に似てると思ったら、まあいいかみたいに一息ついた。この世界線では福山雅治と結婚しないでベネディクト・ウォンと結婚してほしい。そんな事になったら株が上がるぞ。んーとー、ソーチー・ゴメスと言うのか、ゴメスを倒せって奴か。

5分くらいの短編でペンキの世界の『ドクター・ストレンジ』もやってほしいな。

誰だか分からないけど、ドクター佐藤蓮司も頑張れ。


【銭】
新宿ピカデリー何だか分からない1000円になるクーポンがあったから使用。よう分からんが誕生日関係のクーポンじゃないかと思う。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス@映画.com
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ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス@或る日の出来事
ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス@ノラネコの呑んで観るシネマ
ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス@徒然なるままに
▼関連記事。
ドクター・ストレンジ(一作目)@死屍累々映画日記・第二章
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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