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『カメの甲羅はあばら骨』ユナイテッドシネマ豊洲2

◆『カメの甲羅はあばら骨』ユナイテッドシネマ豊洲2

▲出落ち映画。

五つ星評価で【★ヒエラルキーが低い男に優しくない】
カエルや亀の骨格を持った少年少女のハイスクール生活。こんなん出落ちだろうと思ったら本当に出落ちで、それ以上の何も残っていなかった。監督が『貝社員』の人と聞いて、成程と納得した。『貝社員』『カメの甲羅はあばら骨』も、蘊蓄みたいな事実が一つあって、その事実を展開強調して、面白くても面白くなくても、ズンズン進んで話を閉じる。そして、今回は面白くなかった。朝の5分番組ならそれで済むが、まとめて映画で見るとしんどい。逆に言えば、朝の5分番組なら作りようによっては面白かったかもしれん。
しかし、ヒエラルキー高い組も決して骨格によってヒエラルキーが高い訳ではないので(ライオンの運動能力はあるかもだが、そこはそんなに強調されないし)、ヒエラルキー低い奴は普通に社会生活上ヒエラルキー低い奴という構図になる。それは見てて辛い。なんか只でさえメンタルとかも被害妄想的に追い詰められているのに、身体が言う事聞かない感じに変なのである。居たたまれない。
多分、ギャグをギャグたらしめる為に、ヒエラルキー高いチームは必要以上にゲスいメンタルで、低いチームは必要以上に負け犬メンタルである。それでいて、何かギャグがあったのか、思い出せないでいる。
キリンの彼は首が軟体的に曲がっていたが、人の首もキリンの首も骨の数は一緒なのであーは曲がらない。そして、あんな使い方をするのはクリーンヒット時の頸椎への衝撃を考えると医学的にかなり危険である。


【銭】
前回来館時に貰ったクーポンを使って1400円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
カメの甲羅はあばら骨@映画.com
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『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』シネクイント1

◆『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』シネクイント1

▲宣材写真一枚選ぶならこれだろう。

五つ星評価で【★★★★おもろい】
これは低予算だけど、死ぬほど脚本が練ってある映画。
一定期間を何回も同じ時間が繰り返すというタイムループもの。
このタイムループを抜け出す為に、タイムループに閉じ込められた会社員達が通常業務を行いつつ、解消の為の手段を何重にも凝らしていくのが異常におもろい。
会社員の中には「こういう時のタイムループの定番は~」などと分析するタイムループ映画オタクみたいなのがいて、話をスムーズかつ難解にしていく。これはホラー映画蘊蓄をホラー映画内で語らせた『スクリーム』のやり方だ。つまらなくなる筈がない。あと、これでもかみたいなハッピーエンドが心に沁みる。


【銭】
前回有料入場スタンプを一年以内に4回貯めたら無料入場1回に変更可能。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない@映画.com

『劇場版 ソードアート・オンライン  -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』ユナイテッドシネマ豊洲10

◆『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』ユナイテッドシネマ豊洲10

▲「ちんちん蹴られて激痛」的な顔のキリト。

五つ星評価で【★★★★いや、やはり、又々だけど、ちゃんと面白いは面白いと思うのよ】
ゲームクリアもしくは死という世界で生き残りをかけたゲーマーの戦いが始まる。的な。の第一層のラスボス戦までが前回。
今回いきなり第五層のラスボス戦から。おいおい間どうした。まあ、バッとショートカットしても話的に不自由はしないが、劇場版で初登場となる(と思ってるが違ったらゴメン)情報屋のアルゴの説明くらいはしないといかんのじゃないか。おそらく、これはお馴染の人気キャラなのだろうが、私とは初対面なので、そういうのちゃんとやって欲しかった。でも、この声は『メイド・イン・アビス』のナナチの声だな。自由すぎる凄腕野郎ってスタンスは変わらず。
キリトとアスナは第六層のボス戦に絡む陰謀に巻き込まれる。
元々ゲーム上の死が現実の死という設定が最狂のクソゲーな訳だが、この回からはPK(プレイヤーKILL)を行う快楽殺人者みたいな輩がボチボチ出だす。いいね、いいね、狂ってるね。
キリトの相変わらずムチャクチャすげーゲーマーなのに一目置かれないのは変わらぬまま。この設定が男泣かせ。「男」は基本、承認欲求の高い生き物であると思う。それは、集団で狩りを行う事が原始的な男の役割であり、そこではそれぞれが自分の役割を果たす事に存在意義があり、それが出来ない個体は生きるに値しない邪魔者になるからだ。だから、自分が狩りに役立つ個人である事を強く主張したい気持ちは強いと思う。そういう気持ちを殺してまで、と言うより、自分の評価(生存価値)を下げてまで、全体に寄与しようとするその優しさにやられてしまう。そして、そのキリトを包み込むようなアスナの優しさ。パフパフくらいさせてやれよ。
そのアスナは無類の風呂好きという「源しずか」設定で、今回も風呂に入る。風呂に入って全裸でアルゴの軽デュエル(=チャンバラ)の挑戦を受ける。全裸を厭って水着での勝負を言いだすアスナ、ぶーぶー。誰か「それはいけません」って署名活動起こせ。今回、地下回廊で怖いけど意地っ張りなアスナが見れた。そういうの大事。キャラに濃い色が付く。

▲「ちんちん蹴られると痛いのかしら」的な顔のアスナ。

第六層のラスボス戦はマジ熱い。カンフー映画見てて、身体が動くような感覚をアニメで味あわされるとは思ってなかったので、ちょっと面食らった。ええぞ。アクションその物のアニメートや演出(アングル、カットのタイミング)が優れているのは勿論、乗せる音楽を作ってる梶浦由記が相変わらずエモいスコアを上げてくる。よかよか。
第六層の攻略は実は大人数だと犠牲者が増えただろうから、偶然、そうなった少数精鋭が功を奏した。運があるという事でもあるな。


【銭】
前回来館時に貰ったクーポンを使って1400円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
劇場版 ソードアート・オンライン  -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ@映画.com
▼関連記事。
ソードアート・オンライン及び川原礫関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章

ソードアート・オンライン及び川原礫関連リンク▼

▼関連記事(ソードアート・オンライン関係)。
a-①・劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール(TVシリーズ正当続編)@死屍累々映画日記・第二章
a-②・劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア(TVシリーズリビルド一作目)@死屍累々映画日記・第二章
a-③・劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ(TVシリーズリビルド二作目)@死屍累々映画日記・第二章

同一原作者作品(川原礫)
b-①・アクセル・ワールド INFINITE∞BURST@死屍累々映画日記・第二章

『線は、僕を描く』ユナイテッドシネマ豊洲8

◆『線は、僕を描く』ユナイテッドシネマ豊洲8

▲薔薇よりも美しい。

五つ星評価で【★★★ちょっと複雑な終焉を感じる】
もう一回見たいと思わせる力作。
題材である水墨画を映画内でもう一回見直したい。
今まで水墨画を題材にした映画は見た事がなかった。「書道」や「芸術」もそうだが、創作(フィクション)の題材として描く時、一流の物を一流に見えるよう表現しなければいけない。そこに作品としての難易度が上がる。油絵や彫刻などについては『Dr.コトー診療所』の山田貴敏が『マッシュ』『風のマリオ』などのマンガを描いている。もう、普通じゃない。マンガの中の芸術なのに魂が震える。それはマンガの技能によりこう描かれた物が芸術であるべきだという実物が見えない上での補完となる指摘がなされて納得をする、下世話に言えば技法に乗せられていると言っていい。「書道」に関しては、河合克敏が『とめはねっ!』というマンガを描いている。ここで、河合は名書をコピーでそのまま載せた。あー、そうね、それは間違えてないわ。ただ、そういうのは震えない。茶は味覚や嗅覚を映画で味わえないので、所作が正しければ「良い茶」に見える。華道は『花戦さ』という映画があった。あれはドーンと来て、バーンとやられて、勢いで騙された。本当に騙されたかどうかは人それぞれかもしれないが、何をもって「素晴らしい花」であるかは、私にはあまりよく分からなかった(気がする/いやもう昔だから曖昧)。
で、水墨画である。
映画内で習作として描かれる「竹」が気持ちいい。ある程度の技量を身に付ければ、みな同じように描けるのかもしれないが、それが実に絵なのに「竹」の本質を突いているようで、とても気持ちが良い。逆に「春蘭」などは綺麗だが、実体の「春蘭」が思い浮かばないので、凄く形而上的に良いのかもしれないと身構えてしまう。映画の主人公同様、描かれた「春蘭」の美しさは、シンプルなのに生命力を持ち、それがユニットとして出来上がっているという面白さを感じる。映画内で三回くらい行われる水墨画のパフォーマンスについては、ああいう事も出来るのねでもあるし、そら、プロが監修してるから「大作」=「総決算」的に悪くない出来だけど、あの大きさで見れる事を前提としている為、随分、技巧をこらして仕立てている印象が強い。ちょっと別物っぽく感じる。まあでもあれは百戦錬磨でないと手を付けられないから、まだ、自分の立ち位置を捉えかねている清原果耶には荷が重そうだった。そして、あのシーンの江口洋介のかっこ良さよ。オールマイティーである事のかっこ良さよ。セリフにないのだけど江口洋介が「全ては生活の中にある」と言われたら、きっと納得してしまう。超いい役だった。その上にいる仙人みたいな三浦友和。若い頃はテニスラケットで人を撲殺するような役をやっていたのに枯れたなあ。ちゃんとお爺ちゃん然として萎んだ。まあでも、その気になれば今でもテニスラケットで撲殺とか出来るであろう。ただ、あの世界にはギリギリ、テニスラケットはあるかもしれないが、三浦友和の住まいにはなさそうだ。あそこ、生活感がない家だなあ。と言うか、江口洋介が一人で生活感を背負っている。清原果耶が下着の洗濯物を出しっぱなしで慌てるみたいなそういうくだらない場面も見たかった。三浦友和のパンツとかはどうでもいい。友和も「キャっ」とか慌てなくてもいい。
主役の横浜流星、『アキラとあきら』の御曹司アキラだった。変わるなあ、役者だなあ。それを言ったら江口洋介なんて『アキラとあきら』で鼻持ちならない奴だ。富田靖子には申し訳ないが、『アキラとあきら』の江口洋介は『線は、僕を描く』の富田靖子に相似する。「さびしんぼう」がもう「さびしんぼう」でないのである。まあ、「さびしんぼう」メイクで来られたら、ゴージャスさんみたいできっとちょっと引いたろう。しかし、ああいう役を富田靖子が演じるのは面白い。いいキャスティングである。横浜流星、『アキラとあきら』のアキラと同じ点はアキラめないこと。座布団ほしいところである。
清原果耶がいつもプンプンしてるのに可愛い。なんだろう、孫目線かな。料理人が皿に見立てて、刺身を女体に並べていくように、清原果耶の白い身体に筆を下ろしてみたい(あの意味も含む)。一度、紙の気持ちになる事も経験として大事よ。「そそそそそこは紙の気持ちじゃなくてもいい」とか動揺してもらいたい。
冒頭で「ちょっと複雑な終焉」と書いた。水墨画は書道同様、一定の形式の上に成立する。なので、その形式が正しく守られている事は重要。その上で、その旋律を序破急のように外し、自分の心を作品に出していく。それって、AIが得意そう。なのでおそらく、水墨画や書道は芸術の一分野としては衰退してしまうのではないか。常に同じ物、及び、同じ物にプラスする個性を計算で量産が出来る。まだ、そういう事に社会が気づいていないだけで、そこに気づいてしまったら、そこに「高価」は発生しえなくなるのではないか。なので、「水墨画」とは何か、のような映画が作られるのは時期的に今が最後かもしれない。この後、全ての水墨画がAIによって作られる時代が来たならば、水墨画を描く人達は、今のテーブル・マジシャン(=ちょっとした席で披露)もしくは引田天功の大脱出のような水墨画パフォーマンスみたいな所に重きを置く職業になっていくのかもしれない。
通常のエンドロール前に入る主要キャストの水墨画での紹介がかっこいい。その後、通常のエンドロールの曲がチャラくて何か余韻が破壊される気がする。ある意味、それも「ちょっと複雑な終焉」かもしれない。


【銭】
前回来館時に貰ったクーポンを使って1400円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
線は、僕を描く@映画.com

『私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ』EJアニメシアター新宿

◆『私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ』EJアニメシアター新宿

▲日本は平和でよかった。

五つ星評価で【★★★年端も行かぬ女の子のわーわーきゃーきゃーが満載】
女子小学生の仲良し5人組がメンバーの姉の所に手作りお菓子目当てで入り浸っていて、その姉は女子小学生にコスプレさせて萌える軽度の変態オタクではあるのだけれど、コミュ障で人畜無害、そんな彼女たちのゆるい日常を67分で描く。元になるテレビシリーズはあるらしいが未見。なので、もう少し性的に乱れていたりするかと思いきやポカポカな脱力系でムチャクチャ健全だった。こういう絵柄のエロマンガとかもあるので油断は出来ないが、レイティング操作が何もないので安心して大丈夫であった。何で不安に感じるかと言えば、昔からこの手の絵柄でキツい18禁に接していたからで、自業自得じゃ。この絵柄で18禁だったら、小学生なのに巨乳とか、コスプレはレザー系で縄とか、子供がお姉さん縛って朝まで寝かせないとか、いや、だから、そんなんではなかった。業が深いな、俺。ただ、全く同じ内容で、実写で作ったら、エロいシーンが一切ないにも関わらず、マニアのおじさんが人に隠れて見るような物になってしまいそうだなあ、と思うと何か不思議な気もする。

しかし、『カラダ探し』みたいな刺激が満載の映画もあれば、一切合切の煩悩を昇華させた後に見るような刺激皆無のこんな映画もあるというのは、善し悪しは別として日本映画のジャンルの広さよ。悪いとは言わないが、楽しめたかと言うならつまらなくはないが、ちょっと唖然としたかもしれない。いや、だから、別にそこで脱げとか言う訳でもないけど(最後まで業が深いな、俺)。


【銭】
テアトルの会員割引+曜日割引で1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ@映画.com

『カラダ探し』トーホーシネマズ新宿11

◆『カラダ探し』トーホーシネマズ新宿11

▲目が良いよなあ。郷敦くんの拳がゴツゴツして怖い。

五つ星評価で【★★★理屈を捨てて見れば良作】
物語的には「何でそういうルールなの」と言うホラールールに一切、理由や理屈がない。行き当たりバッタリと言うか、俺が決めたからそれで押し通すみたいな強引さである。
小説やマンガの原作とは違う展開らしいのだが、バラバラになった少女の身体全てを揃えるまで、集められた6人の男女は何度も殺される一夜を過ごす。何故、揃うと殺戮が止むのか、集められた身体の少女と殺しに来る少女は同じ存在なのか、エミリー人形とは何物か、一切分からない。ただ、高速に物語が展開し、6人はミッションに果敢に挑む。このスピード感が謎の内容とか忘れさせるものがあり、かなり気持ちいい。

冒頭、橋本環奈がボッチ少女。積極的に虐められている訳ではないが、周りから無視され続ける役。いつもの明るいオーラを封印し、本当に周りから相手にされない体のオドオドした女の子に仕上げてきたのは流石。この魅力のない橋本環奈がプロセスを経て、通常モードの橋本環奈に戻っていくのがとても良い。お相手の眞栄田郷敦くんも彫りが深くてステキ。
神尾楓珠朝飯抜きみたいな役。何か力抜けてる。


▲目がステキ。

俺、あの「ハイリハイリフレハイリホ、ハリハリフレホッホー」なアレも好き(察してください)。予算が潤沢にあるのか、かなり突飛なのに変に見えない。この辺、違和感の塊である『それがいる森』の「それ」と好対照である。やはり、お金はあった方がいい。お金があった上で、「それ」がアレであるなら、「それ」はちょっと問題の深さがヤバい。

何故あれがあーなのかはさっぱり分からないのだけれど、井戸みたいな所から「病的な千手観音の観音抜き」みたいなのが生えてくるビジュアル凄く好き。


【銭】
トーホーメンバーズデーで1200円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
カラダ探し@映画.com

『マイ・ブロークン・マリコ』トーホーシネマズ池袋5

◆『マイ・ブロークン・マリコ』トーホーシネマズ池袋5

▲マカロニな空気感の永野芽郁。

五つ星評価で【★★但し、永野芽郁は良い】
まず永野芽郁は素晴らしい。マカロニの空気感を羽織って、常にギスギスしてる。こんな役も出来るのだ。
見終わって、話は理解できたが、何か一つ心臓にナイフを深く刺されていない感じ。
物語としては、とてつもなく不幸な少女が一人いて、その不幸な少女をずっと気づかっていた少女がいて、不幸な少女は自分の不幸を彼女に半分背負わせる事で依存しあう関係になる。二人の蜜月は不幸な少女が投身自殺した事で終わり、残された少女は彼女の遺骨を奪って、二人で行く筈だった海に散骨しに行くが、途中でひったくりに会い、散々な目に会う。海以降の展開とラストは控える。
散々クソみたいな目には合ったが少女シイノはマリコを取り返す。めでたしめでたし。だが、腑に落ちない。シイノとマリコは小学生からの付きあいであり(いや中学生か?)、小・中・高・社会人&プーとずっと親交を深めてきた。その長い期間でマリコを救う方法は他にあったんじゃね? 児童相談所は役に立たないのか? 学校は介入してくれないのか? シイノの父母や責任者は無力なの? そこはボカされてる。そこはそこで大事なのに語られない。

映画は1900円だが(1200円で見たが)、原作のマンガは650円+税なのでマンガを買って読んだ。マンガ安いのう。疑問に思った部分はマンガにも描かれていなかった。映画の内容はマンガのトレースだった。うまい事トレースしているが、単にマンガの内容を映画に置き換えても映画にはならない。映画は人間が演じるから、そこにリアリティーが発生する。やはり、この物語で、まるで切り離されたようにシイノの家庭が出てこないのは不自然だ。マンガでも出てこないが、マンガ上では不自然にならない。マンガは印象的な事件のピックアップの羅列であり、その羅列から漏れた物は描写する必要がない物として扱われる。そういうエピソードがあっても問題ないが、なくても問題ない。だが、映画はそうはいかない。そこは潰すべき設定だ。でないと、全体の世界観が壊れる。
それらを敢えて無視するやり方もある。それは映画での表現をまるでマンガであるかのように、極彩色やらエフェクトばんばんかますやり方だ。映像が飛びぬけて変だからリアリティーがどうのこうのは吹っ飛ぶ。監督脚本のタナダユキはガチガチにリアル方面に設定を決めまくるか、設定なんか気にならないほど映像や表現を決めまくるか、両極端のどっちかに寄せるべきだった。


【銭】
トーホーウェンズデーで1200円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
マイ・ブロークン・マリコ@映画.com

『ブルーサーマル』『牛首村』『映画おしりたんてい シリアーティ』『ハケンアニメ!』『太陽とボレロ』『映画 妖怪シェアハウス』

東映株主券括りで6本。記憶もあやふやなのでザックリ行く。

◆『ブルーサーマル』渋谷TOEI②

▲上空のグライダーの形を変えると一気にエヴァっぽくなる。

五つ星評価で【★★★悪くはないが何が言いたいか分からない】
何かちゃんと丁寧に作ってるなとは思うのだが、グライダー競技がどうなれば勝ちで、どうなれば負けなのかが分からなかったり、みたいな大事な説明が不足してるのはどうかと思う。ラストに向かって、話の幹が姉妹の確執の解消だったり、競技の勝敗だったり、袋小路に悩む先輩の問題だったり、その近辺の友情と恋愛だったり、絞られてないので、何が描きたかったのか分からない物語として終わるのが残念。好きなテーマを観客がチョイスして納得するという法式なのか?


◆『牛首村』渋谷TOEI①

▲強烈に目を剥くキムタクの娘。

五つ星評価で【★★清水崇の平常運転】
ツイッターでの最初の感想(↓)

相変わらず話が一切頭に落ちてこないが恐怖演出はなかなか。忌み子自身が呪いの基なのか、忌み子を被差別してたから呪いが累積したのかどっちか分からん。キムタクの娘は演技上手い。

他、特に思いだす事なし。
『足首村』でも清水崇は撮れたと思う。多分、何でも撮れる。そして、必ず「そこそこ」に作る。変な職人監督になってしまったよなあ。


◆『映画おしりたんてい シリアーティ』渋谷TOEI②

▲おしりでもダンディーって凄い。

五つ星評価で【★★作品的にはまあ、いつも通り】
こういう自分のプロフィールに何のプラスにもならない作品にヒョコヒョコ顔を出すのが福山雅治偉いよなあ。こんな部分が案外ロックかもしれん。いや多分、その切り口は違う。なかなかのイケボ(「イケてるボイス」もしくは「池袋慕情」)。マルチーズ署長の声がガリレオで共演してる渡辺いっけいだから、その辺りの縁なのかもしれない。
追い詰められるおしり探偵という展開はよい。
あと、クールに見えるけど文字通り背伸びしていて、それがドジを誘う新キャラ、女助手のオードリーもなかなかよし。


◆『ハケンアニメ!』丸の内TOEI②

▲やっぱ、このシーンがエモくていいわあ。

五つ星評価で【★★★★撃沈した】
今の時代であるのに、「貧乏でひたむき」が似合う吉岡里穂よいなあ。目が真っすぐすぎる。
そして、その吉岡里穂の熱気に当てられていくスタツフという当たり前の話が当たり前にエモい。
ライバルを演じる中村倫也の我儘だけども自分を磨り潰していく覚悟の上での我儘も痺れる。
基本的にいつもと同じトーンなのだけど、それが良くも悪くも表も裏もある人間らしい柄本佑も良かった。
観た直後に照れてツイッターとかに感想あげなかったのが悔やまれる。何か良い映画に当たると自分の物でもないのに照れたりする事がある。これはそんな一本。

▲髪の毛がボサボサなのが逆に美しく映るの素晴らしい。


◆『太陽とボレロ』丸の内TOEI②

▲ドリフのコントみたいな髪型の水谷豊。

五つ星評価で【★★水谷豊らしいと言えばらしいのだが、商品としては見劣りする】
ツイッターでの最初の感想(↓)

何を主張したいのか意味不明な水谷豊の映画。でも、ボレロで終わるとまとまる。

ただ、まとまるのではあるが、今までに映画に登場した「ボレロ」の中で、もっとも盛り上がりに欠けるボレロだったのではないか。高揚感が低い。ボレロで高揚感低いって、あーた。
檀ふみと檀れいが親子役。それを実現する為に映画作ったんじゃないかレベルに映画が響いてこない。


◆『映画 妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪』丸の内TOEI②
五つ星評価で【★★んーと、何だか楽しめず】
二回目。
小芝風花可愛いのだけど、チャカチャカした演技はスクリーンには合わんかもしれんなあ。息継ぎが彼女だけ早い気がする。


【銭】
『ブルーサーマル』:東映株主券3200円(202202~202207)をチケット屋で買って6回分のうち1回(1枚目)。
『牛首村』:東映株主券3200円(202202~202207)をチケット屋で買って6回分のうち1回(2枚目)。
『映画おしりたんてい シリアーティ』:東映株主券3200円(202202~202207)をチケット屋で買って6回分のうち1回(3枚目)。
『ハケンアニメ!』:東映株主券3200円(202202~202207)をチケット屋で買って6回分のうち1回(4枚目)。
『太陽とボレロ』:東映株主券3200円(202202~202207)をチケット屋で買って6回分のうち1回(5枚目)。
『映画 妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪』:東映株主券3200円(202202~202207)をチケット屋で買って6回分のうち1回(6枚目)。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ブルーサーマル@映画.com
牛首村@映画.com
映画おしりたんてい シリアーティ@映画.com
ハケンアニメ!@映画.com
太陽とボレロ@映画.com
映画 妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
牛首村@銀幕大帝
ハケンアニメ!@徒然なるままに
ハケンアニメ!@ノラネコの呑んで観るシネマ
▼関連記事。
映画 妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪(一回目)@死屍累々映画日記

『雨を告げる漂流団地』EJアニメシアター新宿

◆『雨を告げる漂流団地』EJアニメシアター新宿

▲よく考えると分かるような分からないようなタイトルだ。

五つ星評価で【★★★★ちゃんとしたアニメだと思う】
『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』のスタジオ・コロリド作品だから、それは見るでしょ。願わくば皆が皆「ジブリ」という理由で、ジブリ映画を見に行ったように、「コロリド」という理由でスタジオ・コロリドの映画を見に行けばいいのに。3本目を見て信頼度が更に上がった。ペンギンはSF、猫はファンタジー、今回も系統で行くとファンタジーかな。エルフとか出てこないけど。
上手いと思うのは現実の延長で起こる変な出来事が「起こらなくもなさそうに見える」点。この映画には、最後、「実はこれこれこういう現象でした」という種明かしがなされない。変な事が起きて、登場人物達はその事件をきちんと乗り越えるが、それが何であるかはギリギリ寸止めで説明されない。でも、アウトラインは分かるし、こうだろうなとも思う。その、匙加減が上手い。こういうのが出来るって上品。ちなみに、これと反対なのが『夏へのトンネル、さよならの出口』、怪異は起こるが、何でそんな恣意的な怪異が起こるのか分からないという点で、物語としては説得力を損ねてしまっている。
登場人物達がちょっとビビリすぎたり、表情過多かなとも思うが、普段、子供と接しないので実際はこんなんかもしれない。漂流団地に乗り込む7人のうち、最初からあちこち不和な関係を引きずらせているので、見ていて五月蠅く感じるのは多少しょうがないかなとも思う。乗り込む7人が大人でも、徐々に不和の亀裂が大きくなっていくような展開は見ていて心が痛む(※ ちなみに俺には心あります)
登場人物7人も乗ってて、何回となく過去のエピソードが挿しこまれたりもするが、全く混同もない。キャラの住み分けが良い。『七人の侍』よりよい(本当)。「やっぱ竹千代はノッポくんかな」とか無駄な連想を結構引きずった。あと、明確にキャラを打ち出した後は必要な部分しかドラマに関与させない思いきりも功を奏している。

7人の中ではバランス緩衝材みたいなメガネの女の子が可愛いが、観覧車さんには敵わない。


【銭】
テアトルの会員割引で1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
雨を告げる漂流団地@映画.com
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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