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『酔っぱらい天国』『月は上りぬ』『真夏の地球』『野戦軍楽隊』『三人の名付け親』

名画座系プログラムから5本。

◆『酔っぱらい天国』神保町シアター
五つ星評価で【★★★凄く怖すぎて喜劇として楽しめない】
特集「辛口喜劇のススメ」の1プログラム。
1962年、白黒、93分、初見、渋谷実監督作品。
喜劇よりホラー味が強い。
酒を呑むというのは度をわきまえればおおらかな行為で済むのだが、度を越すと「狂い水」の本性を表わす。呑まなければ小心者のモラリストなのに、一度酒を口にすると悪魔のように豹変する笠智衆の怖さよ。そして、その笠智衆が酔った末に罠に絡めとられるように全てを失う救いのなさが心底怖い。倍賞千恵子が純情そうに見えて肉の誘惑に負けるという「さくら」を逆立ちさせたような役。野球選手の津川雅彦は若者ながらもう顔が出来上がっている。悪気はないのに「あくどい」って面白い役。笠智衆が鳥の鳴き声の幻覚を聞く辺りが一番怖い。笠智衆の酔い方は落差が大きいから怖く見えるが、倍賞千恵子の父親役の上田吉次郎の淀みのない感じの安定した酔いから繰り出されるDV攻撃、多分、あれが一番キツい。


◆『月は上りぬ』シネスイッチ銀座2

▲左から長女、三女、次女。

五つ星評価で【★★★ジャンルで言うならラブコメ】
特集「NIKKATSU World Selection」の1プログラム。
1954年、白黒、102分、初見、田中絹代監督作品。
これにも笠智衆が出ているが、こっちは通常営業。演技は変わらないが(基本、何やっても笠智衆は笠智衆でしょ。別にそれでいいけど)、普通の小市民で善人。三姉妹それぞれに恋愛パートがあるのだが、長女のは割と取って付けたような感じ。次女の電報で数字のやり取りする恋愛テクは温故知新っぽくて、ちょっとステキ。三女と長女の他人の恋愛には超親身なのに、自分の恋愛にはてんで奥手というのが日本人っぽい。


◆『真夏の地球』国立映画アーカイブ小ホール
五つ星評価で【★★★今、見直すと何か変な青春映画】
特集「長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー」の1プログラム。
1991年、カラー、106分、二回目か三回目、村上修監督作品。
深津絵里こと「ふかっちゃん」がまだ「くそガキ乙女」だった時代の作品。主役は菊池健一郎。彼が田舎の自転車バカ。筒井道隆が問題起こして謹慎中のバレーバカ。山口祥行が音楽バカ。三バカが集まってマドンナ原田貴和子の為にビーチボール大会に出るが二人制のため、主役の菊池健一郎が外されるという展開には驚いた。ふかっちゃんが何か芋っぽくて垢抜けないのも貴重。一夏の間で若者が変わったり変わらなかったりって、「青春映画」としか言いようがない。
昔、パルコ調布キネマさんが日本全国津々裏々まで調べたのにフィルムが見つからなかった。あーそーね。旧フィルムセンターなら持ってておかしかないよね。
蛭子能収、荒俣宏が風景に溶け込むように客演してるのに、特別出演の河合俊一がニヤニヤ顔打ち消せないのは実に堂々と素人で良き。
「真夏」って言うと「ひろせまなつ」を思いだす。


◆『野戦軍楽隊』神保町シアター
五つ星評価で【★★★だが、しかし、何かピンと来ない】
特集「生誕110年 映画俳優佐野周二」の1プログラム。
1944年、白黒、64分、初見、マキノ正博監督作品。
士気を高める為に急遽作られた軍楽隊。音楽の素養のある者がない者を特訓して徐々に軍楽隊になっていく。日本で技術を後進に伝える場合、どうしても「見て覚えろ」だったり「ともかくやってみろ」だったり、徒弟制度の悪い部分が色濃く出て「指導」にならないケースを散見する。その辺そのまま描かれていて、割と自分は不器用な人間である事もあって居心地が悪かった。


◆『三人の名付け親』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★疲労してて寝てもた】
特集「二十一世紀のジョン・フォードPartⅡ」の1プログラム。
1948年、カラー、107分、二回目、ジョン・フォード監督作品。
ツンな男どもが赤ん坊にデレる。そんな映画。こんなん絶対面白い筈なのに(前見た面白い記憶もあったのに)疲労に負けた悔しい一本。
名付け親が1000人もいたら話が混雑するなあ。
仙人の名付け親だったら、仙術マスターで、ゴッドファーザーだから、かなり強力。



【銭】
『酔っぱらい天国』『野戦軍楽隊』:神保町シアター一般料金各1300円。
『月は上りぬ』:テアトル会員割引+曜日割引で1100円。
『真夏の地球』:国立映画アーカイブ、イベント付き料金1000円。
『三人の名付け親』シネマヴェーラ渋谷一般料金1200円-会員割引400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
酔っぱらい天国@映画.com
月は上りぬ@映画.com
真夏の地球@映画.com
三人の名付け親@映画.com

『野戦軍楽隊』『三人の名付親』、@映画.comに作品情報なし(なんで?)。
※ 『三人の名付親』、送り仮名が間違えてた~。
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fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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