シーズン1のうち、1クール目はほぼリアタイで。
放映再開を知らなかったので2クール目の最初の回のみ未鑑賞。2クール目はほぼほぼレコーダーに撮り貯めておいた奴をまとめ見した。
上記の経緯からボンドがどんな犬なのかはよく知らない。案外、中身がオダギリジョーだったりしてな(まだ「ハウ」の方が現実味がある)。
アーニャが可愛くて、声宛ててるのなかなか芸達者で凄い。アーニャの省略した顔かわいい。
ロイドとヨルさんもよいのだけど、物語のメインがアーニャの奇行に一進一退を繰り返すスパイ作戦の行方なので、旦那はずっと見せ場の連続だが、妻は料理でドジるくらいしか話の進行に関わってこないので、ヨルさんのアクションがほぼほぼ封印されてしまってるのは残念。
2クール目で出て来た旦那「黄昏」の弟子キャラ「とばり」が可愛い。「黄昏」同様、プロのスパイ技術者だが、メンタルが幼稚園児なのが可愛らしい。幼稚園児メンタルで、超絶技術操るのが、子供が無表情でデコトラ乗り回してるみたいで良い。あの旦那への何が何でも「好き」が揺るがないで、呼吸するように「好き」で、い続けてくれる所が愛しい。あまりに鉄面皮なので、「黄昏」が彼女の恋心に一切気付かないのが哀れだが、この恋は実る可能性が0パーセントだから、これで良い。
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ちょっと遅れてレコーダーに入れておいたのをまとめて見た。
全10回だが、撮り逃した1回目と予約操作を間違えた3回目は未視聴。
骨太。
と言うか、こんな面白いコンテンツをまだまだTVで作れると言うのが「エルピス(パンドラの箱を開けて最後に残った希望)」なのかもしれない。災厄の箱に詰められた「希望」を信じていいのか、とも思うが。実は物語の中でも、希望を持つからこそ更なる絶望に組み敷かれるみたいな流れが多々出てくるので、「希望」は「希望」で厄介な存在に違いない。
オープニングタイトルで名前が上がる(集客力の強い)俳優が3名。長澤まさみ、眞栄田郷敦、鈴木亮平。
鈴木亮平そんなに出番ないなあと思っていたが、最終回での長澤まさみとの一騎打ちには痺れた。あの妥協点を見出したの凄い、凄い脚本だ。何となく、それではより大きな事件の発露をあきらめるのかとモヤモヤはするのだが、この後、作られる事のない続編で、きっと更なる争いが続けられるに違いない。そして、元々は冤罪事件の話なので、冤罪事件で終結するのは正しい。このニュースのどちらを選択するかで、ただ一人の話ではあるが、死に追いやられようとしている人を救っている。今回公表されなかったニュースは弔い合戦であり、憂さ晴らしであり、未来の死者を生まない予防的措置ではあるが、今すぐ人は救わない。未来の死者を量産しない希望として鈴木亮平が機能する。ただ、長澤まさみ自身の安全は保障はされない、ギリギリぐらぐらしたバランスを正しく保たないと発言権を奪われるか、殺されてしまう。だから、物語として勝利を得たように見えるが、小さな希望を手にした、という事なのだと思う。
長澤まさみがメインランナー。しかし、エロくないなあ。濡れ場まであるのにエロくないのは逆に凄いかも。「エロい」という規制もあるので、あれもこれもは入れなかったのかもだが。
眞栄田郷敦が補助走者だが、短距離ではメインランナーを凌ぐ活躍をする。深い濡れ場とかないけど濡れ子犬みたいなひたむきな可愛らしさがある。他者評価も自己評価も低いところがチャーミング。自分で分からない事があった時に、臆せず「他の人に聞く」と言いきれるのが、彼自身が自分で気づいていない強みだろう。このドラマの中で最も評価が上がったのが、眞栄田郷敦と岡部たかしだろう。岡部たかしなんて知らなかったけど、いい役者だ。虚々実々、表面がメチャクチャなのに、中身は正義の番犬みたいだ。ただ、正義は彼を成り上がらせてくれる為のエサという位置付けが正義の二人組とちょっとベクトル違って、話に厚みをもたらせてる。
その岡部たかしと正反対に、表面はとても紳士で優しく取り繕っているが、金と権力に弱い、多分、この物語で一番問題がある人物が三浦貴大。いいキャスティングだ。いい人そうだもの。多分、この人は眞栄田郷敦とは正反対で、虐めに加担して心を傷めても、長くは引きずらず、常に長い物に巻かれるタイプ。ただ、彼がそうだから最低と言うよりは、彼が世の中の大多数を象徴してるに過ぎない。
新聞記者の池津祥子も知らない人だが、変だけどちゃんと使えば頼りになる凄い人という正義側のアクセントとして良かった。
弁護士の六角精児は何やっても嵌る定番の人、しかし、ずっと怒っていて、正義側の一員として少し離れた所にいるのが「弁護士」らしかった。
名前分からないけど、刑事の人もニヤニヤ気持ち悪くて良かった。
そして、それを上回って気持ち悪いのが眞栄田郷敦の母役の筒井真理子。うわ、母親としていてほしくない。うざい。近さがたまらない。世の大多数の息子が「勘弁してほしい」と弱音を吐く近さがあった。
物語の中で立ち位置や考え方が変わる役者が、長澤まさみ、眞栄田郷敦、鈴木亮平、岡部たかしの4人。この4人がメインディッシュで他がサブ、味付け、調味料な役。
最終回では流れないエンドロールの料理バラエティー映像が好き。あれ見て、見たいと思ったのだ。
◆『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』ユナイテッドシネマ豊洲11
▲「にゃー」。
五つ星評価で【★★★★人類の歴史を左右する部族抗争】
ツイッターでの最初の感想(↓)
上映時間の長さに躊躇していたが上映終了前にどうにか見れた。一切停滞させず緊張感を持続させるの凄い。歴史を知らないだけで大河ドラマ5回分くらい見た疲労感。話はあのまとめ方しかないだろう。メインキャスト全員黒人女性なのに全員見分けのつく顔を選んだの偉い。女王様=シュリの母ちゃん。天海祐希に似てる。いやまあ、それは年齢的に順番が逆で、天海祐希がワカンダ女王に似ていると言う事だろう。今回の敵は海底メキシカン。いろいろ考えると言うか、空中メキシカンでも、地中メキシカンでもメキシカンでありさえすれば良かった。あくまで黒人部族王国と違う部族であり、違うメンタリティの敵が必要だった。殺し屋鳳仙と鈴蘭みたいな物で、他校の番長同士が殴り合って雌雄を決するような映画になってる。まあ、そうよね。ニグロとメキシカン100人選抜して殴り合ったらどっち強いか分かってスゲーな的な映画。極めて、マイケル・クライトンの
『13ウォリアーズ(バイキング対人喰い部族)』的な企画。メキシカンは海底部族ノンマルトだが、村長一人だけ空を飛べる。ミル・マスカラス的な空中殺法という訳である。流石メキシコ。日本人である私が西洋文化文明に毒されているからか、ワカンダもタロカンも野蛮人に見えてしまうのがおもろい。最先端の殺し合いにはとても見えない。見えないからこそ娯楽として見てられる。やはり、これは番長同士の抗争に近い。
【銭】金曜メンバーズデーでユナイテッドシネマは1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
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ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー@SGA屋物語紹介所・
ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー@徒然なるままに・
ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー@ノラネコの呑んで観るシネマ
◆『かがみの孤城』ユナイテッドシネマ豊洲2
▲冒頭の割とコミカルな場面。オオカミ様剛力ハイヒール。
五つ星評価で【★★★一般的に評価は高いだろうが、城の設定が雑な部分が受け付けづらい】
鏡の中の世界に入ると誰か一人の希望が適えられるという
『仮面ライダー龍騎』かよ。だが、それにしてはいつまでも殺し合いを始めないのである。選ばれし7人なのに野武士を退治しに行かないし、白バイに乗って悪を退治しに行かないし(違うだろ)。その7人の背景にある問題に対する本気度には打たれる。家に押し掛けてくるとか絶望的に怖い。そして、いじめる側の情報があまり開示されないのもリアルで怖い。いじめる側にも実は深刻な問題があって、みたいな攻撃側を被害者みたいに扱わないのが現実とシンクロしてて、より怖い。いじめが怖いのは気軽に始められるけど、大きくなると止められない所で、大きくなった後でも気軽に始まったので、攻撃側の罪悪感が被害を受けている側のダメージと釣り合わないくらい小さい。だから、簡単に調停出来ると加害側は思うだろうし、それで調停しても何らいい結果に結びつかない。調停する人物が加害側の都合のいい「大きな流れに流されがち」な人物がチョイスされるのも怖い。被害を受ける側は少数であり、加害を与えるのはおおむね集団だ。社会は社会全体が安定する為に、一般的には集団の意見を聞く流れが形成されるだろう。その方が社会が傷まない。そんな中、被害者側の親身になり、正義を貫く事のなんて気高くも不自由なこと。主人公が内向的であるが、とても普通であるという事が見る側の痛みを大きくする。と言うリアル描写が凄い部分。
そして、でも、ちょっとどうなのって部分はファンタジー要素の設定が適当としか思えない部分だ。原作ではしっかり理由があるのかもしれないが、7人が選ばれた理由やその周期に必然性が感じられず、7人の中の1人が破ってしまうルールも、そのルールに対する処罰も物語をまとめる為の作為を強く感じてしまう。城を作った者は明かされるが、その者が何故、城を作りえたか、その力の源泉は明かされない。選ばれた7人の辛辣な問題がリアルにしっかり描かれていて、その解決の最初のきっかけとなるのが「城」なのに、城に物語上のリアリティーがないのでチグハグな印象を受けてしまう。そこは残念だと思う。
選ばれた7人の中で「嬉野」に関して、みな軽視しがちであるという部分が、実は恐怖の二重構造である。主人公を含む他の6人が彼を軽んじる構造の先に更なる地獄の口が待っている。
「嬉野くん、ちょっとぶひぶひ鳴いてみて」
「嬉野くん、豚なんだからちょっと全裸になってみて」
「やめなよ、そんなの」
「お前、嬉野菌に感染したな」
「お前も全裸になれ」
「お前らみんなの見てる前でセックスしろ」
極めて韓国映画
『ハン・ゴンジュ』的な流れ。
鍵はこの地獄を終わらせる為に使われるかも知れない。
と言うより、学校に居れず、家に居れず、城に居れなかったら、彼等はどうするのか。別の城に行くのか。オオカミ様はその時、どうするのか。そういう地獄を見たい気もするが、やっぱり映画はハッピーエンドがいいので、こころちゃんは天から降臨してきた重機関銃を手に自分を救わなかった社会に牙を剥いた。天から授かった銃弾は無限にある、みたいなのでもいい。
【銭】金曜メンバーズデーでユナイテッドシネマは1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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かがみの孤城@映画.com
◆『ハッピーニューイヤー』新宿ピカデリー8
▲あの花火の発射台でグレイマンが戦っている事など露知らぬ二人。
五つ星評価で【★★★★こーゆーんでいーんよ】
見る前は登場人物の多さがちょっと不安だったが、コアになる登場人物は割と絞ってあって、キャラの混同とかもなく、睡魔も遊びに来ずに楽しく最後まで鑑賞できた。
今年一番ホテルで自殺したくなる映画。清掃女子が芦田愛菜みたいなハートで補う系な可愛らしさ。でも、このパートは割と伏線が雑。
自殺のパートはそんな大当たりあるなら宝くじ勝った方がいい。絶対当たる。
ホテルの女マネージャーのパートは最後の相手が俺みたいな奴なので「あちゃー」と思った。そこを無視して大丈夫というのはDAI語のDAIGOでも大丈夫という北川景子みたいなもんか。そら天使だよなあ。
【銭】前回有料入場割引+ネット割引1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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ハッピーニューイヤー@映画.com
◆『かぐや様は告らせたい ファーストキッスは終わらない』ユナイテットシネマ豊洲11
▲ネタ部分。
五つ星評価で【★★★間違いないレベル】
TV放映アニメの先行公開という形だが、全くもって別に普通の劇場用映画として何の遜色もない。
キスをしたのに進まない二人。
この脳内シュミレートを延々と繰り広げてしまう無駄さが実に「青春」で良い。上手く事が進む「青春」は見てて悔しいが、腫物に触るがごとく停滞する「青春」は見ていて愛おしい。そして、後半の核となる努力している成果だけを見てほしい白銀と、そんな白銀の油断を見たい四宮の攻防のシリアス具合が切ない。身体を壊すほど一生懸命な男子よき。白銀に恋愛感情を持たない書記の藤原が見る白銀の勉強以外のポンコツっぷりに対する引きっぷり、あれを自分が好きな相手に持たれるのではないかと言う恐れを白銀が持つのは案外自然なのじゃないだろうか。ふふっ、会長。お可愛らしい事。
けっこうバカな事もやりながらシリアスも全力でやってるの偉い。
そして、バカな事は原作と同じであってもアニメ化によって得られるアングルや動き、「間」の効果を存分に使っている。つまり何だ。ちゃんと漫画原作越えをしている。メディアが違うのだから、異なるメディアの特性を使うのは当たり前だ。そういう意味で、同じくアニメが原作を越えててすげーなと思ったのが『鬼滅の刃』で、原作に縛られてアニメの良さがいかされてねーなーと思ったのがリメイクされた『うる星やつら』。
そう言えばテレビ放映するのをそのまま流しているので(OP・EDは抜いてある)、いまだかって一度も『かぐや様』に触れた事のない人間には内容が分からんかもしれない。前回シリーズまで見てた人向けである。でも、アウトライン知ってるなら大丈夫。個人的には何が何でも一本として成立させようとする名探偵コナンの解説とかは好きだが、『かぐや様』でそれをやるのは野暮っぽい。白銀会長のように勉強してこいという感じ。いや、しかし、白銀会長の勉強部屋は引く。引くが、あれを周りが許容する事が、このマンガ・アニメの優しさなのだろうと思うと、もっと好きになる。
【銭】会員ポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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かぐや様は告らせたい ファーストキッスは終わらない@映画.com▼関連記事。
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かぐや様は告らせたい(実写映画)@死屍累々映画日記・第二章
◆『Dr.コトー診療所』新宿ピカデリー8
▲美しすぎる風景だが、逆にこの美しい風景がコトーの敵という逆説でもある。
五つ星評価で【★★★前半じっくりじっくり上まで登っていって最後の30分でひたすら地獄に向けて急降下するジェットコースターみたいな映画】
マンガは一通り読んでいて、2シーズンになったドラマは一回も見ていない。
にしても、コトーも星野さんもシゲ爺もみな外観は人が演じるにあたってアレンジを余儀なくされてるのだけど、それが何ら問題にならないのは、マンガのキャラクターのコアな部分を役者がちゃんと活かして引き継いでいるからだ。
映画の前半は島でのコトーのちょっと無理目になっている生活を新米医師の目でもう一回見つめ直させる。多分、この第三者の目でコトー先生の凄い所を捉え直す部分がドラマのコトーらしいところとニアイコールだろう。じっくり描いていて多少テンポ悪い部分もあるが、ここは面白い。問題は後半の不幸のつるべ打ちである。何故、一度に何から何まで起こるのか。その土砂崩れのような不幸の頻発を意図的に見えないように整理できなかったのは、プロデュースと脚本が悪い。前半で立てた偉大な医者としてのコトーを後半は壊しに掛かる。高橋海人の新米医者がTVスポットで絶叫しているように、「たまたまこの島はコトー先生がいたから」と言うのは本当に正しくて、そして、その問題点は映画が終わっても何ら解決していない。これをハッピーエンドと捉えていいのかどうかは非常に疑問。解決策はきっと都会から医者を浚って来て監禁する。手錠と足錠で自由を奪い、治療をしなければ食事を与えない。いや、それは更に正しい気がするが、ハッピーエンドが難しすぎる。
まあでも、医者の映画で離れ島が出てくると、島民がいきなり全員健忘症になったかのようにムチャクチャ怪我人になってしまうのはちょっと困る。診療所に押し寄せる怪我人がゾンビみたいで本当に怖い。ああいう時、みんな身勝手になるのは離島の怖さか。どんな時でも身勝手な泉谷しげるすげーなー。つーか、手術を終えてヘトヘトのコトーを開放せずに、ずっと「ばんざーい、ばんざーい」とやってる島民の姿は、とても心優しい人には見えなくて怖かった。
だがまあ、何と言っても凄いのはエンディングに中島みゆきが掛かると、ムチャクチャいいドラマ見た感がズンズン高ぶってしまいそうになる事だ。こわか。
それにしても、コトーは親切バカだ。他人に親切に振る舞うことに夢中になりすぎて、自分の損失や損害を無視してしまう。でも、コトーの映画を見に来る人は、そういう親切バカが好きな人だ。でも、親切バカがひどい目に会いっぱなしになって、それで楽しいとも思わないだろう。その辺、バランスよく作らないとエンタメにならんよ、こーゆーんは。【銭】前回有料入場割引+ネット割引1300円(100円値上げした)。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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Dr.コトー診療所@映画.com
未レビュー感想五つできるだけライトに(したい・・・なったか?)。
◆『アイ・アム まきもと』109シネマズ木場1
▲バリ端役の松尾スズキ氏のアップで何だけど、氏の表情をでっかいまんまる輪郭に納めたらマ・ドンソクが出来上がる。
五つ星評価で【★★★余計な物が入るのがちょっと】
イギリス映画
『おみおくりの作法』のリメイクというかローカライズ。物語のベーシックな部分や構造は変わらないのだが、阿部サダヲ演じる「まきもと」というキャラクターが発達障害っぽい事が強調されすぎているのが、何かそんなに好きじゃない。これ、同じ脚本で阿部サダヲを起用せず、若かりし植木等を起用したら、若かりし渥美清を起用したら、発達障害っぽさを前面に押し出さなくても出来そうな気がする。要は人の為に突っ走って周りが見えない、どっちかって言うとずうずうしめの人間というだけの事だ。
満島ひかり一服の清涼剤みたい。盛られたい。
松下洸平迷惑かけられる姿がチャーミング。
我が家の坪倉がいい感じに嫌味な役。
最後は泣く。阿部サダヲに泣かされるのではなく、あの構造に泣かされるのだ。
◆『川っぺりムコリッタ』ユーロスペース2
▲下の文中で川のイメージがないとか言ってるのだけど、この背景がどう見ても河原。
五つ星評価で【★★★ムロツヨシ最強】
一人で食う方が美味い飯もあれば、集まって食った方が美味い飯もある。集まって食った方がまずい飯だって中にはある。でもまあ、このハイツムコリッタの人々となら美味しそう。
満島ひかりもムロツヨシも吉岡秀隆も自由に変で、いい感じ。あ、中でもムロツヨシがいると醸し出される「ダラっ」とした空気が、映画をとてもいい味にしてる。
見終わってからかなり経っていて記憶が曖昧なのだけど、あまり「川」のイメージがない。「川」は「三途の川」で、本当は野原、「原」の映画で「はらっぺりムコリッタ」というダジャレなのかもしれない。
◆『ぼくらのよあけ』ユナイテッドシネマ豊洲9
▲ポスター。鑑賞後、これを見て話が思い出しづらいようでは困る。そして、困った状態。
五つ星評価で【★★★SFマインドに満ちているようだが、どうもそんなに気にならない】
ツイッターでの最初と二つ目の感想(↓)
ものすごく丁寧に話を紡いでるようで、必要な情報が欠けて提示されたりもする。ラストの危機も規模感に欠ける。ロボットや宇宙船(宇宙人)の描写は独特。/ロボットが彼の敬愛する主人と袂を分かち、新しい神と同行するのはエヴァのゲンドウを見捨てる綾波のよう。主人公に残されるのが白紙のロボであるのもエヴァっぽい。あとスタートレック映画のヴィージャーと映画ルパンのマモーの邂逅先とか思いを馳せた。ただ「知」を求めて旅に出た「二月の黎明号」という存在に惹かれる。が、物語の核として活躍する子供も、その子供の行動を安全性から阻もうとする大人も、杓子定規でどうもなあ。何か酷い仕打ちをしておいて「私達はいったい何て事を」と表面上さめざめと泣きそうな空気。なら、全力で宇宙人助けてやれよ。主人公の声をやる杉咲花が、これ以上にないバリバリの女の子声なのは見てるうちに馴れるけどちょっとイヤ。
◆『アキラとあきら』ユナイテッドシネマ豊洲2
▲あえて、この二人の写真を選ぶ。
五つ星評価で【★★★★ダメ野郎どもが悲しくて好き】
こう、役者がいっぱい出てきて、それぞれの出番をちゃんとこなすような、こういう映画は好き。竹内涼真のアキラはビジネス寅さん。いろいろ痛い目にも会ってきたが最後は「情」の人。いや、「情」を実現する為に大きな絵図を描く男。でも、この映画で一番感心したのがユースケ・サンタマリアと児嶋一哉。堂々と情けない男を演じ切る。こんな魅力的にダメな男、生粋の役者でいないんじゃなかろうか。もう腐りきって感情まで抜け落ちたようなユースケ・サンタマリアと、常に被害妄想的な児嶋一哉が最後には生き残るために、今まで敵対していた甥の横浜流星・あきらの手を取る所は中々感動した。あと、地味OLを演じた上白石萌歌。せっかく地味OL演じたのだから、しっかりセクハラとか受けてほしかった。塚地武雅と宇野祥平って、全身で町工場なキャスティング。善人で仕事も地道で正確なのに、必ず失敗してしまう。
◆『ブレット・トレイン』109シネマズ木場7、トーホーシネマズ上野7
▲ポスター。
五つ星評価で【★★,★いやあ、俺には合いませんでした】
2回見たけど、どうにも眠くて眠くて。ブラピはしょうがないにしても、他の全キャストが日本人なら好きだったかもしれない。
【銭】『アイ・アム まきもと』:常設ダフ屋でムビチケを1000円でGET。
『川っぺりムコリッタ』:ユーロスペース会員割引で1200円。
『ぼくらのよあけ』:前回来館時に貰ったクーポンを使って1400円で鑑賞。
『アキラとあきら』:ユナイテッドシネマ、会員ポイント2ポイント使って1000円で鑑賞。
『ブレット・トレイン』:雑誌懸賞でムヒチケが2枚当たったので2回見に行った。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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アイ・アム まきもと@映画.com・
川っぺりムコリッタ@映画.com・
ぼくらのよあけ@映画.com・
アキラとあきら@映画.com・
ブレット・トレイン@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
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川っぺりムコリッタ@ノルウェー暮らし・イン・原宿・
ブレット・トレイン@銀幕大帝▼関連記事。
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おみおくりの作法(アイ・アム まきもと・ローカライズ元)@死屍累々映画日記・第二章
◆『ラーゲリより愛を込めて』ユナイテットシネマ豊洲8
▲左から主人公、嫁。
五つ星評価で【★★★日本人は軍人とヤクザやらせたら上手い。ラストは★★★★】
「ゲリラから愛を込められてもなー」
「違う違う」
「スペクトルマンっぽいよね」
「宇宙猿人ラーとゲリか」
「ユリとゲラーでもいけそう」
「最初から離れすぎだろ」
ちょっといい話。あらかた予告編通りだが、予告編では一切触れられていないラストに「ガーン」と鈍器で殴られるようにやられる。これは役者が上手くないと成立しないのだが、その点、ちゃんとそれに応えた役者は偉い。
二宮君が風采の上がらない小男なのがちょうどいい。白スーツがビックリするくらいかっこ悪いのはわざとなのか? 北川景子が美人すぎる。質素な服を着てる設定だろうが、美人が服の価値を競り上げてゴージャス感が半端ないという妙な状態になってる。でも、美人だから許す。四人の子持ちであんな若い母親はいないだろうが、そこでつまずくと楽しく映画に騙してもらえないので、ジャイ子みたいな女の人でなく、完全にフィクションである北川景子で良かった。まあ、そういう違和感のない演技をしているし。二宮君は私が未見の前作
『タング』では、ダメ男なのに満島ひかりが奥さんだった。ええのう。満島ひかりと北川景子をほぼ同時に妻にするなんて、男の夢以外の何物でもない。
松坂桃李がいい痩せっぷりのまんまで、捨て鉢な軍人がよく似合う。彼が自分を称していう「卑怯者」は自我を貫き通せない一般の日本人の象徴だろう。これを開き直って、自分の正しさを常に主張する乱暴者が桐谷健太。声が怖い。怖い声で泣かせる。安田顕の登場時の居場所のない感じもよかった。こういう話だと、一人くらい友好的なロシア人が出てきても良さそうなのだが、ただ一人として出てこない。流石ロシア。
雪焼けで体色は濃いのだが、意図的にそれを編集で調整しようとしたのか、同一シーンで体色が濃淡ゆっくり変わってるようなカットが何回か見られて気になった。
松村邦洋みたいなボヨンボヨンの軍人がいないのはよかった。
【銭】会員券更新の際の「次回1000円で鑑賞できるクーポン券」を使用。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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ラーゲリより愛を込めて@映画.com
◆『ブラックアダム』トーホーシネマズ新宿3
▲「ブラックサダム」でも「ブラックマダム」でもない。
五つ星評価で【★★★★流石ロック様】
ツイッターでの最初の感想(↓)
あと30年早く作られていたらロック様は「アダモちゃんぺ」とかやってくれたろうか? ロック様のカリスマ力が強すぎて楽しい。拮抗するヒーロー達もいい意味で微妙な感じ。しかしDC世界はスースクのあの人がいなければいい世界じゃない?Pがよい。Pはピアーズ・ブロスナン。あのピアーズ・ブロスナンがこんなにいい役者になるなんて、年は取らせてみないと分からないものだ。赤いフンドシ穿かせて
『ザルドス』のリメイク作って出して見るか。いやいや、そんなんイジメだろう。ロック様ことブラックアダムと対立する4人組ヒーロー組合JSAが又、それぞれみんなそこそこなのがかーいらしい。若者二人は甘ちゃんで、ドクター・フェイトとバードマンもといホークマンはベテラン。ドクター・フェイトは肉弾戦に弱い。ホークマンは肉弾戦に強いが、逆に言うとそれだけだ。穴がいっぱいあるような善人組がブラック・アダムとタメを張るのは見てて面白い。しかし、増援ないのね。素人に毛が生えたような組み合わせなのに。サイクロンの姉ちゃん育ち悪そうで惹かれる。もう一人の若手アトム・スマツシャーは育ちが良さそうで惹かれる。
で、真のヴィランが「そんな理由かよ」も含めてジャンルが「抑圧者」って珍しい。過去も現在も抑圧は秘かに続いているのだけど、抑圧している者をロック様が殴ったりすると簡単に死んでしまうので、正義の味方が怒るというのが変わった構造。このイビツな構造のせいで現代パートのヴィランが物凄く存在価値が低い。日本でも秀吉の子孫とか言う人が選挙に出てるから、まあ、このパターンもなくはないのか。
【銭】
トーホーメンバーズデー(火曜日)で1200円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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ブラックアダム@映画.com
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