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『BLUE GIANT』ヒューマントラストシネマ渋谷1

◆『BLUE GIANT』ヒューマントラストシネマ渋谷1

▲嘔吐。

五つ星評価で【★★★★音楽良すぎやろ】
今までジャズ関係の映画を見ても気持ちが揺さぶられる事がほぼ全くと言ってなかったので、自分はそんなにジャズに向いていないだろうと思っていたのだが、この映画に出会って他の観客ともどもそうではなさそうだという事に気づかされた。多分、今まではジャズの方が私を迎えに来ていなかった。そういう映画が多かった。それはジャズ以外の音楽映画に関しても同じで、「音に酔う」いや、「演奏に酔う」という経験をこと映画に関してはこの映画でほぼ初めてしたように感じる。
この映画同様に音に酔わされたのがジャズではないが、『アメリカン・ユートピア』。ブログで「音に蹂躙された」と書いている。不穏な発言であるが実に「たのしげな蹂躙」である。同じジャズで、演奏に酔ってあげたかった、その近くまで行きかけたのが『スゥイング・ガールズ』。今、爆音上映とかやったら、かなり乗れるかもしれない。
『ジャズ大名』みたいな飛び道具は別にして、『真夏の夜のジャズ』みたいな名演奏(らしい)映画で演奏に心を動かされないのは何故だろう。やはり、それは、名演奏ではあっても、記録としての名演奏であり、映画を見る観客の為に入念に用意された演奏ではないからかもしれない。そして、『アメリカン・ユートピア』は二回見ているが、二回目はそんなに楽しめていない。「二回目」だからと言うのもあるのかもしれないが、一回目は高音質劇場での爆音上映、二回目は通常劇場での通常上映。そういうのもあるかもしれない。今回の『BLUE GIANT』はオデッサというキチガイ音量音質システムの劇場でドバンと響かせてくれたから私はやられた。だから、できるだけ「音」を自慢している映画館で見てほしい。

しかし、この「音」の物語で素人を蹂躙するような「音」を付けたプロも凄いが、最初にこの物語を音のないマンガで表現したと言うのも頭がおかしい話だ。そういう意味で言うと『BECK』に近かったり遠かったり。マンガで至上の音として描かれたものを「表現不能」として無音で表現した映画。そういうやり方も全否定はしないが、チャレンジしない所に実はつかないというのが正論で、それが『BLUE GIANT』で示されてしまったように思える。

物語の核は三人の若者。さんざんレビューで言われているように、出来上がってる天才と、最初から叩き上げの素人と、壁にぶつかっている熟練者で、主人公には葛藤がない。と言うか、葛藤のあるパートはマンガにあるのだが、それは映画では切り取られていない。「みんな悩んで大きくなった」、野坂昭如かよ。ソクラテスもプラトンもいいジャズ・プレイヤーだったのかよ(それはそうじゃない)。という事で、主人公に葛藤はないが決意はある。最後のステージに立つ事だ。あれはメンタルの弱い主人公だったら10分20分、葛藤してもおかしくない。そこを葛藤せず決意して演奏するのは東北から来た田舎者二人のある意味、非デリケートなメンタルが物語として功を奏している。これがエンターティーメントではなく、純文学だったら大失敗して終わったりするかもだ。でも、エンターティーメントだから物凄く気持ちいい着地点で終わる。よかった、エンターティーメントで。やはり、努力や犠牲が報われるのがエンターティーメントだ。そう言えば元プリンスがプリンスだった頃の映画『パープル・レイン』で、ラスト近く渾身の魂を込めてプリンスさんが歌う「パープル・レイン」が観客の魂に刺さるのに、そのまま二三曲続けてしまい、感動が薄らぼけてしまったみたいな事を思い出した。難しいんだよ、エンターティーメントは。
演奏者3人のうち2人が東北出身者と言うのもプロの声優非使用に上手くはまったかもしれない。七色やら虹のような鮮やかな感情表現が必要ない。そう言えば「演奏」があるから惑わされるが、工場の旋盤工がただひたすら技術を磨く映画にそんなに違わないと言えば違わないかもだ。ただただ苦しい。なかなか光が見えない。ただ、工場の旋盤工がただひたすら技術を磨くエンターティーメントというのは今まで見た事ないのだけど。ジャズと違ってみんなに褒められない技術はエンターティーメント化が難しいのだな。秒で射精するオナニストとか。うわ、イヤな例えしちゃったよ。

小学館系だからやらないが、講談社系だったら、事故にあったピアニストが異世界転生してジャズの知識で勇者になっていくスピンオフとか作られるかもしれない(作られないだろう)。あー、でも、俺、バカだから「秒で射精するオナニスト」のマンガは誰かに書いてもらいたい。いや、『BLUE GIANT』のスピンオフじゃないよ。その流れに乗せちゃうと『青筋立った巨根伝説』みたいで、弁士中止

星五つにしないのは演奏シーンで映像側に妙なノイズ表現が入るから。没入を誘うためにいろいろな表現を使うのはいいが、その落書きみたいなんはあかんやろ的なのはもうちょっとちゃんと取捨選択すべきだった。ドラッグとかきめて見るといいのか(おいおい)。

ジャズの天才で思い出した。超絶技巧の持ち主なのだが、演奏が内省的すぎて、その演奏で日銭を稼げない『エンドレス・ワルツ』なんて映画もあった。『BLUE GIANT』の主人公がそういう天才でなくてよかった。そういう天才だったら、最後の最後で観客からブーイングを浴びて終わるかもしれない。その破滅を癒すのはきっと「女」。そう言えば、みんな演奏ばっかしてて、恋とかしないのだな、この映画。楽器が友達。キャプテン翼かよ。マネージャーとか最初のファンが女性客だったり、グルーピーが来たり、ジャズだと物語として触れずに無視できる。その無視が映画だったり、アニメだったりだと気持ちがいい。停滞しないから。なんかなるほどなあ。これからは恋多き男よりオナニスト、俺の時代だ(多分そうではない。もしそうだとしてもイヤな時代だろう)

ちなみに私が一番好きなジャズは『星雲仮面マシンマン』のアクション・シーンの劇伴。あれはどこからどう聞いても立派なジャズで凄くスゥイングする。次点は『妖怪人間ベム(一番古い奴)』『月光仮面(アニメ)』『黄金バット(アニメ)』のオープニング群。あの辺も凄くウキウキする。


【銭】
テアトルの会員割引で1300円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
BLUE GIANT@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
BLUE GIANT@ノラネコの呑んで観るシネマ
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『わたしの幸せな結婚』トーホーシネマズ六本木7

◆『わたしの幸せな結婚』トーホーシネマズ六本木7

▲美男美女。

五つ星評価で【★★★美桜】
ツイッターでの最初の感想(↓)

ハーレクイン帝都物語。予告通りの今田美桜の虐げられキャラに心をグサグサ刺される。火野正平と石橋蓮司が歳を重ねたご褒美みたいに良い存在感。後半はちょっと忙しくてまとまり悪い。

なんつか、今田美桜の健気さにやられる。ジャンボくじのアケスケ女と比べた時の差異がとんでもない。で、野郎はああいう何も言えないような控えめで芋い女の子が好きなのだ。異論は許す。これに対応するSnowMan目黒蓮もいい仕上がり。この二人の少女マンガ的な惚れた腫れたの背景に繰り広げられる壮大な呪術戦争のビジュアルが素晴らしい。役者、演出、背景、ちゃんと全部息が合っていないと絵空事として上手く機能しないのだが、溜息を誘発するような禍々しくも美しいビジュアルにはやられた。あと、地味な物から派手な物まで和服の衣装感に厚みがあり、その衣装をちゃんと出演者が正しく着こなしていたのは良かった。みな姿勢がよく、女の子はちゃんと内股(大事)。
後半、目黒蓮率いる異能部隊が敵の攻撃で殲滅されそうになる辺りからテンポが急に駆け足になるのだが、そこで使われる美桜の能力が都合よく、何でもありすぎな気がする。その能力が急に叩きこまれて、問題の解決を待たずにいきなり終わるのでドラマとしてちょっと腑に落ちない。
勿体ない事をしているのは異能部隊の部隊長を目黒蓮が演じているからか、部下がみな彼より若い役者だらけで、リアリティーに欠ける。若手を集めるなら集めるで、何か理由でも付けておけば気にならないのに。


【銭】
トーホーシネマズメンバーズデー(火曜)で1200円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
わたしの幸せな結婚@映画.com

『ブラックライト』109シネマズ木場8

◆『ブラックライト』109シネマズ木場8

▲左のカッパ女が嫌い(単純明快にビジュアルが嫌い)。

五つ星評価で【★★リーアム・ニーソンらしくない】
非文学系のいつものおらおらリーアム作品と思いきや、アクション系のリーアムさんには珍しく、仙人のようなえげつない経験値に裏打ちされた超無双が今回はなし。変わりに持っているスキルはその場の状況を即座に把握し、パズルのように臨機応変に罠を仕掛けて相手を倒すという一人『ファイナル・デスティネーション』みたいなやつ。これが台所でいきなり調理教室を始めたみたいで案外かっこよくない。で、実戦スキルが微妙に低くて、フラッシュバックがひどい。リアルに年相応でよわよわじゃん。更に、今まで自分がやってきた事の正義もあまり担保できないし、肉親も簡単に悪側に奪い取られてしまう。主人公、脇役、悪役など、どれも魅力に欠けるのにあれよあれよと話は進み解決する。変な映画と言うしかない。


【銭】
109シネマサービスデー(水曜)で1200円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ブラックライト@映画.com

『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』109シネマズ木場7

◆『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』109シネマズ木場7

▲ゴツゴツさが抜けたトーマス(右)と相棒のカナ(左)。

五つ星評価で【★★★こんなんやろ】
トーマス多分初めてである。今まで3Dで言っちゃなんだが「けっこう芋かった」印象なのがスッキリ。ドラえもんもオバQも経年とともに幼くファンシーになるのは商売相手が幼児だからしょうがないか。とっても爽やかボーイになった。二丁目でお尻を売れるくらいの爽やかさだ(トーマスのレビューでそゆこと言うなよ)。前を知らないので、前がどうだかは分からないが、結構ずっとニコニコ顔なので、喜怒哀楽は絵からは伝わりづらいかもしれない。この辺は声優が普通にしっかり充ててるので何ら問題ない。ちゃんと感情は伝わる。ただ、感情表現は割と薄い。『鬼滅の刃』とかが濃すぎるのか。
他に観客もなく、お一人様で王のように鑑賞あそばした俺だが、入場者プレゼントの「ゴーゴーサンバイザー」は貰えなかった。ぐしゅん、ぐしゅん、いーんだ、いーんだ、俺なんか。あっ「高校生以下」なのね。スーツで行ったから高校生には見えないよね。しかし、こういう入場者プレゼントの年齢制限で高校生っていうのは珍しい敷居の低さだ。高校生カナで興奮したりするのかな。俺はしなかったぞ。胸とか尻がないのはともかく、メンタルが幼児なのでそういう対象には見えない。恋愛対象や性的対象で見るなら、大人のケンジや老人のヒロの方が伸びしろがある。ちょっとイヤな伸びしろだな。ヒロのベッドでまどろむケンジとか想像に難くない。キャー、不潔。

自分のスピードを過信して他が覚束ないカナと、スピードは出せないが経験のあるトーマスがペアになり、世界チャンピオンカップに挑戦する。総論。そういう話でそういう展開だろうというのは想定できるが、感情的に高揚するシーンや「盛り上げ」がないので、妙に落ち着いて見終わってしまう。

オマケ:レイティングが高い血と暴力に満ちたトーマスを想像してみる。
機関車トーマス夢幻列車編:鬼無辻無惨の血を受けたトーマスは誰よりも速い鬼になるためケンジとカナと連結しようとする。だが、その野望を打ち砕く為、ソドー島に日本から機関車柱のヒロがやってきた。


【銭】
109シネマメンバーズデー(火曜)で1200円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ@映画.com

NHKドラマ「犬神家の一族」はこう作れ。

「NHKが『犬神家の一族』をドラマ化するらしいで」
「スケキヨの奴ですね」
「主役は吉岡秀隆」
「えっ、吉岡秀隆がスケキヨ!」
「なんでやねん。面つけた金田一なんて斬新すぎるわ」
「全員、お面付ければいいと思うんですよ」
「こわいわそんなん」
「時節柄、全員マスク付けたいところじゃないですか」
「いや、舞台を現代に置き換えたりはしないやろ。スケキヨがウクライナ戦線から帰ってきたりするのもしんどいで」
「そうですね、いっそ舞台を未来に置き換えてドラえもんを出してジュニア層にアピール」
「TV局が違うからそれはないだろ」
「ああ、それで脚本に小林靖子を起用したんだ。出ますね進撃の巨人」
「どんな犬神家だよ。あんな巨人ばかりの世界で人の一人や二人死んでも話題にならへんやないけ」
「大竹しのぶさんあたり、のりのりで巨人とかやってくれそう」
「大竹しのぶに嚙み砕かれる古川琴音はちょっと見たいビジュアルではあるな。だがまあ、時代背景は第二次世界大戦終戦直後、場所は岡山で、そこは固定とちゃう」
「しかし、小林靖子を起用したからにはあっと驚くアイデアが付け足されると思っていいのでは? 戦中に財を成したと言われる犬神製薬、過去作では軍部への阿片供与が疑われていたが、今作では軍部の要請で軍用巨人の研究に勤しんでいたとか」
「作品の各所に巨人が映り込んでたら怖いな」
「そしてスケキヨは仮面の男な訳ですが、仮面と言えば着脱するとキックとかで強烈な殺傷力を身に着けられるとかにしたい」
「軍用バッタ男!」
「軍閥が幾つかあって、犬神製薬の逆張り側の軍閥に、佐清が無理やり拉致されて改造された後、南方戦線に投入される。南方戦線は補給線を維持しえず何割もの餓死者を出した戦地。そこでは遂に、『猿』と称する共食いまで発生してしまう」
「アマゾンズに繋がりよった。しかし、そんなアクの強い登場人物だと金田一耕助が霞んでしまうわ」
「そこで小林靖子の最近の功績を利用する。金田一耕助はスタンド使い」
「おいおい」
「スタンド使いジョースター家の最大の敵と言えば吸血鬼ディオ・ブランドー。『鬼』です。岡山と言えば桃太郎の源流だから、鬼の一つや二つ居てもおかしくはない」
「おかしくないって、ああた」
「そして、犬神家を影から支えてきた雉神家、猿神家の暗躍により、遂に最終決戦が!」
「もう何と何、どことどこが対立してるのか、よう分からん」
「そもそも猿、犬、雉を従える桃太郎の『桃』はイザナギが地獄から追いかけてくるイザナミを桃で追い払った事による。だから、とりあえず鬼はそのイメージを踏襲できる大竹しのぶで。その鬼と対立する力を秘めるスタンド使いの家系の末裔が金田一耕助、桃の呼吸で鬼を滅する」
「小林靖子は鬼滅書いてないで。逸脱しすぎやろ」

チャンチャン

※ 仮面ライダーアマゾンズ、進撃の巨人、JOJOの奇妙な冒険 まで繋げたところで破綻した。まあでも、猿神家と雉神家には頑張ってもらいたいもんです。地を走る犬神家、大地を轟かす猿神家、大空を飛ぶ雉神家、一瞬ゲッターロボっぽいけど、実はこの組み合わせはバビル二世。東北にキリストの墓があるのだから、岡山にバビルの墓があってもいいだろ。何言ってるんだ、俺。

なんつか、すごくくだらない事だとスラスラ書ける俺。

『アントマン&ワスプ クアントマニア』『ソー ラブ&サンダー』

◆『アントマン&ワスプ クアントマニア』ユナイテッドシネマ豊洲1
◆『アントマン&ワスプ クアントマニア』109シネマズ木場6

▲キャシーが可愛くてたまらん。

五つ星評価で【★★,★★キャシーは可愛い。だが。】
「あれ、これ、面白そーだったのに予想外に楽しめなかった。これは映画じゃなくって俺のせい? よし、もう一度確認しよう。ゲー、つまらんじゃん」という地獄の様な巡礼を経て「さほど面白くない」という結果を得た。長い道のりであった。長い道のりの割には得る物が少なかった。キショー。
まあ、アントマン=ポール・ラッドがいい奴なんで多少付き合う分には悪くない。それと娘のキャシーが大きくなって、ティーン・エージャーな感じが親目線的にグッと来る。「恋人っぽく」以上に「娘っぽく」可愛い。自覚してないだけで「孫っぽく」可愛いのかもしれん。演じるキャスリン・ニュートンがいい具合に胸がないのが、悩んでいそうで、そういうのが逆にそそる。父にも乳にもなれないけど、揉んであげて成長を助けてあげたい。ちょっと『舞いあがれ!』の福原遥に似てる。揉むのは福原遥でもいい。下ネタ的な意味合いで舞い上がらせたい。
アントマンにかかわる博士マイケル・ダグラスも圧が強いオーラを放って、マッド・サイエンティストを好演している。タレントとしてこういうオーラの使い方があるというのはとてもおもろい。その伴侶がミッシェル・ファイファー。そもそもこの人が話すべきことを話さずに過ごしていた事や、こと物語が深刻な様相を呈しても何ら事実を明らかにしようとしなかった事が問題を大きくした。はっきり言ってこの物語で誰か一人戦犯を上げろと言われたら彼女なのだが、美人なので悪く見えなかったりする。そこに一番の問題がある。ワスプはこないだどおり。
そいで確定戦犯はカーンのジョナサン・メジャーズ。映画内で大変恐れられており、不毛の地に帝国を築き、先住だったり流れ者だったりを迫害しているのだが、彼自身に何が出来て、何がそこまで彼を恐れさせるのかが全く伝わってこない。単にモサっとした黒人の兄ちゃんである。彼の部下の頭ライトの人々も、どんなんだかよう分からん。デザインいいのに残念。逆にカーンはデザイン上の仕上がりも悪い。アントマン一作目に出てた顔だけの人も、妙にニヤニヤして謎の「ハンプティダンプティ感」が強かった。別にそれはいらんかった。強そうに見えなくて本当に強くないというのは何だかなあ。
今回ないのだが、アントマンが蟻に乗っかって、ウォーみたいなの好き。あの勇ましいけど頭悪い感じの劇伴も好き。
帝国と反乱軍は『スター・ウォーズ』的。その反乱軍の住人達は『ストレンジ・ワールド』的。今、思いついたけどその辺マーヴェルも含めて全部ディズニー配下じゃん。ゲー。反乱軍のデカ女は『太陽戦隊サンバルカン』のアマゾンキラー的。あくまで悪い意味でだ。おいおい。カーンもイナズマギンガーくらいの押しの強さが欲しかった。
「サンキュー・スパイダーマン」のコーヒーショップのボケ爺さん、あれはスタン・リー在命なら、彼に与えられたような役。

▲なんとはなしに右から、ワスプ、アントマン、カーン、ビル・マーレイ。


◆『ソー ラブ&サンダー』ユナイテッドシネマ豊洲10

▲身体冷やしそうなコス。

五つ星評価で【★★★ソーおじさんとチャンベール】
半年ほっぼらかしで、マーヴェル関係で引っ付けてレビュー。
ムキムキ筋肉雷神から、ロン毛ひげおじさんにキャラ変したソーさんが、相方のヴァルキリーとドツキ漫才しつつ、世界行脚。モトカノを仲間に引き入れてダチョウ倶楽部のようにボケ雷神二人を内包するトリオ編成に変わって、笑い負かさなければいけない審査員はチャンベール・クリス。もとい、クリスチャン・ベールの神殺しのゴア。こんな話でそんなに間違えてないと思う。でも、チャンベールの演技にゾクゾクしたのは覚えてる。金はあるんだろうから、どんどんいい役者使え。

▲『マグマ大使』と無関係な適役ゴア。見世物小屋にいそう。


【銭】
『アントマン&ワスプ クアントマニア(1回目)』:ユナイテッドシネマ、会員ポイント2ポイント使って1000円で鑑賞。
『アントマン&ワスプ クアントマニア(2回目)』:109シネマメンバーズデー(火曜)で1200円で鑑賞。
『ソー ラブ&サンダー』:ユナイテッドシネマ、会員ポイント2ポイント使って1000円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
アントマン&ワスプ クアントマニア@映画.com
ソー ラブ&サンダー@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
アントマン&ワスプ クアントマニア@或る日の出来事
アントマン&ワスプ クアントマニア@徒然なるままに
ソー ラブ&サンダー@或る日の出来事
ソー ラブ&サンダー@徒然なるままに
ソー ラブ&サンダー@SGA屋物語紹介所

『アントマン&ワスプ クアントマニア』は敵が物足りなくて、『ソー ラブ&サンダー』は敵だけがズバ抜けてる。

『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』ユナイテッドシネマ豊洲1(ネタバレ)

◆『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』ユナイテッドシネマ豊洲1(ネタバレ)

▲あの伏線にはビックリ。

※ この記事はネタバレを含みます。

五つ星評価で【★★★★★ドラえもん映画10年に一本の傑作。ちゃんと前半と繋がる伏線の回収が悪魔的だあああああああ。】
まず、普通に面白い。ドキドキワクワクの冒険劇である。

そして、見終わった後に思うのである。これは、子供が見る物語として意図的に悪役の「悪」を明確に打ち出しているが、その逆にドラえもんとのびたが悪役でもおかしくはない設計だな、と。悪役が悪である理由が極めて希薄ではないだろうか?

今回の悪役、三賢人、および、その背後にいるレイ博士が悪である理由は二つ。未知の光線を使い、他人の心を本人の許可なく支配しようとした事。そして、その支配を拡大しようとした事。他人の心を支配したり、逆らえないように服従させたりするのは「悪」である。では、世間一般の「社長」は「社員」にとって「悪」なのかと言うと、そういう場合がない訳でもないが、基本的にはそうではない。「社長」は役割として「社員」の「行動≒会社内人格におけるモラル」を「支配」し、雇用というルールを根拠に「服従」を強いる。「会社での社長」にかかわらず、通常の集団組織の「長」は組織に属する各個人を支配し、服従を強いる。服従を強いた上で、その服従以上の結果を出力する。それがおおむね集団の存在理由だ。なので、これらが「悪」にならない理由は一点のみ。服従させられる各個人の同意がなされているかどうか。映画内ではこの部分がレイ博士があたかも同意形成を得ず、裏からパラダピアの人間を服従させていたかのように、表現されていたが、実は曖昧である。と言うのは、パラダピアの人間にはちゃんと意思があり、その意思はジャイアン、スネ夫、しずかが土壇場でのび太支持に回ったように、自分の不利に対して抵抗できる強さを持っているからだ。催眠術で術者が被術者に対して「死ね」と言っても死なないくらいの抵抗力はありそうだ。物語の中ではおそらくレイ博士は従属する集団に対して同意形成を得ず、服従させていた。だから、レイ博士一人を「悪」として、パラダピアを悪の秘密基地として葬ってしまう事は正義側のタイムパトロールから言わせれば問題ないに違いない。今回、ドラえもんは物語をそういう形に仕上げてきた。
だが、例えば、レイ博士が「人を支配する光線」などを使わず、言葉でパラダピアの一市民になる勧誘をし、各個人がそれを受け入れていたとしたらどうだろう。パラダピアその物には「悪」の要素はないのだ。それでも、タイム・パトロールはパラダピアの存在を認めない可能性が強い。それは、パラダピアが科学技術の結晶であり、タイム・パトロールは今まで彼等を捕まえられなかった。そして、パラダピアが正しければ正しいほど既存社会の弱者を取り込んで拡大する可能性を持っている。そうすると、既存の宗教や国家と相反するような存在になる可能性が大きい。レイ博士は正しくなければ討伐対象となり、正しければ既存勢力を脅かす敵対勢力となりえるのだ。そして、大概の為政者は上手くいっている隣の緑の芝生に対して寛容な立場を保持しきれない。

物語の中では、のび太が他の三人よりも心の耐性が強かったので、レイ博士の光線が効かないとされていたが、実はのび太は発達障害で、あのカリキュラムでは効力を発揮しなかったのかもしれない。逆に他の三人はそれぞれの個性を捨てたなど悪しざまに言われていたが、彼らは他の誰よりも早く大人になったのかもしれない。エッヂを失い、殊更に鈍くなったように見えなくもない。でも、大人になるというのはそういう事だ。

みたいな事をつらつら考えてしまったのもまた、面白かった。


【銭】
会員ポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)@映画.com

『恋はデジャ・ブ』目黒シネマ

◆『恋はデジャ・ブ』目黒シネマ

▲アンディ・マクドウェルがとってもいい人で、人柄が可愛い。

五つ星評価で【★★★懐かしい】
1993年、カラー、101分、2回目、ハロルド・ライミス監督作品。
劇場に貼ってあった公開当時のポスターのカラーコピーにあったコピーが「これが噂のタイム・ラビリンス・ムービー。 寝ても起きても明日にならない!同じ日を繰り返す時間の迷路にはまったおかげで、恋する君とはいつまでたっても初対面!」 なかなかまとまっている。今では時間が輪のように繰り返す「タイム・ループ・ムービー」という言葉の方が一般的だが、走りの映画だったので、まだ言葉がなかったのだな。
後年あとから作られた牧瀬里穂の『ターン(2001)』とかも似た設定。これを時間という得体のしれない物から、人間の記憶システムに置き換えたのがドリュー・バリモアの『50回目のファースト・キス(2004)』。だがしかし、それ以前にタイム・ループ設定の映画が実はある。『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984)』。恐るべしジャパニメーション。時間が意思とは別にリセットされてというのではないが、意中の彼女にモテる為に何度も過去の時間を試行錯誤する『大あたりの季節(1970)』というマンガが『ザ・クレーター』の一遍として描かれている。恐るべし手塚治虫。

ビル・マーレーはコメディアンとしてそんなに好みではない。芸風がいい人じゃないから(本当がどうとかは知らない)。俺、バカ真面目タイプなので、不真面目で世渡り上手なキャラは嫌いなのだ。その不真面目なビル・マーレーがいい人代表のアンディ・マクドウェルをコマそうとする話だが、不快感が頂点に達しないのは、映画内で箸にも棒にも掛からなかったほどのクズであるビル・マーレーが成長するからだ。あと、ビル・マーレー以上にウザいネッド(スティーヴン・トボロウスキー)という役が出てくるからでもある。極めて大人の寓話であり、何故、それでタイム・ループを抜け出せるのかの解説はない。


【銭】
レイトショー別番組一本立て1200円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
恋はデジャ・ブ@映画.com
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恋はデジャ・ブ@或る日の出来事

『湯道』新宿ピカデリー7

◆『湯道』新宿ピカデリー7

▲小日向文代に感情投入しまくり。

五つ星評価で【★★★TVっぽい。まあ、風呂は日常だからTVっぽいのが正解かもしれない】
惜しむらくも無くなっていくだろう銭湯と風呂の映画。銭湯、気持ちよさそうだが、昔のように人でいっぱいになるには何らかのやり方で家風呂を殲滅するしかない。家風呂税でも立てるか。しかし、一日500円を越える税金徴収は庶民にとっては厳しいな。
中心にいる三人、生田斗真、濱田岳、橋本環奈のバランスがいい。生田斗真なんてけっこうイヤなメンタルの役なのに、飄々としてて憎めない。濱田岳はいつも通り、生田斗真を許したいと許せないが拮抗するのを上手く演じてる。橋本環奈は普通にいい。決め顔が変顔だけの人ではない。まあでも、風呂の映画なんだからもうちょっとサービスはしてほしかった。そういうサービスが全くと言ってないだろうと分かっているのに見に来たのではあるが。『時間ですよ』とか大らかだったよなあ。そら、風呂の映画だから乳首くらい映りますよって堂々と映していた。「おれおれ」って姿勢も変だが、一切映らないのも病的ではないか? いや、まあ、そこはそんなに大事ではないので、『犬鳴村』『映画「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版』があるように『映画「湯道」乳首露出ばーじょん 劇場版』があってもいい。という所で妥協しよう。話せるな、俺。
脱衣所での厚切りジェイソンの「おとーさん」って非常識すぎて好き。あれはないだろ。怒る浅野和之もチャーミング。
映画内で一番気持ちよさそうに風呂に入っていたのが、小日向文代。妻と娘に強く言えず、身体を折り曲げて入る風呂の切ないこと。その湯道師範代理の窪田正孝のバキバキ筋肉での公式演技の様な入浴もバカ真面目で面白い。あの風呂は入ると疲れそうだ。夏木マリの美しい老け方に感動を覚える。
ただ、人に迷惑をかけないなら風呂くらい好きに入らせてくれよとも思う。


【銭】
前回有料入場割引+ネット割引で1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
湯道@映画.com
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湯道@ノルウェー暮らし・イン・原宿
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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