fc2ブログ

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ユナイテッドシネマ豊洲10(ネタバレ気味)

◆『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ユナイテッドシネマ豊洲10(ネタバレ気味)

▲名コンビぶり際立つ。

※ 記事内にネタバレ内容を薄く含みます。

五つ星評価で【★★★★やるじゃん】
あー、もー、映画見終わった後の余韻が気持ちいいわ。それでいて、人生にとってこれ見てようが見てまいが大きな違いはない。そういうのが「娯楽映画」だと思うのよ。ドンピシャで合格。

岸部露伴はもうすっかり高橋一生が呑み込んでしまった。デザイン的には似てないが、もう高橋一生以外の岸部露伴は考えられない。それって役者として凄いよね。もちろん、製作スタッフ全員で「岸部露伴」の世界を作りこみ、彼がその最後の掛け替えのないピースとして存在しているのだから、チーム全体の功績と言っていいだろう。
言った傍から長尾謙杜の若い露伴も初々しくていいかな。これが露伴先生みたいに偏屈な大人になるのかというのはちょっと哀切あるけれど。
その若い露伴を惑わす木村文乃。彼女が失踪するまでの存在の仕方、撮られ方が妙に怖い。多分、瞬きとかしていない。非常に非人間的にスピリチャルな空気を纏って撮られていて、何気に怖い。
そして、飯豊まりえが素晴らしい。この泉京香は岸部露伴の対立軸であってずっとぶれない。賢さに対して愚鈍。論理思考に対して感情思考。ハイソサエティに対する成金的に俗物。そして、99持つ露伴に対する一つの天啓。

「黒い絵」の光を一切跳ね返さない性質に対して述べられる、その人の後悔や過去が浮かび上がってくる、という特徴は科学的ではないなと思ったが、後半明らかにされる物事の起こりを見ると納得させられる。オカルトならしょうがない。一部、理屈的に辻褄が合わない点もある気もするが、オカルトならしょうがない。

しかし、借景としてルーヴルを使うのは豪華の極み。だがまあ、ルーヴルは確かに凄いのであるが、ルーヴル以外の背景や、そこに漂う空気、潜む音圧などがどのカットでもルーヴルに負けてないってのも凄い。


【銭】
会員ポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
岸辺露伴 ルーヴルへ行く@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
岸辺露伴 ルーヴルへ行く@ノラネコの呑んで観るシネマ
岸辺露伴 ルーヴルへ行く@風に吹かれて
スポンサーサイト



『Cutie Honey キューティーハニー』109シネマズプレミアム新宿2

◆『Cutie Honey キューティーハニー』109シネマズプレミアム新宿2

▲ベストでなくてもベターな映画という事にしてあげたい。

五つ星評価で【★★★片桐はいり凄いな】
特集「歌舞伎町インパクト」の1プログラム。
2004年、カラー、93分、多分3回目くらい、庵野秀明監督作品。
『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』後に見ると、似てる場面がいろいろ出てきて楽しい。
ただ、やはり、面白いのはパートパートであり、全体見終わった後の物語の余韻に浸れる感じが全くないのは残念。いい祭りだったなとは思う。獺祭かよ。オサムかよ。「生まれてすみません」。
多分、失敗しているのが佐藤江梨子のキャラクター造形。ムチャクチャただのバカ。ギリ気持ちいいバカであっても共感性が低い。ゲスい話で言うと身体は良くても心はいかん。なので、佐藤江梨子の演技というよりシナリオワークの失敗だろう。佐藤江梨子の演技に罪がないとは言えないが。冒頭、風呂のシーンはいいにしても、その後、半裸で町を走るシーンは「それはないだろ」と思う。「そんな恥知らずでふしだらな女の子に産んだ覚えはなくてよ、ハニー」。中二的には、ただガードの低い子の点数は低い。ガードが高いのに露出して「キャー」というのに萌えるのだ。キャラが立っているのは女刑事の市川実日子だが、その市川実日子に対する佐藤江梨子の受け応えが、教室で孤高を貫こうとするオタクに対するいじめられっ子の不思議ちゃんみたいで気持ちが乗らない。もちっと普通の女の子らしくできなかったのか。そのベースがあやふやなので、パンサークローと戦うハニーとキャラが乖離して、正しく怒ってるように見えない。
市川実日子のキャラクターは佐藤江梨子が主人公として機能しない分、物凄く掘り下げて作られている。おそらく、こちらが正当の主人公筋で、ハニーは敵と因縁のある超武器みたいな流れの方が話的にはスムーズだったのではないかと思う。そうすると『キューティーハニー』じゃなくなる可能性も強いが、アニメ音楽流しておけば大丈夫という気もする。
敵の四天王が素晴らしい。
中でも冒頭、世界観を鷲掴みで叩きつけてくる片桐はいりの試合巧者っぷりにやられる。
コバルト小日向しえのネチネチもよいし、スカーレット新谷真弓のあっけからんと突き抜けてる感じもよい。ブラックミッチーの落ち着いた強敵ぶりもよい。ミッチーアクション時の黒雲かっけー。執事手塚とおるは四天王の上にいるから強いだろうが、篠井英輔のシスタージルと合わせて女の犯罪結社というパンサークローのイメージを潰してしまった。そこは残してほしかった(ミッチーは男女とかどうでもいい線上)。

後は雑感。
コバルトクロー蜘蛛怪人みたい。
斎藤工にくんくん匂いをかがれる京本政樹は見たくない。
松尾スズキと井口昇が隣同士で座ってる会社の濃さ。
同じ会社で通り過ぎる人、しり上がり寿じゃんって分かる俺も俺。
永井豪は戦闘中吹き飛ばされたハニーのお尻で自動車のフロントガラスを割られるドライバー役。こんなんに起用されるのは双方いろんな意味で「愛」があるなあ。傑作でも駄作でも豪先生はこのカットへの出演で、いい思い出が出来たからチャラでいい感じだろう。
ああっ、あれ加瀬亮か。チョコチョコ無駄にいい役者使ってるなあ。
山のようにカメオ出演があるけど、それはそれでよし。カメオダメなのはカメオが本来のラインを阻害する時くらいだから。まあ、見どころがカメオしかないような物も困るが。
オープニングのアニメすげーいい。
やはりアニメの音楽が凄いノリノリで素晴らしい。


【銭】
109シネマのメンバーズなのでポップコーン・ドリンク付きでA席2500円で鑑賞。いや、後悔してない。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
Cutie Honey キューティーハニー@映画.com

『最後まで行く』109シネマズ木場1

◆『最後まで行く』109シネマズ木場1

▲ダメダメな岡田准一とヒステリーな綾野剛。

五つ星評価で【★★★まあでも広末かな】
オリジナルに当たる韓国版は未鑑賞。
出てる登場人物の中で、いつも現実に負け続けている広末涼子の辛そうな顔がエクスタシー的な意味合いで好き。そういう顔エロいやん。はっきりしているのは広末は最後までいかない脇キャラだという事。同じく、綾野剛の新妻も最後まで行かない。彼女などは家柄が奪われた金銭の為に潰され、訳も分からずに綾野剛にも去られる。最後まで行くのは岡田准一と綾野剛だけだが、最後が何か、行ってどうなるかについては悪い予兆しかない。「最後まで行く」事は決まっているが、その行く先については大事ではないらしい。そういう美学もある。
今回、岡田准一が格闘センスのない役というのは勿体なく思った。リーアム・ニーソンと一緒で、もう岡田准一と格闘センスは切り離せないのだ。仮に切り離すとするなら、背景が時代劇の長屋物くらい別物でないと、自然に忘れるのが難しい。その逆目で岡田准一に格闘センスがないからこそ、綾野剛の駄々っ子が感情爆発させたような暴力が活きた。パワハラされまくる中小企業の社長みたいな役だ。ゴルフクラブで殴られるの妙にリアル。


【銭】
109シネマサービスデー(水曜)で1200円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
最後まで行く@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
最後まで行く@風に吹かれて

『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』『猿飛佐助』『突破口!』『花つみ日記』『殺人者たち』

旧作囲みで5本。

◆『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』Stranger
五つ星評価で【★★★追い詰められ感】
特集「ドン・シーゲル セレクション」の1プログラム。
1956年、白黒、80分、初見、ドン・シーゲル監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

これは邦題「盗まれた街」じゃないのか?それは単に原作の題なのか?ドン・シーゲルの演出「ばあ~ん」とかの擬音が似合う。

どうも勘違いしていたようだが、原作SFの翻訳タイトルが『盗まれた街』らしい。そっちの方がかっこいいと思う。宇宙サヤのデザインが当然、本物など見た事ないのに、それしかありえないような形状をしていてリアル。サスペンスを盛り上げる為に、眠ってしまったら宇宙人に身体が憑依され、乗っ取られるという設定にしてあるが、別の場所にあるサヤの中にダミーがいるのなら眠りに落ちた途端に切り替わるのはおかしい。主人公が追い詰められて、追い詰められて、最後の一瞬で光が射す映画作劇の美しさよ。役者のかなり末尾の端役陣の中に「サム・ペキンパー」の名前を見かけた気がするが、見間違いかもしれん。と、思ったらリンク先の「或る日の出来事」さんでも触れていた。そんなありえない事を言うやつは二人とも精神病院に入れてしまえとか、そんな事いうな。


◆『猿飛佐助』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★のれない】
特集「映画作家 井上梅次」の1プログラム。
1955年、白黒、97分、初見、井上梅次監督作品。
フランキー堺の初主演作。いい感じに恰幅がよくなる前のフランキー堺からは「フラ(漂う面白味)」が薄い。まだ、笑わせよう笑われようの気概が弱く、あわよくば二の線とかも考えていそう。痩せ気味のフランキー堺は千鳥のノブに似てるかもしれない。


◆『突破口!』Stranger
五つ星評価で【★★★にくめないマッソー】
特集「ドン・シーゲル セレクション」の1プログラム。
1973年、カラー、111分、初見、ドン・シーゲル監督作品。
ウォルター・マッソーが抜け目のない悪漢を演じる。この、どんな事態にも対処できる、人生生き抜いてきましたみたいなウォルター・マッソーが外見と異なり、かっけー。


◆『花つみ日記』国立映画アーカイブ小ホール
五つ星評価で【★★乗り損ねる】
特集「日本の映画女性人」の1プログラム。
1939年、白黒、72分、初見、石田民三監督作品。
JK高峰秀子が転校生の清水美佐子と仲違いしたり、元の鞘に収まったり。
些細な物語という繊細な作りだが、仲違いした芸者の子が幸せも射止められず死ぬと言った原作に忠実な物語の方が分かりやすく刺さる気がする。

◆『殺人者たち』Stranger
五つ星評価で【★★★タイトルはちょっと違うか】
特集「ドン・シーゲル セレクション」の1プログラム。
1964年、カラー、94分、初見、ドン・シーゲル監督作品。
依頼殺人を請け負ったリー・マービンが、事件を深堀りすると、ブラックマネーが浮かび上がってくる。最終的にはリー・マービンも死体にたかる蠅みたいなもんだし、相手のラスボスもゲス野郎。なので、軍配がどっちに上がろうとスッキリはしない。俳優時代のレーガン大統領が出演。

【銭】
ボディ・スナッチャー/恐怖の街:Stranger番組価格一般1700円。
猿飛佐助:シネマヴェーラ渋谷一般料金1200円-会員割引400円。
突破口!:Stranger番組価格一般1700円。
花つみ日記:国立映画アーカイブ一般料金520円。
殺人者たち:Stranger番組価格一般1700円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ボディ・スナッチャー/恐怖の街@映画.com
猿飛佐助@映画.com
突破口!@映画.com
殺人者たち@映画.com

『花つみ日記』は@映画.comに作品情報なし。

▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
ボディ・スナッチャー/恐怖の街@或る日の出来事

『銀河鉄道の父』スチール写真4コマ



「俺は東南アジアから海を渡ってやってきた大妖怪・ジジリンコチョモランマの介キョエ彦だ」



「おのれ妖怪、日蓮様の教えを受けて見ろ!」



「うっうっう、一コマも掛からずに負けた」



「ダガ、最後ニ勝ッタノハ日本ノ大妖怪・風ノ又三郎ダ。日記にはそう書いておこう。」


▼関連記事。
銀河鉄道の父(感想本体)@死屍累々映画館日記・第二章

『銀河鉄道の父』ユナイテッドシネマ豊洲5

◆『銀河鉄道の父』ユナイテッドシネマ豊洲5

▲父の映画だが子供の日公開。

五つ星評価で【★★★正攻法。人が死ねば悲しい。】
役者が上手いから乗せられる。
単純な話、人が死ねば悲しいじゃん。
その死ぬ人が感情移入できるようにちゃんとドラマが盛られている。
田中泯が死ぬだけの為に死ぬような役。でも Before After が達者だ。
森七菜なんて、そりゃ死ねば悲しいよ。あの家族で一番骨を折っているのは坂井真紀か森七菜だもの。役所広司も菅田将暉も向きが違うだけでガムシャラに好き勝手やるのは似た者親子である。周りはそれに振り回される。菅田将暉なんて振り回し方がひどい。本人に自覚はないだろうが、凄くウザい嫌がられ方をする。でも決して親は子供を見捨てないというのが、この映画の美談であり、美学なのだ。その菅田将暉のダメっぷりが見事だった。ただ、私は他の本でもうちょっと親から見捨てられてたみたいなイメージを強く持っていたので、どうも見てて完全に役所父の「怪しさ」が抜けなかった。
田中泯が役所広司に言う「父すぎる」は話を分かりやすくした、いいセリフ。


▲弟が宮澤商会を起こし、賢治が野良着を着てるので、この写真での森七菜と田中泯は幽霊。すんげ力強い霊で生きている者の生気が悉く吸い取られているように見える。これこそが賢治の死の真相である(違うだろ)。


【銭】
金曜メンバーズデーでユナイテッドシネマは1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
銀河鉄道の父@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
銀河鉄道の父@風に吹かれて
▼関連記事。
銀河鉄道の父(おあそび)@死屍累々映画館日記・第二章

『テリファー』トーホーシネマズ六本木4

◆『テリファー』トーホーシネマズ六本木4

▲アート・ザ・クラウン。じゃあ、バンクシーの正体はこいつって事で。

五つ星評価で【★★★★これはかなり好き】
なんかこれはかなり好き。
アート・ザ・クラウンという殺人ピエロに付きまとわれる一群の一夜の話であるが、殺戮対象が割と行き当たりばったりで、殺人鬼のアート・ザ・クラウンも殺人アイコンとしては無敵ではない。けっこう反撃にもあってるし、打ち負かされてる場面も多い。だが、このアート・ザ・クラウンが好きだ。見る前と見た後で違いがない。ズレがない。齟齬がない。これは多分、アート・ザ・クラウンが殺人をするだけの装置であって、様式はあるものの内面がないからだと思う。見る前も、見た後も、謎のまま。理由もへったくれもない。殺される者はただ単に、運悪くその場所に居合わせたからただ死ぬのである。今まで主人公として振舞ってきた者を突然轢き殺すダンプに似てる。ダンプに内面はない。ただ、行使された結果が残るだけだ。
主人公や、その近辺の者は泣き叫び、哀願する。だが、その声はアート・ザ・クラウンには届かない。彼はパントマイムのみで声を発さず、声を聞いているかどうかも分からない。その場にいるのに違う時間が流れているようだ。意思の疎通を欠く者はそれだけで怖い。日本人が他国籍の者を「外人」と言って分けるのもそこに発している。話が通じない者は怖い。このまま後から公開される二作目でも彼の内面が一切描かれなかったらいいなと思う。
「話さない」という特徴のないキャラクターなのだが、いかりや長介が白塗りして、一切話さなかったら、立ち振る舞いも含めて、アート・ザ・クラウンに似てる気がする。同じ白塗りの麿赤児より似てそう。麿赤児は内面深そうだ。話をしないいかりや長介には内面がなさそう。

内面がなさそうなアート・ザ・クラウンだが、最初にあの二人を獲物に据えたのは賛成したい。殺戮者に内面があろうが、なかろうが、あの二人は社会にいらない、で正解だろう。

テリファーにお兄さんがいたらドリファーか?


【銭】
トーホーシネマズメンバーズデー(火曜)で1200円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
テリファー@映画.com

『スカイ・ハイ(1975)』シネマート新宿1

◆『スカイ・ハイ(1975)』シネマート新宿1

▲今となってはこういう全部「絵」のポスターって珍しい。

五つ星評価で【★★珍品】
4Kレストアマスターの一週間限定公開。
1975年、カラー、106分、初見、ブライアン・トレンチャード=スミス監督作品。
主演ジミー・ウォングのチンチンがピンピンだからという訳だからでもあるまいが、実に立派な珍品、珍々品々。セガール主演だったら『沈黙のピンピン』だ(いや、そうはならないだろう)。
えーと、まあ、「チンチンがピンピンだから」と言うのは、ジミー・ウォング演じるファン・シン・レイ刑事がそんなキャラなのである。いや、本当。見れば分かる。この主役キャラ、チラシのストーリー欄には「ファン・シン・レイ刑事」と書いてあって、同じチラシのキャスティング欄には「ファン・シン・レン警部」と書いてある。ゆるゆる。チンチンがピンピンな上、ユルユルである。「チン・ピンユル」って「チョー・ヨンピル」のバッタモンで、いそうである。
話はオーストラリアにやってきた香港のもてもてエージェントが土地のボスと血で血を争う大ゲンカをする。そんな感じ。鍛えてない普通の身体のジミー・ウォングのカンフーらしからぬ殴る蹴るが炸裂する。なんか妙にアクションに華がない。このジミー・ウォングと言う人は、とてもヤンチャで、ヤンチャが過ぎてヤクザみたいな武勇伝が多いらしく、映画よりもそっちの話をしてくれるイベントがあると面白いです。オススメです。今回、識者によるトークイベントがオマケに付いてたので得しました。「得しました」と「徳島県でした」似てる。映画冒頭にサモハンが出てくるのもお得。


【銭】
テアトルの会員割引で1300円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
スカイ・ハイ(1975)@映画.com

『映画刀剣乱舞 黎明』ユナイテッドシネマ豊洲2

◆『映画刀剣乱舞 黎明』ユナイテッドシネマ豊洲2

▲「ハリウッド・スケールで描かれるアクション・エンタテインメント」ってコピーはやめろ。

五つ星評価で【★★話とビジュアル両方ダメ】
実は柄本明の演技が見たくて見に行ったら、ほぼ予告で見た演技が全てだった。ま、まあ、それはそれで価値のある演技だったから、良しとしよう。そうじゃないと悲しいじゃないか。
「俺は刀剣乱舞を見に行くぞーJOJOーっ」ってツイッターで叫んで見に行ったら17:30って時間もあり、貸切だった。

世迷言みたいな話で、前のも見たけど、前のはもう少し話として面白かった。
今回、刀剣男子が現代に来て大暴れをするのだが、過去の時代だと違和感薄目なのに、現代だとパチモン感が急上昇する。厚手の化粧と浮世離れしたテカテカの衣装をまとった刀剣男子は新宿二丁目の住民感が強く、精霊的にスピリチュアルなオーラは感じづらい。頭のおかしな奴が集まって騒いでるみたい。衣装デザインと、その実装が原作のゲーム辺りを参考に、信じられない精密さで再現されているに違いない。でも、背景がリアルだと浮く。

役に専念して演じている2.5次元俳優の方々には申し訳ないが、見ていて生理的に受け付けない。あの、パステルカラーの乱用が金玉が明るくピンクに塗られてるみたいで、どうにも気持ち悪い。
「刀剣男子」の顧客対象が女子だから、男性が見て、その魅力が理解できないという可能性はある。これが「刀剣女子」で、演者が女子なら私は文句を言わないかもしれない。「刀剣男子」が歌舞伎や宝塚の演目で、もっと色味を抑えているなら私は文句を言わないかもしれない。この違和感はジャニーズ櫻井翔に感じる違和感と同質だ。確かに「王子様」であった時期はあったのだろうが、今は「ブス」じゃないだろうか。スクリーンにアップで映し出される「刀剣男子」の多くが形状は似せていても、美しく感じられない。例えば、エヴァンゲリオンのシンジやアスカをリアルに演じるとして、10代の少年少女が演じるのと、40代の男子が演じるのとでは勝手が違うだろう。そういう配慮が欠けたままずれてしまっていないだろうか。歌舞伎のルフィも変は変だが、あれは美醜を伴わない分、看過できる。ヅカは有史以来の「美」の到達点であり、化け物が跳梁跋扈していて、逆に外見に感じる違和感を感じられないレベルに高めているように見える。桑原桑原。羅列で分かりづらくなったからまとめ入れておくと、おそらく代替わりをまだしていない刀剣男子俳優の肉体的な旬は過ぎ去りつつあり、舞台で見るロングの外見より、映像で抜かれる残酷なアップが衰えを晒す。明るいパステルな装いがふとした瞬間に彼らの老いを浮かび上がらせる。断頭台かよ。それで、話が面白ければ、そういうビジュアルから目が背けられるのに、そうもなってない。本来、「刀剣」の美しさとは機能美の極限だと思うのだが、それをゴテゴテ装飾するのも本来の美しさを曖昧にしてしまっているかもしれない。まあ、擬人化ってそういうもんと言えばそういうもんだ。
出番の多さで逆に一人だけ役の異形性をたっぷり演じている鈴木拡樹だけはちょっと評価したい。


【銭】
会員ポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
映画刀剣乱舞 黎明@映画.com
▼関連記事。
刀剣乱舞 花丸(アニメ)@死屍累々映画日記・第二章
映画刀剣乱舞(実写前作)@死屍累々映画日記・第二章

『ハウ』『ヘルドッグス』『天間荘の三姉妹』『ONE PIECE FILM RED』『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』

東映株主券括りで5本。記憶もあやふやなので正々堂々とザックリ行く。

◆『ハウ』丸の内TOEI①

▲田中圭は波動雨情(通称ハウ神拳)の正式継承者。鬼滅の不死川玄弥が鬼を常食してエネルギーにしたように、ハウ神拳も犬を常食してエネルギーを得る。

五つ星評価で【★★★俺、犬好きな訳ではないので】
感想サイトでラストみんな怒ってる。ああ、そうだな。俺、犬とか猫とかと同居した事がないから、この映画の製作者同様、人間中心に考えてしまって激怒するほど悪いラストとは思えなかった。ある意味、元の鞘に納まる訳で。でも、犬好きの人は犬の気持ちで考える。確かにあのラストは変だわ。現実的ではあるかもしれないが、もうちょっと犬好きの人が納得できるウィンウィンのラストにも出来ただろうに。
池田エライザ可愛いなあ。金に困ってるなら風呂に沈められてほしい。
野間口徹と渡辺真起子の夫婦ってバランス的に無茶苦茶リアル。もう前世から夫婦だったと言っていい感じに仕上がってる。ここがリアルな分、主役サイドの田中圭と池田エライザカップルのお話の上でそうしました感が浮かび上がってしまう。田中圭も池田エライザも気持ち悪くなるほどの非共感キャラを演じたりはしないタイプなので(常に愛されキャラ)、リアル感は出ないが、ちょうどいい感は漂う。


◆『ヘルドッグス』丸の内TOEI①

▲はんにゃ金田ギリギリ、メインポスターの顔出しに漏れる。

五つ星評価で【★★★★嫌いじゃない】
同一組織内部の異分子の量が多すぎ。石を投げれば異分子に当たる、しかもみんな偉い。ヤクザなんか訳ありじゃないと真面目にやっとれんみたいな事か。役者はみな好演。はんにゃの金田哲みたいだなあと思ったら、はんにゃの金田哲だった。「中途半端」とか「晩成していない」という個性にピッタリなのは面白いキャスティング。
役者だらけの中で明らかにギャラが安いだろうに岡田准一と大竹しのぶに引けを取らない酒向芳かっけー。
「中途半端」を「中途新派」とタイプミスした。なんか受ける。


◆『天間荘の三姉妹』丸の内TOEI①

▲「でんま荘」だとまずい事に気が付いた。天間荘の泊まり客、女性客ばかりだしね。

五つ星評価で【★★うーん】
『スカイハイ』のスピンオフで北村龍平演出に惹かれて見に行ったが、見ていて入り込めなかった。前のTVドラマで釈由美子が演じていたイズコを柴咲コウが立派に継投していた。主役ののんは同じ演技しかできない人なのだと思うが、死んでまで元気じゃなくてもいいと思う。つーか150分は長くない?


◆『ONE PIECE FILM RED』ユナイテッドシネマ豊洲10
◆『ONE PIECE FILM RED』渋谷TOEI①

▲きゃーウタちゃんすてきーっ。もっとローアングルでお願い。

五つ星評価で【★★★★,★★★音楽シーンに打ちのめされるが、話の整合性は決して良くない】
ツイッターでの最初の感想(↓)

うたちゃんかーいー。かわいそう。歌はダイナマイト。木の実や悪魔の設定などの物語ラインに無理がある。全体チグハグはしてるが嫌いではない。

興行的に歌姫ウタの歌唱にAdoを起用したのが大成功。確かに見ていて引き込まれる。歌と演技をちゃんと分けた事によりバリバリ感情移入させられた。泣ける。可愛い女の子を世界中がいたぶる可哀そうな話に哀憐と興奮を禁じ得ない。一方、話を成り立たせる為の悪魔の実の機能や、異世界からの脱出方法などは用意された辻褄合わせにしか見えないし、実際そうだろう。


◆『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』プリンス品川シアター10

▲海の一族の女系は今田美桜に似てる。これは族長の奥さん(と族長)。

五つ星評価で【★★★思った以上にちゃんと見れたけどジェームス・キャメロンの才能をこのシリーズが全て吸収するほどの傑作シリーズとはやはり思えない】
ツイッターでの最初の感想(↓)

海のアバター女二人とも今田美桜に似てる。あと怒る母ちゃん怖すぎ。

他、特に思いだす事なし。


【銭】
『ハウ』:東映株主券3000円(202208~202301)をチケット屋で買って6回分のうち1回(1枚目)。
『ヘルドッグス』:東映株主券3000円(202208~202301)をチケット屋で買って6回分のうち1回(2枚目)。
『天間荘の三姉妹』:東映株主券3000円(202208~202301)をチケット屋で買って6回分のうち1回(3枚目)。
『ONE PIECE FILM RED(1回目)』:ユナイテッドシネマ、会員ポイント2ポイント使って1000円で鑑賞。
『ONE PIECE FILM RED(2回目)』:東映株主券3000円(202208~202301)をチケット屋で買って6回分のうち1回(4枚目)。
『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』:東映株主券3000円(202208~202301)をチケット屋で買って6回分のうち1回(5&6枚目)。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ハウ@映画.com
ヘルドッグス@映画.com
天間荘の三姉妹@映画.com
ONE PIECE FILM RED@映画.com
アバター ウェイ・オブ・ウォーター@映画.com
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

最新記事だ
検索できるんだ
最新コメントだ
最新トラックバック(直結)だ
俺のリンク集
カテゴリだ
月別アーカイブ(タブ)
カレンダー
04 | 2023/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる