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『テリファー』トーホーシネマズ六本木4

◆『テリファー』トーホーシネマズ六本木4

▲アート・ザ・クラウン。じゃあ、バンクシーの正体はこいつって事で。

五つ星評価で【★★★★これはかなり好き】
なんかこれはかなり好き。
アート・ザ・クラウンという殺人ピエロに付きまとわれる一群の一夜の話であるが、殺戮対象が割と行き当たりばったりで、殺人鬼のアート・ザ・クラウンも殺人アイコンとしては無敵ではない。けっこう反撃にもあってるし、打ち負かされてる場面も多い。だが、このアート・ザ・クラウンが好きだ。見る前と見た後で違いがない。ズレがない。齟齬がない。これは多分、アート・ザ・クラウンが殺人をするだけの装置であって、様式はあるものの内面がないからだと思う。見る前も、見た後も、謎のまま。理由もへったくれもない。殺される者はただ単に、運悪くその場所に居合わせたからただ死ぬのである。今まで主人公として振舞ってきた者を突然轢き殺すダンプに似てる。ダンプに内面はない。ただ、行使された結果が残るだけだ。
主人公や、その近辺の者は泣き叫び、哀願する。だが、その声はアート・ザ・クラウンには届かない。彼はパントマイムのみで声を発さず、声を聞いているかどうかも分からない。その場にいるのに違う時間が流れているようだ。意思の疎通を欠く者はそれだけで怖い。日本人が他国籍の者を「外人」と言って分けるのもそこに発している。話が通じない者は怖い。このまま後から公開される二作目でも彼の内面が一切描かれなかったらいいなと思う。
「話さない」という特徴のないキャラクターなのだが、いかりや長介が白塗りして、一切話さなかったら、立ち振る舞いも含めて、アート・ザ・クラウンに似てる気がする。同じ白塗りの麿赤児より似てそう。麿赤児は内面深そうだ。話をしないいかりや長介には内面がなさそう。

内面がなさそうなアート・ザ・クラウンだが、最初にあの二人を獲物に据えたのは賛成したい。殺戮者に内面があろうが、なかろうが、あの二人は社会にいらない、で正解だろう。

テリファーにお兄さんがいたらドリファーか?


【銭】
トーホーシネマズメンバーズデー(火曜)で1200円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
テリファー@映画.com
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プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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