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『フラッシュ・ゴードン』『若様やくざ 江戸っ子天狗』『トップをねらえ!』『トラック野郎 度胸一番星』『バックドラフト』『蛇の道』『地球防衛軍』『アリゲーター』『戦艦ポチョムキン』『幸福』

旧作囲みで10本。

◆『フラッシュ・ゴードン』ヒューマントラストシネマ渋谷2

▲主人公が濁音無しで「フラッシュ・コートン」だったら弱そう。

五つ星評価で【★★筋肉で胸焼け】
4Kデジタル化記念リバイバル。
1981年、カラー、110分、初見、マイク・ホッジス監督作品。
何つかお好きな皆さんには申し訳ないんだけど、俺、これは苦手な映画。
主人公の筋肉に頼った攻撃と各キャラクターの衣装デザインがゲイちっくに見えてどうにも肌に合わない。
先日、見直しの機会を得た『地球防衛軍』で、地球人側が遥かに優れている筈の宇宙人の科学を同じ科学の力で打ち破る(そればかりでもないのだが)。それに抵抗がなかったのは、見ている自分が日本人であり、筋肉にあまり重きを置いていず、『フラッシュ・ゴードン』よろしく、街中で宇宙人に敵いそうな知的で正義なビルダーを見る事がないからだろう。ミキティー。


◆『若様やくざ 江戸っ子天狗』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★★若様を好きになれない】
特集「野上龍雄遅すぎた再発見」の1プログラム。
1963年、カラー、91分、初見、工藤栄一監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

お奉行様の息子の大川橋蔵が勘当されて長屋暮らしの遊び人に。すげーのは橋蔵働かないで威張ってる。正しいのは橋蔵だが、悪人はちゃんと法に乗っ取って悪事を働いている。そういう点、無視して勢いだけで悪人を成敗して、それが通ってしまうのはやっぱ良くないだろう

大局的には橋蔵正しいのだけど、相手がちゃんと詐欺まがいの契約であったとしても契約書とか、ちゃんと仕上げて理詰めで来るのに、その辺りを無視して正義ゴリ押しで、スッキリしない状態で問題を解決してしまうのはいけないだろう。赤貧の被害をもっとも色濃く受けるのが左卜全。適役すぎる。ラスボスが佐藤慶。この佐藤慶が橋蔵の父、山形勲お奉行の正義の威光を恐れて、自分へのご褒美になる筈だったワイロの別荘を諦めてしまう。イヤイヤ、悪い奴は粘れよ。そこで諦めたら小悪党側に歪みが行くだろう。


◆『トップをねらえ!』EJアニメシアター新宿

▲こんなハイレグ反則だろ。下に厚手のタイツとか履いてても興奮するぞ。

五つ星評価で【★★★,★★★★、前編よし、後編更に良し】
4Kデジタル化記念リバイバル。
1988年、カラー、160分、二回目、庵野秀明監督作品。
前編のともかくモテないお宅男子に向けての、キャラクター設定上ボインではないが、主人公の胸は運動においてちゃんと揺らせて見せます、という筋違いのサービスが今、見るととても居心地が悪い。みんなやるしかないという思いつめた気迫で、挑んだのだろうが、時代が変わってしまったのだ。
後編のともかく心を抉るようなSF設定は打たれる。主人公達は死にはしないが、彼等が故郷の同胞を助ける為に行う行為は、彼等の仲間との永遠の別れを意味するのだ。ラスト攻撃でのおっぱい露出は理屈がギリ通るので居心地が悪いながらもちょっと認めてあげたい。よく考えた。
この作品の前提に1977年の富野由悠季による『無敵超人ザンボット3』があり、空気感を継承した作品に2002年に新海誠がたった一人で作った『ほしのこえ』がある。それは誰かのために戦う戦士が敵に心を揺さぶられながらも、孤独に使命を全うする映画だからだろう。三作ともエンディングはハッピーエンドの体裁を整えているが、100%のハッピーエンドではない。あっ、『ほしのこえ』は全然ハッピーエンドではないか。あれは終わり方が気持ちいいから、ハッピーエンドに思えてしまうんだよね。


◆『トラック野郎度胸一番星』神保町シアター
五つ星評価で【★★あれ?】
特集「男が惚れる男たち」の1プログラム。
1977年、カラー、100分、初見、鈴木則文監督作品。
シリーズ第五作。なんか妙に笑えなくて面白味が薄い。
今回文太と張り合う千葉真一も最初の意地悪っぷりがセコいし、仲直りした後もそんなに気持ちいい感じではない。片平なぎさは可愛いけど、文太と相思相愛にさせておいて、あんな切り方はないだろう。


◆『バックドラフト』トーホーシネマズ池袋1
五つ星評価で【★★★★炎の美しさを見よ】
特集「午前10時の映画祭13」の1プログラム。
1991年、カラー、137分、二回目、ロン・ハワード監督作品。
生き物のように這いずり回る炎の美しさよ。
そこを職場と定めて命を懸けて活躍する男たちの気高さよ。
後に『料理の鉄人』の劇伴に転用された重厚な主題曲は何度聞いてもよい。
デ・ニーロずっとタバコ吸ってる。昔の男はタバコを吸う事がかっこよさのステイタスだったのだなあ。


◆『蛇の道』神保町シアター
五つ星評価で【★★★哀川翔が正しいのだろうけど得体が知れない】
特集「男が惚れる男たち」の1プログラム。
1998年、カラー、85分、3回目、黒沢清監督作品。
香川照之も哀川翔も若くってエグ味が少ないところが見どころ。
哀川翔の変加減が際立ってる。作品世界の中で「子供を殺してはいけない」と言うのがおそらく唯一のルールであり、それを破るものには容赦のない結果が待っているのだが、本来は「大人も殺してはいけない、無駄に傷つけてはいけない」と言うルールが観客の見ている世界にはある。それはすっかり忘れさせられている。


◆『地球防衛軍』トーホーシネマズ新宿12

▲総天然色だからミステリアンはカラー・バリエーションが多いのかもしれん。レッド、ブルー、イエローで遊星戦隊サンテリアンだ。

五つ星評価で【★★★大宇宙を股にかけて日本人と宇宙人が女を取り合いする変な映画】
特集「午前10時の映画祭13」の1プログラム。
1957年、カラー、89分、二回目、本多猪四郎監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

伊福部メロディがウキウキ。最初の祭シーンでお面屋が素晴らしい。間合いを詰めてくマーカライト・ファープが可愛い。モゲラは能力あるのに活躍できない。ミステリアンのスーツはブカブカで成人用オムツの延長っぽい。

モゲラ弱い。と言うか、大した兵器ではあるのだけど、映え要素が低い。あんなオウンゴールみたいな負け方ダメだろう。そういう意味で怪獣ではないけど少しずつ敵に向かって自走するマーカライト・ファープの方が何か評価できる。ダメな子が一生懸命なのは萌えるみたいな感じ。

▲積み木みたいなデザインのモゲラ。巨大達磨落としみたいなハンマーが出てきたら負けそう。

しかし、ミステリアンの目的が「女強奪」ってのは、日本人らしい発想ではないだろうか?『復活の日』でも、最後は女の取り合いが世界最後の戦いだし。基本、女性(と言うより女性が持つ性行為能力、平たく言うと「おま〇こ」)の優先度が日本人って物凄く強いんじゃないだろうか? この映画はスペル星人みたいな被爆男子が女子を強奪しに来るからダメなのであって、物凄くファンデーションをちゃんと塗ったラムちゃんみたいな宇宙少女(AVではない)が男子募集に来たらホイホイ付いていって問題なかったと思う。だって日本の野郎どもは「おま〇こ」大好きなのだから。多分、宇宙人の「おま〇こ」とかオールOKと思うよ。「ミミズ千匹」みたいな。宇宙人の外見そのものが「ミミズ千匹」だったら流石に引くし萎えるかもしれん。日本人同様、女を強奪しようとやってきた男のミステリアンを見て、彼らも又、男尊女卑なのかと思う。人類が(と言うより日本人が)ミステリアンと同じ道を選ばない為には女尊男卑しかないかもしれん。奇麗だったり可愛かったりする女の子にはみんな女王様ルックを着てほしいわあ。いかん、性癖の話になってしまった。
女を奪う点は別にして、ミステリアンってけっこう簡単に嘘をつく。女3人寄こせと言っておいて、牢屋の中、女だらけとか。そんな信用に欠けるところも日本人に似てる。


◆『アリゲーター』シネマート新宿2

▲のっしのっし  右の逃げる奴らポーズ決まりすぎ。

五つ星評価で【★★★★ルイス・ティーグらしい泥臭さ】
4Kデジタル化記念リバイバル。
1980年、カラー、91分、初見、ルイス・ティーグ監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

最初のピンポイントチラ見せが効果的(特に目がいい)。全体見せてからも色々なアングルで見せたり着々と被害者増やしたりサービス精神旺盛。爬虫類女教授よし。主人公の薄毛マッチョには勿体ない。タイトルは果てしなく「ありがとう」っぽい。

うひひ。『アリゲーター』おもしれえじゃん。しかし、何で、ハゲを主役にしてしまうかね。そら、プロデューサーがマヌケなのか。監督がルイス・ティーグだけにオシャレな映像にはならず、始終泥臭い。下水の映画だからしょうがないか。アリゲーターが襲ってくる前の前兆映像が流石ルイス・ティーグしっかり仕事してるな。けっこうアリゲーターの登場シーンの見せ方や見せなさ方が上手い。見せないで引っ張った後にドーンと見せたりが気持ちいい。アリゲーター口がでかすぎて本当はデザインそんなに良くないけど、見てる時はあの口のでかさが攻撃的過ぎてデザインとか考えにも及ばない。ハゲ刑事と爬虫類女教師の恋の行方とかは本気でどうでもいい。

▲公開当時のチラシ。人間の連続殺人鬼ものみたいなデザイン。
いかにも新宿オデヲン座でかかりそうな映画。


◆『戦艦ポチョムキン』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★ポチョム菅井きん】
特集「日常と戦争そして旅 ウクライナ・ジョージア・ソ連映画」の1プログラム。
1925年、白黒無声、71分、初見、セルゲイ・M・エイゼンシュタイン監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

冒頭から捲し立ててくるBGMが伊福部昭みたいでかっけー。エイゼンシュタインの編集は当時は凄かったろうが今、見ると繰り返しがくどいのは仕方なかろう。肉が原因の反乱とは。食べ物の恨みはバカにできない。ロシア水兵、ハゲと髭が多く鬼越トマホーク率高い。

無声映画初期のカット繋ぎは群衆の中のこれぞという人物のクローズアップ&感情表現をバリバリ見せるという事で、カール・テオドア・ドライヤーの『裁かるゝジャンヌ 』に演出が似てる。CGがない時代、人件費が安いのかバカみたいに群衆が集まる。今はデジタルで増やせるが、こういう生の群衆を無尽蔵に使えるのは『風と共に去りぬ 』でもそうだが、贅沢な事だ。それぞれが違う人間だから、群衆にムラがあったり、動きがチグハグだったりするのがデジタルだと逆に出来ない。とはいうものの、群衆が主役ではないので、全部CGに置き換えられても案外気づかないかもしれない。
ガミラスが攻撃したのがロシアの台地でアニメが作られたのがソ連だったら、イスカンダルまで行くのは『宇宙戦艦ポチョムキン 』だ。デスラーも総統ではなく皇帝で、イスカンダルはガミラスと38度線で主義を争う共産主義人民国家なのだ。問題はささきいさおが歌うサビの「宇宙戦艦ポチョムキン」がメロディーに乗りづらそうという事ぐらいだ。宇宙戦艦ポチョムキンの中には女性労働者はモリ・ユキビッチ一人で全ての男性労働者の為に共産主義的に愛を奉仕する。いいな、ちょっと乗りたいな。でも、肉は腐っていて蛆が沸いてる。イスカンダルで一人しかいないスターシア・ビッチを共産主義人民全員でダメだダメだ。ひどい性癖にしかつながらん。でも、オリジナルの『戦艦ポチョムキン 』みたいに筋肉男しか乗船してないのは、ロマンがないよ。

ちなみにイスカンダルまで行くのは『宇宙戦艦ポチョムキン 』だ。の部分、パソコンのカット&ペーストを間違えてイスカンダルまで行くのはミミズ千匹だ。と貼り間違えてしまった。外見がミミズ千匹だったら流石に引くが、モリ・ユキビッチがミミズ千匹だったら乗船したい。ミミズ千匹エンジンとか、ミミズ千匹砲でガミラスとも戦いたい。みんな気持ちよくなって幸せで、「私たちがする事は戦う事ではなく、愛し合う事だったのよ」で共産主義的にみんな宇宙愛に包まれるのもいいかもしれない。おおおおおおおおう。どんな映画レビューだよ。


◆『幸福』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★蔵出しフィルムだが無音上映はキツい】
特集「日常と戦争そして旅 ウクライナ・ジョージア・ソ連映画」の1プログラム。
1934年、白黒無声無伴奏、65分、初見、アレクサンドル・メドヴェトキン監督作品。
あーやっぱサウンド版のない無伴奏版はキツい。
貧乏ひげ爺と強欲爺、ヤング主人公と剛力妻。足のある家などビジュアル的にロシアン悪夢な見どころも多いけど、もう一回見るのはキツくてやだ。


【銭】
フラッシュ・ゴードン:テアトル会員割引+曜日割引使用で1100円(旧価格)
若様やくざ 江戸っ子天狗:ラピュタ阿佐ヶ谷一般料金1300円。
トップをねらえ!:番組均一料金1200円×2(前後編興行)
トラック野郎 度胸一番星:神保町シアター一般料金1300円。
バックドラフト:朝10企画料金1500円
蛇の道:神保町シアター有料入場スタンプ5回と引き換えに無料入場。
地球防衛軍:朝10企画料金1500円
アリゲーター:テアトル会員割引+曜日割引使用で1200円
戦艦ポチョムキン:シネマヴェーラ渋谷一般料金1300円-会員割引400円。
幸福:シネマヴェーラ渋谷一般料金1300円-会員割引400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
フラッシュ・ゴードン@映画.com
若様やくざ 江戸っ子天狗@映画.com
トップをねらえ!@映画.com
トラック野郎 度胸一番星@映画.com
バックドラフト@映画.com
蛇の道@映画.com
地球防衛軍@映画.com
アリゲーター@映画.com
戦艦ポチョムキン@映画.com

『幸福』は@映画.comに作品情報なし。
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
バックドラフト@或る日の出来事
地球防衛軍@徒然なるままに
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プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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