『ドミノ』新宿ピカデリー1,『SISU シス 不死身の男』トーホーシネマズ新宿11
- Date
- 2023/10/31/Tue 09:42
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
同日鑑賞2本をまとめてレビュー。
◆『ドミノ』新宿ピカデリー1

▲よれよれ父ちゃんが板につく悩めるバットマン。
五つ星評価で【★★★まあまあ】
『ドミノ』って邦画タイトルだけど、内容にも即していてこっちの方が原題より本当のタイトルっぽい。原題の『HYPNOTIC』は、まあ、訳してみるとそのまんまみたいなタイトルで、ネタバレっぽくもあり、興醒めする(あえて訳さない)。しかし、映画内でウィリアム・フィクトナーが使うこの能力がある意味、限界がないのが脚本構成上の問題なのだと思う。普通は能力封じの方法を考える。あれだな、能力封じの方法としてもっともやってはいけないのが『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で炭治郎の幻を見せられている事が分かったら、自分の頸動脈を斬るという奴だな。そこで映画、終わってしまう。ただ、能力の弱点がはっきりしないのは問題で、映画製作者側が勝たせたい奴を勝たせる事が縛りなく出来てしまう。それは映画の話法としてつまらないだろう。
ベン・アフレック。日本読みで「便、溢れ尽く」うわあ、そんなこと思いつくなよ俺。
ベンが主役の映画なら大丈夫、みたいな実績がある。星がきらめくようなスターじゃないけど実直に生きてきた地味な男の顔で、男はそういう男が好き。一応言っておくがホモではない。
町のセットが簡素かつ明解なのが楽しい。つまり、あれ、集団で3Dゴーグル掛けてふらふらしてるような映画な訳だ。幻を見せられているAパートはゴージャス、現実を見せられているBパートはしょぼい。Aパートをワイプで抜いたBパートの映画があったらちょっと見たい。舞台裏が張り子状態なのが押井守の『紅い眼鏡』まんまだった。偽装されている世界の方が立派というのは『サロゲート』の社交はロボット、本体は引きこもり。だからロボットは髪ふさふさだけど、ブルース・ウィリスは禿げと言うのにも通じる。そうするとAパートはベン・アフレックだが、Bパートはジミー土田という配役もありかもしれない。Bパートの奥さんはあき竹城だったりしそうだ。5分くらいしか見たくないなBパート。逆に実は本当はラジニカーントが主役のCパートがあったら、それが一番面白いかもしれん。ひと押しで〈世界〉は崩れだす。というコピーもひと押しで〈世界〉は踊りだす。に変更だ。
いやまあ、決して嫌いじゃないけど、昔からある映画のアイデアにしては新しい工夫がなく、とりあえずCGいっぱい使いましたって言うのはロバート・ロドリゲスとしてはそれでいいの? 映画の最後に回り続けるコマとか出せと思ったけど、それも他の映画のネタだ。
悪の組織の赤いブレザーがケイン・コスギのセンチュリー21味が高かった。
娘を探そうとするベン・アフレックが『search サーチ』みたいに、インターネットだけで、娘を探そうとしたらウィリアム・フィクトナーも困ったことだろう。
ドミノピザはベン・アフレックにピザを食わせて「現実も忘れる味」とか言わせればよかったのに。
◆『SISU シス 不死身の男』トーホーシネマズ新宿11

▲燃える構図。
五つ星評価で【★★★理屈がない暴力だけの映画。でもまあ、それでよし】
「SISU」という言葉は翻訳不能らしい。おそらく「不撓不屈」に近そうだとは思っているが、それ以上にきっと近いと思わせる言葉がある。「大和魂」。翻訳できなかろう。その一点しか似てない可能性もある。炸裂する「フィンランド魂」と理想の第三帝国を築かんとする「ナチス魂」がぶつかり合う。生命力強そうな「フィンランド女魂」も燃える。と言うか「魂」を付けると薄いものが濃くなるようで良いなあ。
ただただダイ・ハード(くたばらない奴)と言う主人公は地味で良い。汚れまくったからお国フィンランドなので、サウナに入って汗を流してほしい。
「ウエスタン」に対して「マカロニウエスタン」という加工があるなら、これは「戦争映画」を加工した「マカロニ戦争映画」であろう。
【銭】
ドミノ:ピカデリー前回有料入場割引1400円。
SISU シス 不死身の男:トーホーシネマズが突発的にメンバーズデーを設けていて1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・ドミノ@映画.com
・SISU シス 不死身の男@映画.com
◆『ドミノ』新宿ピカデリー1

▲よれよれ父ちゃんが板につく悩めるバットマン。
五つ星評価で【★★★まあまあ】
『ドミノ』って邦画タイトルだけど、内容にも即していてこっちの方が原題より本当のタイトルっぽい。原題の『HYPNOTIC』は、まあ、訳してみるとそのまんまみたいなタイトルで、ネタバレっぽくもあり、興醒めする(あえて訳さない)。しかし、映画内でウィリアム・フィクトナーが使うこの能力がある意味、限界がないのが脚本構成上の問題なのだと思う。普通は能力封じの方法を考える。あれだな、能力封じの方法としてもっともやってはいけないのが『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で炭治郎の幻を見せられている事が分かったら、自分の頸動脈を斬るという奴だな。そこで映画、終わってしまう。ただ、能力の弱点がはっきりしないのは問題で、映画製作者側が勝たせたい奴を勝たせる事が縛りなく出来てしまう。それは映画の話法としてつまらないだろう。
ベン・アフレック。日本読みで「便、溢れ尽く」うわあ、そんなこと思いつくなよ俺。
ベンが主役の映画なら大丈夫、みたいな実績がある。星がきらめくようなスターじゃないけど実直に生きてきた地味な男の顔で、男はそういう男が好き。一応言っておくがホモではない。
町のセットが簡素かつ明解なのが楽しい。つまり、あれ、集団で3Dゴーグル掛けてふらふらしてるような映画な訳だ。幻を見せられているAパートはゴージャス、現実を見せられているBパートはしょぼい。Aパートをワイプで抜いたBパートの映画があったらちょっと見たい。舞台裏が張り子状態なのが押井守の『紅い眼鏡』まんまだった。偽装されている世界の方が立派というのは『サロゲート』の社交はロボット、本体は引きこもり。だからロボットは髪ふさふさだけど、ブルース・ウィリスは禿げと言うのにも通じる。そうするとAパートはベン・アフレックだが、Bパートはジミー土田という配役もありかもしれない。Bパートの奥さんはあき竹城だったりしそうだ。5分くらいしか見たくないなBパート。逆に実は本当はラジニカーントが主役のCパートがあったら、それが一番面白いかもしれん。ひと押しで〈世界〉は崩れだす。というコピーもひと押しで〈世界〉は踊りだす。に変更だ。
いやまあ、決して嫌いじゃないけど、昔からある映画のアイデアにしては新しい工夫がなく、とりあえずCGいっぱい使いましたって言うのはロバート・ロドリゲスとしてはそれでいいの? 映画の最後に回り続けるコマとか出せと思ったけど、それも他の映画のネタだ。
悪の組織の赤いブレザーがケイン・コスギのセンチュリー21味が高かった。
娘を探そうとするベン・アフレックが『search サーチ』みたいに、インターネットだけで、娘を探そうとしたらウィリアム・フィクトナーも困ったことだろう。
ドミノピザはベン・アフレックにピザを食わせて「現実も忘れる味」とか言わせればよかったのに。
◆『SISU シス 不死身の男』トーホーシネマズ新宿11

▲燃える構図。
五つ星評価で【★★★理屈がない暴力だけの映画。でもまあ、それでよし】
「SISU」という言葉は翻訳不能らしい。おそらく「不撓不屈」に近そうだとは思っているが、それ以上にきっと近いと思わせる言葉がある。「大和魂」。翻訳できなかろう。その一点しか似てない可能性もある。炸裂する「フィンランド魂」と理想の第三帝国を築かんとする「ナチス魂」がぶつかり合う。生命力強そうな「フィンランド女魂」も燃える。と言うか「魂」を付けると薄いものが濃くなるようで良いなあ。
ただただダイ・ハード(くたばらない奴)と言う主人公は地味で良い。汚れまくったからお国フィンランドなので、サウナに入って汗を流してほしい。
「ウエスタン」に対して「マカロニウエスタン」という加工があるなら、これは「戦争映画」を加工した「マカロニ戦争映画」であろう。
【銭】
ドミノ:ピカデリー前回有料入場割引1400円。
SISU シス 不死身の男:トーホーシネマズが突発的にメンバーズデーを設けていて1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・ドミノ@映画.com
・SISU シス 不死身の男@映画.com
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