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『ウルトラセブン Legend』トーホーシネマズ池袋1

◆『ウルトラセブン Legend』トーホーシネマズ池袋1

▲ダン。

五つ星評価で【★★★★こんなん泣く泣く】
「ウルトラセブン」は子供が大人に立ち向かえるコンテンツだった。決して「子供騙し」ではない。
だから、当時の子供たちは「セブン」を推した。多くの人にとって推しの特撮ドラマだったのだ。
そんな「推し」をベタぼめしてくれる。気持ちよくない訳がない。
「特撮プロジェクトⅩ」みたいなもの。そら、泣く。
画面もでかいし、音もいいし、当時のフィルム映像が大画面に負けていない。
そして褒めまくるのだ。こんなん泣く泣く。

もちっと述べてもらいたかったのは欠番の12話の話と、
金城がノンマルトに仮託して語ったのは映画内で「米兵と日本人」みたいに言われているが、実は「ヤマトンチュー(内地の人間)」と「イトンチュー(沖縄県民)」の構成だった事だ。キリヤマの雄姿はアイヌや琉球王国を滅ぼした現生日本人であるのだと。

コメント先のブログ「徒然なるままに」のエクスカリバー氏が言うように10年早く作れなかったのか、と言うのは正論であるが、出来た事を素直に喜びたい。出来れば、これを契機に、円谷の他の作品も同じように取り上げてもらいたい。


【銭】
番組特別価格1600円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ウルトラセブン Legend@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
ウルトラセブン Legend@徒然なるままに
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『ジョン・ウィック コンセクエンス』トーホーシネマズ新宿4

◆『ジョン・ウィック コンセクエンス』トーホーシネマズ新宿4

▲大げさな舞台設定も含めて『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』感が強い。真ん中のあれもあれだが、キアヌ・リーブスがGACKTで、ビル・スカルスガルドが片岡愛之助でも思った以上に違和感ないと思う。しかし、こうやって大道具小道具見てると本当に魔夜峰央チックな世界観で、キアヌ・リーブスとビル・スカルスガルドがディープ・キスしたりしても格段に絵が持ちそう。その辺の感覚で見るとドニー・イェンと真田広之はちょっとランク落ちするかも。ホモはやはり西洋人同士だな。ネオテニー族である東洋人は少年愛が映える(脱線の仕方がひどい)。

五つ星評価で【★★★なげーよ】
単純に長い。
169分はいらないだろ。時間に余裕のある若者と違って、老人に残された時間は少ないし、長いとよっぽど面白くないと脳が持たない。もう、ずっとアクションに次ぐアクションで169分と言うのはアクション・ジャンキーにはたまらないだろうが、私は普通の人なのだ。もしくは普通以下の人なのだ。だって、キアヌ・リーブスがヌンチャクを使うシーンなど色々なバリエーションを使って延々と敵と対峙するが、あれ、あんなに長くなくていい。バリエーションなしは勿体ないにしても5人や6人、延々と全バリエーションを見せなくてもいい。アクションの図鑑だったり辞典にしなくていい。あの銃をはじくスーツも決着が付きづらく、アクションのかっこよさを削いだ。ガッと撃ってガッと倒すかっこよさと言うのもあるのだが、全て受け流す形にして爽快感を奪った。無敵感は増したし、そういう銃を受け付けない相手のピンポイント弱点を撃ち抜く事で勝つ技術の強さも見れるのだが、それは通常のルーチンな銃撃戦と違うのでカタルシスを得づらい。

ドニー・イェンや真田広之を堪能しつつも全体としては疲れた、終わった、まあこれで纏まったという安堵の方が強かった。「スター・ウォーズ」サーガ見終わった時みたい。
神なドニーさんは勿論、真田広之も美味しい。やりようによっては銃に置き換えて渡辺謙キャスティングでも成立しそうだけど、アクション役者の真田広之を見れるのは凄く良い。そこは嬉しい。

しかし、そんな強者がヒイヒイ言う中で、犬持ちの黒人のメンタルが妙にアマチュアでバランス悪くない? 犬が大事なのか。

「ビル・スカルスガルドビル・スカルスガルドビル・スカルスガルド」三回言うと早口言葉だ。

真田広之の娘役リナ・サワヤマのスタントダブルを『ベイビーわるきゅーれ』の金髪の子がやっていて、モロ『ベイビーわるきゅーれ』と同じ動きが採用されていたのは嬉しかった。おれ「ジョン・ウィック」よりは「ベイビーわるきゅーれ」の方が好きなのだな。一作目の『ジョン・ウィック』は単純明快なアクション物で好きよ。


【銭】
トーホーシネマズのメンバーズデーで1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ジョン・ウィック コンセクエンス@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
ジョン・ウィック コンセクエンス@ノラネコの呑んで観るシネマ
ジョン・ウィック コンセクエンス@ここなつ映画レビュー
ジョン・ウィック コンセクエンス@風に吹かれて
ジョン・ウィック コンセクエンス@ノルウェー暮らし・イン・原宿
▼関連記事。
あとで

『野獣たちのバラード』『アダマン号に乗って』『Dr. Bala』『バンクシー 抗うものたちのアート革命』『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』『共に生きる 書家金澤翔子』『わたしたちの国立西洋美術館』『夢みる校長先生』『シン・ちむどんどん』『キャメラを持った男たち』

実話系で10本。寝かせすぎて記憶が定かじゃないから簡単に。

◆『野獣たちのバラード』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★宇野重吉の声が重くて良し】
特集「日常と戦争そして旅 ウクライナ・ジョージア・ソ連映画」の1プログラム。
1965年、白黒、125分、初見、ミハイル・ロンム監督作品。
ソ連から見た第二次大戦中のドイツの独裁主義を弾劾する映画。最初に子供の笑顔を見せておいて、その映像にアウシュビッツの死骸の映像を被せてくるのは効果的だが、そんなんやるなよなしんどさ。
1000年持たせるヒトラーの本『我が闘争』の作成風景とか凄い。アドルフさん達、本気だったんだな。


◆『アダマン号に乗って』新宿武蔵野館1

▲アダQ、アダマン、アダセブン、帰ってきたアダマン。何言っとんねん、俺。

五つ星評価で【★★穏やかな船の様に流れがゆるやか】
フランスのセーヌ川に浮かぶデイケアセンターの船「アダマン号」の患者や看護師、職員の日常を映しだしたドキュメンタリー。上手い事回ってるので衝突や諍いも目を引くほど起こらず、映す姿が日常的。フランス人の病んでる人、介護してる人の見分けもそうそうつかず何となく船に乗るとか乗らないとかでなく、映画に乗りそこなった。
ちなみにアダマンチウム(ウルヴァリンの爪の材質)で出来た船ではない。木造船だそうである。


◆『Dr. Bala』ポレポレ東中野

▲海外の無医村にどんどん出ていく日本人医師バラー。ちょっと外見、山本太郎っぽい。

五つ星評価で【★★★★凄いよバラー】
規格外の医師バラー。大金を取らない現実的なブラック・ジャックみたいな先生。善人が活躍したり、褒められたりする映画は嬉しい。凄く面白い映画なのだが、感想ほっておいてる間にすっかり忘却にやられてしまった。


◆『バンクシー 抗うものたちのアート革命』ヒューマントラストシネマ渋谷2

▲バンクシーのイメージって肌の露出がない。案外、中山きんに君みたいだったら笑う。

五つ星評価で【★★作品より解説が長い】
出自や経緯は知らないでもないし、謎の覆面アーティストだから、全てを明らかにする事もできない。ならば、業界の人が御託を並べるよりも、より多くの作品が見たかった。バンクシーに対して、誰かが何かを語る部分の多さにちょっと辟易した。バンクシーの外聞が知れても、それが分かって作品の価値が変わるとも思わないから。


◆『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』ポレポレ東中野

▲「先生の言うことを聞いていたのに!!」と言うのがキラーワード。

五つ星評価で【★★★★当たり前の事が捻じ曲げられていく、それを許さないとした人たちの戦いの記録】
東日本大震災の津波が起こった時、被害にあった小学生の親達が自分たちの子供が助かったのではないかという事を争う裁判を追ったドキュメンタリー。誰かの罪を明らかにしようという目的ではなく、ここで事実を明らかにする事で次の被害を防ぐという正しい考えがある。そんな彼等に隠蔽しようという外圧がかかったり、組織内部での分裂が起きたり、たいへんつらい内容をフラットに撮影している。やらなければいけない事をやるプロの弁護士達がかっけー。


◆『共に生きる 書家金澤翔子』シネスイッチ銀座1

▲多分、私や普通の人の頭の中に「書家」や「芸術家」は必要以上に苦しみを感じて悲壮な思いで芸術を生み出さなくてはならないという固定観念がある。

五つ星評価で【★★★いい話だがいい話なのか】
ダウン症と診断された娘を書家として独り立ちさせる母の話、娘の話。
ただ、危ういなと思うのは「書」は体裁が整えば内容・精神が伴わなくても、立派に見えるので、形状記憶装置のブラックボックスロボットとして娘が「書」を出し続けてるだけなのでは、という疑問がある。それは私がたいそうな悪筆持ちであるにもかかわらずそういうインチキ書道が割りと得意だからそう思うのだ。粘度の高いポスターカラーを少量の水で溶いて面相筆に含ませて、筆を寝かせて書くと、それなりにダイナミックな書家らしい字体になる。もちろん私は高貴な精神性ゼロでそういうのが書けるのだ(書家らしいと自認してるだけで本当に人に鑑定されたらコテコテにダメ出しされるかもしれん)。
でもまあ、よかろう。精神性があろうが、なかろうが、古代中国の写経や写本を写して国内でも学生書道家が上手下手を争ったりするのだから(ソースは『とめはねっ!』)。そこに何が書かれているとか、どこまで意識しているか分からない。なら、ダウン症の彼女もそう違いがないのではないか。多分、何となくコンプレックス的に、そこで追い抜かされると思わなかった存在に追い抜かされた事がイヤなんだよな。


◆『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』イメージ・フォーラム2

▲「いたたたたたたたた」

五つ星評価で【★★★国立西洋美術館の精神性が凄いのだが、鑑賞者の精神性が劣り気味なので、あまり伝わらず】
彫刻運ぶとき、ギプスみたいになる外観がおもろいなと思った。他は特に記憶なし。


◆『夢みる校長先生』シネスイッチ銀座1

▲「校長先生の夢は全女子生徒と結婚する事です」「そんな映画の訳があるかあ!」

五つ星評価で【★★★校長先生が夢を見たっていいじゃないか】
キョンキョンがナレーター。
校長先生が、と言うか、一つの教育単位として、学校が他と違う事をやろうとすると、割といろんな手があるのだ。その上手くいった例と、その手引き集。


◆『シン・ちむどんどん』ポレポレ東中野

▲対抗二人のダメ加減を見て、そら、玉城デニー勝つやろと思った。

五つ星評価で【★★★てーげーな題名だ】
ダースレイダーとプチ鹿島による選挙映画第二弾。
第一弾の方が楽しく見れたのは途中から「沖縄」への傾倒が大きくなりすぎたからか?


◆『キャメラを持った男たち 関東大震災を撮る』ポレポレ東中野

▲後ろでチロチロ燃えている。今よりずっとみんなステテコ。

五つ星評価で【★★惨状見たさに見に行った俺がダメ】
関東大震災の時、その惨状を映画フィルムに残した人達がいた。
どんな人達がどんな経緯で撮影したか、などの検証。
「すんげえ惨状」みたさに見に行くが、そんな「すんげえ惨状」は映らない。
遠方に煙が見えたり、人が密集してたり。
パニック状態がひどいと、カメラ撮影もできそうにないし、あまり状態がひどいと撮影クルーそのものが被災に会ってフィルムも残らなかっただろう。
ただ、何気に撮影した地面に死体が積み重ねられており、その意思のない脱力さと、膨らみ方が、空襲やナチスの収容所で見れる死体の山と同様であり、今、死に行く人は撮影できなくても、死んでしまった人は山ほど身近にいた異常さを垣間見させてくれる。


【銭】
野獣たちのバラード:シネマヴェーラ渋谷一般料金1300円-会員割引400円。
アダマン号に乗って:武蔵野興行水曜サービスデーで1100円(おそらく旧料金)。
Dr. Bala:ポレポレ東中野5回券6000円のうち2回目使用。2023年2月19日購入。
バンクシー 抗うものたちのアート革命:テアトル会員割引+曜日割引で1100円(旧料金)。
「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち:ポレポレ東中野5回券6000円のうち3回目使用。2023年2月19日購入。
共に生きる 書家金澤翔子:テアトル会員割引+曜日割引で1100円(旧料金)。
わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏:イメージ・フォーラム月曜サービスデーで1200円(おそらく旧料金)。
夢みる校長先生:テアトル会員割引+曜日割引で1200円。
シン・ちむどんどん:ポレポレ東中野5回券6000円のうち4回目使用。2023年2月19日購入。
キャメラを持った男たち 関東大震災を撮る:ポレポレ東中野5回券6000円のうち5回目使用。2023年2月19日購入。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ありふれたファシズム 野獣たちのバラード@映画.com
アダマン号に乗って@映画.com
Dr. Bala@映画.com
バンクシー 抗うものたちのアート革命@映画.com
「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち@映画.com
共に生きる 書家金澤翔子@映画.com
わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏@映画.com
夢みる校長先生@映画.com
シン・ちむどんどん@映画.com
キャメラを持った男たち 関東大震災を撮る@映画.com

『野獣たちのバラード』は映画.com内では『ありふれたファシズム 野獣たちのバラード』というタイトルで表記。

『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』イオンシネマシアタス調布7

◆『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』イオンシネマシアタス調布7

▲はいせんす。

五つ星評価で【★★★★好き】
むちゃ直球でくだらないが、絵がステキ。
死屍累々と打ち捨てられているトビタの絵の悲しい事。
ウィリー・ウォンカ風タコ工場の何も意味のない事。
見た事がない奈良の鹿のマシマシ。魔境群馬みたいで笑った。
あれの発射シーンのCGの素晴らしさと迎撃するあれのCGの素晴らしさ。
見せるべき物をちゃんと見せるという意味では『ゴジラ-1.0』にも負けないVFXだった。ああいうシーンでオモチャと分かるようなチャチな絵ではいけない(逆手に取るやり方もあるが)。「おお、やっとるやっとる」と唸ったがな。あの辺のCGの繋ぎと田んぼアートが違和感ないの偉い。田んぼアートもCGだったりして。トビタは怪しいが鹿はCGだろう。ユリヤン・レトリバアもあれくらいいそうであるが、多分あんなにいっぱいいる訳ではあるまい。
池袋も笑った。あんな狭い場所に東武も西武も詰め込んで。埼玉の土地パース的には池袋はあんなんなのかもしれん。
現代パートのアキラ100%、和久井映見、朝日奈央の普通な感じは好感持てる。朝日奈央なんてあのラストのドタバタシーンとか普通に演技上手い。アキラ100%にお盆を渡してあげるのも優しい。小者をやらせると抜群にはまるアキラ100%。多分、お盆の下も小者だと思う。そんな小者と仲睦まじくも絶対主導権を握ってるであろう和久井映見のお年を召しても可愛らしい事。エンドロールテロップだとこっちが「現代パート」、「菅田将暉」は現代とちゃうんけ? 
てな訳で「現代パートじゃないパート」、富裕層はみんな白塗りでアイラインやアイシャドウが地下演劇の様に塗りたくられている。テカテカラメラメ。貧乏人は江戸時代のようにアース・カラー。感覚的に昭和初期だが時代劇の百姓の衣装そのままだが、何となく見れてしまう。囚人服がズタ袋というのは卓越した悪いセンス。なかなかあーまで貧乏にはできん。この過剰な乗りが好き。
GACKT、二階堂ふみの既出コンビは前回と変わらず。ちゃんと魔夜峰央のマンガのキャラっぽいの凄いよなあ。
杏と片岡愛之助、やりすぎ感が口摘まんで鼻からコーラ注ぎ込んだような狂った世界観の中でバランス取れてて程よい。杏の他の映画と変わらない、それ以上の熱演が映画の嘘を確実に成り立たせていた。真面目にやるのはいい事だ。片岡愛之助は踊るのよいよい。京都川崎麻世なのね。山村紅葉に負けとる。天童よしみ一節でも歌わんと。藤原紀香はいい使い道だよなあ。先代大阪府知事がハイヒールモモコらしいが一瞬で分からん。杏は男役なのだろうが、もう、男でも女でもどうでもいい。「煮るなり焼くなり抱くなり」はよいなあ。剥いてみたい。藤原紀香は実はいい人なのだと思うけど、剥いてみたいとは思わせない。でも、二階堂ふみもこの映画では剥いてみたいとか思わせないから、そんなに悲観する事もないか。

しかし、こんなんは世界に持っていっても受けんだろうなあ。ベースの知識がそこそこ必要。だから、前作のただただ理不尽に埼玉がディスられている構図とは別に、大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀などの県ごとの特性が分かっている方が楽しめる。

エンドロール流れる中、漫才って新しい。

とびた、偉かったよ。


【銭】
イオンシネマは55歳からシニア扱いで1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて@或る日の出来事
▼関連記事。
翔んで埼玉(前作)@死屍累々映画日記・第二章

『ザ・キラー』ヒューマントラストシネマ渋谷3

◆『ザ・キラー』ヒューマントラストシネマ渋谷3

▲銃を撃つ姿勢の安定さが正しい。

五つ星評価で【★★★★常に自問自答し続ける主人公が好き】
ツイッターでの最初の感想(↓)

天才型ではない秀才型の殺し屋が危機を対処し続ける。日本人はこのタイプの主人公好きだろう。綿棒みたいな女がなるほど綿棒だ。

自分の行動を常に抑制しながら最良の手を探す主人公が「器用なタイプに見えない」ので、強いシンパシーを感じる。一つ一つ着実に物事を進める。失敗失跡は取り返す。たいそうに事務的。『ジョン・ウィック』と対照的だが、「伝説の殺し屋」という伝説の為に、無敵がエスカレートしすぎた『ジョン・ウィック』より、地道に社会に溶け込んで淡々と人を殺す『ザ・キラー』の佇まいの方が好ましく思える。殺される方から見たら変わらないかもしれないが。殺し屋がスターな映画も面白いけど、リアリティーは低い。リアリティーが高ければいいというものでもないけど、あまり低いのもどうかと思う。

主人公は映画内で5、6人の人間を殺すのだが、対同業者戦が熾烈を極めるのがやはり良い。
ドカンドカンバカンバカン破壊しまくるマッチョと人生観を戦わせる綿棒の女。綿棒の女の食えない感よし。ティルダ・スウィントンって変なキャラがよくり似合う。ちょっと昔だったらシャーロット・ランプリングがキャスティングされそう。

ある意味、機械の様に殺戮する。殺戮に際し、最良の手段を考え続けるという意味で、『ゴブリン・スレイヤー』にも似てる。


【銭】
テアトル会員割引+曜日割引で1200円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ザ・キラー@映画.com

『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』イオンシネマシアタス調布4

◆『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』イオンシネマシアタス調布4

▲かなり重要なシーン。

五つ星評価で【★★★さっぱり分からん。頭のいい映画】
まあ、よう分からん。
にしても、今、日本で作られるアニメの中で最高に頭のいいクリエイター達によって作られた物語である事は間違いない。客としての私が付いていけないという事だろう。最高峰に付いていけないのはしょうがない。
世界中にポストヒューマンと呼ばれる現人類を脅かす存在が現れ、その存在を米帝と日本の公安9課が追うと言うのが前回の粗筋。
今回はそのポストヒューマン出現の謎や、ポストヒューマンが目指す新社会に向けての争いが描かれるのだが、目指す新社会が今一つ理想に思えない。エヴァンゲリオンの全ての物が一つの「人類」という規格に統一され、軋轢がないように夢を見ながら生きるという「哲学概念」のような世界が提示されるのだが、これがとても素晴らしい世界には見えない。エヴァンゲリオン+大人帝国+マトリックス? 

ポストヒューマンと戦うのに自閉モードというのを使う事も分かった。シェアされている視覚データを外し、自己ボディーが取得した視覚を使う。割と大した事がない技術だった。

江崎プリンが思った以上に大事な役で驚いた。


【銭】
番組特別価格1900円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間@映画.com

『ザ・クリエイター 創造者』トーホーシネマズ新宿11

◆『ザ・クリエイター 創造者』トーホーシネマズ新宿11

▲ジョシュアと高見沢俊彦、坂崎幸之助、桜井 賢を含む物。

五つ星評価で【★★★よいSFに酔う】
AIと人間の戦争。ロボット三原則を入れておけよ、と思わなくもないが、警察官はともかく、軍人として作成されたりするからそうはいかないのか。

他国だろうが何だろうがドローンを飛ばして、自分達の脅威を排除しまくるアメリカを否定する映画。
主人公はアメリカで、対戦国はアジアとされているが、対アラブだとメッセージがリアルすぎて娯楽を損なうから対アジアにしたのかもしれない。対アジアだとベース宗教が仏教だからというのもある。対戦国をアラブに変えて、現地のイスラムやクリスチャンがバンバン殺されるのはちょっと刺激が強すぎるだろう。

主人公は戦争で失ったボディーを義足義手で補っている。半機械だがそこに疑問は持たない。身体の一部や全部が機械であっても、脳が人間なら人間だ。「すごーい、ジェミーはロボットなのね」と護衛対象の少女に言われて落ち込む『バイオニック・ジェミー』も今は昔。その「脳が人間なら人間だ」という考えを揺さぶるのが少女のAI「アルフィー」。一見少女だが、内部に高見沢俊彦、坂崎幸之助、桜井 賢を含む。嘘です。もう一つ強力なギミックがあって、死者の脳情報をすっきりコピーしまくる機械が出てくる。その機械により抜き出された情報を移植されたロボットは果たして人間なのか、機械なのか。思考実験としてとても面白い。

人間側で主人公を追い詰める女軍人が食えない奴で良い。

渡辺謙の役はおいしい。


【銭】
トーホーシネマズのメンバーズデーで1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ザ・クリエイター 創造者@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
ザ・クリエイター 創造者@ノラネコの呑んで観るシネマ

『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』ヒューマントラストシネマ渋谷1

◆『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』ヒューマントラストシネマ渋谷1

▲電子モアレ盛り盛り増し増し。

五つ星評価で【★★★★何か分からんけどおもろくて疑問は残るが、それはそれでよし】
ツイッターでの最初の感想(↓)

新作かと思ったら新作公開前のアンコール上映だった。ほぼ忘れてたから丁度いい。バリバリオタク狙いキャラのプリンちゃんは好き。

と言う訳で、2回目。初見は公開時の2021年だが、その際に感想は書き漏らした。
タチコマや江崎プリンの宛て声が素晴らしく軟弱で、好み。
江崎プリンはあんな美脚で、才能溢れているのに、感情ダダ洩れで、制御しやすそうな童顔巨乳、要はやらせてくれる女フラグの塊なので、ごくごく普通にオタクはそういうの好き。みんな優しさに飢えている。その優しさとか「やらせてくれる感」が計算された物であっても、分かってて好きになる。ちくしょう。
「持続可能戦争」という人を食ったタイトルもなかなかグー。
ほぼ全ての人々が身体を義体に移し、精神を電脳世界と常にコネクトしている近未来。人類に拮抗する「ポスト・ヒューマン」が現れる。「ポスト・ヒューマン」は電脳世界のエキスパートであり、デジタル世界の中であらゆるデータを手足の様に自在に扱える。デジタライズ処置を施された人間しかいないという前提の世界では無敵と言っていい。彼等が勝てない存在は野生の存在。もっと極端に言ってしまえば「熊」や「ライオン」のような猛獣に対しては単体レベルでは負ける。ただ、電子部品を内包している機械は全て制御できるのだから、カッチリ防御を押さえておけば、普通の人間よりは強い。
高度に発達した技術は傍目には魔法にしか見えない。なので、「ポスト・ヒューマン」は義体持ちから見てオカルトのように描写される。うむ、怖い。
しかし、少佐がボクサー崩れに勝ってしまうのは理由が明確じゃないから「ん?」とか頭が一時停止した。「ポスト・ヒューマン」が自らを隠蔽するために使用している技術が視覚に特化しているので、近接戦では聴覚、体熱、動く空気などが伝わってくるという事だろうか。体熱や空気の動きなどはアナログな体では皮膚から情報を取得するが、全身義体の少佐のボディーにそこまで人間同様の機能があるとは思えない(そこまで再現する必要はない)。ただ、身体全体ではなく、例えば掌底部などに温冷のセンサーが付いている事などはありそうだ。対圧センサーなども同様。なら、ボクサー崩れがするのは義体の全センサー内容と脳の通信の遮断だろう。見えなくする事が可能なら、聞こえなくも、感じなくもさせられる筈だ。それって『ジョニーは戦場に行った』の帰還兵ジョニーみたいで、とても怖い。

新作での江崎プリンちゃんのあられもない感情露出ボイスを楽しみにしたい。

「攻殻機動隊」を「甲殻機動隊」とつい書いてしまって困る。


【銭】
番組特別価格1900円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争@映画.com

銀魂関連記事リンク▼

▼関連記事(銀魂関係)。
①・アニメ劇場版 銀魂 新訳紅桜篇(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
②・アニメ劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
③・アニメ劇場版 銀魂 新訳紅桜篇(2回目)+劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
④・実写銀魂(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
⑤・実写銀魂(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
⑥・実写銀魂2 掟は破るためにこそある@死屍累々映画日記・第二章
⑦・アニメ銀魂 THE FINAL@死屍累々映画日記・第二章
⑧・アニメ銀魂オンシアター2D バラガキ篇@死屍累々映画日記・第二章

『マーベルズ』ユナイテッドシネマ豊洲1

◆『マーベルズ』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲それぞれのコスチュームの質感が素晴らしい。

五つ星評価で【★★やはり雑い】
何でも監督が映画に初登場のキャラクターもいるけど初見の人でも大丈夫と豪語したらしい。大丈夫じゃないよ。ちょっと身贔屓だろう、それは。映画を作る側はドップリ物語の中に浸かりながら作るから、その物語に初見の観客が自分達と違ってドップリ物語に浸かっていないのを失念している。位置を見誤ってるとしか思えない。
キャプテン・マーベルとニック・フューリーと猫もどきは分かる。分かるけど、知っているというだけであって、本当に分かっているのかと言われれば心もとない。オリジナルとなる映画である『キャプテン・マーベル』は4年も前の映画で、もう内容がうっすら状態だ。敵役もその遺恨も分からない。敵とキャプテン・マーベルの遺恨については提示されるけど、実際、何があったのか分からないのでその遺恨が正当か逆恨みかも分からず、話に乗りにくい。マーベルズの他の二人は分からない。それぞれベースになる配信ドラマがあるらしい。でも、それは「ウルトラマン」の映画を見に行ったら「突撃ヒューマン」と「流星人間ゾーン」が助太刀に来たようなもので豪華かもしれないが「単に押し切ってしまえば勝ち」みたいに見えてしまう。敵も味方も、戦う理由も、説明不足なので、気持ちが乗らない。それぞれがそれぞれの物語を持っているのだろうが、それが思いっきり省略されているので、ともかく近くにいる三人が全員ヒーローだったので力を合わせて、難癖を付ける恨む人達を退けました、みたいになってしまっている。難癖を付ける恨む人達と敵対する人達がいて、どちらがパレスチナで、どちらがイスラエルかが分からない。
ミズ・マーベルの腕輪とダー・ベンの腕輪が対になっているけど、その出自も分からないし、マーベルズの三人が入れ替わるのも、入れ替わりがなくなるのも、不思議な事が起こってるとしか言えない。説明しろよ。

主役のキャプテン・マーベルことフリー・ラーソンの存在感は抜群。
黒アフロモニカ・ランボーのテヨナ・パリスはベースの物語を見ていないのでどんな人か、その人となりが分からなかった。立派な人なんだろうなあ程度。
マーベルズ最年少のミズ・マーベル(=カマラ・カーン)のイマン・ベラーニは最大の共感キャラとして、観客との温度差を埋める位置付けの役なのだが、ジャングルポケット斉藤慎二に顔と演技の張り方がソックリと思ってしまったら好きじゃなくなってしまった。絵がうるさいのよ。

▲「はーーーーーい」と言いそう。

悪役のダー・ベンのゾーイ・アシュトンは良い貫録だったが、いかんせん彼女をキャプテン・マーベル憎しと駆り立てる原動力が明確でないので、映画内でとても損している。

▲ゾーイ・アシュトン、安藤玉恵に似てる気がする。

エンドロール後に上がる二つのミニ予告も個人的にはワクワクすると言うより疲れた。
まだ手を広げようというの?
「友達の友達は友達だ」みたいにヒーロー同士をリンクするのは、後から大集合的な物語への布石なのだろうが、そういう話とは別に、独立して語られる話に魅力がないと客は離れていくと思う。


【銭】
ユナイテッドシネマのメンバーポイント2ポイントを使った割引で1000円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
マーベルズ@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
マーベルズ@或る日の出来事
マーベルズ@徒然なるままに
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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