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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『生きてるものはいないのか』をユーロスペース2で観て、悪くはないけどどうしたもんかなふじき★★★

五つ星評価で【★★★つまんなくはないけど、もっと面白く出来たみたいな物足りなさ】

問題点をあっさり言いきってしまうと、
エピソードが羅列してるだけで、話の幹がない。
ただ、話の幹がとんでもない物であったばかりに
逆転負けしちゃうような映画もあるので、
これはこれで無難な出来かも知れない。
そして、エピソードを羅列して幹をなくした事こそが
この映画のテーマであったようにも思える。

各々のキャラクターに対して「死」が発生する。
それは集中的に発生するだけで、個人に対しても社会に対しても解決しない。
「死」その物が何によって起因するかすら明確にならない。
なので「死」は単に「概念」になり、哲学っぽい映画になってしまわざるをえない。
まあ、それはそれでいいんじゃないか、と思う。
でも、哲学な筈なのに、表層ばっかりで、
答にたいする真剣な要求や回答が見られないので、やはり哲学っぽくもない。
結局、これは単なる「死」のショーケースの羅列であって、
そこで重要視されるのは、「死」に上下がない事だろう。
「死に上下がない」というと哲学っぽいが、
実は、人間機械論みたいな人間の価値の解体であるので、
人間が何者であるかを求めたがる哲学とは正反対かもしれない。

そして、各個人が等しく価値がない(人生の成果を得られない)
とする事は、誰もが一番、認めたくない事かもしれない。
誰もが自分に程度の差こそはあれ、価値があると思っていたいものだ。
でも、「死」は等しく価値があろうがなかろうが収穫される。

それでも、悲しくならない。
悲しくなるほど、その個人に映画は張っ付いていないから。

考えると不思議な映画だ。
・・・考えるという事が、この映画に負けているという事なのかもしれない。
まあ、負けてもいいんだけど。

って事で冒頭から高橋真唯ちゃんが出てくるのは気持ちいいな。
最近、あまり見かけない気がするけど、はっきりした顔立ちが好きだ。
出来れば『妖怪大戦争』のあのメイクで出てきて、素知らぬ顔で
都市伝説を語ってもらいたかったが、まあ、無理は言うまい。

そして、あまりにも正しく美しい高梨臨ちゃんと、
適当に正しくない男女二人の三角関係パート。
このパートが一番好きだ。
別に誰も死ななくてもいいから、
このパートだけ見せてもらっても面白かったんじゃないだろうか。
言葉感覚が一番、冴えてた気がする。

渋川清彦と村上淳は学生と異なるコミュニケーション感覚を持つ者の代表だ。
(この二人と親以外は基本的にみんな大学で日常を過ごすモラトリアム者)
これを一人にしてしまって、一通り、他の学生と全部、
ぶつけてみたりした方が面白かった気がする。
今回はどこか「いかがわしげ」な渋川清彦の笑顔がいい。

あと、謎のテープの芹澤興人。あの歌を聞きながら死ぬのは嫌だな。

うん、でも、せっかくの10年ぶりの石井監督の新作なのだから
「ズバン!」と来る映画が観たかった。


【銭】
ユーロスペース会員割引で1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
生きてるものはいないのか@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
生きてるものはいないのか@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
生きてるものはいないのか@LoveCINEMAS調布
生きてるものはいないのか@映画的・絵画的・音楽的

PS ユーロスペース1より、ユーロスペース2の方が好き。
PS2 異能のマンガ家、高橋葉介の『墓掘りサム』を
 ちょっと思い出したりもした。
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