フィルムセンターの企画「ロードショーとスクリーン・ブームを呼んだ外国映画」の一本。
アルジェントらしい。
実にアルジェントらしい。
アルジェントの映画って話が分からんなあ。
AのシーンとBのシーンが繋がってる理由をじっくり説明してもらわんと理解できない。映画観てる時にじっくり説明されてもウザイから分からんまんまでいいんだけど、結論、話があってもなくてもアルジェントの映画は面白いのだ。
って事で筋は分かったような、分からんような。
「お前、バカか」という意見はあえて無視する。
でも、カットカットのアングル、絵としての作り込み、
音を入れた時の漠然とチープなのに、どうしようもなく押し寄せて来る感じ。
いいわあ。
何か、夏の夜道で蛙と蛇のSEXを見せられたような、感情が脳内に渦巻く感覚。
そういう感覚がアルジェント映画の楽しみだろう。お、俺だけっすか?
ドラッグ・ムービーなんだろうなあ。
多分、アルジェントはそんな事、何も考えていないと思うけど、自分が好きな事を追求したら簡単に芸術映画に片足突っ込んじゃった、みたいな。なので、つまらないアルジェント映画というのは、やはり筋がどうこうではなく、映画の中の重要なシーン(主に殺害シーン)が脳に響いてこない、そこじゃないだろうか。
で、今作はビンビン来る。
度々様々に現れる死のイコン。
何故、現われたかが分からないのに観客の脳に大きなダメージを与える自動人形。
変な死が鬱積してるかのような南国植物の廃家屋。
そして、ゴブリンのBGMが荘厳なのにチープに響く。
ああ、気持ちいい。
あ、一応2回目の筈だが、カットカット覚えていても全体はすっかり忘れていた。
「お前、バカか」という意見はあえて無視する。
偉い教授が執拗に家具の角で攻撃されるシーンを見て、
アルジェントは「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ」を知らないだろうになあ、
と思った。いや、知ってても知ってなくても偉い。
あの教授が見つけたヒント文字、結局何たったんだろうなあ。
【銭】
フィルムセンター、特別協賛価格1000円(普段の興行はもっと安い)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・サスペリア PART2 紅い深淵@ぴあ映画生活
PS あと、10分、上映時間が長かったら、
犯人はゲイ青年に変わったんじゃないかと思うくらい筋がどうでもいい。
私の嫌いなアガサ・クリスティも筋がどうでもいい映画で作られるけど、
あれは筋を見せる映画にしなくちゃいけないから、それではダメなのだ。
PS2 「約束です! 決して、ひとりでは見ないで下さい……」
2回とも約束を破ってごめんなさい。
スポンサーサイト