ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『1/11 じゅういちぶんのいち』をシネ・リーブル池袋1で観ておまいらもキラキラ輝けふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★なんてちゃんとしているんだろう】
原作マンガ未読。

片岡翔監督の作品は評判のいい自主映画として機会は少ないが、ちょっとだけ出会っている。それらは全て短編であるが、強力なファン層を自主映画時代から持っており、そのファンの人たちが今回も太鼓判を押していたので、映画の出来に関しては実際、心配していなかった。心配しているとすれば、観れるかどうかだ。制作費の小さな映画を長期間かけてくれるほど、今の映画興行は親切でない。出来の良し悪しなんて関係がないのだ。

って事で、公開終了ギリギリにどうにか間に合った。
4週興行、最終週は一日一回まで回数が減ったが、
それでもGW終わりまで掛けてくれた映画館に感謝したい。

事前知識はほぼゼロ。
マンガ原作で、サッカーで、主役の二人はイケメンと声優、これくらいかな。

へー。
そう来るんか。
サッカーだけど、サッカーで語らない、というのは意外で新鮮。
カットカットの絵が本当、映画っぽい。
こういう映画っぽい絵を撮れる人がいないんだよな、今、あんまり。
ファーストカットから映画を観た気がする。空気が映画だから。
そして、群像劇だ。いっぱい人が出てるのに整理が適格だ。
撮る人間、撮らない人間をちゃんと選別している。潔いな。

男は3人、主人公、元野球部、元演劇部。
女は1人、マネージャー。
ナデシコと写真少女、演劇部部員は今回の映画では上の4人を
浮かび上がらせるための存在だと思う。

映画で語られるのは動機だ。
何故、みんなつらい思いをしてまでサッカーをやるのか。

主人公は勝てないサッカーに不満があったが、
勝てなければ勝つ工夫や努力を続ければいい事に気が付く。
天分に頼った近道がない事を自覚した彼は
今、サッカーが面白くてたまらない。

元野球部は自己確立のためサッカーをする。
彼は努力で自己を満たすタイプだ。
努力の結果が彼自身を作る。
だから、努力なしに物事が進むことを恐れている。
努力をしても何も認められない事も恐れている。
だから、彼は努力を見つめてくれる存在さえいれば満足だ。
自分自身がワーカーホリックなので、こいつに一番自己投影した。

元演劇部は自分の居場所を探している。
演劇部に居場所を求めたが、演劇部が提供したのは逃げ場所だ。
彼が彼を変えたくても、
彼自身が自分をさらけ出せない場所では彼は変わらない。
彼は自分自身を出せる居場所としてサッカー部に移り満足する。

マネージャーの彼女は主人公やチームを支えたい。
全体の中の一部になり、全体が機能する事が彼女の自己実現だ。
これは女性の共同体に対する共通的な姿勢なので、
男女がまだ未分化である少年少女や、彼女の母親とは気持ちを共有できるが、
共同体の一員より突出したオスてある事を第一義に考える彼女の父親には
理解は難しい。

みんな、それぞれまちまちの理由や目的を持っているが、
それが同じである必要はない。
理由はそれぞれ違うかもしれないが、
それぞれの個性が一つの場所で、それぞれ触れ合う化学変化が大切である。
その化学変化が起こる試合の直前で物語は終わる。
何者でもない彼らが何者になろうとする可能性の初めの一瞬で映画を停める。
潔いなあ。
そこに書かれない事によって、彼らの未来は無限大の可能性を持つ。
そういう映画なのだろう。

という解釈は多分、読み込みすぎかな。

彼ら4人と、写真少女、ナデシコ、演劇部部長、演劇部部員(女)が、
それぞれ混同なく、別々の人間としてちゃんと描かれているのは
キャラクターへの愛情を強く感じる。
これは、脚本・監督兼任の強みだろう。
彼ら高校生役の役者のほとんどの顔や名前を知らない。
それくらいの知名度の役者で、それぞれの役柄を引き出せてるのは凄い。

主役の池岡亮介の顔立ちは写真見て何か嫌いだったのだが、
映画では苦手意識がなくなった。
ナデシコの竹富聖花はあの足にやられる。キショー。
でも、出番は少ないのね。

あと、マネージャー父ちゃんの鈴木一真、
高卒で就職が上手くいかず、
『図書館戦争』のテロリストやってると思ったら、ちょっと泣けた。
そら、「部活なんか……」と言うよなあ(おいおい)。

画面の色合いで気になったのは、
サッカーや野球の練習シーンが主に夜だった事だ。
主人公の部員募集が昼時間なので、
練習時間をわざと夜にしたのかもしれないが、
高校生活の中で部活等に励む人間の、
もっとも活動している長い時間はダラダラした空気が満ちる
放課後から夕方までだと思うので、ちょっと違和感を感じた。
でも、自分自身が体育会系人間ではなかったから、類推でしかないけど。

若い人はこれ見て、何でもやれ。
おら、年寄りだから、これ見てノスタルジーこじらすよ。
年寄りはおらといっしょにノスタルジーさ、こじらすといいだよ。


【銭】
テアトル会員更新時に貰った無料招待券使用。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
1/11 じゅういちぶんのいち@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
1/11 じゅういちぶんのいち@我想一個人映画美的女人blog
1/11 じゅういちぶんのいち@SGA屋物語紹介所
1/11 じゅういちぶんのいち@ノラネコの呑んで観るシネマ
1/11 じゅういちぶんのいち@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
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